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戸惑い
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教室では通常通りに授業が行われている
最早、全然頭に内容がいつも以上に入ってこない!何故だろう。それは彼のせいだ。
あれから、すぐに流花センセイと一緒に
他クラスにも挨拶周りにいってくるねー。と流花センセイに半ば無理矢理に連れていかられた立花さん。
目の前にあの時の彼がいるのに話しかけられないでいる。こんなに乙女脳だったけ。
これが黒田先生との出会いとかだったら
あー、あの人か。とかで終わってたんだろうな。
‥‥
「香坂さん、後でみんなのノートを準備室に持ってきてもらってもいいかしら?」
英語科担当の山寺千鶴先生。私は英語科担当だったため、たまに雑用を任される。
「わかりました。放課後まででいいですか。」
「ええ、じゃあ放課後までに持ってきてね」
いい先生なんだが、関わる先生が殆どクセのある先生のため今のところ千鶴先生が一番落ち着く。
「千鶴先生って何気に慈雨に雑用頼んだりするよねー。嫌になったりしないの?」
「千鶴先生は結構話しやすい先生だから
負担にはならないし寧ろ好きな先生だよ」
ちなみに奏は黒田先生の国語科担当だった
しかも、最初の性格がなにもわからずただ
面食いなために選んでしまったために後で
イケメンなのに何か違うぅー。と言っていたのは今では懐かしい。
‥‥
キーンコーンカンコーン
放課後の音が鳴り響いた。
「じゃあ、私は千鶴先生のところに行くから。奏、また明日ね。」
「うん。また明日ね慈雨!」
2階の教室から3階の英語科準備室に向かう。さすがにクラス全員分は腕に堪えるな
と思いながら目的地へと歩みを進めていく
すると、俄然のノートが半分に減った。
えっ、マジック?なんで?と疑問に思い咄嗟のことに立ち止まっていると上から声がした。
「お疲れ様。俺も持つの手伝うよ。
どこまでノート運ぶの?」
首を少し上に向けると噂の教育自習生の彼がいた。
「ありがとうございます。立花センセイ」
少し悪戯っぽく笑ってみた。
「どういたしまして、香坂慈雨さん。」
フルネームで呼ばれて内心喜んでしまった
悟られないように英語科準備室までです。
と簡潔に伝えてしまった。まだ、学校の作りも把握しきれていない立花さんに意地悪をしてしまったと思い言い直そうとしたが
スタスタと歩いている。
あれ、と疑問に思っていると此方に声をかけようと思ったのか振り返った立花さんのポケットからなにかが落ちた。
「あ、ごめん。拾ってもらってもいい?」
大半を立花さんが運んでくれているため私は片手にノートを乗せてその落ちたものを
拾った。それは、校内を小さくメモした紙切れだった。なるほど。だから、すぐに場所がわかったのかと一人納得していると、
「拾ってくれてありがとう。
まじまじと見られると照れるね。
フツーに話してるけど俺のこと覚えてたみたいで嬉しいよ。」
突然、不意打ちで告げられて驚いた。
さっきの言葉で彼には私が彼の事を覚えていることが完璧に伝わっていたらしい。
その後は無言で特に言葉を交わす事なく英語科準備室を目指した
‥‥
「失礼します。千鶴先生、ノート持ってきましたよー。」
準備室を開けると千鶴先生は紅茶を飲んでいたのかふわりと花の香りがした。
「お疲れ様、ありがとう。
香坂さんも紅茶飲む?と、思ったけど
立花さんも一緒だったのね。」
立花センセイを見ると千鶴先生はどこか
少しほんの一瞬だけ鋭い目つきになった。
「校内を探索していたら香坂さんが沢山のノートを持っていたので微力ながら手助けをしただけですので。私は戻りますね。」
事務的に伝えた立花センセイはまたね。と
私に告げて来た道へと戻っていた。
「香坂さん、こっちにきて。」
珍しく千鶴先生から再び声がかかった。
「どうしたんですか。珍しいですね
先生からのお誘いなんて。」
「たまには、二人もいいでしょ。
ところで、貴方たちのクラスに立花センセイが臨時の副担任としての立場であらわれたけど、香坂さん的にはどうなの。」
あれ、まさかの恋話を求められているのか
あの千鶴先生から?資産家の娘とか不思議な噂を聞くけど面倒見がいい優しい先生だから恋話に興味があるのだと今更ながらの再発見だ。
「えーっと、イケメンでカッコいいセンセイだと思いますよ。みんなからの反応もいいし、実際に授業もわかりやいから顔よし要領よし、一石二鳥じゃん。ってみんなから早くも慕われてますよ。」
と、近況報告を伝えてみたがどうやら千鶴先生が聞きたかったことは違ったらしく、
腕を組んで再度違う聞き方をしてきた。
「和泉先生から言われたの。
いつも何事にも同時ない香坂さんが立花くんを見た途端に思考回路がショートしたみたいに固まっちゃったー。って和泉先生から聞かされたの。意外と目敏いのよ和泉先生って。立花センセイとあったりするの?彼は教育自習生で来たけど何かあるなら話してほしいのよ。」
まさかの流花ちゃん探偵なのか!
思っていたよりも私がわかりやすいのか…
一連の経緯を説明し終えた私に千鶴先生は
「実は…九条さんからも香坂さんが悩んでるから話をきいてほしい。って頼まれていたのよ。まさかの恋煩いとは驚いたけどね」
「え、ちょっとまって!
恋煩いってなに!?ただ偶然に知り合った人が近くにいる。ってだけですよ、恋とかまだわかんないし…。」
小さく縮こまる私の反応に珍しく声を出して千鶴先生は笑った。それは、もう普段の上品さが消え失せてしまうほどに…。
「あー、もう慈雨ちゃん!かわいい!」
え、本当にキャラどうしたの。
「九条さんには悩みを聞いたことだけ伝えるわね。香坂さんから実際に聞きたいだろうから野暮なことはしないわ。」
その後は普段の口調に戻った千鶴先生と
紅茶を飲んで準備室を出た。
‥‥
「うーん、それにしても千鶴先生と奏って
あんまり仲良くないハズなのに珍しいな」
人との相性があるように千鶴先生と奏は
何故か事あるごとに衝突をしている。
普段は温厚な二人なのにプリントの期限を
守らない奏に優しいハズの千鶴先生が逆に
強めに言ったり…。謎である。
最早、全然頭に内容がいつも以上に入ってこない!何故だろう。それは彼のせいだ。
あれから、すぐに流花センセイと一緒に
他クラスにも挨拶周りにいってくるねー。と流花センセイに半ば無理矢理に連れていかられた立花さん。
目の前にあの時の彼がいるのに話しかけられないでいる。こんなに乙女脳だったけ。
これが黒田先生との出会いとかだったら
あー、あの人か。とかで終わってたんだろうな。
‥‥
「香坂さん、後でみんなのノートを準備室に持ってきてもらってもいいかしら?」
英語科担当の山寺千鶴先生。私は英語科担当だったため、たまに雑用を任される。
「わかりました。放課後まででいいですか。」
「ええ、じゃあ放課後までに持ってきてね」
いい先生なんだが、関わる先生が殆どクセのある先生のため今のところ千鶴先生が一番落ち着く。
「千鶴先生って何気に慈雨に雑用頼んだりするよねー。嫌になったりしないの?」
「千鶴先生は結構話しやすい先生だから
負担にはならないし寧ろ好きな先生だよ」
ちなみに奏は黒田先生の国語科担当だった
しかも、最初の性格がなにもわからずただ
面食いなために選んでしまったために後で
イケメンなのに何か違うぅー。と言っていたのは今では懐かしい。
‥‥
キーンコーンカンコーン
放課後の音が鳴り響いた。
「じゃあ、私は千鶴先生のところに行くから。奏、また明日ね。」
「うん。また明日ね慈雨!」
2階の教室から3階の英語科準備室に向かう。さすがにクラス全員分は腕に堪えるな
と思いながら目的地へと歩みを進めていく
すると、俄然のノートが半分に減った。
えっ、マジック?なんで?と疑問に思い咄嗟のことに立ち止まっていると上から声がした。
「お疲れ様。俺も持つの手伝うよ。
どこまでノート運ぶの?」
首を少し上に向けると噂の教育自習生の彼がいた。
「ありがとうございます。立花センセイ」
少し悪戯っぽく笑ってみた。
「どういたしまして、香坂慈雨さん。」
フルネームで呼ばれて内心喜んでしまった
悟られないように英語科準備室までです。
と簡潔に伝えてしまった。まだ、学校の作りも把握しきれていない立花さんに意地悪をしてしまったと思い言い直そうとしたが
スタスタと歩いている。
あれ、と疑問に思っていると此方に声をかけようと思ったのか振り返った立花さんのポケットからなにかが落ちた。
「あ、ごめん。拾ってもらってもいい?」
大半を立花さんが運んでくれているため私は片手にノートを乗せてその落ちたものを
拾った。それは、校内を小さくメモした紙切れだった。なるほど。だから、すぐに場所がわかったのかと一人納得していると、
「拾ってくれてありがとう。
まじまじと見られると照れるね。
フツーに話してるけど俺のこと覚えてたみたいで嬉しいよ。」
突然、不意打ちで告げられて驚いた。
さっきの言葉で彼には私が彼の事を覚えていることが完璧に伝わっていたらしい。
その後は無言で特に言葉を交わす事なく英語科準備室を目指した
‥‥
「失礼します。千鶴先生、ノート持ってきましたよー。」
準備室を開けると千鶴先生は紅茶を飲んでいたのかふわりと花の香りがした。
「お疲れ様、ありがとう。
香坂さんも紅茶飲む?と、思ったけど
立花さんも一緒だったのね。」
立花センセイを見ると千鶴先生はどこか
少しほんの一瞬だけ鋭い目つきになった。
「校内を探索していたら香坂さんが沢山のノートを持っていたので微力ながら手助けをしただけですので。私は戻りますね。」
事務的に伝えた立花センセイはまたね。と
私に告げて来た道へと戻っていた。
「香坂さん、こっちにきて。」
珍しく千鶴先生から再び声がかかった。
「どうしたんですか。珍しいですね
先生からのお誘いなんて。」
「たまには、二人もいいでしょ。
ところで、貴方たちのクラスに立花センセイが臨時の副担任としての立場であらわれたけど、香坂さん的にはどうなの。」
あれ、まさかの恋話を求められているのか
あの千鶴先生から?資産家の娘とか不思議な噂を聞くけど面倒見がいい優しい先生だから恋話に興味があるのだと今更ながらの再発見だ。
「えーっと、イケメンでカッコいいセンセイだと思いますよ。みんなからの反応もいいし、実際に授業もわかりやいから顔よし要領よし、一石二鳥じゃん。ってみんなから早くも慕われてますよ。」
と、近況報告を伝えてみたがどうやら千鶴先生が聞きたかったことは違ったらしく、
腕を組んで再度違う聞き方をしてきた。
「和泉先生から言われたの。
いつも何事にも同時ない香坂さんが立花くんを見た途端に思考回路がショートしたみたいに固まっちゃったー。って和泉先生から聞かされたの。意外と目敏いのよ和泉先生って。立花センセイとあったりするの?彼は教育自習生で来たけど何かあるなら話してほしいのよ。」
まさかの流花ちゃん探偵なのか!
思っていたよりも私がわかりやすいのか…
一連の経緯を説明し終えた私に千鶴先生は
「実は…九条さんからも香坂さんが悩んでるから話をきいてほしい。って頼まれていたのよ。まさかの恋煩いとは驚いたけどね」
「え、ちょっとまって!
恋煩いってなに!?ただ偶然に知り合った人が近くにいる。ってだけですよ、恋とかまだわかんないし…。」
小さく縮こまる私の反応に珍しく声を出して千鶴先生は笑った。それは、もう普段の上品さが消え失せてしまうほどに…。
「あー、もう慈雨ちゃん!かわいい!」
え、本当にキャラどうしたの。
「九条さんには悩みを聞いたことだけ伝えるわね。香坂さんから実際に聞きたいだろうから野暮なことはしないわ。」
その後は普段の口調に戻った千鶴先生と
紅茶を飲んで準備室を出た。
‥‥
「うーん、それにしても千鶴先生と奏って
あんまり仲良くないハズなのに珍しいな」
人との相性があるように千鶴先生と奏は
何故か事あるごとに衝突をしている。
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