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転生したらまた魔女の男子だった件
37.台風の日
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綺麗な透ける布で作られた美しい造花の髪飾りをリラは毎日つけている。濡れてもいいように魔法がかけられていて、汚れもつかないようになっているそれを気に入って、リラはマオさんに髪を結ってもらっていた。
マオさんはリラの長い前髪を斜めに三つ編みにして横で編み込んで、後ろは高く括ってから三つ編みにしたり、三つ編みを二本垂らしたり、アレンジをしてくれている。
毎朝鏡の前でリラは髪を結ってもらって、それに合わせて服を選んで、楽しそうにしている。
セイラン様とレイリ様と離れるのは寂しかったが、僕もリラも小学校自体はとても気に入っていた。ヘルミーナ先生も優しいし、クラスの女の子たちも仲良くしてくれる。
最初は僕一人男の子なので浮いてしまうかもしれないという恐れがあったのだが、クラスの女の子たちは僕が男の子であることを全く気にしていなかった。これまで男性というものに触れたことがないから、男の子がどういうものなのか分からないのだろう。
魔女の森で女性だけで暮らして来たクラスの女の子たちは、僕のことも女の子のように受け入れてくれていた。
それは僕の顔が可愛いからだと母は言うのだが、僕にはあまり自覚がない。僕はリラのことは可愛いと思うのだが、鏡に映った自分の顔は可愛いかどうかよく分からないのだ。
真っすぐの黒髪に紫色の目。目は大きくて、鼻はつんと小さく、口もそれほど大きくない。リラは緩やかに波打つ黒髪に、金色の目。目は大きくて、鼻は小さくて、口は大きめという絶妙のバランスでとても可愛いのに。
「おにいちゃん、おかあさんがきたよ!」
「わかった! すぐにいくよ」
朝の準備を終えると母に連れられて僕とリラは魔女の森に行く。母は魔女の森の小学校の校舎の中に入って、教室まで僕とリラを送ってくれる。小さな僕とリラは魔女族の長の息子と娘だし、狙われることもあり得ないわけではないと警戒しているのだろう。
教室に行くとクラスの女の子たちはほとんど来ていなくて、来ている子も変える準備をしていた。
「台風が近付いているという報せが入りました。危険ですので、今日は小学校は休みになります」
「分かったよ。先生も気を付けて」
「ありがとうございます」
ヘルミーナ先生と母が話して、僕とリラは母と手を繋いで社に戻ることになった。
台風が来たことは前にもあるが、そのときにも小学校は休みになっていた。
社に戻って来た僕とリラが靴を脱いでいる間に、母がセイラン様とレイリ様に説明する。
「台風が近付いているらしい。小学校は休みになったよ」
「台風か。そんな時期になったのだな」
「田畑が荒れないとよいのですが」
毎年、夏から秋にかけてこの土地には台風がやってくる。掠めるだけの場合が多いのだが、ガッツリと上陸して田畑を荒らすときもあるので、そういうときにはセイラン様とレイリ様が忙しくなる。
セイラン様とレイリ様は白虎族のお生まれで、風を司る神族だ。
風を司る神族であるセイラン様とレイリ様は、台風に風をぶつけて進路を変えることができるのだ。
「セイランさま、たいふう、こわいです」
「しょうがっこうがおやすみになっちゃった。つまんないわ、レイリさま」
吹き荒れる風に社がミシミシと鳴るのが僕は怖かった。夜には特に社の外が吹き荒れて、真っ暗な部屋の中屋鳴りがするのを聞いていると、怖くて漏らしそうになってしまう。
僕は怖がっているのに、リラは平気な様子どころか、退屈そうだった。
「今回の台風は大きいようだね。古い家は吹き飛ばされてしまうかもしれない」
「ひぇ!?」
僕を驚かすために母が意地悪で言っているのかと思ったら、母が真剣な表情なので僕は飛び上がってしまう。
古い家が吹き飛ばされたら、住んでいるひとも無事では済まない。
「セイランさま、レイリさま、たすけてあげてください」
僕が頼むと、セイラン様もレイリ様も頷いていた。
台風が近付いてくると、昼前なのに空は真っ暗になって大粒の雨が降って来る。
お昼ご飯の用意をしているマオさんが、僕とリラを呼ぶ。
「セイラン様とレイリ様は見回りにお忙しいので、ラーイ様とリラ様は先に昼食にいたしましょう」
「セイランさまといっしょがいいな」
「レイリさまのおひざでたべたいの」
僕もリラもセイラン様とレイリ様が心配でお昼ご飯どころではなかった。
雨の降り込まない縁側にマオさんがお弁当仕立てにしてお昼ご飯を持って来てくれる。
卵焼きに唐揚げにひじき煮と、僕とリラが好きなものばかりである。
セイラン様とレイリ様は気になっていたが、六歳の身体は正直だった。お腹が鳴って、お箸を取ってお弁当を食べてしまう。
塩味の卵焼きも、醤油味の唐揚げも、ひじきだけを煮たシンプルなひじき煮も、どれも美味しくて、僕とリラはおにぎりをお代わりした。マオさんはにこにこしておにぎりを新しく握ってくれた。
食べ終わるとまた縁側で外をじっと見つめる。
斜めに降る雨は縁側にも振り込んで来ていた。風が強くなって、縁側が濡れる。
「ラーイ様、リラ様、お部屋に戻りましょう」
「セイランさまはこのあめとかぜのなか、たたかっていらっしゃるんだよ」
「レイリさまがかえるまで、おへやにはもどれない」
濡れながらも縁側に居座る僕とリラだが、お腹がいっぱいになるとどうしても眠くなってしまう。雨に濡れているので冷たさでくしゃみも出て来る。
「風邪を引きます。お着替えをしましょう」
「かえってきて、ぼくがかぜをひいていたら、セイランさまはかなしむかな」
「レイリさまもかなしむわね」
着替えてしまうとマオさんは黙って笛を吹き始めた。優しい曲調だ。笛の音を聞いている間に僕とリラは居間で眠ってしまった。
目を覚ましたときには一時間以上時間が経っていて、セイラン様とレイリ様が帰って来ていた。濡れた体を清めたのか、お風呂に入った気配がして、セイラン様とレイリ様からいい匂いがしている。
「たいふうはどうなりましたか?」
「進路を反らしたよ。ここには直撃しない」
「海の方にやってしまいました」
「レイリさま、おかえりなさい。だっこして!」
台風は無事にセイラン様とレイリ様の風の力によって進路を変えられて、海の方に行ってしまったようだ。
もうしばらく強い雨と風は続くが、直撃にはならないということで僕は安心していた。
レイリ様と離れていた時間が長かったので、リラは抱き付いて甘えている。レイリ様はリラを抱っこして優しく背中を撫でていた。
前世の僕はもう十歳だったので母に抱っこされるようなことはなかった。それでも甘えっ子だったのだろう、膝に乗せてもらうことはあった。妹と譲り合ってだが、僕は母の膝に乗って甘えていた思い出がある。
「ラーイも抱っこか? おいで」
もじもじと立っている僕にセイラン様が気付いて両腕を広げてくれる。抱き締められて僕は真顔になっていた。
「ぜんせのははには、じゅっさいのときにはだっこされていませんでした」
「そなたはまだ六歳。抱っこされてもおかしくない年だぞ」
「セイランさまは、ぼくがなんさいになるまでだっこしてくださいますか?」
僕が問いかけると話が聞こえたのかリラもレイリ様に聞いている。
「レイリさまは、わたしがなんさいになってもだっこしてくれる?」
「僕は力持ちなのですよ。リラが嫌でないなら、何歳になっても抱っこします」
「ずっといやじゃないわ。レイリさまにだっこされたい」
「そんなことを言っても、女の子は一定年齢になると父親を嫌いますからね」
「レイリさまはちちおやじゃないわ。ママよ」
「僕はママですか」
リラが真剣に主張するのにレイリ様は苦笑している。それでもレイリ様はリラが可愛くて堪らないのだというのが表情で伝わって来る。
「私もラーイが嫌になるまでは抱っこするぞ。私は力持ちだ。十歳でも十五歳でも、抱き上げられる。レイリのことも、抱き上げようと思えば抱き上げられるぞ」
「遠慮いたします、セイラン兄上」
長身の男性よりも頭一つは大きいレイリ様ですら抱き上げられるのならば、セイラン様は言う通り僕が何歳になっても抱っこできるのだろう。僕はセイラン様に抱き締められたかった。セイラン様の腕の中にいると安心するのだ。
小さい頃に命を狙われていた時期、僕はセイラン様の腕の中だけが安寧の場所だった。それを今も体で覚えているのかもしれない。
ぎゅっと抱き付いてセイラン様の胸に顔を埋めると、甘いお乳の匂いがして、僕はこくりと唾を飲み込んだのだった。
マオさんはリラの長い前髪を斜めに三つ編みにして横で編み込んで、後ろは高く括ってから三つ編みにしたり、三つ編みを二本垂らしたり、アレンジをしてくれている。
毎朝鏡の前でリラは髪を結ってもらって、それに合わせて服を選んで、楽しそうにしている。
セイラン様とレイリ様と離れるのは寂しかったが、僕もリラも小学校自体はとても気に入っていた。ヘルミーナ先生も優しいし、クラスの女の子たちも仲良くしてくれる。
最初は僕一人男の子なので浮いてしまうかもしれないという恐れがあったのだが、クラスの女の子たちは僕が男の子であることを全く気にしていなかった。これまで男性というものに触れたことがないから、男の子がどういうものなのか分からないのだろう。
魔女の森で女性だけで暮らして来たクラスの女の子たちは、僕のことも女の子のように受け入れてくれていた。
それは僕の顔が可愛いからだと母は言うのだが、僕にはあまり自覚がない。僕はリラのことは可愛いと思うのだが、鏡に映った自分の顔は可愛いかどうかよく分からないのだ。
真っすぐの黒髪に紫色の目。目は大きくて、鼻はつんと小さく、口もそれほど大きくない。リラは緩やかに波打つ黒髪に、金色の目。目は大きくて、鼻は小さくて、口は大きめという絶妙のバランスでとても可愛いのに。
「おにいちゃん、おかあさんがきたよ!」
「わかった! すぐにいくよ」
朝の準備を終えると母に連れられて僕とリラは魔女の森に行く。母は魔女の森の小学校の校舎の中に入って、教室まで僕とリラを送ってくれる。小さな僕とリラは魔女族の長の息子と娘だし、狙われることもあり得ないわけではないと警戒しているのだろう。
教室に行くとクラスの女の子たちはほとんど来ていなくて、来ている子も変える準備をしていた。
「台風が近付いているという報せが入りました。危険ですので、今日は小学校は休みになります」
「分かったよ。先生も気を付けて」
「ありがとうございます」
ヘルミーナ先生と母が話して、僕とリラは母と手を繋いで社に戻ることになった。
台風が来たことは前にもあるが、そのときにも小学校は休みになっていた。
社に戻って来た僕とリラが靴を脱いでいる間に、母がセイラン様とレイリ様に説明する。
「台風が近付いているらしい。小学校は休みになったよ」
「台風か。そんな時期になったのだな」
「田畑が荒れないとよいのですが」
毎年、夏から秋にかけてこの土地には台風がやってくる。掠めるだけの場合が多いのだが、ガッツリと上陸して田畑を荒らすときもあるので、そういうときにはセイラン様とレイリ様が忙しくなる。
セイラン様とレイリ様は白虎族のお生まれで、風を司る神族だ。
風を司る神族であるセイラン様とレイリ様は、台風に風をぶつけて進路を変えることができるのだ。
「セイランさま、たいふう、こわいです」
「しょうがっこうがおやすみになっちゃった。つまんないわ、レイリさま」
吹き荒れる風に社がミシミシと鳴るのが僕は怖かった。夜には特に社の外が吹き荒れて、真っ暗な部屋の中屋鳴りがするのを聞いていると、怖くて漏らしそうになってしまう。
僕は怖がっているのに、リラは平気な様子どころか、退屈そうだった。
「今回の台風は大きいようだね。古い家は吹き飛ばされてしまうかもしれない」
「ひぇ!?」
僕を驚かすために母が意地悪で言っているのかと思ったら、母が真剣な表情なので僕は飛び上がってしまう。
古い家が吹き飛ばされたら、住んでいるひとも無事では済まない。
「セイランさま、レイリさま、たすけてあげてください」
僕が頼むと、セイラン様もレイリ様も頷いていた。
台風が近付いてくると、昼前なのに空は真っ暗になって大粒の雨が降って来る。
お昼ご飯の用意をしているマオさんが、僕とリラを呼ぶ。
「セイラン様とレイリ様は見回りにお忙しいので、ラーイ様とリラ様は先に昼食にいたしましょう」
「セイランさまといっしょがいいな」
「レイリさまのおひざでたべたいの」
僕もリラもセイラン様とレイリ様が心配でお昼ご飯どころではなかった。
雨の降り込まない縁側にマオさんがお弁当仕立てにしてお昼ご飯を持って来てくれる。
卵焼きに唐揚げにひじき煮と、僕とリラが好きなものばかりである。
セイラン様とレイリ様は気になっていたが、六歳の身体は正直だった。お腹が鳴って、お箸を取ってお弁当を食べてしまう。
塩味の卵焼きも、醤油味の唐揚げも、ひじきだけを煮たシンプルなひじき煮も、どれも美味しくて、僕とリラはおにぎりをお代わりした。マオさんはにこにこしておにぎりを新しく握ってくれた。
食べ終わるとまた縁側で外をじっと見つめる。
斜めに降る雨は縁側にも振り込んで来ていた。風が強くなって、縁側が濡れる。
「ラーイ様、リラ様、お部屋に戻りましょう」
「セイランさまはこのあめとかぜのなか、たたかっていらっしゃるんだよ」
「レイリさまがかえるまで、おへやにはもどれない」
濡れながらも縁側に居座る僕とリラだが、お腹がいっぱいになるとどうしても眠くなってしまう。雨に濡れているので冷たさでくしゃみも出て来る。
「風邪を引きます。お着替えをしましょう」
「かえってきて、ぼくがかぜをひいていたら、セイランさまはかなしむかな」
「レイリさまもかなしむわね」
着替えてしまうとマオさんは黙って笛を吹き始めた。優しい曲調だ。笛の音を聞いている間に僕とリラは居間で眠ってしまった。
目を覚ましたときには一時間以上時間が経っていて、セイラン様とレイリ様が帰って来ていた。濡れた体を清めたのか、お風呂に入った気配がして、セイラン様とレイリ様からいい匂いがしている。
「たいふうはどうなりましたか?」
「進路を反らしたよ。ここには直撃しない」
「海の方にやってしまいました」
「レイリさま、おかえりなさい。だっこして!」
台風は無事にセイラン様とレイリ様の風の力によって進路を変えられて、海の方に行ってしまったようだ。
もうしばらく強い雨と風は続くが、直撃にはならないということで僕は安心していた。
レイリ様と離れていた時間が長かったので、リラは抱き付いて甘えている。レイリ様はリラを抱っこして優しく背中を撫でていた。
前世の僕はもう十歳だったので母に抱っこされるようなことはなかった。それでも甘えっ子だったのだろう、膝に乗せてもらうことはあった。妹と譲り合ってだが、僕は母の膝に乗って甘えていた思い出がある。
「ラーイも抱っこか? おいで」
もじもじと立っている僕にセイラン様が気付いて両腕を広げてくれる。抱き締められて僕は真顔になっていた。
「ぜんせのははには、じゅっさいのときにはだっこされていませんでした」
「そなたはまだ六歳。抱っこされてもおかしくない年だぞ」
「セイランさまは、ぼくがなんさいになるまでだっこしてくださいますか?」
僕が問いかけると話が聞こえたのかリラもレイリ様に聞いている。
「レイリさまは、わたしがなんさいになってもだっこしてくれる?」
「僕は力持ちなのですよ。リラが嫌でないなら、何歳になっても抱っこします」
「ずっといやじゃないわ。レイリさまにだっこされたい」
「そんなことを言っても、女の子は一定年齢になると父親を嫌いますからね」
「レイリさまはちちおやじゃないわ。ママよ」
「僕はママですか」
リラが真剣に主張するのにレイリ様は苦笑している。それでもレイリ様はリラが可愛くて堪らないのだというのが表情で伝わって来る。
「私もラーイが嫌になるまでは抱っこするぞ。私は力持ちだ。十歳でも十五歳でも、抱き上げられる。レイリのことも、抱き上げようと思えば抱き上げられるぞ」
「遠慮いたします、セイラン兄上」
長身の男性よりも頭一つは大きいレイリ様ですら抱き上げられるのならば、セイラン様は言う通り僕が何歳になっても抱っこできるのだろう。僕はセイラン様に抱き締められたかった。セイラン様の腕の中にいると安心するのだ。
小さい頃に命を狙われていた時期、僕はセイラン様の腕の中だけが安寧の場所だった。それを今も体で覚えているのかもしれない。
ぎゅっと抱き付いてセイラン様の胸に顔を埋めると、甘いお乳の匂いがして、僕はこくりと唾を飲み込んだのだった。
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