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転生したらまた魔女の男子だった件
113.スリーズちゃんの決意とナンシーちゃんのお礼
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夏休みが終わると高等学校が始まる。
僕とリラは二人で魔女の森まで行って、高等学校に通っていた。
高等学校の授業は午後の早い時間に終わるので、帰りには母の家に寄るのが日課になっている。
二歳になったスリーズちゃんはますます活発に庭で遊んでいた。
「ばらーとめかめん、にぎょー!」
すっかりと薔薇乙女仮面二号になる決意をしている。
まだ二歳なのだから危ないことはしないで欲しいし、遊びならばいいのだがそれでも女の子らしく大人しく遊んで欲しいと思って、リラを思い出すが、女の子らしいとは何なのだろうと僕は思ってしまった。
リラは昔から体を動かすのが好きで、母と前世の母の戦いにも自分から混じって行こうとしたほどだ。
それが女の子らしさなのだとすれば、スリーズちゃんは順当に育っているのだと思う。
僕の方は社の中で本を読んでいることが好きだったし、静かに暮らすのが好きで、母と前世の母の戦いのときには怖すぎてお漏らしをしてしまうくらいだった。
あのときは僕も小さかったので仕方がない。
「スリーズちゃん、ポーズがとても決まっているわ! 素敵よ!」
「にぎょー!」
「格好いいわ!」
リラに褒められてスリーズちゃんはますます気合を入れてポーズを決めている。
前世のライラもそんな感じだっただろうか。
思い出してみると、前世の妹であるライラは病弱で死にかけていたイメージしかない。それが今は自分の思うように体を動かせて、自由に遊べるのだから、伸び伸びとしていてもおかしくはなかった。
「これは、ラーイとリラではありませんか」
リヒ様が母に挨拶に来ていた。
「エイゼンの姪で、後継となる予定のリヒと申します。アマリエ様はエイゼンとの間に子どもも作っていて、魔女の森の長とも聞いております。この土地で修行をするようになったので、どうかよろしくお願いします」
「あなたが育った暁にはエイゼンと結婚できるかもしれないわね」
「そのためにも頑張ります」
リヒ様と母の話を聞いていて僕は一つのことに気付く。
母とお父さんは結婚していないのだ。
魔女の森が変わってから結婚という制度が導入されたのだが、母とお父さんは結婚しているわけではない。渡る神のお父さんとは結婚できないと母は認識しているのだろう。
「お母さんとお父さんは結婚してなかったの!?」
「そうみたいだね。僕はすっかりお父さんのつもりでいたけど」
「お父さんはお父さんじゃなかった!?」
驚きショックを受けているリラに、スリーズちゃんも立ち尽くしている。
「とと、かか、けこんちない? とと、とと、ちやう?」
スリーズちゃんも混乱しているようだが、それに関しては僕はちゃんと否定しておく。
「スリーズちゃんにとってお父さんは間違いなくお父さんだよ」
「とと、とと?」
「そうだよ。スリーズちゃんはお母さんとお父さんの間に生まれたんだからね」
「ねぇね、にぃに、とと、ととちやう?」
「えーっと、それは難しい話になっちゃうんだけど……」
前世があって生まれ変わっているスリーズちゃんは二歳で上手に話せないだけで理解はしていると思って、僕は詳しく説明する。僕の生物学上の父の話は、出来ればしたくなかったが、こういうことならば話さなければいけない。
「僕とリラの生物学上の父は、大陸の貴族だったんだ。僕のことを殺しかけて、お母さんに呪いをかけられて、今はどこにいるか知らないけど……」
「にぃに、ちにかけた!?」
「今は大丈夫だからね。スリーズちゃんに心配かけてごめんね」
胸とお腹の間の矢が突き刺さったあたりを押さえると痛むような気がする。
クロスボウで撃たれたときには、本当に死ぬかと思った。
せっかく魔女の森の問題も落ち着いて、僕は生き延びられるようになっていたのに、こんなことで命を落とすのかととても悔しい思いをした。
無事に意識を取り戻した後も、セイラン様はしばらく過保護になって僕から離れられなかった。
あの日々を僕は忘れていない。
つらかった日々を思い出していると、リラがポーズを決める。
「薔薇乙女仮面! やっぱり、お兄ちゃんを守らなきゃ!」
「ばらーとめかめん、にぎょー! にぃに、まもりゅ!」
スリーズちゃんもポーズを決めて僕を守ることを心に決めたようだった。
高等学校では冬の試験に向けて勉強が進んでいる。
ナンシーちゃんからは僕は勉強を教えてもらうようにお願いされていた。
「私、成績があまりよくないのよね。このままじゃ三年生に進級できないかもしれないって、先生に心配されたわ。お礼をするから、ラーイくん、勉強を教えてくれない?」
「ナンシーちゃんと一緒に三年生になりたいよ。お礼なんていらないから、一緒に勉強しよう?」
「ありがとう、ラーイくん」
「私も一緒に勉強するわ!」
「リラちゃんまで! 助かるわ!」
放課後には高等学校に残って勉強するようになったので、休みの日しかスリーズちゃんには会えなくなった。
それも試験までのことだと我慢して、僕とリラは放課後の高等学校でナンシーちゃんに勉強を教える。
ナンシーちゃんは家ではあまり勉強をする時間がないようなのだ。
「弟がまだ小さいでしょう? 弟の面倒も見なきゃいけないし、お母さんのお手伝いもしなきゃいけない。だから、家ではあまり勉強できないの。弟とお風呂に入って出てきたら疲れて寝ちゃうのよ。弟、お風呂が大好きで、一時間は遊ばないと出てくれないから」
年上の子であるナンシーちゃんにはナンシーちゃんなりの悩みがありそうだ。
僕にもリラにもスリーズちゃんという妹がいるので気持ちが分かる部分がある。スリーズちゃんは家に行くと一緒に遊ばないと泣いてしまうし、一緒に遊んでいても自分の思い通りにならないと癇癪を起すこともある。
正常な二歳児としての発達なのだろうが、僕とリラもまだ十二歳なのだから、妹のことばかりに構っていられないこともある。
それを考えると、ナンシーちゃんはよくやっていると思う。
「お姉ちゃんをしながら勉強って難しいよね」
「ナンシーちゃんは偉いわ」
「そんな風に言ってくれて嬉しい。お父さんもお母さんもこれじゃいけないって思ってくれて、高等学校で勉強して帰っていいって言われてるの」
勉強道具を広げようとすると弟に邪魔をされて勉強できないし、遊ばないと泣かれるというのだから、ナンシーちゃんは勉強する時間を確保する方が難しいだろう。
「これ、お礼よ」
ナンシーちゃんはまだ少し硬い桃をお礼に僕とリラにくれた。
箱いっぱいの桃はまだ青い香りがしている。
「茎がついている方を嗅いで、甘い香りがしたら剥いて食べて。硬い桃を歯ごたえを楽しんでサラダにしても美味しいのよ」
お父さんが果樹園を営んでいるナンシーちゃんは果物の食べ方に詳しい。サラダにするとは考えていなかったので、僕もリラも興味津々で桃を見ていた。
桃は週末に母の家に届けられた。
箱いっぱいの桃を見てスリーズちゃんの口から涎が垂れる。
「にぃに、ねぇね、あとぶ……もも、たべう……あとぶ……もも……」
ものすごく苦悩している。
久しぶりに会った僕とリラと遊びたいが桃も食べたい。
お目目をぐるぐるにしているスリーズちゃんに母が桃を匂って告げる。
「まだ青いから、熟成させなきゃいけないわね」
「もも、まぁだ?」
「お母さん、まだ熟成してない桃をサラダにしても美味しいんだって」
「歯ごたえが楽しめるらしいわ」
僕とリラが言えば、母は「そうなのね」と言って桃を剥き始めた。
桃のサラダができると、オリーブオイルと塩コショウとレモンのドレッシングをかけていただく。
しゃきしゃきとした桃の歯ごたえが美味しい。
「おいち! かか、おいち!」
「こういう食べ方もあるのね。スリーズ、お代わりする?」
「おかーり!」
お代わりをして食べているスリーズちゃんを僕は微笑ましく見つめていた。
僕とリラは二人で魔女の森まで行って、高等学校に通っていた。
高等学校の授業は午後の早い時間に終わるので、帰りには母の家に寄るのが日課になっている。
二歳になったスリーズちゃんはますます活発に庭で遊んでいた。
「ばらーとめかめん、にぎょー!」
すっかりと薔薇乙女仮面二号になる決意をしている。
まだ二歳なのだから危ないことはしないで欲しいし、遊びならばいいのだがそれでも女の子らしく大人しく遊んで欲しいと思って、リラを思い出すが、女の子らしいとは何なのだろうと僕は思ってしまった。
リラは昔から体を動かすのが好きで、母と前世の母の戦いにも自分から混じって行こうとしたほどだ。
それが女の子らしさなのだとすれば、スリーズちゃんは順当に育っているのだと思う。
僕の方は社の中で本を読んでいることが好きだったし、静かに暮らすのが好きで、母と前世の母の戦いのときには怖すぎてお漏らしをしてしまうくらいだった。
あのときは僕も小さかったので仕方がない。
「スリーズちゃん、ポーズがとても決まっているわ! 素敵よ!」
「にぎょー!」
「格好いいわ!」
リラに褒められてスリーズちゃんはますます気合を入れてポーズを決めている。
前世のライラもそんな感じだっただろうか。
思い出してみると、前世の妹であるライラは病弱で死にかけていたイメージしかない。それが今は自分の思うように体を動かせて、自由に遊べるのだから、伸び伸びとしていてもおかしくはなかった。
「これは、ラーイとリラではありませんか」
リヒ様が母に挨拶に来ていた。
「エイゼンの姪で、後継となる予定のリヒと申します。アマリエ様はエイゼンとの間に子どもも作っていて、魔女の森の長とも聞いております。この土地で修行をするようになったので、どうかよろしくお願いします」
「あなたが育った暁にはエイゼンと結婚できるかもしれないわね」
「そのためにも頑張ります」
リヒ様と母の話を聞いていて僕は一つのことに気付く。
母とお父さんは結婚していないのだ。
魔女の森が変わってから結婚という制度が導入されたのだが、母とお父さんは結婚しているわけではない。渡る神のお父さんとは結婚できないと母は認識しているのだろう。
「お母さんとお父さんは結婚してなかったの!?」
「そうみたいだね。僕はすっかりお父さんのつもりでいたけど」
「お父さんはお父さんじゃなかった!?」
驚きショックを受けているリラに、スリーズちゃんも立ち尽くしている。
「とと、かか、けこんちない? とと、とと、ちやう?」
スリーズちゃんも混乱しているようだが、それに関しては僕はちゃんと否定しておく。
「スリーズちゃんにとってお父さんは間違いなくお父さんだよ」
「とと、とと?」
「そうだよ。スリーズちゃんはお母さんとお父さんの間に生まれたんだからね」
「ねぇね、にぃに、とと、ととちやう?」
「えーっと、それは難しい話になっちゃうんだけど……」
前世があって生まれ変わっているスリーズちゃんは二歳で上手に話せないだけで理解はしていると思って、僕は詳しく説明する。僕の生物学上の父の話は、出来ればしたくなかったが、こういうことならば話さなければいけない。
「僕とリラの生物学上の父は、大陸の貴族だったんだ。僕のことを殺しかけて、お母さんに呪いをかけられて、今はどこにいるか知らないけど……」
「にぃに、ちにかけた!?」
「今は大丈夫だからね。スリーズちゃんに心配かけてごめんね」
胸とお腹の間の矢が突き刺さったあたりを押さえると痛むような気がする。
クロスボウで撃たれたときには、本当に死ぬかと思った。
せっかく魔女の森の問題も落ち着いて、僕は生き延びられるようになっていたのに、こんなことで命を落とすのかととても悔しい思いをした。
無事に意識を取り戻した後も、セイラン様はしばらく過保護になって僕から離れられなかった。
あの日々を僕は忘れていない。
つらかった日々を思い出していると、リラがポーズを決める。
「薔薇乙女仮面! やっぱり、お兄ちゃんを守らなきゃ!」
「ばらーとめかめん、にぎょー! にぃに、まもりゅ!」
スリーズちゃんもポーズを決めて僕を守ることを心に決めたようだった。
高等学校では冬の試験に向けて勉強が進んでいる。
ナンシーちゃんからは僕は勉強を教えてもらうようにお願いされていた。
「私、成績があまりよくないのよね。このままじゃ三年生に進級できないかもしれないって、先生に心配されたわ。お礼をするから、ラーイくん、勉強を教えてくれない?」
「ナンシーちゃんと一緒に三年生になりたいよ。お礼なんていらないから、一緒に勉強しよう?」
「ありがとう、ラーイくん」
「私も一緒に勉強するわ!」
「リラちゃんまで! 助かるわ!」
放課後には高等学校に残って勉強するようになったので、休みの日しかスリーズちゃんには会えなくなった。
それも試験までのことだと我慢して、僕とリラは放課後の高等学校でナンシーちゃんに勉強を教える。
ナンシーちゃんは家ではあまり勉強をする時間がないようなのだ。
「弟がまだ小さいでしょう? 弟の面倒も見なきゃいけないし、お母さんのお手伝いもしなきゃいけない。だから、家ではあまり勉強できないの。弟とお風呂に入って出てきたら疲れて寝ちゃうのよ。弟、お風呂が大好きで、一時間は遊ばないと出てくれないから」
年上の子であるナンシーちゃんにはナンシーちゃんなりの悩みがありそうだ。
僕にもリラにもスリーズちゃんという妹がいるので気持ちが分かる部分がある。スリーズちゃんは家に行くと一緒に遊ばないと泣いてしまうし、一緒に遊んでいても自分の思い通りにならないと癇癪を起すこともある。
正常な二歳児としての発達なのだろうが、僕とリラもまだ十二歳なのだから、妹のことばかりに構っていられないこともある。
それを考えると、ナンシーちゃんはよくやっていると思う。
「お姉ちゃんをしながら勉強って難しいよね」
「ナンシーちゃんは偉いわ」
「そんな風に言ってくれて嬉しい。お父さんもお母さんもこれじゃいけないって思ってくれて、高等学校で勉強して帰っていいって言われてるの」
勉強道具を広げようとすると弟に邪魔をされて勉強できないし、遊ばないと泣かれるというのだから、ナンシーちゃんは勉強する時間を確保する方が難しいだろう。
「これ、お礼よ」
ナンシーちゃんはまだ少し硬い桃をお礼に僕とリラにくれた。
箱いっぱいの桃はまだ青い香りがしている。
「茎がついている方を嗅いで、甘い香りがしたら剥いて食べて。硬い桃を歯ごたえを楽しんでサラダにしても美味しいのよ」
お父さんが果樹園を営んでいるナンシーちゃんは果物の食べ方に詳しい。サラダにするとは考えていなかったので、僕もリラも興味津々で桃を見ていた。
桃は週末に母の家に届けられた。
箱いっぱいの桃を見てスリーズちゃんの口から涎が垂れる。
「にぃに、ねぇね、あとぶ……もも、たべう……あとぶ……もも……」
ものすごく苦悩している。
久しぶりに会った僕とリラと遊びたいが桃も食べたい。
お目目をぐるぐるにしているスリーズちゃんに母が桃を匂って告げる。
「まだ青いから、熟成させなきゃいけないわね」
「もも、まぁだ?」
「お母さん、まだ熟成してない桃をサラダにしても美味しいんだって」
「歯ごたえが楽しめるらしいわ」
僕とリラが言えば、母は「そうなのね」と言って桃を剥き始めた。
桃のサラダができると、オリーブオイルと塩コショウとレモンのドレッシングをかけていただく。
しゃきしゃきとした桃の歯ごたえが美味しい。
「おいち! かか、おいち!」
「こういう食べ方もあるのね。スリーズ、お代わりする?」
「おかーり!」
お代わりをして食べているスリーズちゃんを僕は微笑ましく見つめていた。
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