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第一部
24.神のお告げ
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踊り子とは本来高貴な貴族の男性がつく職業ではない。
男性はできる限り肌や顔を見せず、屋敷の中で閉じこもって暮らすのを貞淑とする月の帝国では、踊り子は身分の低い者がつく職業で、高貴な男性が踊りを踊るとなると、夫を喜ばすときくらいである。
後宮でも高い地位にある側室のイフラース様がこのような公の場で踊りを踊る。
それはイフサーン様の命乞いという特別な理由があってのことだった。
青い目に合わせた水色の衣装に銀糸で刺繍を施して、顔を隠す布も同じ水色に銀糸で刺繍を施している。
今日のためにイフラース様が誂えた衣装だ。
今日のお茶会はそれだけの価値のあるものだった。
楽団がやってくる。楽団の持っている楽器は私の知らないものばかりだったので、私は興味深くそれを見ていた。
「あの楽器の名前が分かりますか?」
「あれは、ウード。あちらがカーヌーン。あの丸いものはダラブッカ。あれがドフ・バイオリン」
小声で聞けばシャムス様が教えてくださる。
ギターのような琵琶のような楽器はウードというようだ。カーヌーンは日の国の琴に似ている。丸い太鼓のようなものはダラブッカという名前だった。月の帝国風のバイオリンもあるようだ。
四つの楽器で踊りのための音楽が奏でられる。
手に長い布を持って、手首や足首にビーズの何連にもなっている飾りを付けたイフラース様。
ゆっくりとした動きで踊り出すと、そのセクシーさにお茶会に参加している女性たちがため息を漏らしているのが分かる。
踊るイフラース様の動きが段々と激しくなってくる。
音楽もそれに合わせて激しさを増す。
踊っていたイフラース様が、急に雷に打たれたかのように立ち尽くした。
楽団が戸惑って音楽を止める。
イフラース様の喉から、ひとのものとは思えないようなかすれた低い声が流れ出て来た。
「アッザームは、神に背いている……」
「何を言っておる、イフラース?」
「我はイフラースではない。イフラースの体を借りて話しをしている」
「もしや、そなた……いえ、貴方様は!?」
イフラース様の異変に気付いて立ち上がっていた皇帝陛下が絨毯の上に膝をつく。それで他の女性たちも気付いたようだ。慌てて居住まいを正す。
「アッザームよ、我は平等に愛せる限り、夫は何人でも持ってよいという教えを人々に広げた。だが、そなたはどうだ?」
「私は千里一人しか愛せないのです」
「アッザーム、そなたに複数の夫を持つ資格はない!」
「お許しください!」
ものすごい迫力で言い渡したイフラース様が、平伏して謝る皇帝陛下を前にふらりとそのまま倒れてしまう。駆け寄ったシャムス様に抱き起されたイフラース様は、水を飲まされて困惑していた。
「私は何を……」
「イフラースの身に神が下りていたのだ」
皇帝陛下は重々しく言って、千里様しか呼ぶことを許されていない皇帝陛下のお名前を呼び捨てにしたイフラース様を咎めることもなかった。
「皇帝陛下に神からのお告げがあった!」
「皇帝陛下は後宮を持つ資格がないと神に告げられた!」
お茶会に集まっている女性たちのざわめきは全く止まる気配がなかった。皇帝陛下の近くに座っている黒髪に黒い目のアズハル様の面影のある女性が声を上げる。
「それでは、今後宮にいる者たちはどうなるのですか!? アズハルは皇族なのですよ!? それに、政治的な意図で後宮に入れられたものも少なくないはず」
「私の息子もどうなるのですか!? 後宮はそんなに簡単に解体できるものではありません」
そういう声が出ることも私は予測していた。
これを皇帝陛下がどう乗り切るかだ。
「私もそのことは心苦しく思っている。だが、神のお告げを受けて私は目覚めたのだ。私に後宮は相応しくなかった」
「そうは言われても、後宮には既に男性が揃っております」
「その者たちの処遇をどうするつもりなのですか?」
「全てのものが幸福になるようにするのが、私の務めだと思っておる。人質として来たものは城で暮らしてもらうとして、それ以外のものは、私が責任をもって嫁ぎ先を探させよう」
「アズハルを嫁がせるのですか?」
「私の元で愛されずにいるよりも、愛してくれる者の元に行くことが幸せだろう。伝達の物語で引き離されることのつらさ、結ばれないことのつらさを私は学んだ。私が側室や妾を幸せにできなかった代わりに、嫁ぎ先では大事にされるように持参金も持たせる」
最終的にはどれだけ宰相閣下が詰め寄ろうとも、皇帝陛下の決断が全てだった。
何より神によるお告げをここにいる女性たちはその目で見ている。皇帝陛下に否を唱えられるものはもはやいなかった。
今回のお茶会で後宮は解体されることが決まった。
後宮が解体されることが決まっても、すぐには実行できない。
側室から順番に行き先を決めなければいけないのだ。
皇帝陛下はできる限りいい条件で側室や妾が嫁げるように心を配ってくれるようだ。
そのための聞き取り調査を私とシャムス様に任された。
「特例として、デメトリオを先に決めておく。デメトリオは塔を守る兵士の元へ行きたがっていたようなのだな? そのように取り計ろう」
身分の高い者から処遇が決まるはずだったが、既に望みを知っているデメトリオは後宮に来る前も、後宮でもつらい思いをしたので、できるだけ早く開放してやろうということで、皇帝陛下から処遇が下された。
身分は決して高くないが、あの兵士を母親のように慕っているデメトリオは、あの兵士の元で癒されて、あの兵士の家から嫁ぐことになるだろう。
聞き取りの最初はアズハル様で、私は抵抗されるかと身構えていた。
シャムス様が同行しているので、黒い衣装に身を包んで黒い布を目だけ出す形で身に着けたアズハル様の返事はあっさりとしたものだった。
「月の帝国ではない場所に行きたい」
「太陽の国とか、蜜の国とか、日の国とか、ご希望はないのですか?」
「この帝国にいる限り、私は母の道具としてしか扱われない。この布を取って暮らせる、違う国ならばどこでもいい」
アズハル様がそんな風に考えていたとは私は全く気付かなかった。宰相閣下の息子として、皇族として、アズハル様にはずっと重荷が肩にかかっていたのだろう。それを取り払えるのならば、アズハル様はどの国でも構わないと言っていた。
「アズハルはそのようなことを言っていたか。今一番情勢が落ち着いているのは日の国だな。アズハルは日の国の橘家に嫁がせることにしよう」
皇帝陛下はアズハル様の処遇を決めた。
次はイフラース様だった。イフラース様はなかなかいい返事をくれなかった。
「イフサーンを止められず、僕だけ幸せになることはできない。僕はイフサーンの閉じ込められている塔の近くに住みたい」
「そういうわけにはいきません。イフラース様は後宮でも地位のある側室なのです」
「僕だけ罪を問われなかったのは納得がいっていない」
どうしても嫁ぐことを拒もうとするイフラース様に、シャムス様が提案された。
「あの塔の護衛についている騎士はまだ独身だ。その方の元に嫁がれたら、毎日塔の様子を聞けるし、皇帝陛下にお許しをいただければ、塔の中に入ることもゆるされるのではないだろうか?」
「ただの騎士と結婚するのか?」
「それがイフラース殿に課せられた罪の償い方だと言えば、皇帝陛下も納得してくださるだろう」
シャムス様の助けがあって、イフラース様の処遇も決まった。
皇帝陛下は話を聞いて、イフラース様を塔を護衛する騎士に下げ渡すことを決めた。
ニキアス様とジェレミア様は、人質代わりに来ているので、簡単に城から出すことはできない。ジェレミア様に関しては、太陽の国から申し入れがあった。
「ジェレミア様に妹が生まれたので、その者と人質を取り換えて欲しいと申し入れが入っております」
「念願の女の子ではないか。父上は、それでも俺を跡継ぎにと考えてくれるのか?」
「そのようです」
悩んだ末にジェレミア様は人質の交換に応じることにして、太陽の国の王の娘が代わりに城にやってきた。
ニキアス様は、辺境の異民族との戦いが落ち着いて勝利したので、蜜の国に帰れることになった。また戦況が変化すれば月の帝国に送られるかもしれないが、そのときには後宮はないので、ただの人質となる。
こうして、一人一人、処遇が決まって行った。
男性はできる限り肌や顔を見せず、屋敷の中で閉じこもって暮らすのを貞淑とする月の帝国では、踊り子は身分の低い者がつく職業で、高貴な男性が踊りを踊るとなると、夫を喜ばすときくらいである。
後宮でも高い地位にある側室のイフラース様がこのような公の場で踊りを踊る。
それはイフサーン様の命乞いという特別な理由があってのことだった。
青い目に合わせた水色の衣装に銀糸で刺繍を施して、顔を隠す布も同じ水色に銀糸で刺繍を施している。
今日のためにイフラース様が誂えた衣装だ。
今日のお茶会はそれだけの価値のあるものだった。
楽団がやってくる。楽団の持っている楽器は私の知らないものばかりだったので、私は興味深くそれを見ていた。
「あの楽器の名前が分かりますか?」
「あれは、ウード。あちらがカーヌーン。あの丸いものはダラブッカ。あれがドフ・バイオリン」
小声で聞けばシャムス様が教えてくださる。
ギターのような琵琶のような楽器はウードというようだ。カーヌーンは日の国の琴に似ている。丸い太鼓のようなものはダラブッカという名前だった。月の帝国風のバイオリンもあるようだ。
四つの楽器で踊りのための音楽が奏でられる。
手に長い布を持って、手首や足首にビーズの何連にもなっている飾りを付けたイフラース様。
ゆっくりとした動きで踊り出すと、そのセクシーさにお茶会に参加している女性たちがため息を漏らしているのが分かる。
踊るイフラース様の動きが段々と激しくなってくる。
音楽もそれに合わせて激しさを増す。
踊っていたイフラース様が、急に雷に打たれたかのように立ち尽くした。
楽団が戸惑って音楽を止める。
イフラース様の喉から、ひとのものとは思えないようなかすれた低い声が流れ出て来た。
「アッザームは、神に背いている……」
「何を言っておる、イフラース?」
「我はイフラースではない。イフラースの体を借りて話しをしている」
「もしや、そなた……いえ、貴方様は!?」
イフラース様の異変に気付いて立ち上がっていた皇帝陛下が絨毯の上に膝をつく。それで他の女性たちも気付いたようだ。慌てて居住まいを正す。
「アッザームよ、我は平等に愛せる限り、夫は何人でも持ってよいという教えを人々に広げた。だが、そなたはどうだ?」
「私は千里一人しか愛せないのです」
「アッザーム、そなたに複数の夫を持つ資格はない!」
「お許しください!」
ものすごい迫力で言い渡したイフラース様が、平伏して謝る皇帝陛下を前にふらりとそのまま倒れてしまう。駆け寄ったシャムス様に抱き起されたイフラース様は、水を飲まされて困惑していた。
「私は何を……」
「イフラースの身に神が下りていたのだ」
皇帝陛下は重々しく言って、千里様しか呼ぶことを許されていない皇帝陛下のお名前を呼び捨てにしたイフラース様を咎めることもなかった。
「皇帝陛下に神からのお告げがあった!」
「皇帝陛下は後宮を持つ資格がないと神に告げられた!」
お茶会に集まっている女性たちのざわめきは全く止まる気配がなかった。皇帝陛下の近くに座っている黒髪に黒い目のアズハル様の面影のある女性が声を上げる。
「それでは、今後宮にいる者たちはどうなるのですか!? アズハルは皇族なのですよ!? それに、政治的な意図で後宮に入れられたものも少なくないはず」
「私の息子もどうなるのですか!? 後宮はそんなに簡単に解体できるものではありません」
そういう声が出ることも私は予測していた。
これを皇帝陛下がどう乗り切るかだ。
「私もそのことは心苦しく思っている。だが、神のお告げを受けて私は目覚めたのだ。私に後宮は相応しくなかった」
「そうは言われても、後宮には既に男性が揃っております」
「その者たちの処遇をどうするつもりなのですか?」
「全てのものが幸福になるようにするのが、私の務めだと思っておる。人質として来たものは城で暮らしてもらうとして、それ以外のものは、私が責任をもって嫁ぎ先を探させよう」
「アズハルを嫁がせるのですか?」
「私の元で愛されずにいるよりも、愛してくれる者の元に行くことが幸せだろう。伝達の物語で引き離されることのつらさ、結ばれないことのつらさを私は学んだ。私が側室や妾を幸せにできなかった代わりに、嫁ぎ先では大事にされるように持参金も持たせる」
最終的にはどれだけ宰相閣下が詰め寄ろうとも、皇帝陛下の決断が全てだった。
何より神によるお告げをここにいる女性たちはその目で見ている。皇帝陛下に否を唱えられるものはもはやいなかった。
今回のお茶会で後宮は解体されることが決まった。
後宮が解体されることが決まっても、すぐには実行できない。
側室から順番に行き先を決めなければいけないのだ。
皇帝陛下はできる限りいい条件で側室や妾が嫁げるように心を配ってくれるようだ。
そのための聞き取り調査を私とシャムス様に任された。
「特例として、デメトリオを先に決めておく。デメトリオは塔を守る兵士の元へ行きたがっていたようなのだな? そのように取り計ろう」
身分の高い者から処遇が決まるはずだったが、既に望みを知っているデメトリオは後宮に来る前も、後宮でもつらい思いをしたので、できるだけ早く開放してやろうということで、皇帝陛下から処遇が下された。
身分は決して高くないが、あの兵士を母親のように慕っているデメトリオは、あの兵士の元で癒されて、あの兵士の家から嫁ぐことになるだろう。
聞き取りの最初はアズハル様で、私は抵抗されるかと身構えていた。
シャムス様が同行しているので、黒い衣装に身を包んで黒い布を目だけ出す形で身に着けたアズハル様の返事はあっさりとしたものだった。
「月の帝国ではない場所に行きたい」
「太陽の国とか、蜜の国とか、日の国とか、ご希望はないのですか?」
「この帝国にいる限り、私は母の道具としてしか扱われない。この布を取って暮らせる、違う国ならばどこでもいい」
アズハル様がそんな風に考えていたとは私は全く気付かなかった。宰相閣下の息子として、皇族として、アズハル様にはずっと重荷が肩にかかっていたのだろう。それを取り払えるのならば、アズハル様はどの国でも構わないと言っていた。
「アズハルはそのようなことを言っていたか。今一番情勢が落ち着いているのは日の国だな。アズハルは日の国の橘家に嫁がせることにしよう」
皇帝陛下はアズハル様の処遇を決めた。
次はイフラース様だった。イフラース様はなかなかいい返事をくれなかった。
「イフサーンを止められず、僕だけ幸せになることはできない。僕はイフサーンの閉じ込められている塔の近くに住みたい」
「そういうわけにはいきません。イフラース様は後宮でも地位のある側室なのです」
「僕だけ罪を問われなかったのは納得がいっていない」
どうしても嫁ぐことを拒もうとするイフラース様に、シャムス様が提案された。
「あの塔の護衛についている騎士はまだ独身だ。その方の元に嫁がれたら、毎日塔の様子を聞けるし、皇帝陛下にお許しをいただければ、塔の中に入ることもゆるされるのではないだろうか?」
「ただの騎士と結婚するのか?」
「それがイフラース殿に課せられた罪の償い方だと言えば、皇帝陛下も納得してくださるだろう」
シャムス様の助けがあって、イフラース様の処遇も決まった。
皇帝陛下は話を聞いて、イフラース様を塔を護衛する騎士に下げ渡すことを決めた。
ニキアス様とジェレミア様は、人質代わりに来ているので、簡単に城から出すことはできない。ジェレミア様に関しては、太陽の国から申し入れがあった。
「ジェレミア様に妹が生まれたので、その者と人質を取り換えて欲しいと申し入れが入っております」
「念願の女の子ではないか。父上は、それでも俺を跡継ぎにと考えてくれるのか?」
「そのようです」
悩んだ末にジェレミア様は人質の交換に応じることにして、太陽の国の王の娘が代わりに城にやってきた。
ニキアス様は、辺境の異民族との戦いが落ち着いて勝利したので、蜜の国に帰れることになった。また戦況が変化すれば月の帝国に送られるかもしれないが、そのときには後宮はないので、ただの人質となる。
こうして、一人一人、処遇が決まって行った。
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