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転生したらまた魔女の男子だった件
97.大陸の話と夏の終わり
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大陸の国に行ったことについて、僕は母とお父さんに話した。
僕と前世の妹が、前世の母と前世の父の初めての子どもだったこと。
前世の父は今も前世の母を愛して共に生きたいと願ったが、前世の母は孤児院にいる子を愛し、亡くした子どもの供養をして生きると答えたこと。
前世の父もそれに納得して、自分は養子をもらって後継者を決めることに前向きになったこと。
話していると、スリーズちゃんがいつの間にかドアの隙間から入って来ていた。僕の足元に座ってスリーズちゃんも真剣に話を聞いている。
「スリーズちゃん、どこに行ったの?」
「ねぇね!」
「お父さんとお母さんとお兄ちゃんは大事なお話をしてるのよ。こっちで遊びましょう」
「やーの!」
話を聞くと座って僕を見上げるスリーズちゃんに僕は話せなくなってしまった。リラも部屋の中に入ってきているし、リラには前世の話はしたくない。覚えていないリラが凄惨な前世のことを思い出して苦しむのは見たくなかった。
「ごめんね、お兄ちゃん。私がおトイレに行ってる間に」
「やーの!」
「行きましょう、スリーズちゃん」
「やああああ!」
泣き喚くスリーズちゃんを連れていこうとするリラだが、力いっぱい暴れられて逃げられてしまう。
「もうほとんど話せたし、いいよ、リラ。ありがとう」
「お話は終わったのね。お兄ちゃんお土産!」
「おみゃーげ!」
話が終わったと聞くとお土産に目を輝かせるリラとスリーズちゃんは年相応で可愛い。僕は二人に模様の入った羊の皮の小物入れを渡した。
「好きな色を選んで」
ピンクと紫を買っていたのだが、スリーズちゃんが素早くピンクの小物入れを取って、リラが紫の小物入れを取った。
「可愛い小物入れね。中を魔法で拡張してあげましょう」
「お母さんお願い」
「かか、あい!」
魔法をかけてくれるという母に、リラもスリーズちゃんも素直に小物入れを渡していた。型押しで模様が入っている小物入れは、平たくて、蓋を開けると立体的に展開されるようになっている。
立体的に広がる小物入れの中は魔法で拡張されてたくさんのものが入るようになっていた。
スリーズちゃんは大喜びで小物入れの中に自分のおもちゃを入れている。リラは虎のポーチの中に小物入れを入れて、そこに細々したものを分けて入れているようだ。
「生理用品を他のものと一緒に入れたくなかったのよね。入れるものができて嬉しいわ」
「リラの役に立ったなら僕も嬉しいよ」
母がオープンな性格のせいか、リラも生理に関してオープンだった。
母には羊の皮で作った女物の手袋を渡す。色は迷ったのだが真っ白を選んだ。
真っ白の手袋を身に着けて、母が皮の表面を撫でる。
「とてもしなやかね。鹿皮よりも頑丈そうだし」
そうなのだ。
鹿皮はしなやかなのだが、傷が目立つ。それに比べてこの羊の皮はしなやかなのに頑丈で傷がつきにくいという特徴があった。それも露店の店主の受け売りなのだが。
お父さんにも真っ白の男物の手袋を渡す。手袋を身に着けてお父さんは手を握ったり開いたりしていた。
「薄いのにすごく使いやすそうだ。ありがとう、ラーイ」
「異国では羊の皮を使うのね。異国の文化に触れられてよかったわ。ありがとう」
お父さんと母にお礼を言われて僕は照れながら「どういたしまして」と答えた。
母には買って来た布も見せた。
「この布でセイラン様とレイリ様に何か作りたいんだ」
「ケープを作りましょうか? 着物の上からでも身に着けられるわ」
「ケープ!」
綺麗に模様が織ってある布を見て母はどの場所を使うかを考えている。僕も広げた布の細かい織り模様に見惚れていた。
ケープは秋に向けて作るとして、その日は報告を終えると僕もリラも社に帰った。大陸へ行くという僕の我が儘を叶えてもらっているし、母とお父さんと話す間はリラにスリーズちゃんを見てもらっていたので、今度はリラの番だとリラが主張してきたのだ。
「マオお姉ちゃんと、冷たいぜんざいを作るのよ!」
「僕も手伝うよ」
「お兄ちゃん、特別に手伝わせてあげるわ」
厨房ではマオさんが小豆を煮ている。煮た小豆をゼラチンを溶かしたお湯に合わせて、冷蔵庫で冷やす。
白玉粉と水を合わせて、よく捏ねて、丸めて、お湯で茹でる。
生クリームを泡立ててホイップクリームにする。
出来上がった小豆のゼリーの上に、冷水で冷やした白玉団子を乗せて、ホイップクリームを添えれば冷たいぜんざいの出来上がりだ。
「レイリ様ー! できたわよー!」
「リラの力作、いただかないといけませんね」
「セイラン様ー! 食べに来てー!」
「リラとラーイが頑張ったのだな。いただこう」
セイラン様とレイリ様と僕とリラとマオさんでテーブルについて冷たいぜんざいを食べる。小豆のゼリーはぷるぷるで冷たくて、白玉団子はもちもち、ホイップクリームがそこに濃厚さを加えて最高に美味しい。
僕はすぐに自分の分を食べてしまった。リラも食べ終わって冷たい緑茶を飲んでいる。
「ラーイ、私の分を少し食べるか?」
「セイラン様は自分で食べてください。セイラン様のために作ったのですから」
「リラ、一口あげましょうか?」
「レイリ様の分はレイリ様が食べて。レイリ様に作ったのよ」
分けてくれようとするセイラン様とレイリ様に感謝しつつ、僕とリラはそれを断る。冷たい緑茶を飲んでいると甘かった口の中がすっきりとした。
「マオお姉ちゃん、私、スリーズちゃんにこのぜんざいを作ってあげられるかしら?」
「アマリエ様に小豆を炊いてもらえばできると思いますよ」
「スリーズちゃんにも食べさせたいわ」
「それなら、作り方を書いておきましょうね」
リラのお願いを聞いてマオさんが作り方を紙に書いていく。書き終わった作り方の紙を、リラは丁寧に折り畳んで虎のポーチに入れた。
楽しい夏休みは駆け足で過ぎていく。
夏休みの終わりには、お父さんは次の土地へ旅立たねばならない。
「とと、やーの!」
「スリーズ、私は渡る神だから、季節を届けなければいけないのだよ」
「とと、いっと! ばいばい、やー!」
別れの日が近付くにつれてスリーズちゃんはお父さんから離れなくなってきた。まだ一歳なのに別れの日をしっかりと理解しているのがものすごく賢い。
「スリーズ、また来年の夏には来てくれるから」
「やー! かか、やー! とと、いーの!」
「あら、私、嫌われちゃった」
説得しようとする母を拒絶して、スリーズちゃんはお父さんから離れない。顔は涙でぐしゃぐしゃで、洟も垂れている。垂れた洟をお父さんが拭いてあげているが、スリーズちゃんは泣き続けているので、洟も涙も止まらない。
「ととー! びええええ!」
「スリーズ、私も離れたくないんだよ」
「ととー!」
大声で泣き喚くスリーズちゃんに、お父さんもちょっと涙目になっている。スリーズちゃんがあまり泣くものだから、僕もリラも悲しくなってきた。
「お父さん……ふぇ……」
「お父さん……びぇ……」
泣き出しそうになっている僕とリラと、既に大泣きしているスリーズちゃんに、母が提案をした。
「お見送り会をしましょう」
「お見送り会?」
「何をするの?」
問いかける僕とリラに、母が歌うように言う。
「ご馳走を作って、エイゼンの旅路が無事なものであるように祈りながら、みんなで楽しく見送るのよ」
「ごちとう!?」
「スリーズの大好きな果物もいっぱい用意しましょうか?」
「んご? んぼ?」
「苺は無理だけど、さくらんぼは用意できるかもしれないわ。後は桃にメロンに夏みかんも用意しましょう」
泣いていたスリーズちゃんの涙が止まる。代わりに口の端から涎が一筋、たらりと落ちた。
「おいち! おいち!」
「泣いてたらエイゼンが心配するわ。みんな楽しく笑顔で見送りましょうね」
母の作戦は成功したようだ。
果物を大量に用意して、スリーズちゃんの好きなグラタンやコロッケも作って、母はお父さんの見送り会を開いた。
お腹いっぱい大好物のグラタンやコロッケや果物を食べたスリーズちゃんはもう泣いていなかった。
「とと、らったい」
「行ってくるよ、スリーズ。ラーイ、リラも元気で」
小さなお手手を振ってお父さんを送り出すスリーズちゃんに、お父さんは燕の姿でスリーズちゃんの頭の上をくるくると数回回ってから、次の土地へ飛んで行った。
秋が来る。
明日からは僕とリラの高等学校も始まる。
お父さんの飛んで行った夕暮れの空に大きく手を振って、僕はお父さんを見送った。
僕と前世の妹が、前世の母と前世の父の初めての子どもだったこと。
前世の父は今も前世の母を愛して共に生きたいと願ったが、前世の母は孤児院にいる子を愛し、亡くした子どもの供養をして生きると答えたこと。
前世の父もそれに納得して、自分は養子をもらって後継者を決めることに前向きになったこと。
話していると、スリーズちゃんがいつの間にかドアの隙間から入って来ていた。僕の足元に座ってスリーズちゃんも真剣に話を聞いている。
「スリーズちゃん、どこに行ったの?」
「ねぇね!」
「お父さんとお母さんとお兄ちゃんは大事なお話をしてるのよ。こっちで遊びましょう」
「やーの!」
話を聞くと座って僕を見上げるスリーズちゃんに僕は話せなくなってしまった。リラも部屋の中に入ってきているし、リラには前世の話はしたくない。覚えていないリラが凄惨な前世のことを思い出して苦しむのは見たくなかった。
「ごめんね、お兄ちゃん。私がおトイレに行ってる間に」
「やーの!」
「行きましょう、スリーズちゃん」
「やああああ!」
泣き喚くスリーズちゃんを連れていこうとするリラだが、力いっぱい暴れられて逃げられてしまう。
「もうほとんど話せたし、いいよ、リラ。ありがとう」
「お話は終わったのね。お兄ちゃんお土産!」
「おみゃーげ!」
話が終わったと聞くとお土産に目を輝かせるリラとスリーズちゃんは年相応で可愛い。僕は二人に模様の入った羊の皮の小物入れを渡した。
「好きな色を選んで」
ピンクと紫を買っていたのだが、スリーズちゃんが素早くピンクの小物入れを取って、リラが紫の小物入れを取った。
「可愛い小物入れね。中を魔法で拡張してあげましょう」
「お母さんお願い」
「かか、あい!」
魔法をかけてくれるという母に、リラもスリーズちゃんも素直に小物入れを渡していた。型押しで模様が入っている小物入れは、平たくて、蓋を開けると立体的に展開されるようになっている。
立体的に広がる小物入れの中は魔法で拡張されてたくさんのものが入るようになっていた。
スリーズちゃんは大喜びで小物入れの中に自分のおもちゃを入れている。リラは虎のポーチの中に小物入れを入れて、そこに細々したものを分けて入れているようだ。
「生理用品を他のものと一緒に入れたくなかったのよね。入れるものができて嬉しいわ」
「リラの役に立ったなら僕も嬉しいよ」
母がオープンな性格のせいか、リラも生理に関してオープンだった。
母には羊の皮で作った女物の手袋を渡す。色は迷ったのだが真っ白を選んだ。
真っ白の手袋を身に着けて、母が皮の表面を撫でる。
「とてもしなやかね。鹿皮よりも頑丈そうだし」
そうなのだ。
鹿皮はしなやかなのだが、傷が目立つ。それに比べてこの羊の皮はしなやかなのに頑丈で傷がつきにくいという特徴があった。それも露店の店主の受け売りなのだが。
お父さんにも真っ白の男物の手袋を渡す。手袋を身に着けてお父さんは手を握ったり開いたりしていた。
「薄いのにすごく使いやすそうだ。ありがとう、ラーイ」
「異国では羊の皮を使うのね。異国の文化に触れられてよかったわ。ありがとう」
お父さんと母にお礼を言われて僕は照れながら「どういたしまして」と答えた。
母には買って来た布も見せた。
「この布でセイラン様とレイリ様に何か作りたいんだ」
「ケープを作りましょうか? 着物の上からでも身に着けられるわ」
「ケープ!」
綺麗に模様が織ってある布を見て母はどの場所を使うかを考えている。僕も広げた布の細かい織り模様に見惚れていた。
ケープは秋に向けて作るとして、その日は報告を終えると僕もリラも社に帰った。大陸へ行くという僕の我が儘を叶えてもらっているし、母とお父さんと話す間はリラにスリーズちゃんを見てもらっていたので、今度はリラの番だとリラが主張してきたのだ。
「マオお姉ちゃんと、冷たいぜんざいを作るのよ!」
「僕も手伝うよ」
「お兄ちゃん、特別に手伝わせてあげるわ」
厨房ではマオさんが小豆を煮ている。煮た小豆をゼラチンを溶かしたお湯に合わせて、冷蔵庫で冷やす。
白玉粉と水を合わせて、よく捏ねて、丸めて、お湯で茹でる。
生クリームを泡立ててホイップクリームにする。
出来上がった小豆のゼリーの上に、冷水で冷やした白玉団子を乗せて、ホイップクリームを添えれば冷たいぜんざいの出来上がりだ。
「レイリ様ー! できたわよー!」
「リラの力作、いただかないといけませんね」
「セイラン様ー! 食べに来てー!」
「リラとラーイが頑張ったのだな。いただこう」
セイラン様とレイリ様と僕とリラとマオさんでテーブルについて冷たいぜんざいを食べる。小豆のゼリーはぷるぷるで冷たくて、白玉団子はもちもち、ホイップクリームがそこに濃厚さを加えて最高に美味しい。
僕はすぐに自分の分を食べてしまった。リラも食べ終わって冷たい緑茶を飲んでいる。
「ラーイ、私の分を少し食べるか?」
「セイラン様は自分で食べてください。セイラン様のために作ったのですから」
「リラ、一口あげましょうか?」
「レイリ様の分はレイリ様が食べて。レイリ様に作ったのよ」
分けてくれようとするセイラン様とレイリ様に感謝しつつ、僕とリラはそれを断る。冷たい緑茶を飲んでいると甘かった口の中がすっきりとした。
「マオお姉ちゃん、私、スリーズちゃんにこのぜんざいを作ってあげられるかしら?」
「アマリエ様に小豆を炊いてもらえばできると思いますよ」
「スリーズちゃんにも食べさせたいわ」
「それなら、作り方を書いておきましょうね」
リラのお願いを聞いてマオさんが作り方を紙に書いていく。書き終わった作り方の紙を、リラは丁寧に折り畳んで虎のポーチに入れた。
楽しい夏休みは駆け足で過ぎていく。
夏休みの終わりには、お父さんは次の土地へ旅立たねばならない。
「とと、やーの!」
「スリーズ、私は渡る神だから、季節を届けなければいけないのだよ」
「とと、いっと! ばいばい、やー!」
別れの日が近付くにつれてスリーズちゃんはお父さんから離れなくなってきた。まだ一歳なのに別れの日をしっかりと理解しているのがものすごく賢い。
「スリーズ、また来年の夏には来てくれるから」
「やー! かか、やー! とと、いーの!」
「あら、私、嫌われちゃった」
説得しようとする母を拒絶して、スリーズちゃんはお父さんから離れない。顔は涙でぐしゃぐしゃで、洟も垂れている。垂れた洟をお父さんが拭いてあげているが、スリーズちゃんは泣き続けているので、洟も涙も止まらない。
「ととー! びええええ!」
「スリーズ、私も離れたくないんだよ」
「ととー!」
大声で泣き喚くスリーズちゃんに、お父さんもちょっと涙目になっている。スリーズちゃんがあまり泣くものだから、僕もリラも悲しくなってきた。
「お父さん……ふぇ……」
「お父さん……びぇ……」
泣き出しそうになっている僕とリラと、既に大泣きしているスリーズちゃんに、母が提案をした。
「お見送り会をしましょう」
「お見送り会?」
「何をするの?」
問いかける僕とリラに、母が歌うように言う。
「ご馳走を作って、エイゼンの旅路が無事なものであるように祈りながら、みんなで楽しく見送るのよ」
「ごちとう!?」
「スリーズの大好きな果物もいっぱい用意しましょうか?」
「んご? んぼ?」
「苺は無理だけど、さくらんぼは用意できるかもしれないわ。後は桃にメロンに夏みかんも用意しましょう」
泣いていたスリーズちゃんの涙が止まる。代わりに口の端から涎が一筋、たらりと落ちた。
「おいち! おいち!」
「泣いてたらエイゼンが心配するわ。みんな楽しく笑顔で見送りましょうね」
母の作戦は成功したようだ。
果物を大量に用意して、スリーズちゃんの好きなグラタンやコロッケも作って、母はお父さんの見送り会を開いた。
お腹いっぱい大好物のグラタンやコロッケや果物を食べたスリーズちゃんはもう泣いていなかった。
「とと、らったい」
「行ってくるよ、スリーズ。ラーイ、リラも元気で」
小さなお手手を振ってお父さんを送り出すスリーズちゃんに、お父さんは燕の姿でスリーズちゃんの頭の上をくるくると数回回ってから、次の土地へ飛んで行った。
秋が来る。
明日からは僕とリラの高等学校も始まる。
お父さんの飛んで行った夕暮れの空に大きく手を振って、僕はお父さんを見送った。
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