魔女(男)さんとこねこ(虎)たんの日々。

秋月真鳥

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魔女(男)とこねこ(虎)たん 3

168.恋人のキス

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 シャワーを浴びて寝室に入ったアデーラは、レオシュがベッドの上に正座しているのを見て微笑む。週末で明日は王立高等学校が休みなので、レオシュと体を交わすことができる。
 レオシュの方がアデーラに夢中で、アデーラを欲しているように見えるのだろうが、アデーラの方もこの日を密かに待ちわびていた。
 初めてレオシュと体を交わしてから、アデーラは変わったと思う。初めてのときもあんなに自分が大胆なことをするなんて予測もつかなかった。快楽の前にアデーラは忠実で、レオシュが腰が立たなくなるまで搾り取ってしまった。
 初めての夜から数えて五日、レオシュとアデーラは二回目の夜を迎えている。

「ママ、じゃない、アデーラ。恋人同士のキスって知ってる?」
「恋人同士のキス? キスに種類があるんだ」

 誰かと恋愛関係になるのも、身体を交わしたのも、アデーラはレオシュが初めてだ。交わり方は本で学んでいたが、それ以上の知識はない。
 ベッドに正座しているレオシュが、アデーラの身体を引き寄せる。少し前かがみになると、レオシュがアデーラの唇を舌で舐めた。

「ひゃっ!?」

 驚いて身を引いてしまったアデーラに、レオシュが真剣な瞳で告げる。

「私の舌をアデーラの口に入れて、舌を絡めたり、口の中を舐めたりするんだって」
「それは、気持ちいいのかな?」
「気持ちいいんじゃないかな」

 そういう知識をどこから仕入れて来るのか知らないが、アデーラはレオシュに聞くこともできない。王立高等学校でレオシュが大っぴらにアデーラと体を交わしたことなどを友達と話しているとしたら、アデーラは恥ずかしくて保護者として王立高等学校に行けなくなってしまう。
 何年も前のお誕生日から、レオシュはアデーラと結婚すると宣言している。成人して結婚できる年になったのだから、そういう行為があってもおかしくはないと思われているだろうが、アデーラは自分がレオシュに抱かれているところを想像されていると考えるのがとても恥ずかしかった。
 顔はブランカに似て優美だが、体格がよくて、厳ついアデーラが、細くて美しい青年に育ったレオシュに抱かれている。その光景はあまりにもシュールなのではないだろうか。
 できるならば誰にもバレないようにしたいのだが、レオシュはあまりにも性格的にオープンすぎた。繊細なアデーラが育てたのにどうしてこうなったのか分からないが、レオシュは性格が明るくあけっぴろげすぎる。

「集中して、アデーラ」
「あ、はい」

 考えていると頬に手を添えられて、レオシュに怒られる。唇が重なって、レオシュの舌がアデーラの唇を舐めるのに、アデーラが反応できずにいると、レオシュがアデーラの下唇を軽く噛む。

「口を開けて、ママ」
「ママ?」
「あぁ、間違えた。もういいや、ママはママだし、アデーラでもママでも、どっちでもいいでしょう! いいから口を開けて」

 ちょっと意地悪に聞き返してしまったアデーラに、レオシュが不満そうな顔になっている。それに気付いてアデーラはおずおずと口を開けた。
 ぬるりとレオシュの舌がアデーラの口の中に入ってくる。歯列を舐められて、舌を絡められて、アデーラは息ができなくなる。
 薄い胸を押してレオシュを引き離すと、レオシュも息が上がっていた。

「き、気持ちいい?」
「分からない。息が、できなくて……」
「えーっと、鼻で息をするんじゃなかったかな?」
「あ、そうか」

 レオシュに教えられてキスを再開する。レオシュの舌が一生懸命アデーラの口の中を探って来るのが、気持ちいいよりも可愛い。一生懸命なレオシュがひたすら可愛いと思っていると、胸を押される。
 これは押し倒される場面だと前に学んでいたので、アデーラはベッドに仰向けに倒れた。レオシュがパジャマを乱して胸に触れて来る。
 キスをしながら乳首を摘ままれて、びりびりと電流が走るような感覚にアデーラはシーツの上で跳ねる。シャワーで洗って準備した後孔が疼いて、胎もじくじくとレオシュを求める。
 自分がこんなに貪欲だったなんてアデーラは知らなかった。欲望なんてないものだと思っていたのに、レオシュと体を交わすと、レオシュが欲しくて堪らなくなる。

「んっ、レオシュ……」
「アデーラ、ここ、感じるんだね。ずっと吸ってた甲斐があった」
「ん? んん?」

 眠りながら胸に吸い付いていたレオシュを許していたアデーラもアデーラだが、レオシュは自覚があって胸を吸っていたようだ。聞き捨てならないと身を起こそうとすると、レオシュの手がアデーラの脚の間に入る。形のいい丸い双丘を撫でて、後孔に触れられると、アデーラはレオシュを追求することができなくなる。
 レオシュの指が潤滑剤を纏ってぐちぐちとアデーラの中を探る。深く指を差しこまれて、一点を押し上げられて、アデーラはシーツの上で背を反らした。

「ひぁっ!? あぁぁっ!?」
「ここが悦いの?」
「あぁっ! ぐりぐり、しないでぇ!」

 的確にレオシュの指がアデーラの中の弱みをぐりぐりと抉る。強く締めてしまって、指が内壁に食い込んでアデーラはシーツの上で悶える。

「もう、入れてっ! 入れてぇ!」
「アデーラったら、エッチなんだから」

 主導権を握っている余裕か、レオシュがアデーラの身体をうつ伏せにした。尻を高くあげさせるような格好で、レオシュが後ろからアデーラの後孔に中心を押し当てる。

「あぁぁ!? ひぃっ!」
「アデーラの中、狭くて、気持ちいい」

 ずりずりと内壁を擦り上げながらレオシュが中に入ってくる。一番奥まで入ったところで、レオシュは息を整えている。
 ぽたりとレオシュの汗がアデーラの背中に落ちる。レオシュもギリギリのところで我慢しているのだ。みっしりとアデーラの中を埋めるレオシュが馴染むまで、レオシュは待っていてくれた。
 ゆっくりとレオシュが動き出したときには、アデーラはもう快楽の虜になっていた。
 必死に腰を打ち付けるレオシュが可愛くて堪らない。

「出ちゃう! あぁっ! 出るっ!」
「レオシュ、出して?」
「ん……あぁっ!」

 どくどくと白濁が注ぎ込まれて、レオシュが息も絶え絶えにシーツの上に倒れるのに、アデーラは身を起こす。とろりとレオシュの吐き出した白濁がアデーラの太腿を伝って行く。

「レオシュ、まだ、できるよね?」
「ま、待って。今、イったばかり……」
「こっちは準備万端みたいだけど?」

 息を整えているレオシュの中心に手を添えて扱くと、そこが芯を持ってくる。アデーラはレオシュの腰に跨って、後孔に切っ先を宛がった。

「あぁぁ!? ママ、締めないでぇ! またイっちゃうぅ!」
「んっ……レオシュのが大きいから」
「ひんっ! あぁぁっ!」

 ずぶずぶと飲み込んでいくと、達したばかりの身体に過ぎた快楽だったのか、レオシュの水色の目から涙がぼろぼろと零れる。泣いているレオシュが可愛くて、アデーラはその頬に舌を這わせた。
 レオシュの腰に跨って、腰を振るのもアデーラは慣れてきたようだ。自分の悦い場所に確実に当たるように角度を変えて、レオシュの中心を締めながら腰を振る。

「ママァ、ふぇ……イってるのぉ!」
「んんっ……レオシュ、いいよ。私もイきそう」
「ママ……あぁっ!」

 ぐちゅぐちゅとレオシュの白濁が泡立つほどにアデーラは腰を振る。何度レオシュがアデーラの中で達したか分からない。
 たっぷりと注がれた白濁を指である程度掻き出して拭いてから、アデーラはレオシュを抱いてバスルームに移動した。バスタブに座らせるとレオシュの頭がぐらぐらしている。
 もう疲れ切って眠いのだろうが、身体だけは流しておかなければ、色んな汁がレオシュを汚していた。
 レオシュの身体を流して、アデーラもシャワーで後始末をして、ベッドのシーツを替えてベッドに倒れ込む。

「きもちよかった……」
「レオシュは可愛いね」
「ママ、だいすき……」

 眠さと甘えなのか、拙い口調になっているレオシュを胸に抱くと、乳首に吸い付いて、もう片方の手で乳首を弄って来る。
 そういえば行為の間に聞き捨てならないことを言われた気がしたのだが、アデーラはそれを思い出していた。

「レオシュ、眠ってたんじゃなくて、起きて私の胸を吸ってた?」
「ママ、ねむいよぉ」
「レオシュ、答えて?」
「うーん……」

 胸を吸いながら、弄りながら眠ってしまうレオシュからは答えは得られない。
 アデーラはこれも狸寝入りではないのかと疑いを持ってしまった。
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