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きっかけ
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時が過ぎるのも早く立花センセイが来てから早1週間が経とうとしていた。
「はーい。みなさん、もう私が言ったことなどお忘れでしょうが!進路希望を書いてもらうよ!」
高らかに流花ちゃん先生が可愛らしく時として残酷に告げた。やばい、まともに考えてない。焦る私に奏も頭を抱えていた。
「やだよぉー。まだ、進路とか考えたくないよ!」
わかる。すっごくわかる。進路とかボイコットしたい。みんなが嘆いているとひと声
「もう!みんな遅かれ早かれ通る道なんだから。プリント配るから後ろに回してねー。後、このクラスは2段階に分けて進路希望の面談をするよ!私と立花センセイの二人でお得だぞー。現役の大学生活も聞けちゃうんだから。」
その言葉に沈みかけていた私の気持ちが
驚きと戸惑いで複雑なまま反応した。
「前もって考えているハズだから立花センセイの期間も考慮して2日後で面談します。」
言い切った。意外に早い。流花ちゃんの鬼
それにしてもどうしようかな。
特にやりたい事もないけど、就職とか想像できない。
‥‥
色々な感情がありつつもとうとう面談の日になった。がらっと戸を開けると予告通り
立花センセイが座っていた。
「じゃあ、香坂さん進路相談しようか。
別に緊張しなくてもいいからね。ただの
世間話するようなかんじだから」
あまりにも自然に笑う立花センセイに
ついこちらもふにゃと笑ってしまった。
表情筋、今だけ死んでくれ。ふと、千鶴先生に言われた恋煩いという言葉を思い出し
急に頰をつねた私に立花センセイはきょとんとしていた。
「えっと、俺も変顔した方がよかったりする?」
違うんです。変顔じゃないんです。
己との戦いです。自分でもよくわからず
早口で告げた。
「うん。じゃあ、気を取り直して始めるね
香坂さんまず、事前に集めた希望だけど
白紙のままなのはなんで?」
冷静さを少し取り戻した私は質問に対して
「だって、まだ進路とかわからないですし
今以外の自分が全然想像できなくって…。
どちらかというと大学には行きたいですけど、妥協ってどうなのかな。とか色々です。」
自分でも情けないくらい弱気になっていた
「うーん。その気持ちはわかるよ。
俺も実は大学に進もうとかそんな事は考えていなかった。逆に就職も視野に入れてなかったから、香坂さんがどう思っているかはわからないけど結構テキトーだった。
けど、俺には好きなことがあったから他に
何かを選ぶとしたらその道が大学だったんだ。」
「立花さんの何かってなんですか」
「俺にとっての何かは誰かに何かを伝えて一緒に最後まで理解していくこと。独特な言い回し方になっちゃってるけど、簡潔に言うと人に教える事が好きでその好きなことを仕事にできたら。って思ったんだ。読書は好きだし短期で家庭教師をやった事が最大のきっかけだね。自分が教えていた子が点数が上がった!って喜んでくれてた時は俺も嬉しかったからね。意外と本当に些細な事が大きなきっかけになったりするから。香坂さんは?何かあるかな。」
立花さんの実体験を聞いて私はそれなら
大学生になってから進路を決めるのは逃げになってしまうのでは。と思ってしまった
こんなにも夢に向かって現実的な立花さんと比べると惨めにもなってきた。
黙っている私に立花さんは続けて言ってきた。
「香坂さんは考えすぎな部分があるのかもね。あれから天音凌の本は読んでる?」
急に話題を変えられて明らかに気を使わせてしまったと思いながらも私は口を開いた
「読んでます。いつもよりはゆっくりですけど、それでも大好きな作家なので大切に読んでいます。」
「そっか。俺もまだ読み途中だけど今度
感想を言い合えたらいいね。」
立花さんが、笑うとこっちまでつい笑みが溢れてしまう。この時の私にはまだ名前の知らないくすぐったい感情だった。
「はーい。みなさん、もう私が言ったことなどお忘れでしょうが!進路希望を書いてもらうよ!」
高らかに流花ちゃん先生が可愛らしく時として残酷に告げた。やばい、まともに考えてない。焦る私に奏も頭を抱えていた。
「やだよぉー。まだ、進路とか考えたくないよ!」
わかる。すっごくわかる。進路とかボイコットしたい。みんなが嘆いているとひと声
「もう!みんな遅かれ早かれ通る道なんだから。プリント配るから後ろに回してねー。後、このクラスは2段階に分けて進路希望の面談をするよ!私と立花センセイの二人でお得だぞー。現役の大学生活も聞けちゃうんだから。」
その言葉に沈みかけていた私の気持ちが
驚きと戸惑いで複雑なまま反応した。
「前もって考えているハズだから立花センセイの期間も考慮して2日後で面談します。」
言い切った。意外に早い。流花ちゃんの鬼
それにしてもどうしようかな。
特にやりたい事もないけど、就職とか想像できない。
‥‥
色々な感情がありつつもとうとう面談の日になった。がらっと戸を開けると予告通り
立花センセイが座っていた。
「じゃあ、香坂さん進路相談しようか。
別に緊張しなくてもいいからね。ただの
世間話するようなかんじだから」
あまりにも自然に笑う立花センセイに
ついこちらもふにゃと笑ってしまった。
表情筋、今だけ死んでくれ。ふと、千鶴先生に言われた恋煩いという言葉を思い出し
急に頰をつねた私に立花センセイはきょとんとしていた。
「えっと、俺も変顔した方がよかったりする?」
違うんです。変顔じゃないんです。
己との戦いです。自分でもよくわからず
早口で告げた。
「うん。じゃあ、気を取り直して始めるね
香坂さんまず、事前に集めた希望だけど
白紙のままなのはなんで?」
冷静さを少し取り戻した私は質問に対して
「だって、まだ進路とかわからないですし
今以外の自分が全然想像できなくって…。
どちらかというと大学には行きたいですけど、妥協ってどうなのかな。とか色々です。」
自分でも情けないくらい弱気になっていた
「うーん。その気持ちはわかるよ。
俺も実は大学に進もうとかそんな事は考えていなかった。逆に就職も視野に入れてなかったから、香坂さんがどう思っているかはわからないけど結構テキトーだった。
けど、俺には好きなことがあったから他に
何かを選ぶとしたらその道が大学だったんだ。」
「立花さんの何かってなんですか」
「俺にとっての何かは誰かに何かを伝えて一緒に最後まで理解していくこと。独特な言い回し方になっちゃってるけど、簡潔に言うと人に教える事が好きでその好きなことを仕事にできたら。って思ったんだ。読書は好きだし短期で家庭教師をやった事が最大のきっかけだね。自分が教えていた子が点数が上がった!って喜んでくれてた時は俺も嬉しかったからね。意外と本当に些細な事が大きなきっかけになったりするから。香坂さんは?何かあるかな。」
立花さんの実体験を聞いて私はそれなら
大学生になってから進路を決めるのは逃げになってしまうのでは。と思ってしまった
こんなにも夢に向かって現実的な立花さんと比べると惨めにもなってきた。
黙っている私に立花さんは続けて言ってきた。
「香坂さんは考えすぎな部分があるのかもね。あれから天音凌の本は読んでる?」
急に話題を変えられて明らかに気を使わせてしまったと思いながらも私は口を開いた
「読んでます。いつもよりはゆっくりですけど、それでも大好きな作家なので大切に読んでいます。」
「そっか。俺もまだ読み途中だけど今度
感想を言い合えたらいいね。」
立花さんが、笑うとこっちまでつい笑みが溢れてしまう。この時の私にはまだ名前の知らないくすぐったい感情だった。
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