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第2話 教えてください大先輩! 魔法の杖はびっくりどっきり!?
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東京都足立区で暮らす2人の女子中学生、壬生のあれと夢野玲の真の姿は魔法少女イン・ドリーム。日本政府の転覆を目論むシューエキカ星人から社会を守るべく、2人は日夜戦いに身を投じているのです。
「イィー! 俺たちの貴重な資金源は頂きだー!!」
「待ちなさいシューエキカ星人! 人々が頑張って分別したごみを勝手に持ち去るなんて許せないわ! レッドドリーム参上!」
「ブルードリームも推して参るよ! マジカルシャインビーム!!」
「ぐわあっ、目が、目があっ!!」
早朝の集合ごみ捨て場でリサイクルごみを持ち去ろうとしていたシューエキカ星人の前に現れた魔法少女イン・ドリーム。いつものように名乗り口上を唱えつつ青の魔法少女、すなわちブルードリームに変身した玲ちゃんはまばゆい光の魔法で戦闘員たちの目をくらませました。
「一気に畳みかけよう! のあれちゃん、接近戦を挑むチャンスだよ!!」
「え、何か言った? マジカルガトリング砲一斉射」
「「ぎゃああああああああああああ!!」」
徒手空拳での接近戦が得意な赤の魔法少女、すなわちレッドドリームに変身したのあれちゃんに次なる攻撃を促した玲ちゃんですが、のあれちゃんは魔法のコンパクトに収納していた巨大な連装機関砲を展開すると戦闘員たちを一網打尽にしてしまいました。
「のあれちゃん、そういうのはやめようってこの前話したじゃないか! 傍から見たらどっちが悪者か分かんないでしょ!?」
「えー、だって悪い奴らでも叩いたり蹴ったりするとこっちが痛いし、あっさり死んでくれた方が良心が傷まないし」
「何でそんな典型的な悪役みたいなこと言うの! 分かったよ、ボクが言っても聞いてくれないなら先輩に相談するから! 魔法少女歴がボクたちより長い先輩に!!」
玲ちゃんは怒りながらそう言うと魔法のスマホで異世界にある魔法少女事務局に電話をかけ始め、のあれちゃんは連装機関砲をお気に入りのハンカチで掃除しながらまた面倒なことになったと思っていました。
その翌週、イン・ドリームの2人のもとに現れたのは今年で中学1年生になる魔法少女の高梨ほのかちゃんでした。
「お久しぶりです先輩! 今日はボクたちのために来てくださってありがとうございます!!」
「先輩だなんてそんなー、私なんてまだまだ魔法少女見習いみたいなもんですよー」
目を輝かせている玲ちゃんに苦笑しながら答えているほのかちゃんは大人しそうな女の子ですが小学生の頃から「魔法少女マテリアルほのか」として活躍しており、最近は地球上ではなくもっと治安が悪い異世界で主に戦っていました。
「先輩っていうけど年下なんだね~、まあ今日はよろし」
「あ、今何つったお前? あたし小3から魔法少女やってっからあんたらより魔法少女歴は3年も長いんだが? ナメた口聞いてると○○の○○からマジカルステッキ突っ込んで」
「すみませんマジすみません、今日は何卒よろしくお願いします」
「分かりゃいいよ分かりゃ。そう言えばほのかタピオカミルクティー飲みたいなー、この辺って美味しいお店あったかなー?」
「へへっ、今すぐ買ってきやすね! 大先輩は何味をご所望で」
「これはこれは都合のいい、魔法少女さんが3人まとめて現れるとは。私は特務指揮官カマセーヌ、あなた方3人を倒して魔法少女の撃墜数を10にすると致しましょうか」
本性を表したほのかちゃんに恐れおののいて小物感丸出しになっているのあれちゃんですが、彼女らの目の前に突如シューエキカ星人の新たな刺客が現れました。カマセーヌと名乗った怪人は上品そうな出で立ちですが怪人の中では有数の実力者で、これまで何人もの魔法少女を倒しています。
「コノヤロー、大先輩のお顔に傷をつけたらタダじゃおかねーぞ! 早速マジカルガトリング砲を」
「のあれちゃんと玲ちゃん、ここは私に任せて! 魔法少女の先輩としておしゃれでかっこいい戦い方を見せるから! そーれ、びっくりとびだしステッキー!!」
先手必勝ということで連装機関砲を展開しようとしたのあれちゃんですが、ほのかちゃんはイン・ドリームの2人を制止すると古めかしい感じのピンク色の魔法の杖を怪人カマセーヌに向けて振りかざしました。
「あらあら、これは代わり映えのしない攻撃ですね。この私のリフレクションマントの前にはいかなる魔法も反射されのぐふあっ!?」
「うわっ、杖の先端が飛んだ!?」
ほのかちゃんが振りかざしたステッキからは魔法が放たれるかと思いきや尖った先端が飛び出し、怪人カマセーヌは音速を超える速度で飛んでいった杖の先端で鼻頭を潰されました。
「これは先端が飛び出して悪い人たちをびっくりさせる特別な杖なの! 正式名称はスペツナズマジカルステッキっていうんだよー」
「うううう、鼻を潰されたごときで……こうなれば仕方がない、巨大化して貴様ら全員踏み潰してやる!!」
「先輩危ない! 今すぐマジカルシャインビームで目くらましを」
「心配しないで! 行くよー、やわらかぐねぐねマジカルシャワー!!」
「ぬうっ!? か、身体の中で魔法弾が暴れている!? 痛い、痛いぃぃぃぃぃ!! ああああああああ!!」
ほのかちゃんが再び振りかざしたステッキから放たれた魔法の光は魔法弾となって怪人カマセーヌの身体に突き刺さり、突き刺さった魔法弾はその衝撃で変形すると怪人の体内にくい込んでいきます。
「この魔法弾は少しの数で悪い人たちを無力化できるの! 正式名称はソフトポイントマジカルバレットっていうんだけどかわいい名前で呼んでるんだよー」
「うああああああ! 頼む死なせてくれ! この苦痛にはとても耐えられないぃぃぃぃぃ」
「だーめ、悪いことをした人はその分だけ罰を受けなきゃいけないの! のあれちゃんと玲ちゃん、魔法少女はこうやって子どもたちに夢を与えるんだよー!」
「へへっ、一生付いていきますぜ大先輩! ソフトポイント何とかは私のガトリング砲弾の材料にぜひ!!」
「は、ははは……」
苦しみあえぐ怪人の前で満面の笑みを浮かべているほのかちゃんに、玲ちゃんは魔法少女という業界のシビアさを思い知ったのでした。
(つづく)
「イィー! 俺たちの貴重な資金源は頂きだー!!」
「待ちなさいシューエキカ星人! 人々が頑張って分別したごみを勝手に持ち去るなんて許せないわ! レッドドリーム参上!」
「ブルードリームも推して参るよ! マジカルシャインビーム!!」
「ぐわあっ、目が、目があっ!!」
早朝の集合ごみ捨て場でリサイクルごみを持ち去ろうとしていたシューエキカ星人の前に現れた魔法少女イン・ドリーム。いつものように名乗り口上を唱えつつ青の魔法少女、すなわちブルードリームに変身した玲ちゃんはまばゆい光の魔法で戦闘員たちの目をくらませました。
「一気に畳みかけよう! のあれちゃん、接近戦を挑むチャンスだよ!!」
「え、何か言った? マジカルガトリング砲一斉射」
「「ぎゃああああああああああああ!!」」
徒手空拳での接近戦が得意な赤の魔法少女、すなわちレッドドリームに変身したのあれちゃんに次なる攻撃を促した玲ちゃんですが、のあれちゃんは魔法のコンパクトに収納していた巨大な連装機関砲を展開すると戦闘員たちを一網打尽にしてしまいました。
「のあれちゃん、そういうのはやめようってこの前話したじゃないか! 傍から見たらどっちが悪者か分かんないでしょ!?」
「えー、だって悪い奴らでも叩いたり蹴ったりするとこっちが痛いし、あっさり死んでくれた方が良心が傷まないし」
「何でそんな典型的な悪役みたいなこと言うの! 分かったよ、ボクが言っても聞いてくれないなら先輩に相談するから! 魔法少女歴がボクたちより長い先輩に!!」
玲ちゃんは怒りながらそう言うと魔法のスマホで異世界にある魔法少女事務局に電話をかけ始め、のあれちゃんは連装機関砲をお気に入りのハンカチで掃除しながらまた面倒なことになったと思っていました。
その翌週、イン・ドリームの2人のもとに現れたのは今年で中学1年生になる魔法少女の高梨ほのかちゃんでした。
「お久しぶりです先輩! 今日はボクたちのために来てくださってありがとうございます!!」
「先輩だなんてそんなー、私なんてまだまだ魔法少女見習いみたいなもんですよー」
目を輝かせている玲ちゃんに苦笑しながら答えているほのかちゃんは大人しそうな女の子ですが小学生の頃から「魔法少女マテリアルほのか」として活躍しており、最近は地球上ではなくもっと治安が悪い異世界で主に戦っていました。
「先輩っていうけど年下なんだね~、まあ今日はよろし」
「あ、今何つったお前? あたし小3から魔法少女やってっからあんたらより魔法少女歴は3年も長いんだが? ナメた口聞いてると○○の○○からマジカルステッキ突っ込んで」
「すみませんマジすみません、今日は何卒よろしくお願いします」
「分かりゃいいよ分かりゃ。そう言えばほのかタピオカミルクティー飲みたいなー、この辺って美味しいお店あったかなー?」
「へへっ、今すぐ買ってきやすね! 大先輩は何味をご所望で」
「これはこれは都合のいい、魔法少女さんが3人まとめて現れるとは。私は特務指揮官カマセーヌ、あなた方3人を倒して魔法少女の撃墜数を10にすると致しましょうか」
本性を表したほのかちゃんに恐れおののいて小物感丸出しになっているのあれちゃんですが、彼女らの目の前に突如シューエキカ星人の新たな刺客が現れました。カマセーヌと名乗った怪人は上品そうな出で立ちですが怪人の中では有数の実力者で、これまで何人もの魔法少女を倒しています。
「コノヤロー、大先輩のお顔に傷をつけたらタダじゃおかねーぞ! 早速マジカルガトリング砲を」
「のあれちゃんと玲ちゃん、ここは私に任せて! 魔法少女の先輩としておしゃれでかっこいい戦い方を見せるから! そーれ、びっくりとびだしステッキー!!」
先手必勝ということで連装機関砲を展開しようとしたのあれちゃんですが、ほのかちゃんはイン・ドリームの2人を制止すると古めかしい感じのピンク色の魔法の杖を怪人カマセーヌに向けて振りかざしました。
「あらあら、これは代わり映えのしない攻撃ですね。この私のリフレクションマントの前にはいかなる魔法も反射されのぐふあっ!?」
「うわっ、杖の先端が飛んだ!?」
ほのかちゃんが振りかざしたステッキからは魔法が放たれるかと思いきや尖った先端が飛び出し、怪人カマセーヌは音速を超える速度で飛んでいった杖の先端で鼻頭を潰されました。
「これは先端が飛び出して悪い人たちをびっくりさせる特別な杖なの! 正式名称はスペツナズマジカルステッキっていうんだよー」
「うううう、鼻を潰されたごときで……こうなれば仕方がない、巨大化して貴様ら全員踏み潰してやる!!」
「先輩危ない! 今すぐマジカルシャインビームで目くらましを」
「心配しないで! 行くよー、やわらかぐねぐねマジカルシャワー!!」
「ぬうっ!? か、身体の中で魔法弾が暴れている!? 痛い、痛いぃぃぃぃぃ!! ああああああああ!!」
ほのかちゃんが再び振りかざしたステッキから放たれた魔法の光は魔法弾となって怪人カマセーヌの身体に突き刺さり、突き刺さった魔法弾はその衝撃で変形すると怪人の体内にくい込んでいきます。
「この魔法弾は少しの数で悪い人たちを無力化できるの! 正式名称はソフトポイントマジカルバレットっていうんだけどかわいい名前で呼んでるんだよー」
「うああああああ! 頼む死なせてくれ! この苦痛にはとても耐えられないぃぃぃぃぃ」
「だーめ、悪いことをした人はその分だけ罰を受けなきゃいけないの! のあれちゃんと玲ちゃん、魔法少女はこうやって子どもたちに夢を与えるんだよー!」
「へへっ、一生付いていきますぜ大先輩! ソフトポイント何とかは私のガトリング砲弾の材料にぜひ!!」
「は、ははは……」
苦しみあえぐ怪人の前で満面の笑みを浮かべているほのかちゃんに、玲ちゃんは魔法少女という業界のシビアさを思い知ったのでした。
(つづく)
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