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11.恋の改心
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充希が来た翌日、恋の様子がおかしいような気がした。
ちらちらと雅親の方を見てそわそわしているし、何か聞こうかと口を開けるが閉じてしまう。
黙々と二人でストレッチをして、キッチンに立つ雅親に恋も一緒にキッチンに立って朝食を作る。
手持無沙汰な恋に雅親がお願いする。
「パンにトマトソースを塗ってくれませんか?」
「トマトソースってこれ? 手作り?」
「そうですよ」
「どうやって作るの?」
「トマト缶とアンチョビを少しとニンニクと塩コショウにトマトジュースを入れて煮詰めます」
アンチョビの説明はしなかったが、恋は分からないところはきちんと調べるので大丈夫だと思っている。訓練されているわけではないので雅親は活舌がいいわけではないが、恋は耳がいいのかきちんと聞き分ける。
瓶の中のトマトソースを真剣にパンに塗っている恋に、雅親が切ったベーコンと玉ねぎとピーマンを示す。
「これを上に並べてください」
「まさくん、この塊は何?」
「ベーコンですよ」
「ベーコンって薄っぺらいものじゃなかったの!?」
塊でベーコンを買っている雅親を恋は驚いて見ている。丁寧にベーコンと玉ねぎとピーマンが配置されたパンにチーズを散らして雅親はトースターに入れる。
「トースターの時間を測るのはこのつまみです。これを右に回して三分に合わせてください」
素直に言われた通りにする恋に、三分後チーズが蕩けて具材もいい具合に焼けたピザトーストができてきた。
皿に乗せて、カップスープと一緒に食べると、恋が感慨深くピザトーストを見ている。
「僕が作るのを手伝ったんだよね」
「そうですね。今度ピザを作りましょうか」
「ピザも作れるの!?」
「うちはオーブンがありますから、ピザも生地から作って焼けますよ」
ピザ生地も作れると伝えると恋は形のいい目を丸くしていた。
家事に携わったことのない恋にしてみれば、雅親との暮らしは驚きの連続だろう。今日は特に恋はよく驚いていると思う。
「まさくん、本当に大変じゃない?」
「何がですか?」
「僕の面倒をみるのが」
真剣に問いかけられて雅親は首を傾げる。その件に関しては充希が来たときに話し合ったはずだった。
「一人分も二人分も同じですよ。私の暮らしは変わっていません」
「本当は同じじゃないよね? 料理はまさくんの言うように一人分も二人分も変わらないかもしれないけど、洗濯する服やタオルの量も倍になって、それを干して、畳んでるんだよね?」
雅親と恋が暮らし始めて一週間と四日目、恋はやっとそこまで想像できるようになったようだ。これは恋の成長でもあった。
「洗濯物、一緒に干しますか? タオルは乾燥機にかけますけど」
「干させてください」
大人しく言葉に従う恋と一緒にバスルームに行って、脱衣所に置いてあるドラム型洗濯機の使い方を教える。
「使い方は簡単です。洗濯物を入れて、電源ボタンを押して、スタートを押すと、洗濯物の量によって洗剤の量が示されます。それに合わせて、横にある洗剤投入口を開けて、洗剤を入れれば洗濯は洗濯機がやってくれます」
言われた通りに操作していく恋に、雅親はこれで恋は洗濯機の操作を覚えてしまったと感じていた。体を使って実際にやってみることが恋には一番覚えやすいと分かってきていた。
洗剤を計量器になっているキャップの半分入れて、洗濯機が動くのを確認している恋に、雅親は出かける準備をする。
「洗濯が終わるまでに私はスーパーで買い物をしてきます。晩御飯、食べたいものがありますか?」
「え? えっと、お魚」
「分かりました」
「僕も外に出られたら、一緒にお買い物をして、何を買えばいいのか教えてもらうんだけどな」
「それは今は無理ですね」
恋が外に出ればその身長や髪の長さ、顔だちからどうしても目立ってしまう。変装していてもすぐに恋だとばれてしまうだろう。そうなるとせっかく天音が雅親の部屋に恋を避難させたのに、記者が恋のところに来てしまう。
「まさくん、信じて。僕、不倫するつもりなんてなかった。あのひとが結婚してるなんて知らなかった。というか、あのひとのことを好きだったのかももう分からない」
「それを私に言ってどうするんですか?」
「なんとなく、まさくんには誤解されたくなかった」
置いて行かれるのを子どものように不安そうにする恋に、雅親は充希の面影が蘇った。なかなか手を繋いでくれない困った子どもだったが、充希は一人でマンションに留守番させられるときには、こんな心もとない表情をしたものだ。
二十五歳というが、演技以外を知らない恋は思ったよりも幼いのではないだろうか。
少しずつ恋という俳優に抱いていたイメージが変わってきていて、雅親は自分の心境の変化を興味深く観察する。
スーパーでは恋が魚が食べたいと言っていたので、生のカツオを買った。マンションにある鉄灸で焼き目を付ければカツオのたたきになる。
薬味には生姜とカイワレを買って、その他にもこまごまと生活用品や野菜などを買って部屋に戻ると、洗濯が終わっていた。
洗濯機の前で待っている恋に、少し待つように言って、買ってきたものを冷蔵庫に入れて洗濯機の前に戻る。
洗濯機から服だけ取り出して、タオルは元に戻して乾燥をかける。
「タオルは乾燥機にかけます。これは洗濯乾燥機なので、そのまま元に戻して、乾燥コースを押してスタートボタンを押します」
「時間は?」
「一時間もかければ綺麗に乾いてふわふわになります」
指示された通りに操作をした恋に続いて雅親は浴室に入って天井に張られている物干しを見せる。
「シャツはハンガーにかけて、パンツはハンガーにかけて腰の部分を洗濯ばさみで留めて、下着や靴下は洗濯物干しに洗濯ばさみで留めます」
「これでいい?」
「畳み方は夕食後にでも教えましょう」
「まさくんがお風呂に洗濯物を干してたなんて知らなかった」
「浴室乾燥ができるんですよ」
浴室乾燥という言葉も特に説明しなかったが、恋が調べるだろうことは分かっていた。
教えることは多かったが、午前中に洗濯物の処理は終わって、雅親は昼食を作るためにキッチンに向かった。
キッチンに男性が二人立つと正直狭い。
特に恋は長身で体格のいい男性だった。
肩がぶつかりそうになるし、通り抜けることも接触せずには難しくなる。
できる限り他人との接触は避けたい雅親は、できれば恋にもう少し遠くに行ってほしいのだが、恋は料理を覚えるのに興味津々だった。
豆のパスタを七分茹でて、水でしめるのも、恋が慣れない手つきでやった。
パスタを二人分に分けて、皿に盛って納豆をかけて、タイマーをセットして作った温泉卵を割って、梅干しを乗せるのも雅親の指導のもと恋がやった。
「まさくんみたいに上手にできてるか分からないんだけど……」
「この料理に上手も下手もないですよ」
テーブルに持って行って座って箸を取ると、恋がじっと見つめてきているのが分かる。梅干しの種を取って、果肉を解して納豆とパスタと一緒によくかき混ぜると、雅親が一口すすって、もぐもぐと咀嚼する。それでもまだ恋は自分の分に手を付けていない。
「美味しいですよ」
「やった!」
誉め言葉を口にすれば、喜びに震える恋の声が漏れて、やっと恋も食べ始める。
充希のときもだが、子どもは褒めて育てろという言葉が雅親の頭に浮かんでいた。
毎日代わり映えのしないパスタだが、今日は恋が主体となって作った。だからと言って味が変わるわけではないが、雅親は確かな成長を恋に感じていた。
何もできなかった恋が少しずつ自分で自分のことをしようとしている。
最初のころは自分でやるように言っても、「まさくんがやってよ」と甘えたことを言っていたが、今は自主的に覚えようとしている。
どういう心境の変化が恋にあったのか。
「まさくん、これで過労死しない?」
食べ終わった皿をシンクに持って行った恋に見下ろすようにして問いかけられて、雅親は恋の行動に納得がいった。
充希が来たときに言っていたのだ。
――逆島恋は、俺の兄を過労死させるつもりかよ!
それを恋は気にしていたのだろう。
「最初から過労死なんてしませんよ」
「本当に? 天音さんの前のマネージャー、僕の面倒は見切れないって辞めていった。『マネージャーは母親じゃない』って言われた。僕が付き合った女の子もみんな、『私は恋の母親じゃない』って去って行った」
それだけ恋に原因があったのだろうとは分かるし、最初のころの恋には雅親も言いたいことがあったが、今は心を入れ替えているように見える。
「あなたは変われるひとだった。そのタイミングが今だったというだけではないですかね」
雅親が言えば、恋は「まさくんのおかげ!」と雅親の手を握る。
恋の体温に違和感を覚えてしまうのは、雅親が他人との接触を好まないからだった。
ちらちらと雅親の方を見てそわそわしているし、何か聞こうかと口を開けるが閉じてしまう。
黙々と二人でストレッチをして、キッチンに立つ雅親に恋も一緒にキッチンに立って朝食を作る。
手持無沙汰な恋に雅親がお願いする。
「パンにトマトソースを塗ってくれませんか?」
「トマトソースってこれ? 手作り?」
「そうですよ」
「どうやって作るの?」
「トマト缶とアンチョビを少しとニンニクと塩コショウにトマトジュースを入れて煮詰めます」
アンチョビの説明はしなかったが、恋は分からないところはきちんと調べるので大丈夫だと思っている。訓練されているわけではないので雅親は活舌がいいわけではないが、恋は耳がいいのかきちんと聞き分ける。
瓶の中のトマトソースを真剣にパンに塗っている恋に、雅親が切ったベーコンと玉ねぎとピーマンを示す。
「これを上に並べてください」
「まさくん、この塊は何?」
「ベーコンですよ」
「ベーコンって薄っぺらいものじゃなかったの!?」
塊でベーコンを買っている雅親を恋は驚いて見ている。丁寧にベーコンと玉ねぎとピーマンが配置されたパンにチーズを散らして雅親はトースターに入れる。
「トースターの時間を測るのはこのつまみです。これを右に回して三分に合わせてください」
素直に言われた通りにする恋に、三分後チーズが蕩けて具材もいい具合に焼けたピザトーストができてきた。
皿に乗せて、カップスープと一緒に食べると、恋が感慨深くピザトーストを見ている。
「僕が作るのを手伝ったんだよね」
「そうですね。今度ピザを作りましょうか」
「ピザも作れるの!?」
「うちはオーブンがありますから、ピザも生地から作って焼けますよ」
ピザ生地も作れると伝えると恋は形のいい目を丸くしていた。
家事に携わったことのない恋にしてみれば、雅親との暮らしは驚きの連続だろう。今日は特に恋はよく驚いていると思う。
「まさくん、本当に大変じゃない?」
「何がですか?」
「僕の面倒をみるのが」
真剣に問いかけられて雅親は首を傾げる。その件に関しては充希が来たときに話し合ったはずだった。
「一人分も二人分も同じですよ。私の暮らしは変わっていません」
「本当は同じじゃないよね? 料理はまさくんの言うように一人分も二人分も変わらないかもしれないけど、洗濯する服やタオルの量も倍になって、それを干して、畳んでるんだよね?」
雅親と恋が暮らし始めて一週間と四日目、恋はやっとそこまで想像できるようになったようだ。これは恋の成長でもあった。
「洗濯物、一緒に干しますか? タオルは乾燥機にかけますけど」
「干させてください」
大人しく言葉に従う恋と一緒にバスルームに行って、脱衣所に置いてあるドラム型洗濯機の使い方を教える。
「使い方は簡単です。洗濯物を入れて、電源ボタンを押して、スタートを押すと、洗濯物の量によって洗剤の量が示されます。それに合わせて、横にある洗剤投入口を開けて、洗剤を入れれば洗濯は洗濯機がやってくれます」
言われた通りに操作していく恋に、雅親はこれで恋は洗濯機の操作を覚えてしまったと感じていた。体を使って実際にやってみることが恋には一番覚えやすいと分かってきていた。
洗剤を計量器になっているキャップの半分入れて、洗濯機が動くのを確認している恋に、雅親は出かける準備をする。
「洗濯が終わるまでに私はスーパーで買い物をしてきます。晩御飯、食べたいものがありますか?」
「え? えっと、お魚」
「分かりました」
「僕も外に出られたら、一緒にお買い物をして、何を買えばいいのか教えてもらうんだけどな」
「それは今は無理ですね」
恋が外に出ればその身長や髪の長さ、顔だちからどうしても目立ってしまう。変装していてもすぐに恋だとばれてしまうだろう。そうなるとせっかく天音が雅親の部屋に恋を避難させたのに、記者が恋のところに来てしまう。
「まさくん、信じて。僕、不倫するつもりなんてなかった。あのひとが結婚してるなんて知らなかった。というか、あのひとのことを好きだったのかももう分からない」
「それを私に言ってどうするんですか?」
「なんとなく、まさくんには誤解されたくなかった」
置いて行かれるのを子どものように不安そうにする恋に、雅親は充希の面影が蘇った。なかなか手を繋いでくれない困った子どもだったが、充希は一人でマンションに留守番させられるときには、こんな心もとない表情をしたものだ。
二十五歳というが、演技以外を知らない恋は思ったよりも幼いのではないだろうか。
少しずつ恋という俳優に抱いていたイメージが変わってきていて、雅親は自分の心境の変化を興味深く観察する。
スーパーでは恋が魚が食べたいと言っていたので、生のカツオを買った。マンションにある鉄灸で焼き目を付ければカツオのたたきになる。
薬味には生姜とカイワレを買って、その他にもこまごまと生活用品や野菜などを買って部屋に戻ると、洗濯が終わっていた。
洗濯機の前で待っている恋に、少し待つように言って、買ってきたものを冷蔵庫に入れて洗濯機の前に戻る。
洗濯機から服だけ取り出して、タオルは元に戻して乾燥をかける。
「タオルは乾燥機にかけます。これは洗濯乾燥機なので、そのまま元に戻して、乾燥コースを押してスタートボタンを押します」
「時間は?」
「一時間もかければ綺麗に乾いてふわふわになります」
指示された通りに操作をした恋に続いて雅親は浴室に入って天井に張られている物干しを見せる。
「シャツはハンガーにかけて、パンツはハンガーにかけて腰の部分を洗濯ばさみで留めて、下着や靴下は洗濯物干しに洗濯ばさみで留めます」
「これでいい?」
「畳み方は夕食後にでも教えましょう」
「まさくんがお風呂に洗濯物を干してたなんて知らなかった」
「浴室乾燥ができるんですよ」
浴室乾燥という言葉も特に説明しなかったが、恋が調べるだろうことは分かっていた。
教えることは多かったが、午前中に洗濯物の処理は終わって、雅親は昼食を作るためにキッチンに向かった。
キッチンに男性が二人立つと正直狭い。
特に恋は長身で体格のいい男性だった。
肩がぶつかりそうになるし、通り抜けることも接触せずには難しくなる。
できる限り他人との接触は避けたい雅親は、できれば恋にもう少し遠くに行ってほしいのだが、恋は料理を覚えるのに興味津々だった。
豆のパスタを七分茹でて、水でしめるのも、恋が慣れない手つきでやった。
パスタを二人分に分けて、皿に盛って納豆をかけて、タイマーをセットして作った温泉卵を割って、梅干しを乗せるのも雅親の指導のもと恋がやった。
「まさくんみたいに上手にできてるか分からないんだけど……」
「この料理に上手も下手もないですよ」
テーブルに持って行って座って箸を取ると、恋がじっと見つめてきているのが分かる。梅干しの種を取って、果肉を解して納豆とパスタと一緒によくかき混ぜると、雅親が一口すすって、もぐもぐと咀嚼する。それでもまだ恋は自分の分に手を付けていない。
「美味しいですよ」
「やった!」
誉め言葉を口にすれば、喜びに震える恋の声が漏れて、やっと恋も食べ始める。
充希のときもだが、子どもは褒めて育てろという言葉が雅親の頭に浮かんでいた。
毎日代わり映えのしないパスタだが、今日は恋が主体となって作った。だからと言って味が変わるわけではないが、雅親は確かな成長を恋に感じていた。
何もできなかった恋が少しずつ自分で自分のことをしようとしている。
最初のころは自分でやるように言っても、「まさくんがやってよ」と甘えたことを言っていたが、今は自主的に覚えようとしている。
どういう心境の変化が恋にあったのか。
「まさくん、これで過労死しない?」
食べ終わった皿をシンクに持って行った恋に見下ろすようにして問いかけられて、雅親は恋の行動に納得がいった。
充希が来たときに言っていたのだ。
――逆島恋は、俺の兄を過労死させるつもりかよ!
それを恋は気にしていたのだろう。
「最初から過労死なんてしませんよ」
「本当に? 天音さんの前のマネージャー、僕の面倒は見切れないって辞めていった。『マネージャーは母親じゃない』って言われた。僕が付き合った女の子もみんな、『私は恋の母親じゃない』って去って行った」
それだけ恋に原因があったのだろうとは分かるし、最初のころの恋には雅親も言いたいことがあったが、今は心を入れ替えているように見える。
「あなたは変われるひとだった。そのタイミングが今だったというだけではないですかね」
雅親が言えば、恋は「まさくんのおかげ!」と雅親の手を握る。
恋の体温に違和感を覚えてしまうのは、雅親が他人との接触を好まないからだった。
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