8 / 30
8.雅親の弟
しおりを挟む
雅親に自分の本名を告げてしまった。
おむつのCMでデビューしたころから恋は「逆島恋」で「逆島愛」の息子で、家では馨と呼ばれていたが、その名前を知っているのはごく一部の人間しかいない。
保育園や小学校、中学校、高校、大学では本名を書いていたはずなのに、周囲は恋を「恋」と呼んだ。
恋にとってもこの名前が自分の名前だという自覚があったし、「恋」と呼ばれれば振り向く自信しかなかった。
雅親の小説を読んで、小説の中の人物に心を重ねて、恋は雅親と話したいことがたくさんあった。けれど休憩時間の十五分ではとても足りない。
もう少し延長してくれないか。
まだ恋は雅親と喋りたい。
そんな甘えがあったのかもしれない。
雅親に名前を告げると、漢字を確認されて、それだけで雅親は部屋に行ってしまった。
残された部屋で恋は小説の続きを読んでいた。
両親に愛されて育ち、兄弟とも仲がよく、平凡だけれど幸福な主人公が、一人の女性と出会う。その女性は父親に暴力を振るわれて、母親が女性を連れて逃げてシェルターに入って育った人物だった。
主人公は彼女を愛して、彼女も主人公を愛する。
けれど、主人公はいつしか彼女との愛に疑問を感じるようになる。
それは生まれや育ちが違うことではなくて、もっと根本的なこと。
最初は主人公は恵まれた育ちだから彼女の気持ちが分からないのではないかと思っていたが、小説はそれほど単純ではなかった。
主人公が彼女と別れようと思ったのは、最初は育ちの違いからかと思っていたが、それ以上の深いものがあった。
主人公は愛されて育っていたが、自分が愛されることに疑問を抱いていた。そして、自分のことを愛せない自分に苦しんでいた。
身勝手な主人公だと思う気持ちもないではないのだが、それ以上に心理描写が真に迫っていて主人公がどれだけ自分を虚ろな人間と思っているかなど伝わってくると、同情すらしてしまうくらいなのだ。
この小説が映画か舞台化されるとしたら、恋はどの役をやりたいだろう。
もう少し体が小さかったころなら、恋は女性役もやっていた。
背が伸びて体付きががっしりしてしまってから、恋は男性役しかできなくなった。
もしできるならば、彼女役をやりたい。
できないのならば主人公でもいい。
そんなことを考えながら読み進めていたら、マンションの玄関ががちゃがちゃと音を立てて、開いた。
反射的に隠れようとする恋だが、雅親によく似た色素の薄い髪と目なのに、顔だちはきりりとした雅親よりも背の高い男性に気付いて、思わず名前が口をついて出た。
「みっくん!?」
「えー……」
確か天音はそう呼んでいたはずだ。弟の雅親は「まさくん」、末っ子の充希は「みっくん」。
「なんで逆島恋が俺を『みっくん』呼びするわけ? ていうか、姉さん、逆島恋をこんなところに隠したのか!?」
「僕のこと知ってるの?」
「テレビ見てないのか? ずっとテレビはあんたと有名女優のスキャンダルで埋め尽くされてるよ」
そういえば、雅親と暮らし始めてからテレビは付けていない。リビングに大きなテレビがあるのだが、それを雅親が日常的に付けることはなかったし、恋もわざわざテレビで大きく映される自分の顔など見たくなかった。
「姉さんがマネージャーしてる逆島恋でしょ? 知らないわけないじゃん」
「サインする?」
「ファンじゃないからな!」
ファンサービスをしようとしたら断わられてしまった。
充希は買ってきたものを冷蔵庫に入れて時計の針を確認している。充希も雅親のサイクルは知っているようだ。
ソファに座った充希とローテーブルを挟んで正面に座ると、恋は充希を気にしながら本の続きを読む。
紙の本はあとどれくらいで終わりが来るのかが持っているだけで分かってしまう。
主人公は自分を含めて誰も愛せないままに終わってしまうのか。それとも彼女を迎えに行くのか。
ページをめくる手が止められない。
最終的に主人公は彼女に手紙を書くところで終わっていた。読まれるか分からない手紙という古いツールに気持ちを託した主人公。その手紙が読まれて彼女が主人公の元に戻ってくるのか、戻らないのか、それも雅親に言わせてみれば「読んでいるひとに委ねます」なのだろう。
読み終わったころに二時四十五分になって雅親が部屋から出てきた。
「みっくん、来てたなら声かけてくれてよかったのに」
「雅親の邪魔はできないよ。ケーキ買って来てる。どれか迷って四つ買ってきてよかった。逆島恋がここにいるなんて思わなかった」
「四つも買って来てくれたんですか?」
「雅親、この時間はコーヒーだろ? 俺が入れるよ」
立ち上がってマグカップを取り出して、カプセル式のコーヒーメーカーを操って充希は雅親と充希と恋の分のコーヒーを入れてくれた。恋の分は紅茶を飲んだ後のマグカップだったが、飲み干していたので文句は言わなかった。
最初のころは紅茶を飲み終わると恋はマグカップをシンクに置いておいた。雅親との時間を過ごすにつれて、雅親が飲み終わったマグカップがちゃんと空になっているか確かめていることに気付いて、飲み終わってから証明のようにローテーブルに置いたままにするようになっていたのだ。
マグカップが空になっていると雅親は嬉しいようだ。少しだけ感情の薄い顔に笑みを浮かべたりする。
そのマグカップは洗ってコーヒーに使われるのだが、充希は洗いもしなかった。それに文句があるわけではないが、兄弟なのに全く違うと思ってしまう。
「みっくん、どうして急に帰ってきたのですか?」
「最近雅親から連絡がないからどうしたのかなって思ったんだよ。雅親、俺にメッセージくれるじゃん。『ちゃんと食べてる?』とか『単位は取れそう?』とか」
「返事がないから鬱陶しいのかと思っていました」
「俺、メッセージ見るとその場で『分かった!』って言って、返事書かないタイプなんだよな」
「それ、改めた方がいいですよ、みっくん。お兄ちゃんだからいいんだけど、他のひとはそういうの通じませんからね。考えてることは伝えないと通じませんよ」
雅親が兄の顔をしている。
なんとなく恋は面白くなくて皿に乗せられたミルフィーユをフォークで大きく崩してしまった。ミルフィーユはどうしても綺麗に食べることが難しい。
「分かってるよ、雅親にしかしてない」
「姉さんにはちゃんと返事していますか?」
「してるよ」
兄弟の会話に全く入っていけないで拗ねている恋に、充希が鋭い視線を向ける。
「どうして、こいつがここにいるのか!」
「みっくん、他人を『こいつ』とか言っちゃダメです」
「どうして、逆島恋がここにいるんだよ」
「それは、姉さんが他に行かせる場所がないからって頼んできたのです」
「他にどこでもあるだろ。ホテルとか。豪華なスイートルームでも借りればよかったんじゃないか?」
「それじゃ、彼、暮らせませんよ。ルームサービスにも限りがあるし、ホテルのレストランに行けば顔を知ってるひとに写真を撮られるかもしれません」
「それを雅親が心配しなくていいだろう。本当にお人好しなんだから」
呆れた様子の充希に、恋も少し同感だった。
姉の天音に押し付けられたからと言って、雅親は恋に親切すぎる。
恋が自分は特別なのではないかと勘違いしてしまうほどに。
「みっくんは……」
「やめて! 俺のこと『みっくん』って呼んでいいのは姉と兄だけだ」
「充希くんは、僕がお兄さんに迷惑をかけていることが不満?」
「不満に決まってるだろう? 俺、知ってるよ。逆島恋と付き合った女が言ってたの、ネットで読んだ。『料理も掃除も全くできない。全部私にやらせて当然だと思っているのに腹が立った』って」
「それは、そうだけど……」
「兄は小説家として仕事もしてるんだけど、あんた」
「ひとに『あんた』とか言わないでください」
「逆島恋は、俺の兄を過労死させるつもりかよ!」
そこまではっきり言われて恋がその可能性に気付いていないわけがなかった。
明らかに恋は雅親に負担をかけている。
雅親は小説家として売れていて、月に一冊くらい本を出していて、物凄く忙しいはずなのに、恋は雅親に全ての面倒を見させている。
「私はいいんです。家事は苦にならないし、彼は私が余らせている紅茶の二杯目を飲んでくれているだけなんですから」
「それ、何の比喩?」
「一人分の家事と二人分の家事は変わらないってことです。料理も一人分作るのと二人分作るのは変わらないし、掃除もちょっと長い髪の毛が落ちてるくらいのことで気にならないですからね」
はっきりと雅親がこういうことを口にしたことがあっただろうか。
恋があっけにとられていると、雅親が充希に言う。
「みっくん、お兄ちゃんは大丈夫ですよ」
「また、それかよ……。俺が小さいときも、雅親はずっとそう言って我慢して……」
「我慢なんてしてないです。みっくんは可愛くてお兄ちゃんの宝物だったから、なんでもしてあげるのが幸せでした。自分でするって言いだしたときには寂しかったんですよ」
「それで、次は逆島恋にしてやってるのか! 本当に雅親はとんだお人好しだよ!」
「呼び捨てにしないでください」
それだけ言うと、充希は雅親の訴えを無視して帰る準備をしている。
時計の針が三時を指そうとしているからだ。
「また来る! そのときには、そいつ、追い出しといて!」
「『そいつ』とか言わないで」
「逆島恋、追い出しといて!」
無茶苦茶に言われた気もしたが、雅親の気持ちも伝わってきて、恋は喜べばいいのか、申し訳なく思えばいいのか分からなくなっていた。
おむつのCMでデビューしたころから恋は「逆島恋」で「逆島愛」の息子で、家では馨と呼ばれていたが、その名前を知っているのはごく一部の人間しかいない。
保育園や小学校、中学校、高校、大学では本名を書いていたはずなのに、周囲は恋を「恋」と呼んだ。
恋にとってもこの名前が自分の名前だという自覚があったし、「恋」と呼ばれれば振り向く自信しかなかった。
雅親の小説を読んで、小説の中の人物に心を重ねて、恋は雅親と話したいことがたくさんあった。けれど休憩時間の十五分ではとても足りない。
もう少し延長してくれないか。
まだ恋は雅親と喋りたい。
そんな甘えがあったのかもしれない。
雅親に名前を告げると、漢字を確認されて、それだけで雅親は部屋に行ってしまった。
残された部屋で恋は小説の続きを読んでいた。
両親に愛されて育ち、兄弟とも仲がよく、平凡だけれど幸福な主人公が、一人の女性と出会う。その女性は父親に暴力を振るわれて、母親が女性を連れて逃げてシェルターに入って育った人物だった。
主人公は彼女を愛して、彼女も主人公を愛する。
けれど、主人公はいつしか彼女との愛に疑問を感じるようになる。
それは生まれや育ちが違うことではなくて、もっと根本的なこと。
最初は主人公は恵まれた育ちだから彼女の気持ちが分からないのではないかと思っていたが、小説はそれほど単純ではなかった。
主人公が彼女と別れようと思ったのは、最初は育ちの違いからかと思っていたが、それ以上の深いものがあった。
主人公は愛されて育っていたが、自分が愛されることに疑問を抱いていた。そして、自分のことを愛せない自分に苦しんでいた。
身勝手な主人公だと思う気持ちもないではないのだが、それ以上に心理描写が真に迫っていて主人公がどれだけ自分を虚ろな人間と思っているかなど伝わってくると、同情すらしてしまうくらいなのだ。
この小説が映画か舞台化されるとしたら、恋はどの役をやりたいだろう。
もう少し体が小さかったころなら、恋は女性役もやっていた。
背が伸びて体付きががっしりしてしまってから、恋は男性役しかできなくなった。
もしできるならば、彼女役をやりたい。
できないのならば主人公でもいい。
そんなことを考えながら読み進めていたら、マンションの玄関ががちゃがちゃと音を立てて、開いた。
反射的に隠れようとする恋だが、雅親によく似た色素の薄い髪と目なのに、顔だちはきりりとした雅親よりも背の高い男性に気付いて、思わず名前が口をついて出た。
「みっくん!?」
「えー……」
確か天音はそう呼んでいたはずだ。弟の雅親は「まさくん」、末っ子の充希は「みっくん」。
「なんで逆島恋が俺を『みっくん』呼びするわけ? ていうか、姉さん、逆島恋をこんなところに隠したのか!?」
「僕のこと知ってるの?」
「テレビ見てないのか? ずっとテレビはあんたと有名女優のスキャンダルで埋め尽くされてるよ」
そういえば、雅親と暮らし始めてからテレビは付けていない。リビングに大きなテレビがあるのだが、それを雅親が日常的に付けることはなかったし、恋もわざわざテレビで大きく映される自分の顔など見たくなかった。
「姉さんがマネージャーしてる逆島恋でしょ? 知らないわけないじゃん」
「サインする?」
「ファンじゃないからな!」
ファンサービスをしようとしたら断わられてしまった。
充希は買ってきたものを冷蔵庫に入れて時計の針を確認している。充希も雅親のサイクルは知っているようだ。
ソファに座った充希とローテーブルを挟んで正面に座ると、恋は充希を気にしながら本の続きを読む。
紙の本はあとどれくらいで終わりが来るのかが持っているだけで分かってしまう。
主人公は自分を含めて誰も愛せないままに終わってしまうのか。それとも彼女を迎えに行くのか。
ページをめくる手が止められない。
最終的に主人公は彼女に手紙を書くところで終わっていた。読まれるか分からない手紙という古いツールに気持ちを託した主人公。その手紙が読まれて彼女が主人公の元に戻ってくるのか、戻らないのか、それも雅親に言わせてみれば「読んでいるひとに委ねます」なのだろう。
読み終わったころに二時四十五分になって雅親が部屋から出てきた。
「みっくん、来てたなら声かけてくれてよかったのに」
「雅親の邪魔はできないよ。ケーキ買って来てる。どれか迷って四つ買ってきてよかった。逆島恋がここにいるなんて思わなかった」
「四つも買って来てくれたんですか?」
「雅親、この時間はコーヒーだろ? 俺が入れるよ」
立ち上がってマグカップを取り出して、カプセル式のコーヒーメーカーを操って充希は雅親と充希と恋の分のコーヒーを入れてくれた。恋の分は紅茶を飲んだ後のマグカップだったが、飲み干していたので文句は言わなかった。
最初のころは紅茶を飲み終わると恋はマグカップをシンクに置いておいた。雅親との時間を過ごすにつれて、雅親が飲み終わったマグカップがちゃんと空になっているか確かめていることに気付いて、飲み終わってから証明のようにローテーブルに置いたままにするようになっていたのだ。
マグカップが空になっていると雅親は嬉しいようだ。少しだけ感情の薄い顔に笑みを浮かべたりする。
そのマグカップは洗ってコーヒーに使われるのだが、充希は洗いもしなかった。それに文句があるわけではないが、兄弟なのに全く違うと思ってしまう。
「みっくん、どうして急に帰ってきたのですか?」
「最近雅親から連絡がないからどうしたのかなって思ったんだよ。雅親、俺にメッセージくれるじゃん。『ちゃんと食べてる?』とか『単位は取れそう?』とか」
「返事がないから鬱陶しいのかと思っていました」
「俺、メッセージ見るとその場で『分かった!』って言って、返事書かないタイプなんだよな」
「それ、改めた方がいいですよ、みっくん。お兄ちゃんだからいいんだけど、他のひとはそういうの通じませんからね。考えてることは伝えないと通じませんよ」
雅親が兄の顔をしている。
なんとなく恋は面白くなくて皿に乗せられたミルフィーユをフォークで大きく崩してしまった。ミルフィーユはどうしても綺麗に食べることが難しい。
「分かってるよ、雅親にしかしてない」
「姉さんにはちゃんと返事していますか?」
「してるよ」
兄弟の会話に全く入っていけないで拗ねている恋に、充希が鋭い視線を向ける。
「どうして、こいつがここにいるのか!」
「みっくん、他人を『こいつ』とか言っちゃダメです」
「どうして、逆島恋がここにいるんだよ」
「それは、姉さんが他に行かせる場所がないからって頼んできたのです」
「他にどこでもあるだろ。ホテルとか。豪華なスイートルームでも借りればよかったんじゃないか?」
「それじゃ、彼、暮らせませんよ。ルームサービスにも限りがあるし、ホテルのレストランに行けば顔を知ってるひとに写真を撮られるかもしれません」
「それを雅親が心配しなくていいだろう。本当にお人好しなんだから」
呆れた様子の充希に、恋も少し同感だった。
姉の天音に押し付けられたからと言って、雅親は恋に親切すぎる。
恋が自分は特別なのではないかと勘違いしてしまうほどに。
「みっくんは……」
「やめて! 俺のこと『みっくん』って呼んでいいのは姉と兄だけだ」
「充希くんは、僕がお兄さんに迷惑をかけていることが不満?」
「不満に決まってるだろう? 俺、知ってるよ。逆島恋と付き合った女が言ってたの、ネットで読んだ。『料理も掃除も全くできない。全部私にやらせて当然だと思っているのに腹が立った』って」
「それは、そうだけど……」
「兄は小説家として仕事もしてるんだけど、あんた」
「ひとに『あんた』とか言わないでください」
「逆島恋は、俺の兄を過労死させるつもりかよ!」
そこまではっきり言われて恋がその可能性に気付いていないわけがなかった。
明らかに恋は雅親に負担をかけている。
雅親は小説家として売れていて、月に一冊くらい本を出していて、物凄く忙しいはずなのに、恋は雅親に全ての面倒を見させている。
「私はいいんです。家事は苦にならないし、彼は私が余らせている紅茶の二杯目を飲んでくれているだけなんですから」
「それ、何の比喩?」
「一人分の家事と二人分の家事は変わらないってことです。料理も一人分作るのと二人分作るのは変わらないし、掃除もちょっと長い髪の毛が落ちてるくらいのことで気にならないですからね」
はっきりと雅親がこういうことを口にしたことがあっただろうか。
恋があっけにとられていると、雅親が充希に言う。
「みっくん、お兄ちゃんは大丈夫ですよ」
「また、それかよ……。俺が小さいときも、雅親はずっとそう言って我慢して……」
「我慢なんてしてないです。みっくんは可愛くてお兄ちゃんの宝物だったから、なんでもしてあげるのが幸せでした。自分でするって言いだしたときには寂しかったんですよ」
「それで、次は逆島恋にしてやってるのか! 本当に雅親はとんだお人好しだよ!」
「呼び捨てにしないでください」
それだけ言うと、充希は雅親の訴えを無視して帰る準備をしている。
時計の針が三時を指そうとしているからだ。
「また来る! そのときには、そいつ、追い出しといて!」
「『そいつ』とか言わないで」
「逆島恋、追い出しといて!」
無茶苦茶に言われた気もしたが、雅親の気持ちも伝わってきて、恋は喜べばいいのか、申し訳なく思えばいいのか分からなくなっていた。
11
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
恋した貴方はαなロミオ
須藤慎弥
BL
Ω性の凛太が恋したのは、ロミオに扮したα性の結城先輩でした。
Ω性に引け目を感じている凛太。
凛太を運命の番だと信じているα性の結城。
すれ違う二人を引き寄せたヒート。
ほんわか現代BLオメガバース♡
※二人それぞれの視点が交互に展開します
※R 18要素はほとんどありませんが、表現と受け取り方に個人差があるものと判断しレーティングマークを付けさせていただきますm(*_ _)m
※fujossy様にて行われました「コスプレ」をテーマにした短編コンテスト出品作です
傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
前世が飼い猫だったので、今世もちゃんと飼って下さい
夜鳥すぱり
BL
黒猫のニャリスは、騎士のラクロア(20)の家の飼い猫。とってもとっても、飼い主のラクロアのことが大好きで、いつも一緒に過ごしていました。ある寒い日、メイドが何か怪しげな液体をラクロアが飲むワインへ入れています。ニャリスは、ラクロアに飲まないように訴えるが……
◆明けましておめでとうございます。昨年度は色々ありがとうございました。今年もよろしくお願いします。あまりめでたくない暗い話を書いていますがそのうち明るくなる予定です。
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる