32 / 200
たぶんお祭りは財布の紐が一番緩くなる②
しおりを挟む
「ゼンちゃん!ゼンちゃん!」
⦅おら、もうダメかもしんねぇ⦆
さっきの精霊魔法を無効化できたかと思っていたが、鑑定眼の結果内部から腐食が始まっていた。
腐食のせいでゼンちゃんのHPは半分以上削られ、今なお減り続けている。
「これ最後のハイポーションなんとか耐えて」
一時的にHPが回復するがまた減り始める。腐食そのものを止めない限り回復が意味をなさない。
今が仲間の為にチートを使う時なのだろう。ガイドブックにあった一文を思い出しゼンちゃんにナナスキルを使う覚悟を決める。
”アイテム作製 Cat0”
”アイテムを作る事ができる。”
まずは万能薬。全ての状態異常を回復させ、更に全ての状態異常耐性を獲得できるミシクル級のアイテムだ。
制作しすぐにゼンちゃんに振りかける。
「どう?楽になった?」
⦅なんでかわっかんねぇけんど、たぶんでーじょーぶだ⦆
あとは完全回復薬を作りだし振りかける。
内部も体力もこれで元通りだ
⦅ひゃーあぶなかったーーーおら死ぬかと思ったぞ。まさか助かるなんて、おめぇやっぱりすげーな⦆
「このことは秘密にして欲しいの」
⦅そんくれーいいけんどよ。しっかし、あのじょーちゃんもやべーなぁ!⦆
「確かに精霊魔法をあの若さで操るんだから」
⦅おめぇも十分わけーけどな!⦆
本来ならあんな魔法を使っていたら目を付けられてしまう。それなのに躊躇もなく使っていたのでただの子供ではないのは確かだった。
(見た目に騙されたけど、次あったら鑑定眼で調べよう)
ゼンちゃんが元に戻ってから暫くして、ケーナの逃げ足についてこれなかった3人組ブハッサとボックスとベロアがようやく追いつく。
「ようやく、見つけましたぞ。ずいぶん足が速いですな」
「この間まで軍人だったのにだらしないな、まったく」
「そう申されましても、あとの2人もこの通りで……」
ボックス、ベロアはまだ若いと言うのに息切れし過ぎて喋れない様子だった。
そもそも、なぜこんな事をしているかと言うと復興にかかる資金を稼ぐためである。
町全体は無理なのは分かるのだが、せめて焼かれてしまった孤児院を復興したいと思っていた。
それはコピーエーナの記憶にある町に溢れかえる孤児達を少しでも助けたいそんな思いからだ。おまけにブハッサ達も関係者なので罪滅ぼしの意味もある。
最初に薬草からポーションを作ることでの金策を思いついたが、その薬草を取り過ぎると二度と取れなくなる可能性があるとゼンちゃんから忠告を受けた。
そのためポーションをコピーによる量産へと切り替えたのだが、ギルドの買い取れる量に上限があったようでポーションの在庫を抱える始末となった。
金貨のコピーも考えたのだが、通貨の複製をしてしまうと金貨の価値を変えてしまう恐れがあったので封印している。
それで始めたのがこちらの”銀玉割り”
殴られ屋にヒントを得てゼンちゃんに協力してもらい始めて見たのだが、初っ端からいかにも猛者っぽい男が挑戦してしまって割れないことを証明してしまったので後に続く人がでなくなってしまったのだ。
最後に挑戦した女の子は予想外の魔法を使い滅ぼそうとするし……。
それで手持ちには302枚の金貨。
「この倍は欲しいよね」
「それでしたらケーナ様、オオイ・マキニド共和国に行かれるのはどうでしょうか?」
ブハッサからの提案だった。
「なんで?」
「国の中心部、ナワニの町はギャンブルの町としても有名でして一夜で1枚の金貨を10000倍にすることもできると言われています」
「そんなにはいらないよ」
「だとしても、2倍程度ならここでちまちま稼ぐより速いかも知れません」
「んーギャンブルはな……」
「それで助かる子供達もたくさんいるかと思われます」
ボックスやベロアの意見も聞いてみると、少しづつ賭ければ問題ないと言っていたので⦅いっちょやってみっか!⦆と言うことになった。
お祭りは明日迄続くので、出発は明後日と言うことになった。
⦅おら、もうダメかもしんねぇ⦆
さっきの精霊魔法を無効化できたかと思っていたが、鑑定眼の結果内部から腐食が始まっていた。
腐食のせいでゼンちゃんのHPは半分以上削られ、今なお減り続けている。
「これ最後のハイポーションなんとか耐えて」
一時的にHPが回復するがまた減り始める。腐食そのものを止めない限り回復が意味をなさない。
今が仲間の為にチートを使う時なのだろう。ガイドブックにあった一文を思い出しゼンちゃんにナナスキルを使う覚悟を決める。
”アイテム作製 Cat0”
”アイテムを作る事ができる。”
まずは万能薬。全ての状態異常を回復させ、更に全ての状態異常耐性を獲得できるミシクル級のアイテムだ。
制作しすぐにゼンちゃんに振りかける。
「どう?楽になった?」
⦅なんでかわっかんねぇけんど、たぶんでーじょーぶだ⦆
あとは完全回復薬を作りだし振りかける。
内部も体力もこれで元通りだ
⦅ひゃーあぶなかったーーーおら死ぬかと思ったぞ。まさか助かるなんて、おめぇやっぱりすげーな⦆
「このことは秘密にして欲しいの」
⦅そんくれーいいけんどよ。しっかし、あのじょーちゃんもやべーなぁ!⦆
「確かに精霊魔法をあの若さで操るんだから」
⦅おめぇも十分わけーけどな!⦆
本来ならあんな魔法を使っていたら目を付けられてしまう。それなのに躊躇もなく使っていたのでただの子供ではないのは確かだった。
(見た目に騙されたけど、次あったら鑑定眼で調べよう)
ゼンちゃんが元に戻ってから暫くして、ケーナの逃げ足についてこれなかった3人組ブハッサとボックスとベロアがようやく追いつく。
「ようやく、見つけましたぞ。ずいぶん足が速いですな」
「この間まで軍人だったのにだらしないな、まったく」
「そう申されましても、あとの2人もこの通りで……」
ボックス、ベロアはまだ若いと言うのに息切れし過ぎて喋れない様子だった。
そもそも、なぜこんな事をしているかと言うと復興にかかる資金を稼ぐためである。
町全体は無理なのは分かるのだが、せめて焼かれてしまった孤児院を復興したいと思っていた。
それはコピーエーナの記憶にある町に溢れかえる孤児達を少しでも助けたいそんな思いからだ。おまけにブハッサ達も関係者なので罪滅ぼしの意味もある。
最初に薬草からポーションを作ることでの金策を思いついたが、その薬草を取り過ぎると二度と取れなくなる可能性があるとゼンちゃんから忠告を受けた。
そのためポーションをコピーによる量産へと切り替えたのだが、ギルドの買い取れる量に上限があったようでポーションの在庫を抱える始末となった。
金貨のコピーも考えたのだが、通貨の複製をしてしまうと金貨の価値を変えてしまう恐れがあったので封印している。
それで始めたのがこちらの”銀玉割り”
殴られ屋にヒントを得てゼンちゃんに協力してもらい始めて見たのだが、初っ端からいかにも猛者っぽい男が挑戦してしまって割れないことを証明してしまったので後に続く人がでなくなってしまったのだ。
最後に挑戦した女の子は予想外の魔法を使い滅ぼそうとするし……。
それで手持ちには302枚の金貨。
「この倍は欲しいよね」
「それでしたらケーナ様、オオイ・マキニド共和国に行かれるのはどうでしょうか?」
ブハッサからの提案だった。
「なんで?」
「国の中心部、ナワニの町はギャンブルの町としても有名でして一夜で1枚の金貨を10000倍にすることもできると言われています」
「そんなにはいらないよ」
「だとしても、2倍程度ならここでちまちま稼ぐより速いかも知れません」
「んーギャンブルはな……」
「それで助かる子供達もたくさんいるかと思われます」
ボックスやベロアの意見も聞いてみると、少しづつ賭ければ問題ないと言っていたので⦅いっちょやってみっか!⦆と言うことになった。
お祭りは明日迄続くので、出発は明後日と言うことになった。
3
お気に入りに追加
889
あなたにおすすめの小説
元悪役令嬢はオンボロ修道院で余生を過ごす
こうじ
ファンタジー
両親から妹に婚約者を譲れと言われたレスナー・ティアント。彼女は勝手な両親や裏切った婚約者、寝取った妹に嫌気がさし自ら修道院に入る事にした。研修期間を経て彼女は修道院に入る事になったのだが彼女が送られたのは廃墟寸前の修道院でしかも修道女はレスナー一人のみ。しかし、彼女にとっては好都合だった。『誰にも邪魔されずに好きな事が出来る!これって恵まれているんじゃ?』公爵令嬢から修道女になったレスナーののんびり修道院ライフが始まる!
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
せっかく転生したのに得たスキルは「料理」と「空間厨房」。どちらも外れだそうですが、私は今も生きています。
リーゼロッタ
ファンタジー
享年、30歳。どこにでもいるしがないOLのミライは、学校の成績も平凡、社内成績も平凡。
そんな彼女は、予告なしに突っ込んできた車によって死亡。
そして予告なしに転生。
ついた先は、料理レベルが低すぎるルネイモンド大陸にある「光の森」。
そしてやって来た謎の獣人によってわけの分からん事を言われ、、、
赤い鳥を仲間にし、、、
冒険系ゲームの世界につきもののスキルは外れだった!?
スキルが何でも料理に没頭します!
超・謎の世界観とイタリア語由来の名前・品名が特徴です。
合成語多いかも
話の単位は「食」
3月18日 投稿(一食目、二食目)
3月19日 え?なんかこっちのほうが24h.ポイントが多い、、、まあ嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる