貴方に贈る花束を

小鳥遊 華凜

文字の大きさ
上 下
5 / 7

贈り物

しおりを挟む
予約の日時に硝子屋に行くと時期的に天然物は
手に入らなかったと店主は言っていたが造花の
アネモネの花を手配してくれていた。
わたしはそれを樹脂に固めてイヤリングにして
渡すことに決めていた。
青色のアネモネは待望、固い誓い。
白色のアネモネは真実、待望、真心。
他にも色合いによって意味は異なるがわたしは
青と白の花言葉が特に気に入ったのだ。

全ての工程を終わる頃にはあっという間に外は
茜色に染まっていた。
達成感と共にプレゼントを渡した時の貴方が喜ぶ顔を想像するだけで歓喜の気持ちが止まらなかった。

「お疲れ様でした。
このままお持ち帰りも出来ますが贈り物ということでしたのでこちらの箱に入れさせて頂きますね。」

「綺麗な白ですね!
ありがとうございます。」

店主には贈り物ということを事前に伝えていたためわたしが作り終えるのを見計らって箱を持ってきてくれた。真っ白な白なのだが中央部分には金色の荊の刻印がされていて真っ白な箱に存在感のある金色がとても素敵だった。
店を出る前に店主に再度お礼を伝えてわたしは
「明日会える?」とメッセージを送った。

数時間後に端末の音が鳴り通知を開くと
「会いたいけど時間遅くても大丈夫?」と
こちらを気遣う返事だった。
理由を聞くと学校終わりにバイトが入っているとのことで時間帯が不安になったらしい。
更にやりとりを続けると明後日は学校もバイトも休みで空いているから明後日にする?という
問いかけがあったがわたしはそのまま「遅くなってもいいから会いたい。」と送った。
明後日、何も予定がないのならば泊まればいいのに。と思ったがそれは黙っていた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

大人な軍人の許嫁に、抱き上げられています

真風月花
恋愛
大正浪漫の恋物語。婚約者に子ども扱いされてしまうわたしは、大人びた格好で彼との逢引きに出かけました。今日こそは、手を繋ぐのだと固い決意を胸に。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

【完結】私は死んだ。だからわたしは笑うことにした。

彩華(あやはな)
恋愛
最後に見たのは恋人の手をとる婚約者の姿。私はそれを見ながら階段から落ちた。 目を覚ましたわたしは変わった。見舞いにも来ない両親にー。婚約者にもー。わたしは私の為に彼らをやり込める。わたしは・・・私の為に、笑う。

君に恋をしたんだ

四季
恋愛
恋をした、という詩です。 2020.8.2

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

【完結】花に祈る少女

まりぃべる
恋愛
花祈り。それは、ある特別な血筋の者が、(異国ではいわゆる花言葉と言われる)想いに適した花を持って祈ると、その花の力を増幅させる事が出来ると言われている。 そんな花祈りが出来る、ウプサラ国の、ある花祈りの幼い頃から、結婚するまでのお話。 ☆現実世界にも似たような名前、地域、単語、言葉などがありますが関係がありません。 ☆花言葉が書かれていますが、調べた資料によって若干違っていました。なので、少し表現を変えてあるものもあります。 また、花束が出てきますが、その花は現実世界で使わない・合わないものもあるかもしれません。 違うと思われた場合は、現実世界とは違うまりぃべるの世界と思ってお楽しみ下さい。 ☆まりぃべるの世界観です。ちょっと変わった、一般的ではないまりぃべるの世界観を楽しんでいただけると幸いです。 その為、設定や世界観が緩い、変わっているとは思いますが、まったりと楽しんでいただける事を願っています。 ☆話は完結出来ていますので、随時更新していきます。全41話です。 ★エールを送って下さった方、ありがとうございます!!お礼が言えないのでこちらにて失礼します、とても嬉しいです。

あなたを表紙に載せたくて

浅村 英字
恋愛
突然の余命宣告を機に、変わりたいと願う女子高生 東野明は、モデルとしての活動もしている同い年の天羽渉と出会い、彼が持っている可能性を最大限広げることにした。小説家という夢を追いながら充実した残りの人生を過ごす生活の中で、天羽から届いた手紙に涙する。そこに書いてあったのは彼が抱える最高の秘密と、最高のプレゼントだった。

やり直すなら、貴方とは結婚しません

わらびもち
恋愛
「君となんて結婚しなければよかったよ」 「は…………?」  夫からの辛辣な言葉に、私は一瞬息をするのも忘れてしまった。

処理中です...