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理装刑事ビダン!
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時は令和X年。東京都足立区にある区立樫の木小学校で、とある重大な事件が発生した。
「教頭先生、現在生徒たちの被害はどうなっていますか」
「ピラミッドの上方にいた生徒は奇跡的に全員無事でしたが、最下層を担当していた生徒が怪我を負っています。ほとんどは擦り傷程度ですが、1名のみ大腿骨を折る大怪我を負い病院に搬送されました」
「何ということだ……」
この小学校では来月に迫った運動会に向けて小学6年生が組体操の練習に励んでおり、クライマックスでは28名の生徒による7段の人間ピラミッドが披露されることになっていた。
来年度で定年を迎える体育教師の強い意向により人間ピラミッドの練習は保護者から危険視されつつも継続されていたが、この日ついにピラミッドの崩落事故が起こり、生徒1名が病院に救急搬送される事態となっていた。
「保護者からクレームが来ていてこういう事態になった以上、体育教師の首を切るだけでは済まないぞ。私たちはもう終わりだ……」
「校長先生、まだ打つ手は残っています。幸いここは東京都内ですから、警視庁の力を借りることができます」
校長室の机上で頭を抱えた校長に、教頭は打開策を提案した。
「警視庁? バカを言わないでください、体育教師を逮捕した所で学校の責任は残るのですよ」
「いえ、そういう意味ではありません。こういった事態の解決を専門とする、あの刑事を呼ぶのです」
「……なるほど、そういうことですね」
校長の許可を得て、教頭は小学校の固定電話から警視庁の専用ダイヤルに電話をかけた。
その1週間後。組体操の練習で右大腿骨骨折の大怪我を負った生徒は近隣の公立病院への入院を余儀なくされていた。
「ケンジ君、怪我は順調に治ってるって聞いたわ。今日も皆からの励ましのお手紙を持ってきたわよ」
「いくら手紙を持ってこられたって、僕の怪我が治る訳じゃないじゃないか! あんな学校、二度と戻ってやるもんか!!」
組体操の指導者であり被害生徒の担任教師でもあった体育教師は現在自宅謹慎処分を受け、担任からも外されていた。
後任で担任となった若い女性教師は毎日放課後に被害児童の病室を訪れていたが、ケンジと呼ばれた生徒は自分が受けた被害に怒りを露にしていた。
この生徒は元々肥満児で運動も得意でなく、難関私立中学の受験に向けて勉強だけに励んでいたこともありクラスでは目立たない存在であった。
体育教師はクラスにおける彼の存在感を高めようという思いもあって人間ピラミッドの最下段中央の役に彼を任命したが、そのことは生徒の身体と心に傷を負わせる結果となっていた。
「小学校は1日も登校しなくたって卒業できるんだから、僕はもう学校には行かない。私立中学校に受かって、あんな頭の悪い体育教師がいない環境で勉強するんだ!」
「ケンジ君……」
体育教師と校長、教頭は被害児童とその保護者に対して直接謝罪し、学校としての賠償も約束していたが、組体操に無理やり参加させられて大怪我を負ったケンジは教師たちと学校を許していなかった。
女性教師は彼の言い分をもっともだと思いつつ、何もできない自分に無力さを感じていた。
その時。
「お初にお目にかかります。警視庁社会問題担当課の刑事、扇情寺弾と申します」
病室に入室してきたのは、ワイシャツ姿の刑事だった。
「こんにちは、刑事さん。病室まで来てくださったのですね」
「おじさん誰? 刑事さんなら、あの体育教師を逮捕してくれるの?」
「僕はまだ20代だが、ただの刑事だと思わないで欲しい。君、ヒーローは好きかい?」
ふてくされた態度を崩さないケンジに、刑事はそう問いかけた。
「4年生ぐらいまでは毎週日曜日に見てたかな。最近は受験勉強で忙しくて見れてないけど」
「それは何よりだ。では、僕の真の姿をお見せしよう」
変身ヒーローの特撮番組を好んでいると言ったケンジに、刑事は微笑みを浮かべると、
「インストールコード、情着!!」
聞き慣れない漢字二文字の単語を叫んだ。
その瞬間、刑事の周囲から突如として機械的なプロテクターが出現し、彼の身体を包み込んだ。
「おじさん、その姿は……!?」
「私は理装刑事ビダン! 市民が巻き込まれた問題を平和的に解決することが使命だ!!」
そう、彼こそが警視庁の誇る変身ヒーロー「理装刑事ビダン」。
小学校の教頭からの依頼を受け、ビダンは被害児童を救うために現れたのだ。
「ケンジ君。君は小学校の組体操の練習で大怪我を負ったそうだね。その責任は組体操の実施を強行した学校と、嫌がる君を無理に参加させた体育の先生にあることは言うまでもないだろう」
「ビダンさんは分かってくれるんだね。僕はどうしても学校を許せないんだ」
初めて現実のものとして出会ったヒーローの姿に目を輝かせながら、ケンジはそう言った。
「だが、君は今回の事件を、ただ辛い思いをしただけと考えているようだ。それは当然仕方のないことで、君は大腿骨を折って入院する羽目になったし、どれだけ謝罪されても君の受けた被害がなかったことにはならない。ただ、少し考え方を変えてみてはどうだろうか」
「どういうこと?」
率直に尋ねたケンジに、ビダンは言葉を続ける。
「君がピラミッド最下段の中央で必死に皆を支えていたからこそ、ピラミッドの崩壊の勢いは抑えられ、他の生徒は誰一人として大きな怪我を負わずに済んだ。クラスメイトたちは皆そのことを理解しているし、君のことを本気で心配している。その励ましの手紙は、皆が本心から書いたものなんだよ」
「そんなこと言ったって、僕はクラスで空気みたいに扱われてたんだ。どうせ先生に言われて書いただけだよ」
「果たしてそうかな? 皆、入ってきてくれ」
ビダンがそう言った瞬間、病室の前で待ち構えていたクラスメイトたちは一斉に病室へとなだれ込んだ。
「ケンジ! お前をガリ勉の太っちょだとか思ってて本当にごめん! お前は最後までピラミッドを支え続けた英雄だ!!」
「ケンジ君、怪我が治ったら早く学校に戻ってきて! クラス全員で一緒に卒業したいの!!」
「み、皆……」
クラスメイトたちが口々に自分を励ます姿を見て、ケンジは驚きのあまり何も言えなくなっていた。
「君の怪我はそう遠くないうちに完治するが、君は今回怪我をしたことを一生忘れないだろう。そしてその怪我は、君とクラスメイトたちとの絆の証なんだ。何もかも悲観的に考えずに、どうか学校に帰ってきてくれないだろうか。ビダンからのお願いだ」
静かに言ったヒーローの言葉に、ケンジは笑顔で頷いた。
クラスメイトたちが歓声を上げる中、ビダンは無言で病室を去っていった。
扇情寺弾、またの名を理装刑事ビダン。
市民たちがトラブルに遭遇した時、彼はどこからともなく現れ、全てを美談にして去っていく。
その1か月後。松葉杖での歩行が可能になったケンジは小学校に復帰し、延期されていた運動会も観戦することができた。
組体操事故の反省から安全な種目のみで開催された運動会は盛り上がり、校長は閉会の辞を述べると満面の笑みで校長室に戻った。
「一時はどうなることかと思ったが、訴訟騒ぎにならずに済んで何よりだ。体育教師は自主退職に追い込めたし、これで私の定年後は安泰だな」
校長室の座席で独りごちた校長の前に、ワイシャツ姿の刑事が現れた。
「お久しぶりです、警視庁社会問題担当課の扇情寺弾です」
「おお、理装刑事ビダンさんじゃないですか。どうもどうも、あなたのおかげでわが校は安泰ですよ」
嬉しそうに呼びかけた校長に、刑事は無表情のまま口を開いた。
「いえ、今日はヒーローではなく刑事として参りました。この学校の責任者であるあなたを危険学事致傷罪で逮捕致します」
「な、何だと!? そんな刑法がいつできたんだ!?」
「美談を成立させるためには、それ相応の対価が必要なのです。二度とあのような事故が起きてはなりませんからね」
「そんな……」
絶望する校長の右腕に手錠をかけると、刑事は彼を警視庁へと連行した。
組体操における人間ピラミッドの実施に対して無責任に許可を下し、崩落事故の全責任を体育教師に被せて逃げようとした彼の責任は、これから公の場で問われることとなる。
彼の名は理装刑事ビダン。
美談を美談のまま終わらせないことが、彼の信条なのだ。
(完)
「教頭先生、現在生徒たちの被害はどうなっていますか」
「ピラミッドの上方にいた生徒は奇跡的に全員無事でしたが、最下層を担当していた生徒が怪我を負っています。ほとんどは擦り傷程度ですが、1名のみ大腿骨を折る大怪我を負い病院に搬送されました」
「何ということだ……」
この小学校では来月に迫った運動会に向けて小学6年生が組体操の練習に励んでおり、クライマックスでは28名の生徒による7段の人間ピラミッドが披露されることになっていた。
来年度で定年を迎える体育教師の強い意向により人間ピラミッドの練習は保護者から危険視されつつも継続されていたが、この日ついにピラミッドの崩落事故が起こり、生徒1名が病院に救急搬送される事態となっていた。
「保護者からクレームが来ていてこういう事態になった以上、体育教師の首を切るだけでは済まないぞ。私たちはもう終わりだ……」
「校長先生、まだ打つ手は残っています。幸いここは東京都内ですから、警視庁の力を借りることができます」
校長室の机上で頭を抱えた校長に、教頭は打開策を提案した。
「警視庁? バカを言わないでください、体育教師を逮捕した所で学校の責任は残るのですよ」
「いえ、そういう意味ではありません。こういった事態の解決を専門とする、あの刑事を呼ぶのです」
「……なるほど、そういうことですね」
校長の許可を得て、教頭は小学校の固定電話から警視庁の専用ダイヤルに電話をかけた。
その1週間後。組体操の練習で右大腿骨骨折の大怪我を負った生徒は近隣の公立病院への入院を余儀なくされていた。
「ケンジ君、怪我は順調に治ってるって聞いたわ。今日も皆からの励ましのお手紙を持ってきたわよ」
「いくら手紙を持ってこられたって、僕の怪我が治る訳じゃないじゃないか! あんな学校、二度と戻ってやるもんか!!」
組体操の指導者であり被害生徒の担任教師でもあった体育教師は現在自宅謹慎処分を受け、担任からも外されていた。
後任で担任となった若い女性教師は毎日放課後に被害児童の病室を訪れていたが、ケンジと呼ばれた生徒は自分が受けた被害に怒りを露にしていた。
この生徒は元々肥満児で運動も得意でなく、難関私立中学の受験に向けて勉強だけに励んでいたこともありクラスでは目立たない存在であった。
体育教師はクラスにおける彼の存在感を高めようという思いもあって人間ピラミッドの最下段中央の役に彼を任命したが、そのことは生徒の身体と心に傷を負わせる結果となっていた。
「小学校は1日も登校しなくたって卒業できるんだから、僕はもう学校には行かない。私立中学校に受かって、あんな頭の悪い体育教師がいない環境で勉強するんだ!」
「ケンジ君……」
体育教師と校長、教頭は被害児童とその保護者に対して直接謝罪し、学校としての賠償も約束していたが、組体操に無理やり参加させられて大怪我を負ったケンジは教師たちと学校を許していなかった。
女性教師は彼の言い分をもっともだと思いつつ、何もできない自分に無力さを感じていた。
その時。
「お初にお目にかかります。警視庁社会問題担当課の刑事、扇情寺弾と申します」
病室に入室してきたのは、ワイシャツ姿の刑事だった。
「こんにちは、刑事さん。病室まで来てくださったのですね」
「おじさん誰? 刑事さんなら、あの体育教師を逮捕してくれるの?」
「僕はまだ20代だが、ただの刑事だと思わないで欲しい。君、ヒーローは好きかい?」
ふてくされた態度を崩さないケンジに、刑事はそう問いかけた。
「4年生ぐらいまでは毎週日曜日に見てたかな。最近は受験勉強で忙しくて見れてないけど」
「それは何よりだ。では、僕の真の姿をお見せしよう」
変身ヒーローの特撮番組を好んでいると言ったケンジに、刑事は微笑みを浮かべると、
「インストールコード、情着!!」
聞き慣れない漢字二文字の単語を叫んだ。
その瞬間、刑事の周囲から突如として機械的なプロテクターが出現し、彼の身体を包み込んだ。
「おじさん、その姿は……!?」
「私は理装刑事ビダン! 市民が巻き込まれた問題を平和的に解決することが使命だ!!」
そう、彼こそが警視庁の誇る変身ヒーロー「理装刑事ビダン」。
小学校の教頭からの依頼を受け、ビダンは被害児童を救うために現れたのだ。
「ケンジ君。君は小学校の組体操の練習で大怪我を負ったそうだね。その責任は組体操の実施を強行した学校と、嫌がる君を無理に参加させた体育の先生にあることは言うまでもないだろう」
「ビダンさんは分かってくれるんだね。僕はどうしても学校を許せないんだ」
初めて現実のものとして出会ったヒーローの姿に目を輝かせながら、ケンジはそう言った。
「だが、君は今回の事件を、ただ辛い思いをしただけと考えているようだ。それは当然仕方のないことで、君は大腿骨を折って入院する羽目になったし、どれだけ謝罪されても君の受けた被害がなかったことにはならない。ただ、少し考え方を変えてみてはどうだろうか」
「どういうこと?」
率直に尋ねたケンジに、ビダンは言葉を続ける。
「君がピラミッド最下段の中央で必死に皆を支えていたからこそ、ピラミッドの崩壊の勢いは抑えられ、他の生徒は誰一人として大きな怪我を負わずに済んだ。クラスメイトたちは皆そのことを理解しているし、君のことを本気で心配している。その励ましの手紙は、皆が本心から書いたものなんだよ」
「そんなこと言ったって、僕はクラスで空気みたいに扱われてたんだ。どうせ先生に言われて書いただけだよ」
「果たしてそうかな? 皆、入ってきてくれ」
ビダンがそう言った瞬間、病室の前で待ち構えていたクラスメイトたちは一斉に病室へとなだれ込んだ。
「ケンジ! お前をガリ勉の太っちょだとか思ってて本当にごめん! お前は最後までピラミッドを支え続けた英雄だ!!」
「ケンジ君、怪我が治ったら早く学校に戻ってきて! クラス全員で一緒に卒業したいの!!」
「み、皆……」
クラスメイトたちが口々に自分を励ます姿を見て、ケンジは驚きのあまり何も言えなくなっていた。
「君の怪我はそう遠くないうちに完治するが、君は今回怪我をしたことを一生忘れないだろう。そしてその怪我は、君とクラスメイトたちとの絆の証なんだ。何もかも悲観的に考えずに、どうか学校に帰ってきてくれないだろうか。ビダンからのお願いだ」
静かに言ったヒーローの言葉に、ケンジは笑顔で頷いた。
クラスメイトたちが歓声を上げる中、ビダンは無言で病室を去っていった。
扇情寺弾、またの名を理装刑事ビダン。
市民たちがトラブルに遭遇した時、彼はどこからともなく現れ、全てを美談にして去っていく。
その1か月後。松葉杖での歩行が可能になったケンジは小学校に復帰し、延期されていた運動会も観戦することができた。
組体操事故の反省から安全な種目のみで開催された運動会は盛り上がり、校長は閉会の辞を述べると満面の笑みで校長室に戻った。
「一時はどうなることかと思ったが、訴訟騒ぎにならずに済んで何よりだ。体育教師は自主退職に追い込めたし、これで私の定年後は安泰だな」
校長室の座席で独りごちた校長の前に、ワイシャツ姿の刑事が現れた。
「お久しぶりです、警視庁社会問題担当課の扇情寺弾です」
「おお、理装刑事ビダンさんじゃないですか。どうもどうも、あなたのおかげでわが校は安泰ですよ」
嬉しそうに呼びかけた校長に、刑事は無表情のまま口を開いた。
「いえ、今日はヒーローではなく刑事として参りました。この学校の責任者であるあなたを危険学事致傷罪で逮捕致します」
「な、何だと!? そんな刑法がいつできたんだ!?」
「美談を成立させるためには、それ相応の対価が必要なのです。二度とあのような事故が起きてはなりませんからね」
「そんな……」
絶望する校長の右腕に手錠をかけると、刑事は彼を警視庁へと連行した。
組体操における人間ピラミッドの実施に対して無責任に許可を下し、崩落事故の全責任を体育教師に被せて逃げようとした彼の責任は、これから公の場で問われることとなる。
彼の名は理装刑事ビダン。
美談を美談のまま終わらせないことが、彼の信条なのだ。
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