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帰って来た

ほんと…に?

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 しばらく歩き、一軒の家の前に着くと
「さっ、この木の家に族長とその旦那様が住んでおられます。

 私はここでお待ちしておりますの…」
 そこまでユースさんが言ったところで、上の方から凄い音がして

 ユースさんと共に上をパッと見上げると、そこには1人の男の人…………どこか懐かしい、男の人が1人立っていた。

 そして、私をみると凄い勢いで降りて来て
「シャル…だよな?」
 と言い涙目になりながら抱きしめられた。


 もしかしなくても……
「お父…さん?」
 そうつい声に出してそう小さく言ってしまうと


 その男の人が、少しびっくりしたような、嬉しそうな顔で
「あぁ、そうだよ
 今まで本当にすまないね

 帰って来てくれて…ありがとう。」
 と凄い勢いで泣き出してしまった


 それを見ていたユースさんは
「それでは私は、一度下がらせていただきますね。」
 と私をチラッと見て、ニコッと微笑んでからそっと去っていった。


 それから何も出来ずただただ泣いている人に抱きしめられていた。

 お父さんでいいのか自信がないから、本来なら怖い状況なんだろうけど、きっと怖さはなかったって事は
 お父さんだと自分自身何処かで感じていたからこそなのだと思う。。。



 なんて考えていたら、数分経ってなんとか落ち着いた様子で
「急に抱きしめてごめんね、改めて…シャルは覚えていないかもしれないけど、私は君の父親のティグール、ティグだよ。

 今まで見つけてあげられなくて…本当にすまないね。

 とりあえず、上でお母さんも待ってるから、入ろうか。」
 と言ってくれた。


 なんで私がシャルだって分かったのか、なんでそんな確信を持ててるのか

 聞きたい事は沢山出て来たけど


 いま、今気になるのは一つ。
 さっきこの上が族長さんの家って…言ってなかったっけ⁉︎


 ん⁉︎え?ソユコトなの??







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