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転生したらまた魔女の男子だった件
157.フレーズちゃんのご飯事情
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僕とリラのお誕生日までにフレーズちゃんは飛べるようになってしまった。
燕は成長が早いと聞いていたが本当に早い。
人間の赤ちゃんの姿ならばまだ首が据わっていない時期のはずなのに巣から飛び出そうとするフレーズちゃんをお父さんが押さえて、飛んで行ってしまったら追いかけている。
健やかにフレーズちゃんが育つのはいいのだが、何も分からないまま飛んで行かれると困ってしまう。
「エイゼン、流石にこれは困るわ。どうにかできない?」
「巣の中に戻るように教育しているんだが、自由に動けるということは好奇心旺盛なこの時期にとても止められることじゃないからね」
「フレーズを巣から出られないようにしてしまいたくないのよ」
フレーズちゃんは小さくて、飛び疲れて落ちてしまったらどこに行ったか分からなくなる。家の中でもそれはとても危険だった。
仕方なく母は大きな鳥かごを作った。鳥かごの中にフレーズちゃんを入れて、寂しくないようにお父さんも入って、一緒に過ごす。
「エイゼンには苦労をかけるけれど、これ以外思い付かなくて」
「いいんだよ、アマリエ。可愛いフレーズのためなら、全然苦労ではない。それより、スリーズが寂しがってないかな? アマリエはスリーズのフォローに回ってあげてくれるかな?」
鳥かごに閉じ込められるだけでも嫌に違いないのに、お父さんは文句を言わず鳥かごの中でフレーズちゃんと遊んであげて、スリーズちゃんのことまで心配している。
庭で元気に遊んでいるスリーズちゃんは寂しがっている様子はなかったが、母は鳥かごをウッドデッキに設置してスリーズちゃんを見守りながら、フレーズちゃんのそばにもいられるようにしていた。
「かか、フレーズちゃん、かわいいね。わたしもとりかごにはいりたい」
「スリーズも入るの?」
「いいでしょう?」
燕の姿になったスリーズちゃんが鳥かごに入ってフレーズちゃんと遊んだり、お父さんと触れ合ったりするのを見ながら、僕は姉妹仲がいいことに安心していた。
「わたし、おねえちゃんになったから、かかのことはおかあさん、ととのことはおとうさん、ねぇねのことはおねえちゃん、にぃにのことはおにいちゃんってよぶ!」
「スリーズちゃん、おれより二つも年下なのに、しっかりしてるな」
「レオくんとふたつもちがうの?」
「おれがふゆうまれで、スリーズちゃんがはるうまれだから、おれのおたんじょうびがきて、スリーズちゃんのおたんじょうびまでのあいだは、二つちがうだろう?」
「そうなの!?」
学年は二つ違うことを理解しているがスリーズちゃんはレオくんと年齢が二歳違うことは納得しなかった。
「ちがうわよ。いっさいとちょっとよ。いっさいとさんかげつくらい」
「そうなのか?」
十歳の女の子の精神があるスリーズちゃんにとっては計算は簡単なのだろうが、二年生になったレオくんにとっては計算が難しかったようだ。首を傾げているが、スリーズちゃんの方が正解だと僕は分かっていた。
「レオくんとスリーズちゃんは二歳までは違わないんだよ。一歳と三か月くらいしか違わないよ」
「一さいと三かげつ! がくねんが二年ちがうから、二さいちがうんだと思ってた」
僕が教えるとレオくんは驚いた顔をしていた。
レオくんは鳥かごに入れないが、スリーズちゃんが鳥かごに入っている間は、鳥かごのそばで座ってスリーズちゃんに手を振ったり、一人で本を読んでいたりしていた。
僕とリラのお誕生日には、母が鳥かごに入れたフレーズちゃんとお父さんを連れて社にやって来た。スリーズちゃんも一緒だが、スリーズちゃんは可愛い和柄のワンピースを着て、人間の姿だった。
「計算よりも相当早く生まれたのだな」
「燕の子だったからね」
「ラーイとリラの妹ですね。人間の姿にはなれないのですか?」
「多分、成人近くまでこのままだと思うってエイゼンは言っているの」
母の言葉に僕もリラも顔を見合わせる。
成人近くまで燕の姿ということは、フレーズちゃんは小学校も高等学校も燕の姿で行かなければいけない。魔法使いの街に生まれたのだから、燕族のような教育は望めないかもしれないのだ。
「小学校はフレーズちゃんに止まり木を用意してくれるかな?」
「高等学校はフレーズちゃんが制服を着てなくても怒らないかしら?」
心配する僕とリラに母が大らかに笑う。
「これからこういう子どもも増えて来ると思うわ。神族と結婚したいという話はたくさん出ているもの。小学校も高等学校も、柔軟に対応してくれるんじゃないかしら」
僕が男の子の魔女として初めて小学校に行ったとき、小学校には男の子用のお手洗いがなかった。それもすぐに対応してくれて、立派な男の子用のお手洗いが作られて、洗面所では着替えまでできるようになっていた。
フレーズちゃんの場合もそういう風にしてくれたらいいと僕は思っていた。
「ラーイは赤ん坊を抱っこできなくて残念なのではないか?」
セイラン様に問われて、僕は一度もフレーズちゃんを抱っこしていないことに気付いていた。フレーズちゃんは小さすぎて手の平で抱っこするにも気を付けなければいけないことが多すぎたのだ。
「お母さん、お父さん、フレーズちゃんを抱っこしていい?」
「私も抱っこしたい!」
僕とリラが鳥かごの前に行って母に頼むと、母は鳥かごの入口を開けて手を差し入れ、フレーズちゃんを手の上に乗せて手を抜き出した。
母が僕の手の平の前に自分の手を持ってくると、フレーズちゃんが飛び移って僕の手の平に納まる。
小さくてふかふかで温かいフレーズちゃんに僕は感動してしまった。
「可愛い僕の妹、フレーズちゃん」
フレーズちゃんも「ちよちよ」と鳴いて僕に答えてくれる。
次は僕がリラにフレーズちゃんを渡す番だった。手を近付けると、フレーズちゃんはリラの手の平に飛び移る。
「小さいわ。可愛い私の妹」
リラもフレーズちゃんを抱っこして感動しているようだった。
逃げ出す前に鳥かごの中に戻されたフレーズちゃんは不満そうにしている気がしたが、お父さんに練り餌を口まで運ばれて、大人しく大きく口を開けていた。
「もう自分で食べられるけど、食べるのに時間がかかるから、食べさせてもらうのを喜ぶんだよ」
「甘えんぼなんだね」
「可愛いわ、フレーズちゃん」
「フレーズちゃん、ねぇねもごはんをはこんであげる!」
燕の姿になったスリーズちゃんがフレーズちゃんの鳥かごにいそいそと入っていくのを、母は止めなかった。
お誕生日のケーキはレオくんとナンシーちゃんからもらったさくらんぼがぎっしりと乗っている。艶々のさくらんぼのケーキを見ると、フレーズちゃんのお口に練り餌を詰め込んでいたスリーズちゃんが反応して鳥かごから出て来る。
燕の姿のまま椅子の背もたれに止まって、さくらんぼのケーキが配られるのを待っているスリーズちゃんにリラがツッコミを入れる。
「スリーズちゃん、人間の姿になって」
「あ! まちがえた!」
人間の姿になったスリーズちゃんは椅子に座ってフォークを構えていた。
新しい妹のフレーズちゃんはまだ練り餌しか食べられない。
お父さんが人間の食べ物を食べられるので、燕の姿でも人間の食べ物を食べられるようになるのだろうが、それまでにはもう少し時間がかかりそうだし、燕の胃袋だと食べられる量は限られている。
これからフレーズちゃんに食べさせるものを考えるのは母の課題になりそうだった。
僕とリラはその日十六歳になった。
高等学校も最後の年で、僕とリラは十六歳で高等学校を卒業する。
それから二年の修行の日々を経て、セイラン様とレイリ様と結婚する予定なのだが、それが待ちきれない思いだった。
燕は成長が早いと聞いていたが本当に早い。
人間の赤ちゃんの姿ならばまだ首が据わっていない時期のはずなのに巣から飛び出そうとするフレーズちゃんをお父さんが押さえて、飛んで行ってしまったら追いかけている。
健やかにフレーズちゃんが育つのはいいのだが、何も分からないまま飛んで行かれると困ってしまう。
「エイゼン、流石にこれは困るわ。どうにかできない?」
「巣の中に戻るように教育しているんだが、自由に動けるということは好奇心旺盛なこの時期にとても止められることじゃないからね」
「フレーズを巣から出られないようにしてしまいたくないのよ」
フレーズちゃんは小さくて、飛び疲れて落ちてしまったらどこに行ったか分からなくなる。家の中でもそれはとても危険だった。
仕方なく母は大きな鳥かごを作った。鳥かごの中にフレーズちゃんを入れて、寂しくないようにお父さんも入って、一緒に過ごす。
「エイゼンには苦労をかけるけれど、これ以外思い付かなくて」
「いいんだよ、アマリエ。可愛いフレーズのためなら、全然苦労ではない。それより、スリーズが寂しがってないかな? アマリエはスリーズのフォローに回ってあげてくれるかな?」
鳥かごに閉じ込められるだけでも嫌に違いないのに、お父さんは文句を言わず鳥かごの中でフレーズちゃんと遊んであげて、スリーズちゃんのことまで心配している。
庭で元気に遊んでいるスリーズちゃんは寂しがっている様子はなかったが、母は鳥かごをウッドデッキに設置してスリーズちゃんを見守りながら、フレーズちゃんのそばにもいられるようにしていた。
「かか、フレーズちゃん、かわいいね。わたしもとりかごにはいりたい」
「スリーズも入るの?」
「いいでしょう?」
燕の姿になったスリーズちゃんが鳥かごに入ってフレーズちゃんと遊んだり、お父さんと触れ合ったりするのを見ながら、僕は姉妹仲がいいことに安心していた。
「わたし、おねえちゃんになったから、かかのことはおかあさん、ととのことはおとうさん、ねぇねのことはおねえちゃん、にぃにのことはおにいちゃんってよぶ!」
「スリーズちゃん、おれより二つも年下なのに、しっかりしてるな」
「レオくんとふたつもちがうの?」
「おれがふゆうまれで、スリーズちゃんがはるうまれだから、おれのおたんじょうびがきて、スリーズちゃんのおたんじょうびまでのあいだは、二つちがうだろう?」
「そうなの!?」
学年は二つ違うことを理解しているがスリーズちゃんはレオくんと年齢が二歳違うことは納得しなかった。
「ちがうわよ。いっさいとちょっとよ。いっさいとさんかげつくらい」
「そうなのか?」
十歳の女の子の精神があるスリーズちゃんにとっては計算は簡単なのだろうが、二年生になったレオくんにとっては計算が難しかったようだ。首を傾げているが、スリーズちゃんの方が正解だと僕は分かっていた。
「レオくんとスリーズちゃんは二歳までは違わないんだよ。一歳と三か月くらいしか違わないよ」
「一さいと三かげつ! がくねんが二年ちがうから、二さいちがうんだと思ってた」
僕が教えるとレオくんは驚いた顔をしていた。
レオくんは鳥かごに入れないが、スリーズちゃんが鳥かごに入っている間は、鳥かごのそばで座ってスリーズちゃんに手を振ったり、一人で本を読んでいたりしていた。
僕とリラのお誕生日には、母が鳥かごに入れたフレーズちゃんとお父さんを連れて社にやって来た。スリーズちゃんも一緒だが、スリーズちゃんは可愛い和柄のワンピースを着て、人間の姿だった。
「計算よりも相当早く生まれたのだな」
「燕の子だったからね」
「ラーイとリラの妹ですね。人間の姿にはなれないのですか?」
「多分、成人近くまでこのままだと思うってエイゼンは言っているの」
母の言葉に僕もリラも顔を見合わせる。
成人近くまで燕の姿ということは、フレーズちゃんは小学校も高等学校も燕の姿で行かなければいけない。魔法使いの街に生まれたのだから、燕族のような教育は望めないかもしれないのだ。
「小学校はフレーズちゃんに止まり木を用意してくれるかな?」
「高等学校はフレーズちゃんが制服を着てなくても怒らないかしら?」
心配する僕とリラに母が大らかに笑う。
「これからこういう子どもも増えて来ると思うわ。神族と結婚したいという話はたくさん出ているもの。小学校も高等学校も、柔軟に対応してくれるんじゃないかしら」
僕が男の子の魔女として初めて小学校に行ったとき、小学校には男の子用のお手洗いがなかった。それもすぐに対応してくれて、立派な男の子用のお手洗いが作られて、洗面所では着替えまでできるようになっていた。
フレーズちゃんの場合もそういう風にしてくれたらいいと僕は思っていた。
「ラーイは赤ん坊を抱っこできなくて残念なのではないか?」
セイラン様に問われて、僕は一度もフレーズちゃんを抱っこしていないことに気付いていた。フレーズちゃんは小さすぎて手の平で抱っこするにも気を付けなければいけないことが多すぎたのだ。
「お母さん、お父さん、フレーズちゃんを抱っこしていい?」
「私も抱っこしたい!」
僕とリラが鳥かごの前に行って母に頼むと、母は鳥かごの入口を開けて手を差し入れ、フレーズちゃんを手の上に乗せて手を抜き出した。
母が僕の手の平の前に自分の手を持ってくると、フレーズちゃんが飛び移って僕の手の平に納まる。
小さくてふかふかで温かいフレーズちゃんに僕は感動してしまった。
「可愛い僕の妹、フレーズちゃん」
フレーズちゃんも「ちよちよ」と鳴いて僕に答えてくれる。
次は僕がリラにフレーズちゃんを渡す番だった。手を近付けると、フレーズちゃんはリラの手の平に飛び移る。
「小さいわ。可愛い私の妹」
リラもフレーズちゃんを抱っこして感動しているようだった。
逃げ出す前に鳥かごの中に戻されたフレーズちゃんは不満そうにしている気がしたが、お父さんに練り餌を口まで運ばれて、大人しく大きく口を開けていた。
「もう自分で食べられるけど、食べるのに時間がかかるから、食べさせてもらうのを喜ぶんだよ」
「甘えんぼなんだね」
「可愛いわ、フレーズちゃん」
「フレーズちゃん、ねぇねもごはんをはこんであげる!」
燕の姿になったスリーズちゃんがフレーズちゃんの鳥かごにいそいそと入っていくのを、母は止めなかった。
お誕生日のケーキはレオくんとナンシーちゃんからもらったさくらんぼがぎっしりと乗っている。艶々のさくらんぼのケーキを見ると、フレーズちゃんのお口に練り餌を詰め込んでいたスリーズちゃんが反応して鳥かごから出て来る。
燕の姿のまま椅子の背もたれに止まって、さくらんぼのケーキが配られるのを待っているスリーズちゃんにリラがツッコミを入れる。
「スリーズちゃん、人間の姿になって」
「あ! まちがえた!」
人間の姿になったスリーズちゃんは椅子に座ってフォークを構えていた。
新しい妹のフレーズちゃんはまだ練り餌しか食べられない。
お父さんが人間の食べ物を食べられるので、燕の姿でも人間の食べ物を食べられるようになるのだろうが、それまでにはもう少し時間がかかりそうだし、燕の胃袋だと食べられる量は限られている。
これからフレーズちゃんに食べさせるものを考えるのは母の課題になりそうだった。
僕とリラはその日十六歳になった。
高等学校も最後の年で、僕とリラは十六歳で高等学校を卒業する。
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