魔女(男)さんとこねこ(虎)たんの日々。

秋月真鳥

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魔女(男)とこねこ(虎)たん 3

172.魔法のお薬(使用編)

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 足腰が復活したレオシュがベッドで正座して待っている。バスルームで準備を終えて、綺麗にして出て来たアデーラは魔法で髪の湿り気を払いながらベッドに座った。
 レオシュの水色の目がアデーラをじっと見つめている。

「ママ、話したいことがあるんだ」

 エリシュカのところでレオシュが相談していたのをブランカと立ち聞きしてしまったから、アデーラは聞かれることが何となく分かっていた。

「私はすぐに泣いてしまうし、翌日には腰が立たなくなっちゃうし、ママは私と抱き合ってて不満じゃない?」
「不満じゃないよ。レオシュの泣き顔は可愛くて興奮する」
「興奮!? ママがそういう大胆なことを言うとは思わなかった」

 顔を真っ赤にしているレオシュにアデーラは艶っぽく微笑む。

「私だって欲望はあるよ。恥ずかしいから周囲にひとがいるときは隠しているけれど、レオシュの前では欲望を出してもいいでしょう? こんな私は嫌?」

 逆に問いかけられてレオシュが頭をぶんぶんと振る。

「最高だよ。ママがエッチなのはものすごく興奮する」
「それじゃ、何も問題はないね」

 微笑むアデーラにレオシュはまだ言いたいことがあるようだ。話し出せないでいるレオシュをアデーラは急かさずに静かに待っていた。

「ママは、赤ちゃんが欲しい?」
「もし私が産めるなら、どんなことをしてでも欲しいね」
「私は、ママが心配なんだ」

 体の隅々までアデーラはレオシュに見せている。アデーラの体には女性器がなくて、男性器だけで、赤ちゃんを産む場所がないことはレオシュも気付いているのだろう。

「私の身体だと、お腹を切らないと赤ちゃんは生まれてこないだろうね」
「お腹を切るようなお産をして、ママが苦しくないか、その後も元気か心配なんだ」

 レオシュは覚えていないが、自分を産んだときに母親のリリアナが亡くなっていることを何度も聞かされている。お産が命懸けであるということをレオシュはよく知っているのだ。

「何事にも絶対はないから、約束はできない」
「そんな……」
「でも、産むとしたら私は自分の体よりも赤ちゃんを優先してほしいと思うだろうね」

 自分が死んでしまっても赤ちゃんだけは無事でいて欲しい。それはレオシュの母のリリアナも願ったことだった。例え自分は命を落としても、子どもには健康で生まれて欲しい。
 それは全ての母親が感じることなのではないだろうか。アデーラも母親になるとすれば絶対に赤ちゃんを優先する。

「レオシュが私を『ママ』にしてくれて、私はとても幸せだった。今はレオシュを『パパ』にしてあげたいと思っているよ」
「ママ……」

 複雑な気持ちが胸に渦巻くのだろう、レオシュは目を潤ませてアデーラの胸に顔を埋めた。アデーラに抱き付くレオシュの背中をアデーラはゆっくりと撫で下ろす。
 何度か深呼吸をして、レオシュは気持ちを切り替えたようだ。

「ママ、今日は泣くほど気持ちよくさせてあげるね」
「え?」

 レオシュがごそごそと取り出した小さな瓶。その蓋を開けて一気に飲み干す。

「レオシュ、何の薬!?」
「エリシュカお祖母ちゃんからもらった、魔法の薬だよ。これでママを泣かせるくらい私は強くなったはず!」

 目を輝かせているレオシュに、アデーラは空になった瓶に小さなメモが付いていることに気付いた。そのメモを摘まんで読んでみる。

「『レオシュへ、アデーラに飲ませなさい』……レオシュ!?」
「えぇ!? 私が飲むんじゃなかったの!?」

 あまりのことに悲鳴を上げてしまったアデーラに、レオシュも恐慌状態になっている。

「嘘っ!? 私が飲んで、精力を上げて、ママが泣くほど抱くんだとばかり」
「私に飲ませて、私がメロメロになっているところを抱くんだったのでは!?」
「嘘ー!?」

 ベッドに倒れ込んだレオシュの息が荒く、目がとろんとしている。何故メモをきちんと読まないと言いたいところだが、レオシュはもらったプリントを読まない男子である。プリントに書かれていることを確認せずにポーチにくしゃくしゃに入れてしまって、その後は忘れている。
 そんなレオシュがエリシュカの注意書きを先に読むはずがなかった。

「アデーラぁ、体が熱いのぉ……苦しいよぉ」
「どこが苦しい?」
「ここが」

 指さすのはレオシュの股間。そこはパジャマを押し上げて勃ち上がっているのが分かる。アデーラはこくりと唾を飲み込んで、レオシュのパジャマと下着を脱がせてしまって、自分のパジャマと下着も脱いでしまった。レオシュの腰を見ると、中心から既に透明な雫が垂れている。
 後孔に潤滑剤を塗り込めながら、アデーラはレオシュの中心に舌を這わす。口に咥えるにはかなりの質量があったが、半ばまで咥えて、じゅっと雫を吸えば、レオシュが泣き声を上げる。

「出ちゃう! ママ、出ちゃうよぉ!」

 口を外そうとしたとき、アデーラの歯が先端にあたったようだった。口から外れたレオシュの中心が弾けて白濁を散らす。頬から胸まで伝う粘つく白濁を指で掬って舌で舐めると、レオシュの泣き声が聞こえた。

「そんな、エロい格好見せないでぇ! また勃ってきちゃったぁ!」
「レオシュ、ちゃんと受け止めてあげるから」

 腰に跨り、中心を後孔に宛がってゆっくりと腰を落としていくと、その刺激だけでレオシュが達しているのが分かる。達しても達しても、レオシュの中心はまた硬く勃ち上がる。

「んっ、レオシュ、すごい……あぁっ! きもちいいっ!」
「ママ! あぁっ! ひぁん!」
「もっと。レオシュをもっとちょうだい」
「ふぇぇぇ! もう出ないぃ! 出ないのぉ!」

 出ないと言いながらもアデーラの中で硬くなっているレオシュを締め付けると、レオシュの腰が跳ねる。突き上げられる形になって、アデーラも快感に震える。
 何度達してもみっしりとアデーラの中を埋め続けるレオシュの中心に、アデーラは心ゆくまで快感を味わったのだった。
 事後にぐったりとしているレオシュをバスルームに運んで、バスタブに座らせる。お湯の中に浸かっているレオシュは眠りそうなくらい頭がぐらぐらとしていた。

「レオシュ、注意書きはちゃんと読まないと……気持ちよかったけど」
「ふぇぇ……いつもと同じだった」
「いつもよりもレオシュが出す回数が多かったかな?」

 アデーラが呟くと、レオシュがほたほたとバスタブの水面に涙を零す。

「もう出ないのに、ずっと勃ってて……苦しかった」
「出てないけどイってなかった?」
「イってたと思う」

 出さないでも男性は絶頂を迎えられるのだということを、アデーラはエリシュカの本で知っていた。レオシュも同じものを呼んでいたので知っているはずだ。

「嫌だった?」
「ううん……きもちよかったぁ」

 蕩けるように呟くレオシュにアデーラは安堵する。

「私の方が体力はあるんだから、レオシュは私に任せていたらいいよ」
「それでいいの? ママは不満じゃない?」
「レオシュは気持ちいいんでしょう?」
「私は気持ちいいけど、ママは?」

 しつこく聞かれてアデーラは頬を染めて目を伏せる。

「自分で悦い場所に導けるから、ものすごくいいよ」

 恥じらいながら答えたアデーラにレオシュも安心したようだ。

「それならよかった。ママ、私の体で気持ちよくなってくれてた」
「レオシュの泣き顔は可愛いし」
「泣き顔? ママ、私の泣き顔が好きなの?」

 問いかけられてアデーラは小さく頷く。

「悲しみで泣いているのは嫌だけど、快楽で泣いているレオシュはとても可愛いよ。もっと泣かせたくなる」
「ママにそんなところがあったなんてしらなかった」

 後始末を終えたアデーラがバスタブに入って、レオシュを後ろから抱き締めるようにすると、バスタブのお湯がざぁっと流れ出す。温かなバスタブでアデーラはレオシュを後ろから抱き締めていた。
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