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2019年3月 解剖学基本コース
18 気分は温かい
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駅前から5分ほど歩き、僕らは国道沿いの歩道から裏道に入った所にあるうどん屋「信楽」にたどり着いた。
チェーン店でも有名店でもない地元にある普通のうどん屋だが、チェーン店よりやや高い値段でそれなりに高級なうどん定食を食べられるので畿内医大の学生にも隠れた人気がある店だった。
昼食の時間帯は3組や4組もの学生が来ていることもあるが夕食の場所として選ばれることは少なく、今の時間帯は地元のお客さんしか来ていない。
僕がこの店を指定したのは駅から遠くない立地に加えて1人せいぜい800円で済むので先輩に気を遣わせないという理由もあるが、最も優先したのは畿内医大の学生に目撃されにくいことだった。
解川先輩は何だかんだといって男子学生からの人気が高いので、その先輩と2人きりで夕食を楽しんでいる姿を見られたら僕も色々とやりづらい。
僕と先輩との関係はどこまで行っても友情にしかなり得ないからこそ学内で不用意に目立つのは避けたかった。
そういう経緯を思い返しつつ、僕は先輩に店の入り口を指し示した。
「こちらの店です。入りましょう」
「ありがとう。少し分かりにくい所にあるのね」
先に入ってから先輩が入れるようにドアを開けつつ、僕らは信楽の店内に入った。
先輩はこの店には来たことがなかったらしく初めて入る店内をキョロキョロと見回していた。
「いらっしゃいませ。2名様ですか?」
「そうです。空いていれば禁煙席でお願いします」
ベテランらしい女性の店員さんが尋ねてきたので僕はスムーズに答えた。
この店は分煙になっており、僕も先輩も喫煙習慣はないので禁煙席を指定した。
「禁煙席ですね。こちらにどうぞ」
「ありがとうございます」
奥行きが広い構造の店内のうち奥の方でパーティションに区切られた一角のみが喫煙席なので、店員さんは僕らを比較的入口に近い窓際の席に案内した。
店員さんに会釈してテーブル席に座ると解川先輩も向かい側に座った。
2人用のやや狭いテーブル席でお互いが向き合う格好になる。
「とりあえずお疲れ様です。メニュー見ます?」
「うん、見てみる。……なるほど、色々あるのね」
信楽には各種のうどんとセットの丼を組み合わせた様々な定食メニューがあり、定食はいずれも税抜800円という良心的な価格だ。
初めて来た客はどれを頼むか悩みがちで、先輩もメニューの冊子を見ながら迷っているようだった。
僕は何を頼むか決めてあるので店員さんが持ってきてくれたお水を飲みつつ先輩を眺めていた。
忙しいとゆっくり人の顔を見ている時間もないが、こうして落ち着いた状況で眺めていると先輩はやはり相当な美人だと思った。
普段あまり意識しないのは先輩のキャラクターが社交的でなかったりヤミ子先輩絡みで時々よく分からない言動をするからだったりと様々な理由によるが、少なくとも研究医養成コースという特殊な縁で美人の先輩と知り合えてよかったと思う。
「……ねえ、聞こえてる?」
はっ!
余裕の態度で先輩を眺めていたつもりが、いつの間にか上の空になっていたらしい。
「私はこのかけうどんと親子丼の定食にするけど、白神君はどうするの?」
「あっ、すみません。僕はざるうどんとカツ丼にします。店員さん呼びますね」
「ええ、お願いします」
僕が店員さんを呼ぶと先輩はスムーズに注文内容を伝えた。
「この短い時間で眠くなるなんて、よっぽど疲れてるのね」
先輩は少し可笑しそうにそう言ったので僕も素直に頷いておいた。
いくら褒め言葉でも流石に美人に見惚れてましたとは言えない。
料理が運ばれてくるまでの間、僕らは静かに話していた。
「もう聞いてると思うけど私が学生研究について教えるのは昨日で一旦終わりで、次は10月の発展コース研修まで一緒にはやらないから。でもその間も抄読会とか研究医のイベントとかでは会うと思うし、研究を抜きにしても私たちは友達だからね」
「はい、ありがとうございます」
ヤミ子先輩の紹介で知り合った頃は取り付く島もないと思っていたが、実際に2人で話すようになると思ったよりずっと仲良くなれた。
来月以降に予定されている生化学教室や生理学教室への配属でもこうやって指導担当の学生と仲良くなれればと思う。
「生化学教室では誰が指導してくれるか聞いた?」
「いえ、何も聞いてないです。成宮教授からのメールで全体オリエンテーションの後に教室まで来るようにとは言われましたけど」
シラバス上では4月から生化学教室で基本コースの研修を受けることになっているが、僕が直接聞いている情報はそれだけだった。
「そうなのね。また聞くと思うけど、2回生の生島さんっていう女の子が担当になるはず」
先輩が口にした名前には聞き覚えがあった。
「生島さんは知ってます。何回か話したことがあるぐらいですけど、確かたこ焼きの」
「ストップ。その話はあまり本人にはしないであげて」
「あ、すみません」
2回生の生島さんには非常に珍しい特徴があり2回生の間でも知らない学生がいないほどだったが、本人はその話題を嫌がっているとは聞いていた。
「というか生島さんも研究医養成コース生だったんですね。しかも同じ2回生の研修を担当してくれるんですか?」
「あの子は研究にはとても真面目で、1回生の後半にはもう教室に配属されてたから授業で生化学を習ってなくても研究については教えられると思う。ただ、生化学教室の研究医養成コース生は彼女しかいないからそれで担当させられてるという事情もあるみたい」
「それは大変ですね……」
仮に僕が同じ立場だったとして、医学部に入ってから1年しか経っていない状況で同級生を研究について指導しろと言われれば困るだろう。
「そういえば、白神君に言いたいことがあったの」
しばらくして、解川先輩は何かを思い立った様子で僕に呼びかけた。
「はい、何でしょう?」
「さっきも言ったけど、私たちはもう友達よね?」
あっさり流したが先ほどの表現には何か意味があったのだろうか。
「ええ、そう思いたいですけど……」
僕が対応に悩みつつ言うと、先輩は、
「お互い友達と思えるなら、名字で呼び合うのはやめない?」
と提案した。
「……と言うと?」
「私は白神君じゃなくて塔也君って呼ぶようにするから、あなたも私のことをさっちゃんって呼んで」
いきなりの展開に驚いた。
「は、はあ……」
「じゃあよろしくね、塔也君」
先輩はそう言ってルンルンとしているが、解川先輩と2人きりで居るのを見られたくなくて少し不便な場所の店を選んだのに今日から名前で呼ばれるようになっては意味がない気がする。
かといって先輩の提案を拒絶する訳にもいかないし……
「分かりました、さっちゃん……」
「そう、それでいいの。塔也君」
これは苦しい。
その後数分ほどで料理は運ばれてきて、解川先輩……いや、さっちゃんは初めて食べる信楽のうどんの味に満足しているようだった。
僕もそろそろお腹が空く時間だったので、先輩のおごりでざるうどんとカツ丼を食べて生理的にも経済的にも満足できた。
だけど……
「美味しかった。塔也君はいいお店を知ってるのね」
料理を食べ終わり、店員さんにお皿を下げて貰ってから僕らは引き続き話していた。
「良かったです。また、さっちゃんもヤミ子先輩を……」
僕は色々と限界になり、そこで言葉に詰まってしまった。
「どうしたの?」
「……あの、お願いがあります」
僕はテーブルの上に頭を下げると、目の前のさっちゃんに、
「どうも慣れないので、せめて剖良先輩って呼ばせて頂けませんか?」
と懇願した。
「確かに、いきなりは難しいかな……」
対応を誤ったと判断したのか、先輩も先ほどの提案を少し修正して僕からは剖良先輩と呼べばいいことになった。
「ごめん塔也君。私、こういう時の距離感が分からなくて」
こちらの呼び方は修正して貰えなかった。
明日から男子学生からのプレッシャーがきつそうだがもはや僕の関知する所ではない(と思うしかない)。
20時近くまでゆっくり話して僕らはうどん屋を出た。
先輩は信楽を気に入ったようで、またヤミ子先輩や別の友達を連れて行ってみたいと話していた。
時刻はもう夜なので僕はそのまま皆月市駅の改札前まで先輩を見送りに行った。
先輩は別れ際、僕の方に振り向くと、
「あの、塔也君。呼び方を変えて貰ったことだけど」
と話を切り出し、そのまま、
「あれは友達だから名前で呼び合おうと思っただけで、それ以上の意味はないからね」
と一息に言った。
「ええ、分かりました……」
剖良先輩の言動は深く考えると面倒になりがちなので成り行きに任せるのが一番だと今日まで付き合ってきて理解できた。
僕もあることを思いつき、笑顔の剖良先輩に、
「じゃあ、僕からも一つお願いしたいんですけど」
と話題を切り出した。
「ええ、どうぞ」
笑顔で答えた剖良先輩に、僕は一息に、
「先輩は好きな人のことを諦めなくていいと思いますけど、どういう結果になっても先輩もその人もなるべく傷付かないようにしてください」
と伝えた。
先輩は驚いた表情をして少し黙り、それからまた笑顔を浮かべると、
「ありがとう。……これからも、相手のことをよく考えて付き合うようにするね」
と答えて、そのまま改札を通って去っていった。
この1か月間で剖良先輩と仲良くなれたのは確かだが、先輩のキャラクターをよく分かったかと言うとそうでもない気がする。
その中で一つ言えることがある。
剖良先輩は、面白い人だ。
チェーン店でも有名店でもない地元にある普通のうどん屋だが、チェーン店よりやや高い値段でそれなりに高級なうどん定食を食べられるので畿内医大の学生にも隠れた人気がある店だった。
昼食の時間帯は3組や4組もの学生が来ていることもあるが夕食の場所として選ばれることは少なく、今の時間帯は地元のお客さんしか来ていない。
僕がこの店を指定したのは駅から遠くない立地に加えて1人せいぜい800円で済むので先輩に気を遣わせないという理由もあるが、最も優先したのは畿内医大の学生に目撃されにくいことだった。
解川先輩は何だかんだといって男子学生からの人気が高いので、その先輩と2人きりで夕食を楽しんでいる姿を見られたら僕も色々とやりづらい。
僕と先輩との関係はどこまで行っても友情にしかなり得ないからこそ学内で不用意に目立つのは避けたかった。
そういう経緯を思い返しつつ、僕は先輩に店の入り口を指し示した。
「こちらの店です。入りましょう」
「ありがとう。少し分かりにくい所にあるのね」
先に入ってから先輩が入れるようにドアを開けつつ、僕らは信楽の店内に入った。
先輩はこの店には来たことがなかったらしく初めて入る店内をキョロキョロと見回していた。
「いらっしゃいませ。2名様ですか?」
「そうです。空いていれば禁煙席でお願いします」
ベテランらしい女性の店員さんが尋ねてきたので僕はスムーズに答えた。
この店は分煙になっており、僕も先輩も喫煙習慣はないので禁煙席を指定した。
「禁煙席ですね。こちらにどうぞ」
「ありがとうございます」
奥行きが広い構造の店内のうち奥の方でパーティションに区切られた一角のみが喫煙席なので、店員さんは僕らを比較的入口に近い窓際の席に案内した。
店員さんに会釈してテーブル席に座ると解川先輩も向かい側に座った。
2人用のやや狭いテーブル席でお互いが向き合う格好になる。
「とりあえずお疲れ様です。メニュー見ます?」
「うん、見てみる。……なるほど、色々あるのね」
信楽には各種のうどんとセットの丼を組み合わせた様々な定食メニューがあり、定食はいずれも税抜800円という良心的な価格だ。
初めて来た客はどれを頼むか悩みがちで、先輩もメニューの冊子を見ながら迷っているようだった。
僕は何を頼むか決めてあるので店員さんが持ってきてくれたお水を飲みつつ先輩を眺めていた。
忙しいとゆっくり人の顔を見ている時間もないが、こうして落ち着いた状況で眺めていると先輩はやはり相当な美人だと思った。
普段あまり意識しないのは先輩のキャラクターが社交的でなかったりヤミ子先輩絡みで時々よく分からない言動をするからだったりと様々な理由によるが、少なくとも研究医養成コースという特殊な縁で美人の先輩と知り合えてよかったと思う。
「……ねえ、聞こえてる?」
はっ!
余裕の態度で先輩を眺めていたつもりが、いつの間にか上の空になっていたらしい。
「私はこのかけうどんと親子丼の定食にするけど、白神君はどうするの?」
「あっ、すみません。僕はざるうどんとカツ丼にします。店員さん呼びますね」
「ええ、お願いします」
僕が店員さんを呼ぶと先輩はスムーズに注文内容を伝えた。
「この短い時間で眠くなるなんて、よっぽど疲れてるのね」
先輩は少し可笑しそうにそう言ったので僕も素直に頷いておいた。
いくら褒め言葉でも流石に美人に見惚れてましたとは言えない。
料理が運ばれてくるまでの間、僕らは静かに話していた。
「もう聞いてると思うけど私が学生研究について教えるのは昨日で一旦終わりで、次は10月の発展コース研修まで一緒にはやらないから。でもその間も抄読会とか研究医のイベントとかでは会うと思うし、研究を抜きにしても私たちは友達だからね」
「はい、ありがとうございます」
ヤミ子先輩の紹介で知り合った頃は取り付く島もないと思っていたが、実際に2人で話すようになると思ったよりずっと仲良くなれた。
来月以降に予定されている生化学教室や生理学教室への配属でもこうやって指導担当の学生と仲良くなれればと思う。
「生化学教室では誰が指導してくれるか聞いた?」
「いえ、何も聞いてないです。成宮教授からのメールで全体オリエンテーションの後に教室まで来るようにとは言われましたけど」
シラバス上では4月から生化学教室で基本コースの研修を受けることになっているが、僕が直接聞いている情報はそれだけだった。
「そうなのね。また聞くと思うけど、2回生の生島さんっていう女の子が担当になるはず」
先輩が口にした名前には聞き覚えがあった。
「生島さんは知ってます。何回か話したことがあるぐらいですけど、確かたこ焼きの」
「ストップ。その話はあまり本人にはしないであげて」
「あ、すみません」
2回生の生島さんには非常に珍しい特徴があり2回生の間でも知らない学生がいないほどだったが、本人はその話題を嫌がっているとは聞いていた。
「というか生島さんも研究医養成コース生だったんですね。しかも同じ2回生の研修を担当してくれるんですか?」
「あの子は研究にはとても真面目で、1回生の後半にはもう教室に配属されてたから授業で生化学を習ってなくても研究については教えられると思う。ただ、生化学教室の研究医養成コース生は彼女しかいないからそれで担当させられてるという事情もあるみたい」
「それは大変ですね……」
仮に僕が同じ立場だったとして、医学部に入ってから1年しか経っていない状況で同級生を研究について指導しろと言われれば困るだろう。
「そういえば、白神君に言いたいことがあったの」
しばらくして、解川先輩は何かを思い立った様子で僕に呼びかけた。
「はい、何でしょう?」
「さっきも言ったけど、私たちはもう友達よね?」
あっさり流したが先ほどの表現には何か意味があったのだろうか。
「ええ、そう思いたいですけど……」
僕が対応に悩みつつ言うと、先輩は、
「お互い友達と思えるなら、名字で呼び合うのはやめない?」
と提案した。
「……と言うと?」
「私は白神君じゃなくて塔也君って呼ぶようにするから、あなたも私のことをさっちゃんって呼んで」
いきなりの展開に驚いた。
「は、はあ……」
「じゃあよろしくね、塔也君」
先輩はそう言ってルンルンとしているが、解川先輩と2人きりで居るのを見られたくなくて少し不便な場所の店を選んだのに今日から名前で呼ばれるようになっては意味がない気がする。
かといって先輩の提案を拒絶する訳にもいかないし……
「分かりました、さっちゃん……」
「そう、それでいいの。塔也君」
これは苦しい。
その後数分ほどで料理は運ばれてきて、解川先輩……いや、さっちゃんは初めて食べる信楽のうどんの味に満足しているようだった。
僕もそろそろお腹が空く時間だったので、先輩のおごりでざるうどんとカツ丼を食べて生理的にも経済的にも満足できた。
だけど……
「美味しかった。塔也君はいいお店を知ってるのね」
料理を食べ終わり、店員さんにお皿を下げて貰ってから僕らは引き続き話していた。
「良かったです。また、さっちゃんもヤミ子先輩を……」
僕は色々と限界になり、そこで言葉に詰まってしまった。
「どうしたの?」
「……あの、お願いがあります」
僕はテーブルの上に頭を下げると、目の前のさっちゃんに、
「どうも慣れないので、せめて剖良先輩って呼ばせて頂けませんか?」
と懇願した。
「確かに、いきなりは難しいかな……」
対応を誤ったと判断したのか、先輩も先ほどの提案を少し修正して僕からは剖良先輩と呼べばいいことになった。
「ごめん塔也君。私、こういう時の距離感が分からなくて」
こちらの呼び方は修正して貰えなかった。
明日から男子学生からのプレッシャーがきつそうだがもはや僕の関知する所ではない(と思うしかない)。
20時近くまでゆっくり話して僕らはうどん屋を出た。
先輩は信楽を気に入ったようで、またヤミ子先輩や別の友達を連れて行ってみたいと話していた。
時刻はもう夜なので僕はそのまま皆月市駅の改札前まで先輩を見送りに行った。
先輩は別れ際、僕の方に振り向くと、
「あの、塔也君。呼び方を変えて貰ったことだけど」
と話を切り出し、そのまま、
「あれは友達だから名前で呼び合おうと思っただけで、それ以上の意味はないからね」
と一息に言った。
「ええ、分かりました……」
剖良先輩の言動は深く考えると面倒になりがちなので成り行きに任せるのが一番だと今日まで付き合ってきて理解できた。
僕もあることを思いつき、笑顔の剖良先輩に、
「じゃあ、僕からも一つお願いしたいんですけど」
と話題を切り出した。
「ええ、どうぞ」
笑顔で答えた剖良先輩に、僕は一息に、
「先輩は好きな人のことを諦めなくていいと思いますけど、どういう結果になっても先輩もその人もなるべく傷付かないようにしてください」
と伝えた。
先輩は驚いた表情をして少し黙り、それからまた笑顔を浮かべると、
「ありがとう。……これからも、相手のことをよく考えて付き合うようにするね」
と答えて、そのまま改札を通って去っていった。
この1か月間で剖良先輩と仲良くなれたのは確かだが、先輩のキャラクターをよく分かったかと言うとそうでもない気がする。
その中で一つ言えることがある。
剖良先輩は、面白い人だ。
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