102 / 183
魔女(男)とこねこ(虎)たん 3
99.燕の紳士の燕尾服
しおりを挟む
細い金のネックレスは国王陛下にとっては大した金額でもないのだろうが、元平民のヘルミーナにとってはとても高額に感じられているはずだ。金の瀟洒にデザインされた鎖だけのネックレスなので受け取ってもらえると国王陛下は思ったようだがヘルミーナはそれを躊躇っていた。
「受け取ったら気持ちも受け取らなければいけないような気になっているのでしょう? 気持ちを受け取れる日が来たら、身につけるってことで、預かっておけばいいんじゃない?」
「それでよろしいのでしょうか?」
「その間に、国王陛下には話があるけどね!」
ダーシャの言葉にヘルミーナは金のネックレスを身につけはしないが受け取ることを決めたようだった。
国王陛下にダーシャが詰め寄っていく。
「あなた、亡き妻を一生想い、再婚することはないと誓ったわよね」
「あのときは本当にそういう気持ちだったのです」
「今はどうなの? 正直に答えなさい」
国王陛下に対してでもダーシャの態度は普段と変わらない。ダーシャに詰め寄られて国王陛下は凛と顔を上げた。
「ヘルミーナ殿を愛している。フベルトくんも大事に思っている」
「それなら分かったわ。策を練りましょう。国王が妃を亡くして苦しみ、悲しんでいるときに支えとなってくれる相手が現れる。そんな劇をオルシャーク領の歌劇団とククラ領の歌劇団に公演させるのよ」
国民の感情を動かすにはまずは下地から作っていかなければいけない。ダーシャの説明に国王陛下がこくこくと頷いている。
「その間に、元宰相がどれだけあなたを苦しめて、子ども時代を奪い、お妃様が亡くなったらすぐに再婚を勧めるなど、酷いことをしてきて、あなたが苦しんだかを国民に知らせるの」
「それから……?」
「あともう一押し欲しいところだけど、今できるのはそれだけね」
ダーシャに言われたことを国王陛下は実行するつもりのようだった。
ダーシャの話が終わると国王陛下からアデーラとダーシャに相談がされた。
「ルカーシュのために気象学者を探したのですが、とても気難しい相手で、王立高等学校に務めると了承してくれません」
「どのような方なのですか?」
「燕尾服を着た立派な紳士です」
服装を言われてアデーラはすぐに燕尾服のイメージがわいた。これはアデーラには解決できることなのではないだろうか。
「その方を私の店に連れて来てもらえますか?」
「アデーラ殿、助けてくださいますか?」
「ルカーシュのためですからね」
国王陛下のためではない。他ならぬ可愛い息子のルカーシュのためならば、アデーラも一肌脱ぐ覚悟くらいはあった。
数日後アデーラの店に現れたのは小柄な燕の獣人の紳士だった。まだ三十代くらいで若い印象を受ける。ぴっしりと燕尾服を着た燕の獣人の紳士に、アデーラは名乗った。
「私はアデーラ・カサロヴァー。第一皇子のルカーシュの母親代わりの魔女です」
「男性が母親代わりとは珍しいが、あり得ないことではないでしょう。魔女に男性がいるというのも初めて知りました。とても興味深い」
「私は間違って生まれて来ただけで、魔女は他は全員女性です」
「それならば、ますます興味深いですね」
アデーラの方に興味を持たせるつもりはなかったのだが、燕の獣人の紳士は黒い羽と尾羽を動かしてじっとアデーラを見詰めて来る。
「僕はダミアーン・ロウチュカ。見ての通り燕の獣人です」
「失礼ですがその燕尾服、身体に合っていないのでは?」
アデーラが問いかけると、ダミアーンの表情が変わる。身を乗り出して来たダミアーンは両手で顔を覆って嘆いている。
「そうなのです。僕の羽と尾羽は特徴的だから、僕に合う燕尾服を作ってくれる仕立て職人がどこにも存在しないのです。燕尾服とは燕から名前を取った服。僕こそが世界で一番燕尾服を着こなせる存在のはずなのに!」
熱を込めて発せられるダミアーンの言葉に、アデーラはやりがいを感じる。ルカーシュとのことは関係なくても、自分にぴったりの燕尾服が見付からないなどという悩みを持った客を、アデーラは放っておけなかった。
ダミアーンを試着室に招いて採寸をする。確かに燕の羽と尾羽は特徴的で、燕尾服を作るのは難しく思えた。
「背中の中央のスリットを大きく取りましょう。羽はゆっくりと出せるように、肩の部分と背中の部分はボタンで留める構造にしましょう」
「僕にぴったりの燕尾服が作れますか?」
「できる限り努力します」
ダミアーンが帰った後にアデーラは燕尾服の布を断って縫い始めた。艶のあるダークグレーの燕尾服は、白いシャツに赤いハンカチーフと共に、丁寧に縫い上げた。
燕尾服を取りに来たダミアーンは最初はアデーラの腕を信じていなかった。
「どうせ、僕の羽が窮屈だったり、尾羽が飛び出て見えるんでしょう。分かっているのです」
「着てみてください」
「あぁ、僕はいつになったら理想の燕尾服に会えるのでしょう」
嘆いているダミアーンを試着室に押し込むと、中から感嘆の声が漏れて来る。
「羽が窮屈ではない……裾もきっちりと尾羽を避けて作られている……これは、アデーラ様! これは!」
思わず試着室から飛び出して来たダミアーンにアデーラはにっこりと微笑む。アデーラの作った燕尾服はダミアーンの身体にぴったりと合っていた。
「ありがとうございます。この燕尾服と出会いたかったのです」
「私の息子、ルカーシュの指導をしてくださるなら、私があなたの燕尾服を作り続けますが」
「それは……」
難色を示すダミアーンにアデーラはルカーシュが6歳のときから続けている雨量の研究や雪の結晶の記録、太陽の記録を持ち出してくる。ヘルミーナにあらかじめ借りておいたものだ。
受け取ったダミアーンはそれに目を通して、アデーラを見た。
「ルカーシュ殿下はおいくつですか?」
「今度12歳になります。それは6歳のときから続けている、六年分の記録です」
「これは素晴らしい……持ち帰ってじっくりと見てもいいですか? 教え甲斐のありそうな生徒です。国立高等学校行きを検討しましょう」
きっかけはアデーラの燕尾服だったかもしれないが、最終的にはルカーシュは自分の研究でチャンスを掴み取った。
ルカーシュのお誕生日には例年通り祭典が開かれた。祭典にはダミアーンも出席していた。
「ルカーシュ殿下、ダミアーン・ロウチュカと申します。初めまして。ルカーシュ殿下のこれまでの研究を見させていただきました。6歳から研究を始められたとは思えないほど素晴らしいものでした。どうか、私にルカーシュ殿下の気象学をもっと高める手助けをさせてください」
国王陛下が何度使者を送って頼んだとしても動かすことのできなかった、国の高名な気象学者が動いた。そのことは周囲をざわつかせた。
「ルカーシュ殿下の家庭教師は余程力量があるのですね」
「あのロウチュカ様を動かしてしまった」
「ルカーシュ殿下の賢さは比類なきもののようです」
これで王家は安泰だと笑う貴族たちに嫌味はなさそうだ。アデーラもレオシュもじっと見つめていたが、特に嫌な感じはしていない。
「オルシャーク領の公演を見ましたか? 妻を失って悲劇に落とされた国王がそばに仕える侍女に心溶かされていく様子」
「ククラ領の方を見ました。あれは素晴らしいロマンスだった!」
ダーシャの企みも見事に進んでいるようだ。
それを確認して、アデーラは離れの棟にダーシャとレオシュとルカーシュと一緒に戻った。
翌日にはルカーシュは魔女の森に行って、エリシュカとブランカにお誕生日を祝われた。
例年通りにアイスクリームケーキを頬張るルカーシュは、少し大人びた顔をしていた。
「受け取ったら気持ちも受け取らなければいけないような気になっているのでしょう? 気持ちを受け取れる日が来たら、身につけるってことで、預かっておけばいいんじゃない?」
「それでよろしいのでしょうか?」
「その間に、国王陛下には話があるけどね!」
ダーシャの言葉にヘルミーナは金のネックレスを身につけはしないが受け取ることを決めたようだった。
国王陛下にダーシャが詰め寄っていく。
「あなた、亡き妻を一生想い、再婚することはないと誓ったわよね」
「あのときは本当にそういう気持ちだったのです」
「今はどうなの? 正直に答えなさい」
国王陛下に対してでもダーシャの態度は普段と変わらない。ダーシャに詰め寄られて国王陛下は凛と顔を上げた。
「ヘルミーナ殿を愛している。フベルトくんも大事に思っている」
「それなら分かったわ。策を練りましょう。国王が妃を亡くして苦しみ、悲しんでいるときに支えとなってくれる相手が現れる。そんな劇をオルシャーク領の歌劇団とククラ領の歌劇団に公演させるのよ」
国民の感情を動かすにはまずは下地から作っていかなければいけない。ダーシャの説明に国王陛下がこくこくと頷いている。
「その間に、元宰相がどれだけあなたを苦しめて、子ども時代を奪い、お妃様が亡くなったらすぐに再婚を勧めるなど、酷いことをしてきて、あなたが苦しんだかを国民に知らせるの」
「それから……?」
「あともう一押し欲しいところだけど、今できるのはそれだけね」
ダーシャに言われたことを国王陛下は実行するつもりのようだった。
ダーシャの話が終わると国王陛下からアデーラとダーシャに相談がされた。
「ルカーシュのために気象学者を探したのですが、とても気難しい相手で、王立高等学校に務めると了承してくれません」
「どのような方なのですか?」
「燕尾服を着た立派な紳士です」
服装を言われてアデーラはすぐに燕尾服のイメージがわいた。これはアデーラには解決できることなのではないだろうか。
「その方を私の店に連れて来てもらえますか?」
「アデーラ殿、助けてくださいますか?」
「ルカーシュのためですからね」
国王陛下のためではない。他ならぬ可愛い息子のルカーシュのためならば、アデーラも一肌脱ぐ覚悟くらいはあった。
数日後アデーラの店に現れたのは小柄な燕の獣人の紳士だった。まだ三十代くらいで若い印象を受ける。ぴっしりと燕尾服を着た燕の獣人の紳士に、アデーラは名乗った。
「私はアデーラ・カサロヴァー。第一皇子のルカーシュの母親代わりの魔女です」
「男性が母親代わりとは珍しいが、あり得ないことではないでしょう。魔女に男性がいるというのも初めて知りました。とても興味深い」
「私は間違って生まれて来ただけで、魔女は他は全員女性です」
「それならば、ますます興味深いですね」
アデーラの方に興味を持たせるつもりはなかったのだが、燕の獣人の紳士は黒い羽と尾羽を動かしてじっとアデーラを見詰めて来る。
「僕はダミアーン・ロウチュカ。見ての通り燕の獣人です」
「失礼ですがその燕尾服、身体に合っていないのでは?」
アデーラが問いかけると、ダミアーンの表情が変わる。身を乗り出して来たダミアーンは両手で顔を覆って嘆いている。
「そうなのです。僕の羽と尾羽は特徴的だから、僕に合う燕尾服を作ってくれる仕立て職人がどこにも存在しないのです。燕尾服とは燕から名前を取った服。僕こそが世界で一番燕尾服を着こなせる存在のはずなのに!」
熱を込めて発せられるダミアーンの言葉に、アデーラはやりがいを感じる。ルカーシュとのことは関係なくても、自分にぴったりの燕尾服が見付からないなどという悩みを持った客を、アデーラは放っておけなかった。
ダミアーンを試着室に招いて採寸をする。確かに燕の羽と尾羽は特徴的で、燕尾服を作るのは難しく思えた。
「背中の中央のスリットを大きく取りましょう。羽はゆっくりと出せるように、肩の部分と背中の部分はボタンで留める構造にしましょう」
「僕にぴったりの燕尾服が作れますか?」
「できる限り努力します」
ダミアーンが帰った後にアデーラは燕尾服の布を断って縫い始めた。艶のあるダークグレーの燕尾服は、白いシャツに赤いハンカチーフと共に、丁寧に縫い上げた。
燕尾服を取りに来たダミアーンは最初はアデーラの腕を信じていなかった。
「どうせ、僕の羽が窮屈だったり、尾羽が飛び出て見えるんでしょう。分かっているのです」
「着てみてください」
「あぁ、僕はいつになったら理想の燕尾服に会えるのでしょう」
嘆いているダミアーンを試着室に押し込むと、中から感嘆の声が漏れて来る。
「羽が窮屈ではない……裾もきっちりと尾羽を避けて作られている……これは、アデーラ様! これは!」
思わず試着室から飛び出して来たダミアーンにアデーラはにっこりと微笑む。アデーラの作った燕尾服はダミアーンの身体にぴったりと合っていた。
「ありがとうございます。この燕尾服と出会いたかったのです」
「私の息子、ルカーシュの指導をしてくださるなら、私があなたの燕尾服を作り続けますが」
「それは……」
難色を示すダミアーンにアデーラはルカーシュが6歳のときから続けている雨量の研究や雪の結晶の記録、太陽の記録を持ち出してくる。ヘルミーナにあらかじめ借りておいたものだ。
受け取ったダミアーンはそれに目を通して、アデーラを見た。
「ルカーシュ殿下はおいくつですか?」
「今度12歳になります。それは6歳のときから続けている、六年分の記録です」
「これは素晴らしい……持ち帰ってじっくりと見てもいいですか? 教え甲斐のありそうな生徒です。国立高等学校行きを検討しましょう」
きっかけはアデーラの燕尾服だったかもしれないが、最終的にはルカーシュは自分の研究でチャンスを掴み取った。
ルカーシュのお誕生日には例年通り祭典が開かれた。祭典にはダミアーンも出席していた。
「ルカーシュ殿下、ダミアーン・ロウチュカと申します。初めまして。ルカーシュ殿下のこれまでの研究を見させていただきました。6歳から研究を始められたとは思えないほど素晴らしいものでした。どうか、私にルカーシュ殿下の気象学をもっと高める手助けをさせてください」
国王陛下が何度使者を送って頼んだとしても動かすことのできなかった、国の高名な気象学者が動いた。そのことは周囲をざわつかせた。
「ルカーシュ殿下の家庭教師は余程力量があるのですね」
「あのロウチュカ様を動かしてしまった」
「ルカーシュ殿下の賢さは比類なきもののようです」
これで王家は安泰だと笑う貴族たちに嫌味はなさそうだ。アデーラもレオシュもじっと見つめていたが、特に嫌な感じはしていない。
「オルシャーク領の公演を見ましたか? 妻を失って悲劇に落とされた国王がそばに仕える侍女に心溶かされていく様子」
「ククラ領の方を見ました。あれは素晴らしいロマンスだった!」
ダーシャの企みも見事に進んでいるようだ。
それを確認して、アデーラは離れの棟にダーシャとレオシュとルカーシュと一緒に戻った。
翌日にはルカーシュは魔女の森に行って、エリシュカとブランカにお誕生日を祝われた。
例年通りにアイスクリームケーキを頬張るルカーシュは、少し大人びた顔をしていた。
0
お気に入りに追加
385
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる