私だけが知っている。

四季凪 牡丹

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再会

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昨日の流花ちゃん先生からの爆弾投下から
一夜明け、クラスのみんなは朝から期待に
胸を膨らませていた。中には隣のクラスの人も来ていていつもより騒がしい。

「いよいよだね。教育自習生の先生って
どんな人かな。熱血系の先生は嫌だなぁ」
「確かに。楽しみだけど暑苦しいのは
黒田先生だけでじゅーぶんだね。」
「暑苦しいのは慈雨限定だと思うけどなぁー。」
奏と二人でも談笑しているとガラッと教室のドアが開き流花センセイが入ってきた。

「はーい。みなさんおはようございます
いよいよ、お楽しみの自習生くんの登場だよ!みんな拍手で迎えてねー。はい、入ってきてー。」
流花センセイが廊下に向かって声をかけた
次の瞬間、私は軽く息をのみこんだ。
だって、私の目に彼がいるのだ。

「和泉先輩、明らかに俺のことこども扱いするのはやめてくださいよ。
赤城大学四年生の立花颯斗です。
これから、2週間という短い期間ではありますが、宜しくお願いします。」
「はーい。拍手!」
パチパチとクラス一同で拍手をした。
男女関係なく早速質問が飛び交った。

「せんせいー。彼女はいますかー。
好きな食べ物とか、趣味はー。」
「好きなスポーツは?センセイ俺たちと
休み時間遊ぼうぜ。」
などなどと、自己紹介が終わってすぐに
フレンドリーな質問をしていくみんな。
私は彼を見つめていることしか出来ずに
思考が停止してしまっていた。

「慈雨、大丈夫?
教育自習生の先生、かっこいいね。
見惚れちゃった。」
えへへ。と、奏が可愛らしく笑った。
正直、私は奏に何と言葉を返したかこの時
覚えていない。
この時の私が唯一覚えている言葉は、
彼の質問の中で趣味は?と聞かれた時に読書と喫茶店巡りが好きなこと。そして、天音凌が好きな作家だと言った事だった。

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