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魔女(男)とこねこ(虎)たん 3
160.魔女の森からの来訪者
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帽子を被って耳を隠したレオシュが店舗の会計台でお客の対応をしている。試着室で採寸を終えたアデーラは、お客が服を着るのを待ちながらそれを見ていた。
「ありがとうございました。またいらしてください」
「可愛いわね。あなたに会いに来るわ」
「私は好きなひとがいるので残念ですが、他の方を探してください」
お客の軽口にも乗らずしっかりと対応しているレオシュにアデーラは驚いてしまう。季節は冬になって、レオシュは冬休み期間に入っていた。冬休みの間はレオシュは朝から店舗に出て、お昼ご飯の休憩を離れの棟でとって、夕方まで店舗で働いてくれる。
お客がいないときには勉強をしたり、本を読んだりしているが、お客が来ると真面目に対応していた。
「ママ、そろそろお昼ご飯じゃない?」
「トマーシュの離乳食を作らなきゃ!」
お客がいなくなってからレオシュに声をかけられて、アデーラは急いで離れの棟に戻る。茹でた野菜を潰したものやどろどろのお粥などを用意すると、トマーシュはアデーラの脚元に這いずってやってきて、ぎゅっと抱き付いている。
「誰が離乳食をくれるか、覚えちゃったみたいね」
「トマーシュはダーシャに似て食いしん坊だからね」
笑うダーシャにアデーラも笑う。トマーシュを抱き上げて離乳食を食べさせると、一度指で口から出してじっと見てから口に戻してみたりしている様子がとても賢そうに見える。
「ちゃんと何を食べているか確かめてるよ」
「賢いわ、トマーシュ」
「アデーラお母さん、僕が離乳食をあげてもいい?」
ルカーシュにお願いされてアデーラはトマーシュをルカーシュに抱っこさせる。ルカーシュがトマーシュに離乳食をあげている間に、アデーラは大人たちのお昼ご飯の用意をした。トマーシュの離乳食に使った野菜の余りがたくさんあったので、それを煮込んでトマトを入れて豚肉も入れてポークチョップ風にしてしまう。
カリカリに焼いたトーストとポークチョップを食べて、アデーラたちがお腹いっぱいになる頃には、トマーシュの離乳食も食べ終えていた。少しも残さずに完食して、トマーシュはダーシャのお乳を欲しがっている。
ルカーシュからダーシャが抱き取って、トマーシュにお乳を上げる。
「ルカーシュは本当にいいお父さんなのよ。夜中にトマーシュが起きたら、必ず自分も起きて、私がお乳をあげている間、飲み物や食べ物を用意してくれるの」
「それくらいは当然だよ。僕はお乳をあげることはできないからね」
「お乳をあげると貧血になるし、すごく疲れるから、飲み物や食べ物が助かるのよ。お腹に少し入れておくとよく眠れるし」
「オムツだけのときには僕がやってしまえるんだけどね」
「いつもありがとうね、ルカーシュ」
「ダーシャこそ、いつもお疲れ様」
ルカーシュとダーシャはお互いを思いやれる夫婦になっている。ダーシャの方がルカーシュの母親という気分が抜けないのではないかとアデーラは思っていたが、ルカーシュはそんなダーシャを包み込む心の広さがあった。そんなルカーシュだからダーシャも結婚することを選んだのだろう。
店舗に戻るとアネタが赤ん坊を抱いて、男性と一緒に来ていた。
「アネタ姉さん、こっちの方に来るとは思わなかった」
「この子のベビードレスをお願いしたいのよ。レオシュが働いてると聞いたから様子も見に来たかったの」
「初めまして、アネタさんとお付き合いをさせていただいています」
「弟のアデーラです。初めまして」
男性が挨拶をするのにアデーラも頭を下げる。
アネタが抱っこしている赤ん坊は、どこかその男性に似ている気がした。
「アネタ姉さん、この子は男の子?」
「そうなのよ。三人子どもを産んだけど、みんな私そっくりの女の子だったでしょう? 男の子なんて初めてで、エリシュカ母さんに聞いてばかりよ」
「お父さんに似たんだね。とても可愛い」
「そうなんです、私に似ていて。私の両親も喜んでいます」
男性の言葉にアデーラはアネタを見る。
「アネタ姉さん、ご両親にご挨拶に行ったのかな?」
「上の子も連れて行ったわ。上の子は私そっくりだけど、それでもこのひととの間の娘だからね」
上の娘も、生まれた赤ん坊も、男性の両親に見せに行ったらとても喜ばれたというアネタに、アデーラはこれからの魔女の森の在り方を考えさせられていた。アネタもダーシャも新しい世代の子どもたちを産んでいる。
自分たちのコピーではない、相手の遺伝子のしっかりと混じった赤ん坊たちは、魔力がどれくらいか分からないが、それぞれに成長していくだろう。
魔女や魔法使いとしては使い物にならないかもしれないが、相手の国に行って暮らすのには何の問題もない、普通の子どもとして育っていく次の世代。
アデーラは無意識に自分の腹部に手をやっていた。
ここに本当に子宮と卵巣があるのならば、アデーラも母親になれるかもしれない。
「とても可愛い赤ちゃんですね。私はママの息子で、恋人です!」
「レオシュ!? 恋人のところは認めてないよ!?」
「ママ、言わなくても分かってるよ。ママは恥ずかしがり屋なだけだもんね」
輝く笑顔で言われて、この自己肯定感の高さはなんなのだろうとアデーラは真顔になってしまう。それを自分が育ててしまったというのは信じたくなかった。
「獣人の国のレオシュ殿下ですね」
「はい。アネタさんの旦那さんですね?」
「そうだったらいいのですが」
ちらりとアネタを見た男性に、アネタが笑って言う。
「魔女の森には結婚の風習がなかったのよ。だからどうしようか迷ったんだけど、私、結婚しようと思っているの」
「アネタ、本当に!?」
「アデーラにもベビードレスだけじゃなくて、私のドレスとあなたのタキシードをお願いしに来たのよ」
嬉しい注文にアデーラの表情も輝く。
「アネタ姉さんのウエディングドレスを作れるなんて嬉しいよ」
「私だけじゃないわ。これから魔女の森からたくさん注文があると思うわよ。アデーラは覚悟しておきなさい」
そんな嬉しい覚悟ならばどれだけでもしていい。
魔女の森の魔女たちが呪いから解き放たれて、結婚というこれまでなかった制度を取り入れて行くのはアデーラにとってはおめでたいとしか言いようがない。
「ママ、私との結婚式でも衣装を作ってね」
「レオシュと結婚するとは言っていないよ」
「言っていないけど、私には分かる。ママは私と結婚してくれる」
自信満々のレオシュに、アデーラは意識していることは確かなので何も言えなくなってしまう。アデーラが黙り込んでいると、レオシュがアネタと旦那さんになる男性に声をかけている。
「おめでとうございます。幸せになってくださいね」
「ありがとう。アデーラ、あなたの息子はとてもいい子ね」
「ありがとうございます、レオシュ殿下」
頭を下げるその男性が獣人であることにアデーラはようやく気付いていた。
獣人の国でも獣の要素が強いものと、弱い者がいる。レオシュやルカーシュは尻尾と耳だけだが、フベルトやイロナは鼻や手足も獣の姿をしているし、目の前の男性はウエイブした髪に耳が混ざったような感じで、アデーラはすぐに獣人とは気付かなかった。
「アネタ姉さんは旦那さんの家で暮らすのかな?」
「そのつもりはないわ。このひとに家に通ってきてもらう形になると思う」
魔女の森に魔女以外を住ませるわけにはいかないが、魔女が産む子どもが魔法使いや魔女以外であることが続いて行けば、魔女の森に夫婦で暮らす日も来るのかもしれない。
今はまだアネタはパートナーのエディタ以外と暮らす気はないようだが。
魔女の森では次の世代が産まれて、少しずつ変化が起きている。そのことを実感するアデーラだった。
「ありがとうございました。またいらしてください」
「可愛いわね。あなたに会いに来るわ」
「私は好きなひとがいるので残念ですが、他の方を探してください」
お客の軽口にも乗らずしっかりと対応しているレオシュにアデーラは驚いてしまう。季節は冬になって、レオシュは冬休み期間に入っていた。冬休みの間はレオシュは朝から店舗に出て、お昼ご飯の休憩を離れの棟でとって、夕方まで店舗で働いてくれる。
お客がいないときには勉強をしたり、本を読んだりしているが、お客が来ると真面目に対応していた。
「ママ、そろそろお昼ご飯じゃない?」
「トマーシュの離乳食を作らなきゃ!」
お客がいなくなってからレオシュに声をかけられて、アデーラは急いで離れの棟に戻る。茹でた野菜を潰したものやどろどろのお粥などを用意すると、トマーシュはアデーラの脚元に這いずってやってきて、ぎゅっと抱き付いている。
「誰が離乳食をくれるか、覚えちゃったみたいね」
「トマーシュはダーシャに似て食いしん坊だからね」
笑うダーシャにアデーラも笑う。トマーシュを抱き上げて離乳食を食べさせると、一度指で口から出してじっと見てから口に戻してみたりしている様子がとても賢そうに見える。
「ちゃんと何を食べているか確かめてるよ」
「賢いわ、トマーシュ」
「アデーラお母さん、僕が離乳食をあげてもいい?」
ルカーシュにお願いされてアデーラはトマーシュをルカーシュに抱っこさせる。ルカーシュがトマーシュに離乳食をあげている間に、アデーラは大人たちのお昼ご飯の用意をした。トマーシュの離乳食に使った野菜の余りがたくさんあったので、それを煮込んでトマトを入れて豚肉も入れてポークチョップ風にしてしまう。
カリカリに焼いたトーストとポークチョップを食べて、アデーラたちがお腹いっぱいになる頃には、トマーシュの離乳食も食べ終えていた。少しも残さずに完食して、トマーシュはダーシャのお乳を欲しがっている。
ルカーシュからダーシャが抱き取って、トマーシュにお乳を上げる。
「ルカーシュは本当にいいお父さんなのよ。夜中にトマーシュが起きたら、必ず自分も起きて、私がお乳をあげている間、飲み物や食べ物を用意してくれるの」
「それくらいは当然だよ。僕はお乳をあげることはできないからね」
「お乳をあげると貧血になるし、すごく疲れるから、飲み物や食べ物が助かるのよ。お腹に少し入れておくとよく眠れるし」
「オムツだけのときには僕がやってしまえるんだけどね」
「いつもありがとうね、ルカーシュ」
「ダーシャこそ、いつもお疲れ様」
ルカーシュとダーシャはお互いを思いやれる夫婦になっている。ダーシャの方がルカーシュの母親という気分が抜けないのではないかとアデーラは思っていたが、ルカーシュはそんなダーシャを包み込む心の広さがあった。そんなルカーシュだからダーシャも結婚することを選んだのだろう。
店舗に戻るとアネタが赤ん坊を抱いて、男性と一緒に来ていた。
「アネタ姉さん、こっちの方に来るとは思わなかった」
「この子のベビードレスをお願いしたいのよ。レオシュが働いてると聞いたから様子も見に来たかったの」
「初めまして、アネタさんとお付き合いをさせていただいています」
「弟のアデーラです。初めまして」
男性が挨拶をするのにアデーラも頭を下げる。
アネタが抱っこしている赤ん坊は、どこかその男性に似ている気がした。
「アネタ姉さん、この子は男の子?」
「そうなのよ。三人子どもを産んだけど、みんな私そっくりの女の子だったでしょう? 男の子なんて初めてで、エリシュカ母さんに聞いてばかりよ」
「お父さんに似たんだね。とても可愛い」
「そうなんです、私に似ていて。私の両親も喜んでいます」
男性の言葉にアデーラはアネタを見る。
「アネタ姉さん、ご両親にご挨拶に行ったのかな?」
「上の子も連れて行ったわ。上の子は私そっくりだけど、それでもこのひととの間の娘だからね」
上の娘も、生まれた赤ん坊も、男性の両親に見せに行ったらとても喜ばれたというアネタに、アデーラはこれからの魔女の森の在り方を考えさせられていた。アネタもダーシャも新しい世代の子どもたちを産んでいる。
自分たちのコピーではない、相手の遺伝子のしっかりと混じった赤ん坊たちは、魔力がどれくらいか分からないが、それぞれに成長していくだろう。
魔女や魔法使いとしては使い物にならないかもしれないが、相手の国に行って暮らすのには何の問題もない、普通の子どもとして育っていく次の世代。
アデーラは無意識に自分の腹部に手をやっていた。
ここに本当に子宮と卵巣があるのならば、アデーラも母親になれるかもしれない。
「とても可愛い赤ちゃんですね。私はママの息子で、恋人です!」
「レオシュ!? 恋人のところは認めてないよ!?」
「ママ、言わなくても分かってるよ。ママは恥ずかしがり屋なだけだもんね」
輝く笑顔で言われて、この自己肯定感の高さはなんなのだろうとアデーラは真顔になってしまう。それを自分が育ててしまったというのは信じたくなかった。
「獣人の国のレオシュ殿下ですね」
「はい。アネタさんの旦那さんですね?」
「そうだったらいいのですが」
ちらりとアネタを見た男性に、アネタが笑って言う。
「魔女の森には結婚の風習がなかったのよ。だからどうしようか迷ったんだけど、私、結婚しようと思っているの」
「アネタ、本当に!?」
「アデーラにもベビードレスだけじゃなくて、私のドレスとあなたのタキシードをお願いしに来たのよ」
嬉しい注文にアデーラの表情も輝く。
「アネタ姉さんのウエディングドレスを作れるなんて嬉しいよ」
「私だけじゃないわ。これから魔女の森からたくさん注文があると思うわよ。アデーラは覚悟しておきなさい」
そんな嬉しい覚悟ならばどれだけでもしていい。
魔女の森の魔女たちが呪いから解き放たれて、結婚というこれまでなかった制度を取り入れて行くのはアデーラにとってはおめでたいとしか言いようがない。
「ママ、私との結婚式でも衣装を作ってね」
「レオシュと結婚するとは言っていないよ」
「言っていないけど、私には分かる。ママは私と結婚してくれる」
自信満々のレオシュに、アデーラは意識していることは確かなので何も言えなくなってしまう。アデーラが黙り込んでいると、レオシュがアネタと旦那さんになる男性に声をかけている。
「おめでとうございます。幸せになってくださいね」
「ありがとう。アデーラ、あなたの息子はとてもいい子ね」
「ありがとうございます、レオシュ殿下」
頭を下げるその男性が獣人であることにアデーラはようやく気付いていた。
獣人の国でも獣の要素が強いものと、弱い者がいる。レオシュやルカーシュは尻尾と耳だけだが、フベルトやイロナは鼻や手足も獣の姿をしているし、目の前の男性はウエイブした髪に耳が混ざったような感じで、アデーラはすぐに獣人とは気付かなかった。
「アネタ姉さんは旦那さんの家で暮らすのかな?」
「そのつもりはないわ。このひとに家に通ってきてもらう形になると思う」
魔女の森に魔女以外を住ませるわけにはいかないが、魔女が産む子どもが魔法使いや魔女以外であることが続いて行けば、魔女の森に夫婦で暮らす日も来るのかもしれない。
今はまだアネタはパートナーのエディタ以外と暮らす気はないようだが。
魔女の森では次の世代が産まれて、少しずつ変化が起きている。そのことを実感するアデーラだった。
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