132 / 200
頑張れニャンダーマスク③
しおりを挟む
「ニャンダーマスクがんばれ!!」
「頑張れメイド猫!!」
応援する声は、先ほどと違ってきている。賭けによってお金が絡んでくるので手のひらは大回転だ。
ランランボーは見た目から拳による近接戦闘を得意とした選手に見える。
間合を詰めたくてもハクレイの出方を警戒しているのだろう。
だが、その睨み合いの時間をハクレイに与えてしまったのが敗因となる。
先に仕掛けたのはハクレイ。
無詠唱でランランボーの足元を爆発させる。威力は小さくダメージにはならないが視線を外す隙を作るには十分。
一気に詰め寄るハクレイ。接近戦に自信があるランランボー選手は、それに気づき、待ってましたとばかりに構える。
拳の打ち合いになるのかと思った瞬間にハクレイの姿がふわりと消える。
幻影だと気づいた時にはハクレイがランランボーの後ろを取り、首に短剣が刺さり始めていた。
「動かないでください。ワイバーンの皮でもスライムのようによく切れる短剣です。下手に動くと太い血管が切れて死にますよ」
「……見事だ。俺の負けだ」
審判が近づき
「ランランボー選手負けを認めたため、勝者ニャンダーマスク選手!!」
大きな歓声と、大穴を狙った者達のため息が少し。
そして両者に拍手が贈られた。
短剣をゆっくり離すと同時に傷口にケアの魔法をかけて治療をした。
「強いわけだ。それだけの魔法を操りながら、近接戦闘もできる。師は誰だ?」
「師匠の名はゼンです」
「聞いたことのない名だな。だが良い師なのであろう」
「強いですよ。勝てたことなどありませんから」
「そうか、上にはまだ上がいるのか。この世界は広いな」
「そうですね。そのまた上もいますのでこの道は険しいです」
「ふっ、想像もつかん。お互いに鍛錬を積むしかないな。またいつか機会があれば手合わせ願うぞ」
「お待ちしております」
ハクレイの目くらましから、背後を取るまでほんの数秒。試合自体は1分もかかっていない。
相手の得意とする土俵を避けて戦うのも1つの作戦だ。
ただ、あっという間の出来事過ぎて観客達の物足りなさは否めない。スカートがひるがえる隙さえ無かったのだ。
二回戦はあの488ダメージを出した二次予選2位通過の剣士と、ハクレイに話しかけていた自称優勝候補の二次予選3位通過の選手。
早くも上位が潰し合う形となっている。客達も好カードに期待を寄せているようだった。
「両者前へ! 審判が戦闘続行不可能と判断した場合は負けとします。但し相手が試合中に死亡した場合は無効試合となります。降参した相手への攻撃は禁止です。何か質問は?」
「無いようですので……。始め!!」
剣士は落ちるように前に出る。歩法による身のこなしは熟練の技を感じさせる。
一方優勝候補の腰袋がアイテムボックスだったようで長い槍を取り出す。
「その剣のリーチで僕に勝てるとでも?」
その挑発をものともせず間合いを詰める剣士。
剣士は素早い斬撃を浴びせ、それを必死に槍で捌きはしたが、槍は不慣れなのか押されている自称優勝候補。
一度距離を取り、槍をな投げつけ武器を変える。
次に取り出したのは双剣だ。
「い、いいか? 降参するなら今のうちだぞ。僕の一番は双剣なんだからな」
「なら最初からそれで来い!」
剣士の声に怒りが混じっているようだった。手加減をされていたと感じたならそうだろうか。
一番と言い放った割には、両手の剣を十分に発揮しているとは言いづらく、片手だけで精一杯の様子。
しばらくすると双剣を投げつけながらまた距離を取り息を整える。
「な、なかなかやるじゃないか。だったらとっておき見せてやる」
そしてアイテムボックスから取り出したのは魔石。
地面めがけ投げつけるとどっと黒い煙が吹き出す。
「さぁ来い!! 巨兵クリゾヘリル!」
声と共にその煙の中に何かが投げ込まれるのが見えた。
すると地面に大きく広がる魔法陣。それを見て剣士が距離を取る。
客達はその呼び名で一斉にざわついている。隣にいたオヤジも顔色が悪い。
「ねぇ、おじちゃん、巨兵クリ何とかっていったい何?」
「嬢ちゃん、巨像物語を知らんのか!?」
「う、うん」
「過去にエルフの国を滅ぼしたとされる巨大な兵の形をした石像のことさ」
「巨大?」
「物語の中だと家も踏み倒すぐらい巨大なんだけどな……」
周囲からも驚きと疑念の声がちらほら。黒い煙はだんだん消えていき、その中から禍々しい魔法陣ともに現れたのは人族の3倍程度大きさの兵士ようだった。
早速、鑑定眼で調べてみる。
(Lv144 試作型人工兵士……試作?)
家より大きい巨兵が完成形だとするなら、これはその前段階のものなのだろうか。
ステータスの中ではHPが異様なまでに高く、そのせいでレベルが高い。
ただ試作型とはいえこの強さだと人族が従えることができるようなものでもないと思っていた。
剣士を指さし自慢気な顔で命令を出す自称優勝候補。
「命令だ! あの剣士をぶっ飛ばせ、でも殺すなよ、半殺しだ!!」
「頑張れメイド猫!!」
応援する声は、先ほどと違ってきている。賭けによってお金が絡んでくるので手のひらは大回転だ。
ランランボーは見た目から拳による近接戦闘を得意とした選手に見える。
間合を詰めたくてもハクレイの出方を警戒しているのだろう。
だが、その睨み合いの時間をハクレイに与えてしまったのが敗因となる。
先に仕掛けたのはハクレイ。
無詠唱でランランボーの足元を爆発させる。威力は小さくダメージにはならないが視線を外す隙を作るには十分。
一気に詰め寄るハクレイ。接近戦に自信があるランランボー選手は、それに気づき、待ってましたとばかりに構える。
拳の打ち合いになるのかと思った瞬間にハクレイの姿がふわりと消える。
幻影だと気づいた時にはハクレイがランランボーの後ろを取り、首に短剣が刺さり始めていた。
「動かないでください。ワイバーンの皮でもスライムのようによく切れる短剣です。下手に動くと太い血管が切れて死にますよ」
「……見事だ。俺の負けだ」
審判が近づき
「ランランボー選手負けを認めたため、勝者ニャンダーマスク選手!!」
大きな歓声と、大穴を狙った者達のため息が少し。
そして両者に拍手が贈られた。
短剣をゆっくり離すと同時に傷口にケアの魔法をかけて治療をした。
「強いわけだ。それだけの魔法を操りながら、近接戦闘もできる。師は誰だ?」
「師匠の名はゼンです」
「聞いたことのない名だな。だが良い師なのであろう」
「強いですよ。勝てたことなどありませんから」
「そうか、上にはまだ上がいるのか。この世界は広いな」
「そうですね。そのまた上もいますのでこの道は険しいです」
「ふっ、想像もつかん。お互いに鍛錬を積むしかないな。またいつか機会があれば手合わせ願うぞ」
「お待ちしております」
ハクレイの目くらましから、背後を取るまでほんの数秒。試合自体は1分もかかっていない。
相手の得意とする土俵を避けて戦うのも1つの作戦だ。
ただ、あっという間の出来事過ぎて観客達の物足りなさは否めない。スカートがひるがえる隙さえ無かったのだ。
二回戦はあの488ダメージを出した二次予選2位通過の剣士と、ハクレイに話しかけていた自称優勝候補の二次予選3位通過の選手。
早くも上位が潰し合う形となっている。客達も好カードに期待を寄せているようだった。
「両者前へ! 審判が戦闘続行不可能と判断した場合は負けとします。但し相手が試合中に死亡した場合は無効試合となります。降参した相手への攻撃は禁止です。何か質問は?」
「無いようですので……。始め!!」
剣士は落ちるように前に出る。歩法による身のこなしは熟練の技を感じさせる。
一方優勝候補の腰袋がアイテムボックスだったようで長い槍を取り出す。
「その剣のリーチで僕に勝てるとでも?」
その挑発をものともせず間合いを詰める剣士。
剣士は素早い斬撃を浴びせ、それを必死に槍で捌きはしたが、槍は不慣れなのか押されている自称優勝候補。
一度距離を取り、槍をな投げつけ武器を変える。
次に取り出したのは双剣だ。
「い、いいか? 降参するなら今のうちだぞ。僕の一番は双剣なんだからな」
「なら最初からそれで来い!」
剣士の声に怒りが混じっているようだった。手加減をされていたと感じたならそうだろうか。
一番と言い放った割には、両手の剣を十分に発揮しているとは言いづらく、片手だけで精一杯の様子。
しばらくすると双剣を投げつけながらまた距離を取り息を整える。
「な、なかなかやるじゃないか。だったらとっておき見せてやる」
そしてアイテムボックスから取り出したのは魔石。
地面めがけ投げつけるとどっと黒い煙が吹き出す。
「さぁ来い!! 巨兵クリゾヘリル!」
声と共にその煙の中に何かが投げ込まれるのが見えた。
すると地面に大きく広がる魔法陣。それを見て剣士が距離を取る。
客達はその呼び名で一斉にざわついている。隣にいたオヤジも顔色が悪い。
「ねぇ、おじちゃん、巨兵クリ何とかっていったい何?」
「嬢ちゃん、巨像物語を知らんのか!?」
「う、うん」
「過去にエルフの国を滅ぼしたとされる巨大な兵の形をした石像のことさ」
「巨大?」
「物語の中だと家も踏み倒すぐらい巨大なんだけどな……」
周囲からも驚きと疑念の声がちらほら。黒い煙はだんだん消えていき、その中から禍々しい魔法陣ともに現れたのは人族の3倍程度大きさの兵士ようだった。
早速、鑑定眼で調べてみる。
(Lv144 試作型人工兵士……試作?)
家より大きい巨兵が完成形だとするなら、これはその前段階のものなのだろうか。
ステータスの中ではHPが異様なまでに高く、そのせいでレベルが高い。
ただ試作型とはいえこの強さだと人族が従えることができるようなものでもないと思っていた。
剣士を指さし自慢気な顔で命令を出す自称優勝候補。
「命令だ! あの剣士をぶっ飛ばせ、でも殺すなよ、半殺しだ!!」
1
お気に入りに追加
889
あなたにおすすめの小説
アホ王子が王宮の中心で婚約破棄を叫ぶ! ~もう取り消しできませんよ?断罪させて頂きます!!
アキヨシ
ファンタジー
貴族学院の卒業パーティが開かれた王宮の大広間に、今、第二王子の大声が響いた。
「マリアージェ・レネ=リズボーン! 性悪なおまえとの婚約をこの場で破棄する!」
王子の傍らには小動物系の可愛らしい男爵令嬢が纏わりついていた。……なんてテンプレ。
背後に控える愚か者どもと合わせて『四馬鹿次男ズwithビッチ』が、意気揚々と筆頭公爵家令嬢たるわたしを断罪するという。
受け立ってやろうじゃない。すべては予定調和の茶番劇。断罪返しだ!
そしてこの舞台裏では、王位簒奪を企てた派閥の粛清の嵐が吹き荒れていた!
すべての真相を知ったと思ったら……えっ、お兄様、なんでそんなに近いかな!?
※設定はゆるいです。暖かい目でお読みください。
※主人公の心の声は罵詈雑言、口が悪いです。気分を害した方は申し訳ありませんがブラウザバックで。
※小説家になろう・カクヨム様にも投稿しています。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ハイエルフの幼女に転生しました。
レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは
神様に転生させてもらって新しい世界で
たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく
死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。
ゆっくり書いて行きます。
感想も待っています。
はげみになります。
せっかく転生したのに得たスキルは「料理」と「空間厨房」。どちらも外れだそうですが、私は今も生きています。
リーゼロッタ
ファンタジー
享年、30歳。どこにでもいるしがないOLのミライは、学校の成績も平凡、社内成績も平凡。
そんな彼女は、予告なしに突っ込んできた車によって死亡。
そして予告なしに転生。
ついた先は、料理レベルが低すぎるルネイモンド大陸にある「光の森」。
そしてやって来た謎の獣人によってわけの分からん事を言われ、、、
赤い鳥を仲間にし、、、
冒険系ゲームの世界につきもののスキルは外れだった!?
スキルが何でも料理に没頭します!
超・謎の世界観とイタリア語由来の名前・品名が特徴です。
合成語多いかも
話の単位は「食」
3月18日 投稿(一食目、二食目)
3月19日 え?なんかこっちのほうが24h.ポイントが多い、、、まあ嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる