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転生したらまた魔女の男子だった件

31.年越しと新年の過ごし方

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 年越しと年明けは社で過ごした。
 母が縫ってくれた着物を着て、リラは髪をマオさんに結ってもらって、僕は髪をちょっと切り揃えて、新年を迎えた。
 青紫の着物に銀色と黒の混じった帯の僕と、赤紫の着物に銀色と黒の混じった帯のリラ。僕はリラの可愛さに見惚れてしまった。

「リラ、とってもかわいいよ。こんなかわいいいもうとがいて、ぼくはしあわせだな」
「わたし、かわいい?」
「うん、すごく」

 褒めるとリラが照れながらレイリ様のところに走っていく。
 前髪を三つ編みにして横に編み込み、結い上げられた髪も可愛いし、着物もよく似合っている。
 リラは本当に可愛い女の子だった。

「レイリさま、わたし、かわいい?」
「とても可愛いですよ。自慢の娘ですね」
「やったー!」

 飛び跳ねて喜んでいるリラを見ていると微笑ましくて笑顔になってしまう。僕のそばに来てセイラン様が僕の髪を撫でる。

「ラーイもとても可愛いぞ?」
「ぼくが、ですか? かわいいのは、リラじゃないのですか?」
「ラーイは可愛い。ものすごく可愛い。着物もよく似合っている」

 真剣に褒めて来るセイラン様に僕は照れてしまう。
 セイラン様もレイリ様もいつもの着流しで、同じ着物ということで僕とリラはお揃いというのにも喜んでいた。

 お正月には土地のひとたちがお参りにやってくる。
 生まれた子どもの健康を願ったり、今年一年がいい年であるように願ったり、今年の畑の収穫が多くあるように願ったりして、セイラン様とレイリ様の社は賑やかになる。
 セイラン様とレイリ様も慣れた様子で土地のひとたちの願いに応えていた。

 母もお正月にやって来た。
 着物姿で社の中を歩いている僕とリラを見付けると、嬉しそうに近寄ってくる。

「二人ともとても可愛いね。リラは私そっくりだし、ラーイは似てはいないけど可愛いわ」
「ぼく、かわいいの?」
「自覚がないの? ラーイは女の子みたいに可愛いわよ」

 前世での僕の容姿を僕は覚えていなかったけれど、母曰く、僕は女の子のように可愛いという。可愛いではなくて格好いいの方が好ましいのだが、五歳だからそれは仕方ないとしても、女の子のようにというのはどういうことなのだろう。

「ぼく、おんなのこじゃないよ」
「分かってるよ。でも、女の子みたいに可愛いから、魔女の森で学校に行っても違和感がないんだろうね」

 そこまで言われるとは。
 僕は可愛かった。
 これまでも可愛いと言われたことはあったけれど、容姿の問題ではなく、年齢的に小さい子どもはみんな可愛いと言われるのだと理解して受け止めていた。それなのに、今日母は僕の容姿が可愛いと言っている。
 親の欲目ということも大いにあるだろうが、可愛いと言われるとそうなのかと思ってしまう。

「ぼくはかわいかった……」
「今更何を言ってるんだい」

 母に突っ込まれてしまったが、僕は自分が可愛いという事実を受け入れられなかった。

「三が日が終わったら、また私の家に来るだろう?」
「えー、レイリさまとすごしちゃいけないの?」

 不満そうなリラを僕は宥める。

「セイランさまとレイリさまも、にっちゅうはじゆうにすごしたいだろうし、ぼくとリラにはまじょのもりのまりょくがひつようだよ」
「レイリさまのおっぱいがあるもん!」
「リラ、もうごさいなんだから、いつまでもおっぱいをすってたらいけないよ」
「おにいちゃんは、きょうはセイランさまのおっぱい、すわないの?」

 問いかけられて僕は言葉に詰まった。
 今日は魔女の森に行っていないし、魔力を補充されていない。僕はできればセイラン様のお乳が欲しかった。
 三日間くらいなら吸わなくても平気なのかもしれないが、セイラン様の胸に吸い付いて甘美な時間を過ごすのが僕にとっては必要な時間だった。

「ぼくは……」

 リラに言った手前、お乳が欲しいなんて言えなくなって涙目になった僕を、セイラン様が抱き上げてくれる。

「ラーイがこの三日で熱を出したら困る。魔女には成長に魔力が必要なのだ。それならば仕方がないであろう?」
「リラも我慢しなくていいのですよ。乳が欲しいときには来ていいのです」

 セイラン様もレイリ様もお乳を吸われることを受け入れてくれている。
 そこに諦めの色がないと言ったら嘘になるが、セイラン様もレイリ様も僕とリラにお乳をあげることは仕方がないと思ってくれていた。

 それよりもお乳を飲まなくて僕やリラが体調を崩すことの方を重く考えている。

「レイリさまはのんでもいいっていっているもの! わたしはレイリさまのおっぱい、のむわ!」
「まじょのもりには、いこうね」
「うー……ジアちゃんとラナちゃんがいるなら、いく」

 不承不承だがジアちゃんとラナちゃんがいるなら魔女の森に行くと納得したリラに、母が答える。

「ジアとラナも呼んでおこうね。リラは二人が好きなんだね」
「やさしいのよ。わたしにべんきょうをおしえてくれるの」

 ジアちゃんとラナちゃんのおかげで、リラは文字が読めるようになったし、一桁の計算もできるようになった。一年生としては勉強が遅れているが、年度の途中から入学したし、リラも僕も二年も早く入学したので仕方がない。

「ジアちゃんとラナちゃんに、おきもの、みせたい」
「着物で来たらいいよ。私の家で着替えたらいいからね」
「かみもゆってもらわなきゃ! マオおねえちゃん、わたしのかみゆってくれる?」
「いいですよ。可愛くしましょうね」

 マオさんが髪を結ってくれると約束してくれてリラは上機嫌になっていた。
 ヘアピンやリボンを使って、マオさんは器用にリラの髪を編んで結い上げてくれる。長く伸びた前髪も毎日編み込みにして横に流してくれて、横の髪も三つ編みにしてくれているので、リラは髪が邪魔にならずに学校でも過ごせている。

「マオおねえちゃん、つぎはこのかみがたがいい!」

 魔法の本を髪型の載っているカタログにしてリラがマオさんに頼む。マオさんはそれを見て結い方を学んでいる。

「できそうですね。いいですよ。魔女の森に行く日はこの髪型にしましょうね」
「やった! わたしもいつか、じぶんでできるように、マオおねえちゃん、おしえてね」
「はい。一緒にしましょうね」

 マオさんはカタログで学ぶだけでなくリラにも教えてくれようとしている。

「マオには髪結いの才能があるのではないか?」
「マオは本当に髪を結うのが上手ですね」

 セイラン様もレイリ様もマオさんの才能を認めていた。
 僕はセイラン様以外に触られるのがあまり好きではないということが最近分かって来た。セイラン様以外に触れられたくないので、髪もセイラン様に切ってもらっている。
 真っすぐの髪を肩につかないくらいで切ってもらっているが、セイラン様は慣れていない様子で、僕の髪が直線的に切られてしまう。
 この髪が女の子みたいなのではないかと気付いてしまったが、僕はセイラン様以外に髪を触られたくなかった。

 セイラン様も一生懸命切ってくれているのだからこれでいい。
 そのうち伸ばしてセイラン様のように横で結べばいいのではないだろうかと思っているが、前髪が直線的に切られているのはどうしようもなかった。

 お正月の三が日はセイラン様とレイリ様とリラとマオさんと四人で過ごした。
 夜には僕はセイラン様と二人きりの部屋でセイラン様にお願いしていた。

「おちちをのませてください」
「仕方がないな」

 胸をはだけて露わにしてくれるセイラン様に、僕は乳首に吸い付く。乳首からは甘いお乳が流れ出る。必死に吸っていると味が濃くなる気がする。
 もう片方の乳首を指で触りながらお乳を吸っていると、セイラン様がそっと僕の手を乳首から外す。
 触ってしまうのは癖のようなものなので、手を外されてもセイラン様の手がなくなると、僕はまたセイラン様の乳首に触れてしまう。

「ラーイ、そっちは触らなくてもいいのではないか?」
「いやですか?」

 飲んでいる口を外して問いかけると、セイラン様が顔を赤らめた気がした。

「嫌というか……妙な感じがして……」
「みょうなかんじ?」
「な、なんでもない!」

 片方の胸を飲み終わったのでもう片方の胸に吸い付くと、そこはお乳で既に濡れていた。手で触っていたからお乳が出ていたのかもしれない。
 僕の唾液で濡れた飲み終わった乳首に触れながら飲んでいると、セイラン様は何かに耐えるような表情をしていた。
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