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魔力量なんてただの飾りですよ③
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料理人のスキルをそろそろ習得してもいいぐらいまでに上達したハクレイの朝食をいただき、食べ終わると魔王城まで空間転移魔法で移動した。
直前まで「考え直した方がよい気がするのじゃ」とフランは珍しく心配してくれていたが、他に妙案もないので、なだめて出発したのだった。
移動先は魔王城での仕事用の部屋。
この部屋ではこちらに常駐している私が1人でいることが多いので、交代するには都合のいい場所になる。
自室で書類仕事をせっせとしている最中なので、その姿を誰にも見られないよう部屋に鍵を掛けそのまま出ていく。
とりあえずヨシエに会うためにテッテの部屋へと行こうとしたが、あちらから飛んで来た。
「おかえりなさいませ!! ケーナ姉様!!」
テッテが全力で飛びついてくるので避けることも考えたが、城が壊れそうなので仕方なく抱きしめるように受け止めた。
「うっ……もう、私ならいつも部屋にいるでしょう」
「あら、わたしがまだ気づいていないと思ってらっしゃるのでいたら大間違いですわ。お部屋にいらっしゃるケーナ姉様は、ケーナ姉様ですけど、せいぜい5%程度のケーナ姉様ですわ。でも! 今、わたしを抱きしめていらっしゃるケーナ姉様は純度200%の濃密なケーナ姉様ですわ!!」
100%を超える純度というものが存在するのか。ちょっとよくわからない説明だけど、分散している思考の割合的には大体あっているかもしれない。
「そっか、さすがテッテだね」
「ケーナ姉様の事でしたらわたしにお任せくださいませ」
確認したいことができたので、耳元に顔を近づけ小声で話す。
「ねぇ、他にこのことわかる人っているの?」
「はわっ、い、いないですわ。濃密なケーナ姉様かどうかの見分けができるのは、わたしだけですわ」
ということは、他の者には見分けがつかないのだろう。
それでもテッテには分かってしまう。隠蔽スキルを使っているので鑑定を使ったところでステータスから複製体であることを知ることはできない。
テッテの場合は、スキルでどうこうというより勘に近いものなのかもしれない。実家のラルンテが似たような事をしているので納得するしかない。
「ところで、ヨシエさんは? 今日はいないの?」
いつもテッテの後ろで控えているヨシエの姿が見えない。
「わたしが部屋を飛び出してきたので、きっとわたしの事を探しているかもしれませんわ。ケーナ姉様の小間使いはどうなされたのですの?」
「小間使いじゃないよ、まったく。ハクレイとフランはお留守番」
「でしたら今日はケーナ姉様と2人きりになれますのね」
「ごめんね、ちょっと急ぎの用があるからゆっくりはできないんだよね」
「そんな……せっかくいらっしゃってくれたのに……次はわたしのために帰ってきてほしいですわ」
抱きしめる力がぐっと強くなる。慕ってくれているのが十分伝わってくる。
「次は必ずそうするね」
「約束ですわよ」
約束を交わしたところにヨシエがテッテを探しにやってきた。
「ケーナ魔王様、そのままテッテ様を捕まえておいてください」
「どちらかというと私が捕まえられてるのですけど」
「テッテ様、ケーナ魔王様のお邪魔は後にしましょう。次は魔法のお勉強の時間ですよ」
まるで後でなら邪魔していいような言い方でテッテを引きはがし、部屋へ戻っていこうとするので呼び止める。
「ヨシエさん、あなたに聞きたいことがあるの」
「どうぞ、なんなりとお聞きください」
「今ここでじゃなくて、えっと、テッテの部屋でもいいかな」
「構いません」
テッテの部屋に入ると、遮音の魔法を部屋全体に掛けて音漏れの無い状態にする。
その配慮にちょっと驚いたようで、ヨシエは身構えていた。テッテは何を話すのか興味津々に見ている。
「聞きたいことがあってね」
「なんでしょうか。今から話されることがただならぬことだということは感じております」
「ヨシエさんって、本当の名前はヨー・シエヴィスだよね」
「はい、以前シリル様を探す際に使用した鑑定スキルで名前をおっしゃっていましたね」
「クレア・シエヴィスさんって知ってるよね?」
ヨシエの表情が一瞬曇った。言いにくいことなのは分かる。
世界から目の敵にされていた人物と同じ家系であることが、知られていることをいいこととは思えないからだろう。
「……あの、それは……」
「ちょっとケーナ姉様。今のヨシエは関係ありませんわ」
ヨシエを庇うかのようにテッテが割って入ってくる。
「ここにいるのはヨシエですわ。シエヴィスの名は関係ありませんことよ」
私がヨシエを責めていると勘違いされそうなので流れを修正しておく。
「誤解させてごめんね。同じ家系だからどうこうするとかじゃないからね。私がクレア・シエヴィスさんに会いたくて居場所を知っているか聞きたいの」
「そ、そうですの。良かったですわ。てっきりヨシエを――。って何をおっしゃっておりますの? 魔王クレアは勇者に討伐されましたわ。おバカなゴブリンでも知ってることですのよ」
「それがね、どうやら違うかもしれないんだよね」
「えっ! 本当ですの? ヨシエ、あなた何か知っていますの?」
テッテもヨシエも目を丸くして驚いていた。
この話はトットには伝えていたのでもしかしたら知っているかと思っていたが、全く聞かされていないようだ。
「まだ可能性の段階だけど、アヤフローラ教のお偉やつから聞いたことだから十分ありえるんだよ。仕留め損ねた可能性があるって」
少しでも情報を必要としていることを察してくれたのか、ヨシエも話す決心してくれたみたいだ。
「私、ヨー・シエヴィスはクレア・シエヴィスの孫でございます。しかしながら、祖母であるクレア・シエヴィスはおろか、両親の顔すら見たことがありません」
そこからヨシエが知る。魔王クレアと両親について話してくれた。
魔王クレアは女型の魔族で、夫となる者は性別や種族関係なく複数たそうだ。もちろん人族とも子を成していた。その人族との間に生まれたハーフの魔族も人族と子を成し、生まれたのがヨシエになる。
ヨシエの中には魔王クレアの血が半分の更に半分が流れていることになる。なので何か力を継承しているのかと思い鑑定眼を使ってみたけど、特にこれといった能力はなかった。それくらいヨシエは人族の血の影響が大きいのかもしれない。
ただ人族には力の有る無しなどはどうでもよくて、魔王クレアの血が流れているというだけで嫌悪され憎まれていたという。
勇者パーティーによる魔王クレアの討伐後、ヨシエの父と母を含めシエヴィスの家系は全員討伐対象となったそうだ。
両親は逃げようとしたが討伐隊に捕まり、父が犠牲になって母を逃がしたそうだ。
母はトット魔王が統治するこのバグラ王国に亡命しようとして、ギリギリのところで捕まりそうになるが必死の抵抗でなんとか逃げ切ることができた。
しかし抵抗の際に取り返しのつかない怪我をしてしまい、こちらに着いた時には命が持っても数日だったそうだ。
そこまでしても逃げた理由はヨシエの存在だったそうだ。
直前まで「考え直した方がよい気がするのじゃ」とフランは珍しく心配してくれていたが、他に妙案もないので、なだめて出発したのだった。
移動先は魔王城での仕事用の部屋。
この部屋ではこちらに常駐している私が1人でいることが多いので、交代するには都合のいい場所になる。
自室で書類仕事をせっせとしている最中なので、その姿を誰にも見られないよう部屋に鍵を掛けそのまま出ていく。
とりあえずヨシエに会うためにテッテの部屋へと行こうとしたが、あちらから飛んで来た。
「おかえりなさいませ!! ケーナ姉様!!」
テッテが全力で飛びついてくるので避けることも考えたが、城が壊れそうなので仕方なく抱きしめるように受け止めた。
「うっ……もう、私ならいつも部屋にいるでしょう」
「あら、わたしがまだ気づいていないと思ってらっしゃるのでいたら大間違いですわ。お部屋にいらっしゃるケーナ姉様は、ケーナ姉様ですけど、せいぜい5%程度のケーナ姉様ですわ。でも! 今、わたしを抱きしめていらっしゃるケーナ姉様は純度200%の濃密なケーナ姉様ですわ!!」
100%を超える純度というものが存在するのか。ちょっとよくわからない説明だけど、分散している思考の割合的には大体あっているかもしれない。
「そっか、さすがテッテだね」
「ケーナ姉様の事でしたらわたしにお任せくださいませ」
確認したいことができたので、耳元に顔を近づけ小声で話す。
「ねぇ、他にこのことわかる人っているの?」
「はわっ、い、いないですわ。濃密なケーナ姉様かどうかの見分けができるのは、わたしだけですわ」
ということは、他の者には見分けがつかないのだろう。
それでもテッテには分かってしまう。隠蔽スキルを使っているので鑑定を使ったところでステータスから複製体であることを知ることはできない。
テッテの場合は、スキルでどうこうというより勘に近いものなのかもしれない。実家のラルンテが似たような事をしているので納得するしかない。
「ところで、ヨシエさんは? 今日はいないの?」
いつもテッテの後ろで控えているヨシエの姿が見えない。
「わたしが部屋を飛び出してきたので、きっとわたしの事を探しているかもしれませんわ。ケーナ姉様の小間使いはどうなされたのですの?」
「小間使いじゃないよ、まったく。ハクレイとフランはお留守番」
「でしたら今日はケーナ姉様と2人きりになれますのね」
「ごめんね、ちょっと急ぎの用があるからゆっくりはできないんだよね」
「そんな……せっかくいらっしゃってくれたのに……次はわたしのために帰ってきてほしいですわ」
抱きしめる力がぐっと強くなる。慕ってくれているのが十分伝わってくる。
「次は必ずそうするね」
「約束ですわよ」
約束を交わしたところにヨシエがテッテを探しにやってきた。
「ケーナ魔王様、そのままテッテ様を捕まえておいてください」
「どちらかというと私が捕まえられてるのですけど」
「テッテ様、ケーナ魔王様のお邪魔は後にしましょう。次は魔法のお勉強の時間ですよ」
まるで後でなら邪魔していいような言い方でテッテを引きはがし、部屋へ戻っていこうとするので呼び止める。
「ヨシエさん、あなたに聞きたいことがあるの」
「どうぞ、なんなりとお聞きください」
「今ここでじゃなくて、えっと、テッテの部屋でもいいかな」
「構いません」
テッテの部屋に入ると、遮音の魔法を部屋全体に掛けて音漏れの無い状態にする。
その配慮にちょっと驚いたようで、ヨシエは身構えていた。テッテは何を話すのか興味津々に見ている。
「聞きたいことがあってね」
「なんでしょうか。今から話されることがただならぬことだということは感じております」
「ヨシエさんって、本当の名前はヨー・シエヴィスだよね」
「はい、以前シリル様を探す際に使用した鑑定スキルで名前をおっしゃっていましたね」
「クレア・シエヴィスさんって知ってるよね?」
ヨシエの表情が一瞬曇った。言いにくいことなのは分かる。
世界から目の敵にされていた人物と同じ家系であることが、知られていることをいいこととは思えないからだろう。
「……あの、それは……」
「ちょっとケーナ姉様。今のヨシエは関係ありませんわ」
ヨシエを庇うかのようにテッテが割って入ってくる。
「ここにいるのはヨシエですわ。シエヴィスの名は関係ありませんことよ」
私がヨシエを責めていると勘違いされそうなので流れを修正しておく。
「誤解させてごめんね。同じ家系だからどうこうするとかじゃないからね。私がクレア・シエヴィスさんに会いたくて居場所を知っているか聞きたいの」
「そ、そうですの。良かったですわ。てっきりヨシエを――。って何をおっしゃっておりますの? 魔王クレアは勇者に討伐されましたわ。おバカなゴブリンでも知ってることですのよ」
「それがね、どうやら違うかもしれないんだよね」
「えっ! 本当ですの? ヨシエ、あなた何か知っていますの?」
テッテもヨシエも目を丸くして驚いていた。
この話はトットには伝えていたのでもしかしたら知っているかと思っていたが、全く聞かされていないようだ。
「まだ可能性の段階だけど、アヤフローラ教のお偉やつから聞いたことだから十分ありえるんだよ。仕留め損ねた可能性があるって」
少しでも情報を必要としていることを察してくれたのか、ヨシエも話す決心してくれたみたいだ。
「私、ヨー・シエヴィスはクレア・シエヴィスの孫でございます。しかしながら、祖母であるクレア・シエヴィスはおろか、両親の顔すら見たことがありません」
そこからヨシエが知る。魔王クレアと両親について話してくれた。
魔王クレアは女型の魔族で、夫となる者は性別や種族関係なく複数たそうだ。もちろん人族とも子を成していた。その人族との間に生まれたハーフの魔族も人族と子を成し、生まれたのがヨシエになる。
ヨシエの中には魔王クレアの血が半分の更に半分が流れていることになる。なので何か力を継承しているのかと思い鑑定眼を使ってみたけど、特にこれといった能力はなかった。それくらいヨシエは人族の血の影響が大きいのかもしれない。
ただ人族には力の有る無しなどはどうでもよくて、魔王クレアの血が流れているというだけで嫌悪され憎まれていたという。
勇者パーティーによる魔王クレアの討伐後、ヨシエの父と母を含めシエヴィスの家系は全員討伐対象となったそうだ。
両親は逃げようとしたが討伐隊に捕まり、父が犠牲になって母を逃がしたそうだ。
母はトット魔王が統治するこのバグラ王国に亡命しようとして、ギリギリのところで捕まりそうになるが必死の抵抗でなんとか逃げ切ることができた。
しかし抵抗の際に取り返しのつかない怪我をしてしまい、こちらに着いた時には命が持っても数日だったそうだ。
そこまでしても逃げた理由はヨシエの存在だったそうだ。
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