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2021年10月 大人のカンケイ
第4話 ハイスペ男子の危機
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「カナちゃん、その子絶対危ないわよ! 流石に注意した方がいいと思う」
「やっぱり?」
ある水曜日の午後、うちはお互い学生研究で登校していた友達の壬生川恵理さんに恋愛相談をしていた。
今はCBT前ということもあってほとんどの授業はオンデマンド映像講義で代替されていて、相談できる女友達は同じ研究医生で同級生の壬生川さんしかいなかった。
「真面目な受験生は学校内で恋愛してる余裕はないし、京大医学部を受験する女子高生なんて特にそうでしょうからイケメンで優しい男性チューターを好きになるのはおかしくないと思う。だけど校舎の営業時間外にまでラブラブなメッセージを送ってくるのは流石にまずいわ。珠樹君に気を付けるよう言うだけじゃなくて校舎の塾長先生にも相談するよう言った方がいいわよ」
「確かに壬生川さんの言う通りやね。珠樹は全然相手にしてへんみたいやけど、一応塾長先生に相談するよう言うてみるわ。今日はありがとう」
「ハイスペックな男子と付き合うっていうのはそういう事態にもちょくちょく遭遇するってことだから、今後も気を付けるのよ。まあ珠樹君は信頼できそうだけど」
壬生川さんはうちと違って男性の心理に詳しいからこういう時は本当に頼りになる友達だった。
彼女のアドバイスを受けて、うちはその翌日に珠樹と会うことになった。
「……そういう訳で珠樹はその女の子には気を付けた方がええと思う。チューターと生徒の関係やけど若い男女には変わりないし、受験生はどうしてもそういうことに夢中になりがちやから。塾長先生にも相談してみたら?」
「うーん、確かにそうやね。俺もその子に好意を持たれてることは分かってて、上手くあしらってきたつもりやねんけどこのままにしとくのも怖いし。塾長先生に相談してやんわり注意して貰うわ」
珠樹のスマホを勝手に見たことは隠しつつ、うちは珠樹に女子生徒とのコミュニケーションに注意するよう言った。
珠樹はうちの言葉を受け入れてくれて、それからすぐに塾長先生に相談して塾長からその女子生徒に注意をして貰ったらしい。
今後は校舎の営業時間外にはメッセージを送らないこと、あまり重要でない相談はメッセージアプリでは行わないことと塾長から指導されて女子生徒は自らの行為を反省した。
これで全ては円満解決、めでたしめでたし……
とは終わらなかった。
「やっぱり?」
ある水曜日の午後、うちはお互い学生研究で登校していた友達の壬生川恵理さんに恋愛相談をしていた。
今はCBT前ということもあってほとんどの授業はオンデマンド映像講義で代替されていて、相談できる女友達は同じ研究医生で同級生の壬生川さんしかいなかった。
「真面目な受験生は学校内で恋愛してる余裕はないし、京大医学部を受験する女子高生なんて特にそうでしょうからイケメンで優しい男性チューターを好きになるのはおかしくないと思う。だけど校舎の営業時間外にまでラブラブなメッセージを送ってくるのは流石にまずいわ。珠樹君に気を付けるよう言うだけじゃなくて校舎の塾長先生にも相談するよう言った方がいいわよ」
「確かに壬生川さんの言う通りやね。珠樹は全然相手にしてへんみたいやけど、一応塾長先生に相談するよう言うてみるわ。今日はありがとう」
「ハイスペックな男子と付き合うっていうのはそういう事態にもちょくちょく遭遇するってことだから、今後も気を付けるのよ。まあ珠樹君は信頼できそうだけど」
壬生川さんはうちと違って男性の心理に詳しいからこういう時は本当に頼りになる友達だった。
彼女のアドバイスを受けて、うちはその翌日に珠樹と会うことになった。
「……そういう訳で珠樹はその女の子には気を付けた方がええと思う。チューターと生徒の関係やけど若い男女には変わりないし、受験生はどうしてもそういうことに夢中になりがちやから。塾長先生にも相談してみたら?」
「うーん、確かにそうやね。俺もその子に好意を持たれてることは分かってて、上手くあしらってきたつもりやねんけどこのままにしとくのも怖いし。塾長先生に相談してやんわり注意して貰うわ」
珠樹のスマホを勝手に見たことは隠しつつ、うちは珠樹に女子生徒とのコミュニケーションに注意するよう言った。
珠樹はうちの言葉を受け入れてくれて、それからすぐに塾長先生に相談して塾長からその女子生徒に注意をして貰ったらしい。
今後は校舎の営業時間外にはメッセージを送らないこと、あまり重要でない相談はメッセージアプリでは行わないことと塾長から指導されて女子生徒は自らの行為を反省した。
これで全ては円満解決、めでたしめでたし……
とは終わらなかった。
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