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転生したらまた魔女の男子だった件
87.お父さんとお母さんに前世を打ち明ける
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初夏になって、お父さんが渡って来た。
夏の始まりの日は雨降りだったが、雨の中飛んできたお父さんを母は自分の家に招き入れた。
僕もリラもずっとお父さんが来るのを待っていたので、話したいことがいっぱいだったが、まずはお父さんとスリーズちゃんの再会を見守ることにした。
成長の時期にいなくて、人見知りでスリーズちゃんは泣いてしまうかと思ったが、燕の姿のお父さんを見て感じるものがあったのだろう、すぐに近寄って行く。
人間の姿になったお父さんに抱き上げられて、スリーズちゃんはぺちぺちとお父さんの胸を叩いていた。
「とと!」
「スリーズ、分かるのか!? 私がお父さんだよ」
「とと!」
やはりスリーズちゃんはものすごく賢い気がする。普通の一歳児ではない。
「お母さん、スリーズちゃんは天才じゃない?」
「小さい頃は子どもをみんなそう思うのよ。ラーイも兄馬鹿ね」
「そうかなぁ?」
客観的に見てもスリーズちゃんは頭がよく思えるのだが、母はそれを笑い飛ばしていた。
身内の欲目だと言われてしまえばそうなのかもしれないと納得するしかない。
スリーズちゃんが天才かもしれないということは、僕だけの思い込みになってしまった。
「かか! とと!」
「スリーズは『ママ』『パパ』じゃなくて、私たちを『かか』『とと』って呼ぶのね」
「ラーイとリラがお母さん、お父さんって呼んでるからじゃないかな。母さん、父さんの省略で、『かか』『とと』なんだと思う」
この土地の子どもたちも、昔は「ママ」や「パパ」ではなく、両親のことを「かか」や「とと」と呼んでいたというので、スリーズちゃんはこの土地の昔の子どもと同じなのかもしれない。
それにしても、一目でお父さんのことを分かるのはすごいと思う。
「お父さん、スリーズちゃんのお誕生日の話を聞いて。私たちの卒業式と入学式の話も。高等学校の話も」
お父さんに甘えているリラに、お父さんは微笑みながらスリーズちゃんを膝の上に抱っこして椅子に座って話を聞いてくれた。
「僕とリラは小学校を卒業したんだよ。卒業式のために、僕とお母さんで服を作ったんだ」
「ワンピースもよかったんだけど、私はお兄ちゃんとお揃いにしたくて、シャツとズボンにしたの」
「高等学校では制服があるんだ」
「制服って貧富の差が見えないようにするために、無償で提供されているのよ」
口々に喋る僕とリラの話をお父さんは穏やかに聞いてくれている。つまらなくなったのか、スリーズちゃんはお父さんの手から逃げて床を歩いてオモチャのところに行ったが、お父さんはスリーズちゃんだけに構っていなくて、僕とリラのためにもしっかりと時間を取ってくれた。
話したいことを話すことができて僕とリラが満足すると、お父さんはスリーズちゃんのところに行く。お父さんが燕の姿になると、スリーズちゃんも燕の姿になって飛び上がった。
部屋の中を飛んでいく二匹の燕。
親子の姿を見て僕も胸が暖かくなる。
「エイゼン、この土地にいる間はうちに滞在するでしょう?」
「もちろんそのつもりだよ、アマリエ」
「ラーイとリラは高等学校の帰りにここに寄るわ。そのときに話を聞いてあげて。まだまだ話したいことがありそうな顔をしてるわ」
母にはお見通しだった。
一旦は満足しても、お父さんと離れていた時間は長いので、僕もリラも思いだしたら話したいことが出て来るだろう。それを見越して母は先にお父さんに言ってくれていた。
「お父さん、お母さん、三人だけで話したいことがあるんだ」
僕はお父さんと母を呼んだ。リラも話したそうにしているが、この話はリラにはできない。
「お兄ちゃん、何の話」
「すごく大事な話なんだ。リラ、ごめんね、今は話せない」
「私には話せないことなのね。分かった、スリーズちゃんと待ってるわ」
真剣な僕の様子にリラも納得してくれて、僕とお父さんと母は別の部屋に行った。母の寝室に入ると扉を閉めて、僕はごくりと唾を飲み込んだ。喉がからからになっている。
「僕は、実は生まれる前の記憶があるんだ」
「どういうことかな、ラーイ?」
「ラーイとして生まれる前、僕はリクという名前で、違うお母さんから生まれた魔女の男の子だった」
「いわゆる、前世というやつか。土地神様はご存じなのか?」
「セイラン様には話してる。レイリ様には内緒にしている」
お父さんは神族ということもあって呑み込みが早かった。母の方を見れば「知っていたわよ」と微笑まれる。
「十歳で双子の妹と一緒に殺されて、お母さんの息子に生まれ変わった。僕はリラのことを前世の妹だと思っていて、リラは何も覚えてないから、リラにこの話をすると、殺された凄惨な記憶が蘇るんじゃないかと思って話してない」
これまでお父さんにも母にも黙っていたのはリラのことがあったからだ。
説明すると、お父さんも母も納得してくれる。
「リラが前世の妹かは分からないけれど、ラーイには他の子と違うところがあるとずっと思っていたわ。土地神様と話しているのを聞いたこともあるし」
「そういう事情があったのだな」
「お母さんとお父さんには知っていて欲しくて。僕の前世のお母さんも生きていて、魔女の森を出て孤児院で暮らしているんだ」
「前世のお母さんは魔女の長に成り代わった魔女だったわね」
「気付いていたの!?」
「私やエイゼンに気兼ねすることなく、会っていいのよ」
母は僕が生まれ変わりだということも知っていたし、僕の前世の母のことも知っていた。やはり母はものすごく察しがいいのだ。
「話してくれてありがとう。父親として信頼されているのだと実感できた。この話はリラには内緒にしよう。約束する」
「ありがとう、お父さん」
「リラかどうかも分からないものね」
「僕はリラだと思うんだけどなぁ」
くすくすと笑っている母は何かに気付いているのかもしれない。気付いていながら僕に何も言ってくれないのは意地悪だが、それが母なので仕方がない。
お父さんを迎え入れた日は高等学校がちょうど休みだったので、たっぷりとお父さんとスリーズちゃんと触れ合うことができた。スリーズちゃんはなぜか僕のことを違う名前で呼んでいた。
「りーにぃ!」
「らーにぃにだよ?」
「りーにぃ!」
怒って一生懸命主張するスリーズちゃんが、リラと僕を間違えていることを何度言っても、訂正することはできなかった。
雨の中傘を差して社まで帰ると、肩や下半身はずぶ濡れになっていた。
社に帰るとまずはお風呂に入れられる。リラが先で、その間僕は着替えて待っていて、リラがお風呂から出たら僕もお風呂に入った。
お風呂の事故が子どもの死では一番多いというので、セイラン様が見ていてくれるが、ちょっと恥ずかしい。
もうすぐ僕は十一歳になるのだ。
「セイラン様、一人で入れます」
「ラーイが溺れるとは思わぬが、万が一のことがあっては困る」
「セイラン様、恥ずかしいです」
股間を隠しても、僕の股間は少しずつ成長しつつあったし、もう少ししたら陰毛も生えるようになるだろう。そうなったらセイラン様に見せるのはちょっと恥ずかしい。
「ラーイがお風呂を恥ずかしがるようになるとは。一緒に寝るのもそろそろ終わりかな」
「それはないです!」
お風呂は恥ずかしいけれど、一緒に寝ないのとは全く違う。僕は白虎の姿のセイラン様のお腹の上でないと上手く眠れなくなっていた。
「レイリ様ー! 髪を乾かしてー!」
「リラ、おいでなさい」
居間ではリラがレイリ様の膝に座って髪を乾かしてもらっている。風を起こして髪を乾かしてもらっているリラは心地よさそうに目を細めている。
お風呂から出て、服を着ると、タオルで髪を拭きながら、居間に入った僕はセイラン様に手招きされる。
「髪を乾かしてやろう」
「お願いします」
膝の上に座って解くと肩を越す髪を乾かしてもらいながら、僕はセイラン様に小声で言う。
「僕のこと、お母さんとお父さんに話しました。前世の母さんのことも」
「そうか。話せてよかったな」
「二人とも、リラには内緒にしてくれると約束してくれました」
髪を指で梳かれてうっとりしながら言えば、セイラン様が首を傾げる。
「リラは本当に前世の妹なのだろうか」
「それは……」
僕はそのことを疑っていないのだが、母もセイラン様も疑問を持っている。
リラのことをずっと前世の妹と思っていただけに僕はいきなり方向転換はできなかった。
夏の始まりの日は雨降りだったが、雨の中飛んできたお父さんを母は自分の家に招き入れた。
僕もリラもずっとお父さんが来るのを待っていたので、話したいことがいっぱいだったが、まずはお父さんとスリーズちゃんの再会を見守ることにした。
成長の時期にいなくて、人見知りでスリーズちゃんは泣いてしまうかと思ったが、燕の姿のお父さんを見て感じるものがあったのだろう、すぐに近寄って行く。
人間の姿になったお父さんに抱き上げられて、スリーズちゃんはぺちぺちとお父さんの胸を叩いていた。
「とと!」
「スリーズ、分かるのか!? 私がお父さんだよ」
「とと!」
やはりスリーズちゃんはものすごく賢い気がする。普通の一歳児ではない。
「お母さん、スリーズちゃんは天才じゃない?」
「小さい頃は子どもをみんなそう思うのよ。ラーイも兄馬鹿ね」
「そうかなぁ?」
客観的に見てもスリーズちゃんは頭がよく思えるのだが、母はそれを笑い飛ばしていた。
身内の欲目だと言われてしまえばそうなのかもしれないと納得するしかない。
スリーズちゃんが天才かもしれないということは、僕だけの思い込みになってしまった。
「かか! とと!」
「スリーズは『ママ』『パパ』じゃなくて、私たちを『かか』『とと』って呼ぶのね」
「ラーイとリラがお母さん、お父さんって呼んでるからじゃないかな。母さん、父さんの省略で、『かか』『とと』なんだと思う」
この土地の子どもたちも、昔は「ママ」や「パパ」ではなく、両親のことを「かか」や「とと」と呼んでいたというので、スリーズちゃんはこの土地の昔の子どもと同じなのかもしれない。
それにしても、一目でお父さんのことを分かるのはすごいと思う。
「お父さん、スリーズちゃんのお誕生日の話を聞いて。私たちの卒業式と入学式の話も。高等学校の話も」
お父さんに甘えているリラに、お父さんは微笑みながらスリーズちゃんを膝の上に抱っこして椅子に座って話を聞いてくれた。
「僕とリラは小学校を卒業したんだよ。卒業式のために、僕とお母さんで服を作ったんだ」
「ワンピースもよかったんだけど、私はお兄ちゃんとお揃いにしたくて、シャツとズボンにしたの」
「高等学校では制服があるんだ」
「制服って貧富の差が見えないようにするために、無償で提供されているのよ」
口々に喋る僕とリラの話をお父さんは穏やかに聞いてくれている。つまらなくなったのか、スリーズちゃんはお父さんの手から逃げて床を歩いてオモチャのところに行ったが、お父さんはスリーズちゃんだけに構っていなくて、僕とリラのためにもしっかりと時間を取ってくれた。
話したいことを話すことができて僕とリラが満足すると、お父さんはスリーズちゃんのところに行く。お父さんが燕の姿になると、スリーズちゃんも燕の姿になって飛び上がった。
部屋の中を飛んでいく二匹の燕。
親子の姿を見て僕も胸が暖かくなる。
「エイゼン、この土地にいる間はうちに滞在するでしょう?」
「もちろんそのつもりだよ、アマリエ」
「ラーイとリラは高等学校の帰りにここに寄るわ。そのときに話を聞いてあげて。まだまだ話したいことがありそうな顔をしてるわ」
母にはお見通しだった。
一旦は満足しても、お父さんと離れていた時間は長いので、僕もリラも思いだしたら話したいことが出て来るだろう。それを見越して母は先にお父さんに言ってくれていた。
「お父さん、お母さん、三人だけで話したいことがあるんだ」
僕はお父さんと母を呼んだ。リラも話したそうにしているが、この話はリラにはできない。
「お兄ちゃん、何の話」
「すごく大事な話なんだ。リラ、ごめんね、今は話せない」
「私には話せないことなのね。分かった、スリーズちゃんと待ってるわ」
真剣な僕の様子にリラも納得してくれて、僕とお父さんと母は別の部屋に行った。母の寝室に入ると扉を閉めて、僕はごくりと唾を飲み込んだ。喉がからからになっている。
「僕は、実は生まれる前の記憶があるんだ」
「どういうことかな、ラーイ?」
「ラーイとして生まれる前、僕はリクという名前で、違うお母さんから生まれた魔女の男の子だった」
「いわゆる、前世というやつか。土地神様はご存じなのか?」
「セイラン様には話してる。レイリ様には内緒にしている」
お父さんは神族ということもあって呑み込みが早かった。母の方を見れば「知っていたわよ」と微笑まれる。
「十歳で双子の妹と一緒に殺されて、お母さんの息子に生まれ変わった。僕はリラのことを前世の妹だと思っていて、リラは何も覚えてないから、リラにこの話をすると、殺された凄惨な記憶が蘇るんじゃないかと思って話してない」
これまでお父さんにも母にも黙っていたのはリラのことがあったからだ。
説明すると、お父さんも母も納得してくれる。
「リラが前世の妹かは分からないけれど、ラーイには他の子と違うところがあるとずっと思っていたわ。土地神様と話しているのを聞いたこともあるし」
「そういう事情があったのだな」
「お母さんとお父さんには知っていて欲しくて。僕の前世のお母さんも生きていて、魔女の森を出て孤児院で暮らしているんだ」
「前世のお母さんは魔女の長に成り代わった魔女だったわね」
「気付いていたの!?」
「私やエイゼンに気兼ねすることなく、会っていいのよ」
母は僕が生まれ変わりだということも知っていたし、僕の前世の母のことも知っていた。やはり母はものすごく察しがいいのだ。
「話してくれてありがとう。父親として信頼されているのだと実感できた。この話はリラには内緒にしよう。約束する」
「ありがとう、お父さん」
「リラかどうかも分からないものね」
「僕はリラだと思うんだけどなぁ」
くすくすと笑っている母は何かに気付いているのかもしれない。気付いていながら僕に何も言ってくれないのは意地悪だが、それが母なので仕方がない。
お父さんを迎え入れた日は高等学校がちょうど休みだったので、たっぷりとお父さんとスリーズちゃんと触れ合うことができた。スリーズちゃんはなぜか僕のことを違う名前で呼んでいた。
「りーにぃ!」
「らーにぃにだよ?」
「りーにぃ!」
怒って一生懸命主張するスリーズちゃんが、リラと僕を間違えていることを何度言っても、訂正することはできなかった。
雨の中傘を差して社まで帰ると、肩や下半身はずぶ濡れになっていた。
社に帰るとまずはお風呂に入れられる。リラが先で、その間僕は着替えて待っていて、リラがお風呂から出たら僕もお風呂に入った。
お風呂の事故が子どもの死では一番多いというので、セイラン様が見ていてくれるが、ちょっと恥ずかしい。
もうすぐ僕は十一歳になるのだ。
「セイラン様、一人で入れます」
「ラーイが溺れるとは思わぬが、万が一のことがあっては困る」
「セイラン様、恥ずかしいです」
股間を隠しても、僕の股間は少しずつ成長しつつあったし、もう少ししたら陰毛も生えるようになるだろう。そうなったらセイラン様に見せるのはちょっと恥ずかしい。
「ラーイがお風呂を恥ずかしがるようになるとは。一緒に寝るのもそろそろ終わりかな」
「それはないです!」
お風呂は恥ずかしいけれど、一緒に寝ないのとは全く違う。僕は白虎の姿のセイラン様のお腹の上でないと上手く眠れなくなっていた。
「レイリ様ー! 髪を乾かしてー!」
「リラ、おいでなさい」
居間ではリラがレイリ様の膝に座って髪を乾かしてもらっている。風を起こして髪を乾かしてもらっているリラは心地よさそうに目を細めている。
お風呂から出て、服を着ると、タオルで髪を拭きながら、居間に入った僕はセイラン様に手招きされる。
「髪を乾かしてやろう」
「お願いします」
膝の上に座って解くと肩を越す髪を乾かしてもらいながら、僕はセイラン様に小声で言う。
「僕のこと、お母さんとお父さんに話しました。前世の母さんのことも」
「そうか。話せてよかったな」
「二人とも、リラには内緒にしてくれると約束してくれました」
髪を指で梳かれてうっとりしながら言えば、セイラン様が首を傾げる。
「リラは本当に前世の妹なのだろうか」
「それは……」
僕はそのことを疑っていないのだが、母もセイラン様も疑問を持っている。
リラのことをずっと前世の妹と思っていただけに僕はいきなり方向転換はできなかった。
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