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転生したらまた魔女の男子だった件
58.セイラン様の変化
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母の家から帰ってくるとセイラン様の膝の上に抱き上げられる。セイラン様の膝の上でも僕は縫物をしたり、勉強をしたり、本を読んだりできるのだが、それにしてもセイラン様は僕から離れなくなった。
ぺったりとくっ付いて、僕の頭に顎を乗せているセイラン様に、僕はちょっと戸惑っていた。
「セイラン様、僕、お手洗いに行きたいです」
「よし、ついて行こう」
「いえ、ついてこなくても……」
もう八歳になったのだからお手洗いについて来てもらう必要はない。もっと小さい頃から僕は一人でお手洗いに行っていた。それなのに、最近セイラン様はやたらと過保護なのだ。
その理由が僕には分かっていた。
僕の生物学上の父親が、貴族として土地を追われたのを恨んで、魔女を捕まえるためにこの土地にやって来た。魔女の長である母と対峙して、生物学上の父親は敵わないと悟ったのか、クロスボウを使ってきたのだ。
ばね仕掛けでものすごい威力を発揮する機械弓はリラを狙っていた。
リラを死なせるわけにはいかないと、僕はリラを庇った。
その結果として、僕は生死の境をさまよった。
セイラン様からしてみれば僕が死にかけたのは余程ショックだったのだろう。僕から離れなくなってしまった。
母の家に行っている間は離れているのだが、社に戻ると僕を包み込むようにして膝の上に抱き上げて離れない。
食事のときも僕はセイラン様の膝の上で食べるようになっていた。
「傷は痛まないか? 乳は足りておるか?」
以前はお乳をくれるのにも躊躇いがあったのに、セイラン様は積極的に僕にお乳をくれようとしている。お乳を飲むことで傷の治りが早くなるかもしれないと思っているのだ。
僕の胸とお腹の間には白い傷跡がある。
深層の組織を傷付けているようで、傷が時々痛むこともあった。
「平気ですよ、セイラン様。お膝から降りてもいいですか?」
「ラーイ……」
お膝から降りるというとセイラン様を悲しそうな顔にさせてしまう。
そもそも、僕の生物学上の父親が僕を撃たなければこんなことにならなかったのだ。僕は生物学上の父親を恨んでいた。
その生物学上の父親も、男性器をもぎ取られて、四肢と顔が腐って崩れ落ちていく呪いをかけられている。殺すのでは生温い。地獄のような苦しみを味わった後に、地獄に落ちるのが相応しいと母は笑っていた。
母の笑いがあまりにも暗く恐ろしかったので、僕は泣いてしまいそうになった。
「レイリ様、セイラン様はおかしくないですか?」
やっと僕から離れて土地の見回りに行ったセイラン様に、僕はレイリ様に近寄って聞いてみる。レイリ様は短い眉を下げて言う。
「ラーイは覚えていないかもしれませんが、背中から撃ち抜かれたのですよ」
「え!? 背中から!?」
正面から撃ち抜かれたから胸とお腹の間に傷が残っているのだと思い込んでいたが、僕は背中側から撃ち抜かれていた。そう言えば、リラを庇って抱き締めたところを撃たれたのだ。
「背中にも傷があるということですか?」
「ありますよ。セイラン兄上が気にするので口にはしませんが」
生物学上の父親が放った矢は、僕の身体を貫いていた。
ぞっとしていると、レイリ様が冷静に話してくれる。
「胸の方に突き出た矢には返しがついていました。そのまま引き抜くと体を傷付けるので、矢の先を切り落としてから引き抜きました」
「ひぇ!? そんなに酷かったのですね」
「引き抜く間に、ラーイの姉のアンナマリとセイラン兄上が傷を塞いでいましたが、それでもかなりの出血で、ラーイを抱き締めていたセイラン兄上の着物は血まみれになっていました」
「そんなに血が出たんですか?」
「出血のショックだけでも死ぬかもしれないとアンナマリは言っていました」
そんなにも僕は命が危うかったのだ。
命を繋ぎ止めてくれたのはセイラン様とレイリ様とアンナマリ姉さんに違いなかった。
「生きていてよかった……」
「セイラン兄上は怖いのです。ラーイが死んでしまうのではないかと。だから、しばらくの間はラーイを手放せなくても我慢してください」
「我慢なんて……セイラン様に抱き締められるのは嬉しいです」
時と場合に寄るのだが、セイラン様に抱き締められるのは基本的に嬉しい。お手洗いに行きたいときとか、一人になりたいときとか、僕にもそういう時間が必要ではないわけではないが、セイラン様が不安に思っているのならばそばにいたい。
「セイラン様が泣くのを始めて見ました」
「僕もセイラン兄上が泣くのを見たのは、初めてかもしれません」
子どもの頃に泣くことはあっても、セイラン様は成人してから泣いたことがない。神族として白虎族として強い存在だったから当然とも言えるのだが、僕はその貴重な泣き顔を見てしまったことにドキドキしていた。
僕が死ぬかと考えたら泣いてしまうほどにセイラン様は僕を愛している。僕にとってはそのことが不謹慎ながら嬉しかった。
「ただいま、ラーイ」
「お帰りなさいませ、セイラン様」
土地の見回りから帰って来たセイラン様に抱き付くと、そのまま抱き上げられる。膝の上に抱き締められて、僕は船箪笥の裁縫箱を引き寄せて、針に糸を通して刺繍を始めていた。
夜に寝ているときに、ふと目を覚ますと、セイラン様が人間の姿で僕の胸に手を当てていた。眠い目を擦りながら体を起こすと、セイラン様が困ったように笑う。
「息をしておるか心配だった」
「僕は生きていますよ、セイラン様」
答えるとセイラン様に強く抱き締められる。
「ラーイが死ぬかけて、私は心臓が止まりそうになった。ラーイが死んでしまったら生まれ変わったラーイを探す旅に出るかもしれないと言っていたが、あれは強がりだ。私も死んでいたかもしれない」
「そんなことを仰らないでください」
「ラーイがいない人生などもう考えられない」
この土地を百年以上治めている神族のセイラン様が、たった八歳の子どもが一人いなくなったくらいで生きていけないと言っている。
「セイラン様は生きないと」
「ラーイも一緒にだ」
「僕も生きますよ。セイラン様を置いて行けないですからね」
セイラン様がこんなにも弱いところを見せてくれるなど、僕にとっては驚きだった。セイラン様は僕が死にかけたことで明らかに弱っている。
それだけセイラン様にとって僕という存在が大きいということなのだろう。
「八年前、ラーイとリラを引き取ったときには、こんな風になるとは思わなかった。自分で育てた子がこんなに可愛いなんて」
「だからといって、僕が死んだから後を追うのは違う気がします」
「それはそうだな。ラーイを困らせてしまったな」
それでも、とセイラン様は続ける。
「ラーイのいない人生など、意味がないものに思えて仕方がない」
「セイラン様は土地神様でこの土地を守るお方です。僕だけにそんな風に考えてはいけません」
「いけないのかな?」
セイラン様がふと真剣な表情になって僕に問いかける。
「ラーイとは婚約しておる。これが子どもの戯言ではなく、本当だとしたら、十年後にラーイと私は結婚する。神族であることで、特別な相手を作ってはいけないという決まりはないのではないだろうか」
僕がセイラン様の特別な相手!?
そうなれるにはまだ十年の年月が必要だったが、そんな未来があるならばそれよりも嬉しいことはない。
「十年経ったら、結婚しましょうね」
「そのためには、ラーイは命を大事にせねばならぬ」
「分かっているのですが」
「矢を放たれたときにも、魔法で対処する方法があったはずだ」
「僕はそういう魔法は得意ではないのですよ」
僕が得意なのは縫物で付与魔法をかけることだし、リラが得意なのは肉体を強化して接近戦に持ち込むことだった。長距離からの攻撃にはどちらも太刀打ちができない。
「死なぬように最低限の防御の魔法は使えるようになるか、防御の魔法のかかった服を常に着ておくか、してもらわねば困るな」
セイラン様の申し出に僕は母に頼むことを思い付く。
「防御の魔法がかかった服を母に作ってもらいましょう」
「そうしてくれ。そして、それを常に着ておくのだ」
「リラの分も作ってもらいましょう」
「それがいいな。リラにも絶対に死んでほしくない」
僕とリラはセイラン様とレイリ様の息子と娘で、婚約者だった。セイラン様とレイリ様を置いて死ぬわけにはいかない。
明日母と会ったときに、防御の魔法のかかった服を作ってもらうようにお願いしよう。それを常に着ていれば、セイラン様も安心してくださるだろう。
ぺったりとくっ付いて、僕の頭に顎を乗せているセイラン様に、僕はちょっと戸惑っていた。
「セイラン様、僕、お手洗いに行きたいです」
「よし、ついて行こう」
「いえ、ついてこなくても……」
もう八歳になったのだからお手洗いについて来てもらう必要はない。もっと小さい頃から僕は一人でお手洗いに行っていた。それなのに、最近セイラン様はやたらと過保護なのだ。
その理由が僕には分かっていた。
僕の生物学上の父親が、貴族として土地を追われたのを恨んで、魔女を捕まえるためにこの土地にやって来た。魔女の長である母と対峙して、生物学上の父親は敵わないと悟ったのか、クロスボウを使ってきたのだ。
ばね仕掛けでものすごい威力を発揮する機械弓はリラを狙っていた。
リラを死なせるわけにはいかないと、僕はリラを庇った。
その結果として、僕は生死の境をさまよった。
セイラン様からしてみれば僕が死にかけたのは余程ショックだったのだろう。僕から離れなくなってしまった。
母の家に行っている間は離れているのだが、社に戻ると僕を包み込むようにして膝の上に抱き上げて離れない。
食事のときも僕はセイラン様の膝の上で食べるようになっていた。
「傷は痛まないか? 乳は足りておるか?」
以前はお乳をくれるのにも躊躇いがあったのに、セイラン様は積極的に僕にお乳をくれようとしている。お乳を飲むことで傷の治りが早くなるかもしれないと思っているのだ。
僕の胸とお腹の間には白い傷跡がある。
深層の組織を傷付けているようで、傷が時々痛むこともあった。
「平気ですよ、セイラン様。お膝から降りてもいいですか?」
「ラーイ……」
お膝から降りるというとセイラン様を悲しそうな顔にさせてしまう。
そもそも、僕の生物学上の父親が僕を撃たなければこんなことにならなかったのだ。僕は生物学上の父親を恨んでいた。
その生物学上の父親も、男性器をもぎ取られて、四肢と顔が腐って崩れ落ちていく呪いをかけられている。殺すのでは生温い。地獄のような苦しみを味わった後に、地獄に落ちるのが相応しいと母は笑っていた。
母の笑いがあまりにも暗く恐ろしかったので、僕は泣いてしまいそうになった。
「レイリ様、セイラン様はおかしくないですか?」
やっと僕から離れて土地の見回りに行ったセイラン様に、僕はレイリ様に近寄って聞いてみる。レイリ様は短い眉を下げて言う。
「ラーイは覚えていないかもしれませんが、背中から撃ち抜かれたのですよ」
「え!? 背中から!?」
正面から撃ち抜かれたから胸とお腹の間に傷が残っているのだと思い込んでいたが、僕は背中側から撃ち抜かれていた。そう言えば、リラを庇って抱き締めたところを撃たれたのだ。
「背中にも傷があるということですか?」
「ありますよ。セイラン兄上が気にするので口にはしませんが」
生物学上の父親が放った矢は、僕の身体を貫いていた。
ぞっとしていると、レイリ様が冷静に話してくれる。
「胸の方に突き出た矢には返しがついていました。そのまま引き抜くと体を傷付けるので、矢の先を切り落としてから引き抜きました」
「ひぇ!? そんなに酷かったのですね」
「引き抜く間に、ラーイの姉のアンナマリとセイラン兄上が傷を塞いでいましたが、それでもかなりの出血で、ラーイを抱き締めていたセイラン兄上の着物は血まみれになっていました」
「そんなに血が出たんですか?」
「出血のショックだけでも死ぬかもしれないとアンナマリは言っていました」
そんなにも僕は命が危うかったのだ。
命を繋ぎ止めてくれたのはセイラン様とレイリ様とアンナマリ姉さんに違いなかった。
「生きていてよかった……」
「セイラン兄上は怖いのです。ラーイが死んでしまうのではないかと。だから、しばらくの間はラーイを手放せなくても我慢してください」
「我慢なんて……セイラン様に抱き締められるのは嬉しいです」
時と場合に寄るのだが、セイラン様に抱き締められるのは基本的に嬉しい。お手洗いに行きたいときとか、一人になりたいときとか、僕にもそういう時間が必要ではないわけではないが、セイラン様が不安に思っているのならばそばにいたい。
「セイラン様が泣くのを始めて見ました」
「僕もセイラン兄上が泣くのを見たのは、初めてかもしれません」
子どもの頃に泣くことはあっても、セイラン様は成人してから泣いたことがない。神族として白虎族として強い存在だったから当然とも言えるのだが、僕はその貴重な泣き顔を見てしまったことにドキドキしていた。
僕が死ぬかと考えたら泣いてしまうほどにセイラン様は僕を愛している。僕にとってはそのことが不謹慎ながら嬉しかった。
「ただいま、ラーイ」
「お帰りなさいませ、セイラン様」
土地の見回りから帰って来たセイラン様に抱き付くと、そのまま抱き上げられる。膝の上に抱き締められて、僕は船箪笥の裁縫箱を引き寄せて、針に糸を通して刺繍を始めていた。
夜に寝ているときに、ふと目を覚ますと、セイラン様が人間の姿で僕の胸に手を当てていた。眠い目を擦りながら体を起こすと、セイラン様が困ったように笑う。
「息をしておるか心配だった」
「僕は生きていますよ、セイラン様」
答えるとセイラン様に強く抱き締められる。
「ラーイが死ぬかけて、私は心臓が止まりそうになった。ラーイが死んでしまったら生まれ変わったラーイを探す旅に出るかもしれないと言っていたが、あれは強がりだ。私も死んでいたかもしれない」
「そんなことを仰らないでください」
「ラーイがいない人生などもう考えられない」
この土地を百年以上治めている神族のセイラン様が、たった八歳の子どもが一人いなくなったくらいで生きていけないと言っている。
「セイラン様は生きないと」
「ラーイも一緒にだ」
「僕も生きますよ。セイラン様を置いて行けないですからね」
セイラン様がこんなにも弱いところを見せてくれるなど、僕にとっては驚きだった。セイラン様は僕が死にかけたことで明らかに弱っている。
それだけセイラン様にとって僕という存在が大きいということなのだろう。
「八年前、ラーイとリラを引き取ったときには、こんな風になるとは思わなかった。自分で育てた子がこんなに可愛いなんて」
「だからといって、僕が死んだから後を追うのは違う気がします」
「それはそうだな。ラーイを困らせてしまったな」
それでも、とセイラン様は続ける。
「ラーイのいない人生など、意味がないものに思えて仕方がない」
「セイラン様は土地神様でこの土地を守るお方です。僕だけにそんな風に考えてはいけません」
「いけないのかな?」
セイラン様がふと真剣な表情になって僕に問いかける。
「ラーイとは婚約しておる。これが子どもの戯言ではなく、本当だとしたら、十年後にラーイと私は結婚する。神族であることで、特別な相手を作ってはいけないという決まりはないのではないだろうか」
僕がセイラン様の特別な相手!?
そうなれるにはまだ十年の年月が必要だったが、そんな未来があるならばそれよりも嬉しいことはない。
「十年経ったら、結婚しましょうね」
「そのためには、ラーイは命を大事にせねばならぬ」
「分かっているのですが」
「矢を放たれたときにも、魔法で対処する方法があったはずだ」
「僕はそういう魔法は得意ではないのですよ」
僕が得意なのは縫物で付与魔法をかけることだし、リラが得意なのは肉体を強化して接近戦に持ち込むことだった。長距離からの攻撃にはどちらも太刀打ちができない。
「死なぬように最低限の防御の魔法は使えるようになるか、防御の魔法のかかった服を常に着ておくか、してもらわねば困るな」
セイラン様の申し出に僕は母に頼むことを思い付く。
「防御の魔法がかかった服を母に作ってもらいましょう」
「そうしてくれ。そして、それを常に着ておくのだ」
「リラの分も作ってもらいましょう」
「それがいいな。リラにも絶対に死んでほしくない」
僕とリラはセイラン様とレイリ様の息子と娘で、婚約者だった。セイラン様とレイリ様を置いて死ぬわけにはいかない。
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