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転生したらまた魔女の男子だった件
122.夏休みの始まりは天ぷらで
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夏休み前の試験に向けて、僕とリラとナンシーちゃんで放課後は勉強していた。
ナンシーちゃんも去年よりも学力がかなり上がって、成績がよくなっている。三人で勉強すると、新しい発見もあって、僕は放課後が楽しかった。
「ナンシーちゃん、もう僕が答え合わせしなくても、間違ったところに気付くようになったね」
「見直してたら分かるようになったわ。ラーイくんとリラちゃんのおかげ」
「私もナンシーちゃんが問題を解いているのを見ていたら、ここが間違えやすいんだって気付いて気を付けるようになったのよね。お互いに助かってるわ」
放課後に僕とリラとナンシーちゃんが勉強をしていても、からかってくるような輩はいない。以前にナンシーちゃんにぼこぼこにされた女子生徒が出てから、僕の話題に触れると危ないと分かってくれたようだ。
スリーズちゃんも家でレオくんと遊んでいるので乱入してくるようなことはなくなった。
「帰りにラーイくんとリラちゃんのお母様のお家に寄っていくの。レオを迎えに言って頂戴ってお母さんに言われていてね」
「そんなことしなくても、うちのお母さんが送っていくのに」
「それは申し訳ないし、私もスリーズちゃんに会いたいから」
ナンシーちゃんは母の家に寄っていくようだった。僕もリラも同行する。夕暮れの光の中で、スリーズちゃんは薔薇乙女仮面二号に変身して、元気に棒切れを振り回して虚空と戦っていた。
「ナンシーちゃん、私、スリーズちゃんに仮想敵を作ってあげたいの」
「仮想敵!? リラ、何それ!?」
真剣な眼差しでリラが言うのに、僕の方が突っ込んでしまった。仮想敵とはどういうことなのだろう。
「分かるわ。スリーズちゃん、戦う相手がいないものね」
「分かっちゃうの!?」
しみじみと答えるナンシーちゃんにも突っ込んでしまう。
リラとナンシーちゃんの間では理解し合えていることが、僕には全く分からない。困惑していると、リラが言う。
「あれとか、どうかしら。上から吊り下げて、殴りつけるやつ」
「サンドバッグね! いいかもしれないわ」
「それに、殴ってもいい人型の畑なんかによく立ってるやつ」
「案山子ね。それなら安全だわ」
完全にリラとナンシーちゃんが通じ合っている!?
僕は危ないしできればスリーズちゃんには戦って欲しくないのだが、リラとナンシーちゃんは確実にスリーズちゃんを鍛えることを考えていた。
サンドバッグなんて、殴りつける練習に使うものではないか。案山子は切り付ける練習に使うのか。
「魔法がかかっていた方がいいと思うのよ。ちょっと難しい方が燃えるでしょう?」
「それに、安全でもあるわね。サンドバッグを殴って、反動で返って来たサンドバッグに倒されたりしないようにね」
もうサンドバッグを作るのは決定している気がする。
これは僕が口出ししてもどうしようもないやつだ。仕方がないので僕は黙って聞いていた。
気が付けばレオくんが僕の足元に来ていて、足をポンッと叩いてくれた。
レオくんは僕の理解者のようだった。
「お母様、庭にサンドバッグと案山子を置いてもいいですか?」
「私とナンシーちゃんで危険がないように魔法をかけて作るから」
ウッドデッキで仕事をしている母にナンシーちゃんとリラが声をかけると、「あらあら」と母が頬に手をやる。
「スリーズの遊びが単調で飽きてきそうだと思っていたのよ。訓練にもなるし、いいでしょう」
「案山子は少し動いて攻撃を避けるようにしたいんです」
「サンドバッグは反動でスリーズちゃんを攻撃しないようにするわ」
「ナンシーちゃんとリラなら安心だわ。任せたわよ」
魔女の森の魔女たちはみんなこんなだった。
ぷるぷると震えているレオくんを、僕はお手洗いに連れて行ってあげた。
麦わらに魔法をかけた案山子が作られ、サンドバッグも庭の木から吊り下げられる。案山子とサンドバッグを見てスリーズちゃんはお目目を丸くしていた。
「これ、てき?」
「そうよ! これと戦ってスリーズちゃんは強くなるの!」
「敵は攻撃を避けたり、殴ったら反動で戻ってきたりするから、よく考えて戦うのよ?」
「あい! がんばる!」
案山子とサンドバッグ相手にスリーズちゃんは果敢に攻撃を繰り出していた。
案山子とサンドバッグが設置されている場所は、母が作業をするウッドデッキからよく見える場所なので、何かあっても安心だろう。
燕の姿で案山子に突撃して案山子の頭に刺さって抜けなくなったスリーズちゃんを、母が丁寧に抜いていた。
蒸し暑い日々が来て、夏休みに入る。
夏休み前の試験でもリラは成績優秀者になっていた。ナンシーちゃんも成績上位者に入るようになっていた。
「レイリ様ー! 今度の試験、成績優秀者だったのよ! 見て見て!」
社に駆け込んでレイリ様に報告するリラに、僕もセイラン様に近寄って行く。
「セイラン様……」
「ラーイ、見せてくれるか?」
「僕はいつもなんですけど」
「いつも頑張っているのだな。とても偉いぞ」
セイラン様の膝の上に抱き上げられて頭を撫でられて、僕はとても幸せだった。
「リラはよく頑張りましたね。何か欲しいものがありますか?」
「ハモ、って知ってる、レイリ様?」
「ハモ……鱧ですね。お魚ですよ」
「その天ぷらがとっても美味しいって聞いたの。私、食べてみたい」
鱧の天ぷらなんて僕も食べたことがない。
鱧という魚自体どういうものか僕はよく知らなかった。
「セイラン様、鱧ってなんですか?」
「とても骨が多いが、美味しい白身の魚だ。鰻と似ていて、細長い。骨切りが難しいので、マオには頼めないな」
「それじゃ、食べるのは無理ですね」
「せっかくの夏休みではないか。鱧を食べに出かけよう」
鰻も食べたことがないのだが、鱧を先に食べることになるなんて。
僕が返事に困っていると、リラがレイリ様にお願いしている。
「マオお姉ちゃんも一緒に行っていいでしょう? 美味しいものはみんなで食べなきゃ!」
「いい考えですね。みんなで食べに行きましょう」
鱧を食べに行くのには、マオさんも一緒のようだ。
「骨がいっぱいのお魚……僕、苦手だったらどうしましょう?」
「骨が多い魚は苦手か?」
「ちょっと苦手です」
口の中に刺さる小骨の感触が僕は得意ではない。素直にセイラン様に言うと、セイラン様は大らかに笑いながら言ってくれる。
「そのときは別のものを食べればいい。色んな料理がある店を探そう」
夏休みの計画が一つ決まった。
鱧を食べに海沿いの街に行くと、セイラン様とレイリ様は慣れた様子で一軒の店に入って行った。暖簾には「天ぷら」と書いてある。
「鱧の天ぷらばかりでは飽きるからな」
「海鮮の天ぷらが美味しいのですよ。烏賊天が絶妙です」
この店はセイラン様とレイリ様の行きつけのお店のようだった。
店に入ると、高齢の男性と、中年くらいの男性がカウンターの中で揚げ物をしている。
「土地神様ではございませんか。よくいらっしゃいました」
「土地神様がうちに!?」
「昔はよくいらっしゃっていたんだよ。お前の小さな頃にな」
カウンターの中の男性二人は親子のようだった。
セイラン様が軽く手を挙げて挨拶をして、レイリ様が注文をする。
「鱧がありますか?」
「ちょうど、いいのが入っていますよ」
「烏賊も新鮮なのがあるか?」
「今朝獲れたものがあります」
目の前で次々と揚げられていく天ぷら。
心配していた鱧の天ぷらだったが、ふわふわで美味しく、梅肉を添えるとものすごくよく合った。
「美味しいです、セイラン様!」
「それはよかった」
「レイリ様、芋天も食べたいわ」
「注文しましょうね」
たくさんの天ぷらを揚げてもらって、僕とリラとマオさんはお腹いっぱい食べた。大根おろしとお出汁の入った天つゆにつけて食べるのがとても美味しくて、僕はお腹がパンパンになるまで食べてしまった。
「この子は僕の婚約者なのですが、高等学校で成績優秀者になったのですよ。誇らしくて、褒めてあげたくて、この店に来ました」
「私の婚約者のこの子も成績優秀者だぞ?」
「セイラン兄上、僕に対抗しないでください」
笑うレイリ様にセイラン様は憮然としている。惚気られているのだと気付いて、僕は顔を赤くした。
ナンシーちゃんも去年よりも学力がかなり上がって、成績がよくなっている。三人で勉強すると、新しい発見もあって、僕は放課後が楽しかった。
「ナンシーちゃん、もう僕が答え合わせしなくても、間違ったところに気付くようになったね」
「見直してたら分かるようになったわ。ラーイくんとリラちゃんのおかげ」
「私もナンシーちゃんが問題を解いているのを見ていたら、ここが間違えやすいんだって気付いて気を付けるようになったのよね。お互いに助かってるわ」
放課後に僕とリラとナンシーちゃんが勉強をしていても、からかってくるような輩はいない。以前にナンシーちゃんにぼこぼこにされた女子生徒が出てから、僕の話題に触れると危ないと分かってくれたようだ。
スリーズちゃんも家でレオくんと遊んでいるので乱入してくるようなことはなくなった。
「帰りにラーイくんとリラちゃんのお母様のお家に寄っていくの。レオを迎えに言って頂戴ってお母さんに言われていてね」
「そんなことしなくても、うちのお母さんが送っていくのに」
「それは申し訳ないし、私もスリーズちゃんに会いたいから」
ナンシーちゃんは母の家に寄っていくようだった。僕もリラも同行する。夕暮れの光の中で、スリーズちゃんは薔薇乙女仮面二号に変身して、元気に棒切れを振り回して虚空と戦っていた。
「ナンシーちゃん、私、スリーズちゃんに仮想敵を作ってあげたいの」
「仮想敵!? リラ、何それ!?」
真剣な眼差しでリラが言うのに、僕の方が突っ込んでしまった。仮想敵とはどういうことなのだろう。
「分かるわ。スリーズちゃん、戦う相手がいないものね」
「分かっちゃうの!?」
しみじみと答えるナンシーちゃんにも突っ込んでしまう。
リラとナンシーちゃんの間では理解し合えていることが、僕には全く分からない。困惑していると、リラが言う。
「あれとか、どうかしら。上から吊り下げて、殴りつけるやつ」
「サンドバッグね! いいかもしれないわ」
「それに、殴ってもいい人型の畑なんかによく立ってるやつ」
「案山子ね。それなら安全だわ」
完全にリラとナンシーちゃんが通じ合っている!?
僕は危ないしできればスリーズちゃんには戦って欲しくないのだが、リラとナンシーちゃんは確実にスリーズちゃんを鍛えることを考えていた。
サンドバッグなんて、殴りつける練習に使うものではないか。案山子は切り付ける練習に使うのか。
「魔法がかかっていた方がいいと思うのよ。ちょっと難しい方が燃えるでしょう?」
「それに、安全でもあるわね。サンドバッグを殴って、反動で返って来たサンドバッグに倒されたりしないようにね」
もうサンドバッグを作るのは決定している気がする。
これは僕が口出ししてもどうしようもないやつだ。仕方がないので僕は黙って聞いていた。
気が付けばレオくんが僕の足元に来ていて、足をポンッと叩いてくれた。
レオくんは僕の理解者のようだった。
「お母様、庭にサンドバッグと案山子を置いてもいいですか?」
「私とナンシーちゃんで危険がないように魔法をかけて作るから」
ウッドデッキで仕事をしている母にナンシーちゃんとリラが声をかけると、「あらあら」と母が頬に手をやる。
「スリーズの遊びが単調で飽きてきそうだと思っていたのよ。訓練にもなるし、いいでしょう」
「案山子は少し動いて攻撃を避けるようにしたいんです」
「サンドバッグは反動でスリーズちゃんを攻撃しないようにするわ」
「ナンシーちゃんとリラなら安心だわ。任せたわよ」
魔女の森の魔女たちはみんなこんなだった。
ぷるぷると震えているレオくんを、僕はお手洗いに連れて行ってあげた。
麦わらに魔法をかけた案山子が作られ、サンドバッグも庭の木から吊り下げられる。案山子とサンドバッグを見てスリーズちゃんはお目目を丸くしていた。
「これ、てき?」
「そうよ! これと戦ってスリーズちゃんは強くなるの!」
「敵は攻撃を避けたり、殴ったら反動で戻ってきたりするから、よく考えて戦うのよ?」
「あい! がんばる!」
案山子とサンドバッグ相手にスリーズちゃんは果敢に攻撃を繰り出していた。
案山子とサンドバッグが設置されている場所は、母が作業をするウッドデッキからよく見える場所なので、何かあっても安心だろう。
燕の姿で案山子に突撃して案山子の頭に刺さって抜けなくなったスリーズちゃんを、母が丁寧に抜いていた。
蒸し暑い日々が来て、夏休みに入る。
夏休み前の試験でもリラは成績優秀者になっていた。ナンシーちゃんも成績上位者に入るようになっていた。
「レイリ様ー! 今度の試験、成績優秀者だったのよ! 見て見て!」
社に駆け込んでレイリ様に報告するリラに、僕もセイラン様に近寄って行く。
「セイラン様……」
「ラーイ、見せてくれるか?」
「僕はいつもなんですけど」
「いつも頑張っているのだな。とても偉いぞ」
セイラン様の膝の上に抱き上げられて頭を撫でられて、僕はとても幸せだった。
「リラはよく頑張りましたね。何か欲しいものがありますか?」
「ハモ、って知ってる、レイリ様?」
「ハモ……鱧ですね。お魚ですよ」
「その天ぷらがとっても美味しいって聞いたの。私、食べてみたい」
鱧の天ぷらなんて僕も食べたことがない。
鱧という魚自体どういうものか僕はよく知らなかった。
「セイラン様、鱧ってなんですか?」
「とても骨が多いが、美味しい白身の魚だ。鰻と似ていて、細長い。骨切りが難しいので、マオには頼めないな」
「それじゃ、食べるのは無理ですね」
「せっかくの夏休みではないか。鱧を食べに出かけよう」
鰻も食べたことがないのだが、鱧を先に食べることになるなんて。
僕が返事に困っていると、リラがレイリ様にお願いしている。
「マオお姉ちゃんも一緒に行っていいでしょう? 美味しいものはみんなで食べなきゃ!」
「いい考えですね。みんなで食べに行きましょう」
鱧を食べに行くのには、マオさんも一緒のようだ。
「骨がいっぱいのお魚……僕、苦手だったらどうしましょう?」
「骨が多い魚は苦手か?」
「ちょっと苦手です」
口の中に刺さる小骨の感触が僕は得意ではない。素直にセイラン様に言うと、セイラン様は大らかに笑いながら言ってくれる。
「そのときは別のものを食べればいい。色んな料理がある店を探そう」
夏休みの計画が一つ決まった。
鱧を食べに海沿いの街に行くと、セイラン様とレイリ様は慣れた様子で一軒の店に入って行った。暖簾には「天ぷら」と書いてある。
「鱧の天ぷらばかりでは飽きるからな」
「海鮮の天ぷらが美味しいのですよ。烏賊天が絶妙です」
この店はセイラン様とレイリ様の行きつけのお店のようだった。
店に入ると、高齢の男性と、中年くらいの男性がカウンターの中で揚げ物をしている。
「土地神様ではございませんか。よくいらっしゃいました」
「土地神様がうちに!?」
「昔はよくいらっしゃっていたんだよ。お前の小さな頃にな」
カウンターの中の男性二人は親子のようだった。
セイラン様が軽く手を挙げて挨拶をして、レイリ様が注文をする。
「鱧がありますか?」
「ちょうど、いいのが入っていますよ」
「烏賊も新鮮なのがあるか?」
「今朝獲れたものがあります」
目の前で次々と揚げられていく天ぷら。
心配していた鱧の天ぷらだったが、ふわふわで美味しく、梅肉を添えるとものすごくよく合った。
「美味しいです、セイラン様!」
「それはよかった」
「レイリ様、芋天も食べたいわ」
「注文しましょうね」
たくさんの天ぷらを揚げてもらって、僕とリラとマオさんはお腹いっぱい食べた。大根おろしとお出汁の入った天つゆにつけて食べるのがとても美味しくて、僕はお腹がパンパンになるまで食べてしまった。
「この子は僕の婚約者なのですが、高等学校で成績優秀者になったのですよ。誇らしくて、褒めてあげたくて、この店に来ました」
「私の婚約者のこの子も成績優秀者だぞ?」
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