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第1話 モンブランが入ってないじゃない! 引き裂かれた2人の絆!?
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東京都足立区で暮らす2人の女子中学生、壬生のあれと夢野玲の真の姿は魔法少女イン・ドリーム。日本政府の転覆を目論むシューエキカ星人から社会を守るべく、2人は日夜戦いに身を投じているのです。
「ルンルーン、今日はケーキをたくさん買っちゃったよ! こんなに色々取り揃えてあげたからのあれちゃん喜ぶだろうな~。しかも全部2つずつ!」
ある土曜日の昼過ぎ、玲ちゃんは趣味の同人誌を描いているのあれちゃんに頼まれて近所のケーキ屋さんに行きました。玲ちゃんはのあれちゃんにお願いという名目でパシられるのが大好きで、今日は1500円しか貰っていないのに自分でお金を出して様々なケーキを2つずつ買ってきました。玲ちゃんが2つずつ買って何をしたいかは説明する必要ないですよね(笑)
「待て、貴様が魔法少女イン・ドリームの片割れだな? 俺の名は怪人ドーテルテー、今日は貴様らの下らん友情とやらを引き裂きに来た!」
「何だって!? そんなこと言ったってボクとのあれちゃんの絆は誰にも壊せはしない! ええと、ケーキを綺麗な地面に置いてそれから……」
「ああ、別に今ここで貴様と戦うつもりはないから安心してくれ。とっとと用を済ませて平和的に立ち去るとしよう」
「えっ……?」
ブロック塀の上に立っていた怪人ドーテルテーは玲ちゃんに謎の魔法をかけるとすぐさま空間転移で姿を消し、魔法の力で玲ちゃんの脳内から怪人の記憶は消去されていました。
「あれっ、ボクさっきまで何してたんだろう。ケーキを早く持って帰らないと。あ、そう言えばモンブランは1個しか売ってなかったんだよね……」
怪人に魔法をかけられた玲ちゃんは、ケーキの箱を勝手に開けるという先ほどまでなら絶対にしなかった行為に手をつけたのでした。
その10分後……
「わあいケーキ、私ケーキ大好き! 買ってきてくれた玲ちゃんにはご褒美に私のヘアメイクさせてあげるからね~」
「ありがとう、のあれちゃんが喜ぶと思ってどのケーキも2つずつ買ってきたんだよ! レシート貰い忘れちゃってごめんね」
「うん、全然いいよ……何これ、一体どういうこと!?」
玲ちゃんに渡されたケーキの箱を開封したのあれちゃんは、その中身を見て驚愕しました。
「ケーキがどうかしたの?」
「モンブランが入ってないじゃない! モンブランが食べたかったからケーキ買ってきて貰ったの! どうしてくれるのこれ!?」
「いや、モンブランは探したけど売ってなかったんだよ。だから他のケーキを色々買ってきて……」
「嘘だっ! だってここにクリームが残ってるしほのかな栗の匂いもするじゃない! 玲ちゃんの嘘つき!!」
「ご、ごめんのあれちゃん……」
「こんな嘘つきな子とは友達でいられないからお母さんに電話させて貰うね」
「駄目、それだけは勘弁して! うちのママはそういうの絶対許さないからのあれちゃんと二度と会えなくなっちゃう!」
「そんなこと言われたって仕方ないじゃない!」
「フフフフフ、よくやったぞ怪人ドーテルテー。貴様の魔法で魔法少女の片割れに欲望を解放させ、モンブランをこっそり食べさせることで友情を引き裂く作戦は上手くいきそうだな」
「魔王様、いつもながら回りくどい作戦ですがお気に召したようで何よりです。後は奴らの自滅を待つばかりですね」
シューエキカ星人の本拠地で、勝手に魔王を名乗っている前線部隊長と怪人ドーテルテーはほくそ笑みながら話していました。怪人ドーテルテーはヒトの扁桃体に悪影響を及ぼす魔法を玲ちゃんにかけることでモンブランを勝手に食べてしまうよう仕向けたのです。その魔法は戦闘中に使った方がいいような気がしますが深く考えてはいけません。
魔王がこっそり部屋の中に魔法の微小監視ドローンを仕掛けているとも知らず、のあれちゃんは玲ちゃんに一方的に怒っていました。
「もういいよ、どうせ玲ちゃんが私にモンブラン作ってくれる訳じゃないんだから! とりあえず今日はケーキ全部置いて帰ってちょうだい!!」
「そんなこと言われたらボク泣いちゃうよ! 何でもするから許して!!」
泣きつきながら何でもすると気軽に言ってしまった玲ちゃんに、のあれちゃんはあるアイディアを思いつきました。
「ふーん、それならモンブラン作って貰おうかな。ドリームドリームインドリーム、マジカルスパーク!!」
「なっ!?」
のあれちゃんは魔法の呪文を唱えると玲ちゃんを気絶させ、そのまま彼女を引きずって寝室まで連れていきました。
「今から玲ちゃんの肉体をケーキに、血液をクリームにして食べちゃいます! 半分以上残ってたら魔法で再生できるから大丈 プチ
「魔王様、なぜ映像を切るのですか! 奴らの恐るべき魔法を垣間見るチャンスではありませんか!?」
「お前は垣間見て耐えられるのか……?」
数々の惑星を滅ぼしてきたシューエキカ星人をも恐怖させたイン・ドリームの不思議な魔法。2人の戦いはこれからも続きます。
(つづく)
「ルンルーン、今日はケーキをたくさん買っちゃったよ! こんなに色々取り揃えてあげたからのあれちゃん喜ぶだろうな~。しかも全部2つずつ!」
ある土曜日の昼過ぎ、玲ちゃんは趣味の同人誌を描いているのあれちゃんに頼まれて近所のケーキ屋さんに行きました。玲ちゃんはのあれちゃんにお願いという名目でパシられるのが大好きで、今日は1500円しか貰っていないのに自分でお金を出して様々なケーキを2つずつ買ってきました。玲ちゃんが2つずつ買って何をしたいかは説明する必要ないですよね(笑)
「待て、貴様が魔法少女イン・ドリームの片割れだな? 俺の名は怪人ドーテルテー、今日は貴様らの下らん友情とやらを引き裂きに来た!」
「何だって!? そんなこと言ったってボクとのあれちゃんの絆は誰にも壊せはしない! ええと、ケーキを綺麗な地面に置いてそれから……」
「ああ、別に今ここで貴様と戦うつもりはないから安心してくれ。とっとと用を済ませて平和的に立ち去るとしよう」
「えっ……?」
ブロック塀の上に立っていた怪人ドーテルテーは玲ちゃんに謎の魔法をかけるとすぐさま空間転移で姿を消し、魔法の力で玲ちゃんの脳内から怪人の記憶は消去されていました。
「あれっ、ボクさっきまで何してたんだろう。ケーキを早く持って帰らないと。あ、そう言えばモンブランは1個しか売ってなかったんだよね……」
怪人に魔法をかけられた玲ちゃんは、ケーキの箱を勝手に開けるという先ほどまでなら絶対にしなかった行為に手をつけたのでした。
その10分後……
「わあいケーキ、私ケーキ大好き! 買ってきてくれた玲ちゃんにはご褒美に私のヘアメイクさせてあげるからね~」
「ありがとう、のあれちゃんが喜ぶと思ってどのケーキも2つずつ買ってきたんだよ! レシート貰い忘れちゃってごめんね」
「うん、全然いいよ……何これ、一体どういうこと!?」
玲ちゃんに渡されたケーキの箱を開封したのあれちゃんは、その中身を見て驚愕しました。
「ケーキがどうかしたの?」
「モンブランが入ってないじゃない! モンブランが食べたかったからケーキ買ってきて貰ったの! どうしてくれるのこれ!?」
「いや、モンブランは探したけど売ってなかったんだよ。だから他のケーキを色々買ってきて……」
「嘘だっ! だってここにクリームが残ってるしほのかな栗の匂いもするじゃない! 玲ちゃんの嘘つき!!」
「ご、ごめんのあれちゃん……」
「こんな嘘つきな子とは友達でいられないからお母さんに電話させて貰うね」
「駄目、それだけは勘弁して! うちのママはそういうの絶対許さないからのあれちゃんと二度と会えなくなっちゃう!」
「そんなこと言われたって仕方ないじゃない!」
「フフフフフ、よくやったぞ怪人ドーテルテー。貴様の魔法で魔法少女の片割れに欲望を解放させ、モンブランをこっそり食べさせることで友情を引き裂く作戦は上手くいきそうだな」
「魔王様、いつもながら回りくどい作戦ですがお気に召したようで何よりです。後は奴らの自滅を待つばかりですね」
シューエキカ星人の本拠地で、勝手に魔王を名乗っている前線部隊長と怪人ドーテルテーはほくそ笑みながら話していました。怪人ドーテルテーはヒトの扁桃体に悪影響を及ぼす魔法を玲ちゃんにかけることでモンブランを勝手に食べてしまうよう仕向けたのです。その魔法は戦闘中に使った方がいいような気がしますが深く考えてはいけません。
魔王がこっそり部屋の中に魔法の微小監視ドローンを仕掛けているとも知らず、のあれちゃんは玲ちゃんに一方的に怒っていました。
「もういいよ、どうせ玲ちゃんが私にモンブラン作ってくれる訳じゃないんだから! とりあえず今日はケーキ全部置いて帰ってちょうだい!!」
「そんなこと言われたらボク泣いちゃうよ! 何でもするから許して!!」
泣きつきながら何でもすると気軽に言ってしまった玲ちゃんに、のあれちゃんはあるアイディアを思いつきました。
「ふーん、それならモンブラン作って貰おうかな。ドリームドリームインドリーム、マジカルスパーク!!」
「なっ!?」
のあれちゃんは魔法の呪文を唱えると玲ちゃんを気絶させ、そのまま彼女を引きずって寝室まで連れていきました。
「今から玲ちゃんの肉体をケーキに、血液をクリームにして食べちゃいます! 半分以上残ってたら魔法で再生できるから大丈 プチ
「魔王様、なぜ映像を切るのですか! 奴らの恐るべき魔法を垣間見るチャンスではありませんか!?」
「お前は垣間見て耐えられるのか……?」
数々の惑星を滅ぼしてきたシューエキカ星人をも恐怖させたイン・ドリームの不思議な魔法。2人の戦いはこれからも続きます。
(つづく)
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