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魔女(男)とこねこ(虎)たん
46.国王陛下の子育て参加
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週に一度、国王陛下は執務を休んで二時間ほど離れの棟に来るようになった。最初はずっと威嚇していたレオシュも、威嚇するだけ疲れると理解して国王陛下がいても無視するようになった。
お手洗いに行くときでも、国王陛下が手助けしようとすると、自分で踏み台を引きずって持ってきて、便座に座ってしまう。国王陛下に抱っこされて便座に座らされたくないがために、レオシュは踏み台を使うことを覚えてしまった。
用を足すとアデーラを大きな声で呼んで、国王陛下が近寄ろうとすると牙を剥き出しにして威嚇する。
「私が着替えさせてあげよう」
「ふしゃああああ! きらい! さわるなー! まっまー!」
アデーラも助けを求められて助けないわけにはいかないので、お尻を拭いてあげたり、おちんちんの先の雫を拭いてあげたりして、オムツをはかせてズボンもはかせていた。
着替えが終わるとレオシュは手を洗って遊びに戻っていく。
「おじさん、ふーもおてあらい」
「フベルトくんか……」
「ちちうえ、フベルトくんにれんしゅうさせてもらったらいいよ」
国王陛下だということがよく分かっていないフベルトに助けを求められて、国王陛下が困惑しながらフベルトの脇の下に手を入れて便座に座らせてやる。座ったフベルトは用を足してまた手を広げて抱っこで下ろしてもらう。オムツも国王陛下に替えてもらうフベルトは大人しかった。
「自分の子ではないのに……いや、フベルトくんは大人しくていい子だな」
「ふー、いいこにできるよ」
「そうか、偉いな」
褒め方も練習と国王陛下は頑張っていた。
レオシュには触ることはできないが、レオシュの親友のフベルトのお手洗いを手伝って、着替えをさせる国王陛下は、着実に子育てスキルが伸びているのは間違いなかった。
「フベルトくん、このかたは、ぼくとレオシュのちちうえなんだ」
「ちちうえなんだー! ちちうえって、なぁに?」
「おとうさんのことだよ」
「ぱっぱ! るーくんとれーくんには、ぱっぱがいるんだ。いいなぁ」
フベルトの父親はフベルトが生まれてすぐに建築現場の事故で亡くなっている。フベルトにとっては父親は知らないものなのだろう。国王陛下を見上げて憧れの瞳を向けていた。
「れー、ちちーえ、きらい」
「そうなのか。ふー、ぱっぱいて、うらやましい」
「ふーくん、うらやまちい?」
「ふーのぱっぱ、しんじゃった。れーくんには、ぱっぱいていいな」
フベルトの言葉にレオシュの眉が下がる。父親が死んでしまったことを語るフベルトが悲しげだったからだろう。フベルトの様子にレオシュは同情しているようだった。
「ふーくんに、あげるよ」
「へ?」
「れー、ちちーえ、いらない。ふーくんにあげる」
「いや、そういうことできないんだよ」
「そうなの?」
いらないからあげるという安直な考えが出て来るのも3歳児ならではなのだろう。あっさりとフベルトに譲渡を申し出られた国王陛下が微妙な顔をしているのをアデーラは見ていた。
「れーくんのぱっぱは、まっまとけっこんしてるんだろ?」
「ちがーう! まっま、ちちーえとけこんしない! まっま、れーのまっま!」
激しく反論するレオシュにフベルトがよく分からない顔になっている。フベルトの中の常識では父親と母親は結婚しているものなのだろう。
「私とダーシャは魔女だから結婚しないんだ。レオシュとルカーシュも本当の子どもじゃないんだけど、私たちが引き取って本当の子どものように育てているんだ」
「れーくんのまっまは、ちがうひと?」
「産んだのは別のひとだね。もう亡くなっているけれど」
「そうだったんだ……。ごめんな、れーくん、ふー、うらやましいなんていって。れーくんはまっまがしんでたんだな」
しょんぼりとして謝るフベルトに、レオシュがショックを受けてアデーラのところに走って来る。アデーラの足にしがみ付いて、レオシュが必死に訴える。
「まっま、しぬの!? しんじゃやー!」
「死なないよ。亡くなったのは、レオシュの父上のお妃様だよ」
「おきたきたま……ちちーえのなぁに?」
「奥さんだったひとかな。そのひとがレオシュとルカーシュを産んだんだよ」
何度説明してももう亡くなった存在であるお妃様はレオシュの記憶の中に残らない。ルカーシュにしてみればお妃様に愛された記憶があるので複雑な気持ちだろう。
「レオシュ、ははうえは、やさしいかただったよ」
「ははーえ、ちちーえのおくさん?」
「そう。ぼくとレオシュをうんでくださったかただよ」
「ははーえ、しんだの?」
「レオシュをうんだあとに、なくなったよ」
ルカーシュから説明を受けてレオシュが神妙な顔になっている。
フベルトの父親が亡くなったことも、レオシュの母親が亡くなったことも、同じ時期のことだし、レオシュもフベルトも片方の親を亡くしているという点では同じだった。
「アデーラ殿、ダーシャ殿、お願いがあります」
休憩のために店舗からダーシャとヘドヴィカが離れの棟に戻って来たときに、国王陛下から申し出があった。アデーラはおやつのフルーツサンドを作りながら話を聞く。
柔らかな食パンの耳を切り落として、切ったフルーツとクリームチーズを挟むだけの簡単なおやつだが、これは子どもたちにかなりの人気だった。バナナ、蜜柑、苺、キウイと挟んでいって、お皿の上に並べる。
その作業を横目で見ながら国王陛下が頭を下げる。
「ルカーシュとレオシュのお誕生日には、国を挙げての祭典を催したい」
お妃様が亡くなって、国王陛下が再婚をしないと決めた以上、養子をもらわない限りはルカーシュとレオシュだけが後継者だ。この二人のお誕生日を国を挙げて祭典をしたいという気持ちは分からなくないが、レオシュはまだ3歳だった。
「レオシュとルカーシュに聞いてみます」
「それに、ルカーシュは春から学校に行く年齢になっています。家庭教師を雇わせてはもらえませんか?」
家庭教師という単語に、聞いていたルカーシュがびくりと肩を震えさせたのが分かった。ルカーシュにとって家庭教師というのが恐ろしい存在だと刻み込まれているのだろう。
母親のことを忘れろと言ったり、母親との思い出のある玩具を捨ててしまったり、ルカーシュは家庭教師と乳母に酷い扱いをされていた。そのことを国王陛下が知らないわけではない。
「家庭教師の話は、ルカーシュとよく話し合って決めます」
フルーツサンドの乗ったお皿をテーブルに置きながらアデーラが答えると、国王陛下は拝むようにしてアデーラにお願いする。
「人選はきっちりと行います。ですから、ルカーシュに勉強をさせてやってください」
「あなたはご存じないかもしれませんが、ルカーシュは天才ですよ。ルカーシュの才能を伸ばしたいとは私たちも思っている。ルカーシュが納得のいく家庭教師であることが第一の条件ですがね」
素っ気なく答えたアデーラに、国王陛下は下げた頭を上げない。
アデーラは仕方なくルカーシュとレオシュに聞いてみた。
「ルカーシュ、レオシュ、お誕生日を国王陛下が王宮で祝いたいって言っているけれど、どうかな?」
「ぼくはかまいません。ぼくはしょうらい、おうか、そのほさになるから。ちちうえが、ぼくをくにをあげていわってくれるならば、そのいこうがしめせます」
立派なことを言うルカーシュにアデーラは感心してしまうが、レオシュの反応は全くの反対だった。
「いやー! れー、まっまとおいわいするー!」
「レオシュは、おおきくなったら、おうさまになるかもしれないんだよ」
「れー、おうさま、やだー! れー、おおきくなったら、まっまとけこんして、まっまとくらすの」
「レオシュ!」
「にぃには、ぶーばぁばのケーキをたべて、えーばぁばと、えーちゃんと、ぶーちゃんとおいわいしてもらいたくないの?」
レオシュの素朴な疑問にルカーシュの瞳が揺らいだのがアデーラには分かった。ルカーシュがきゅっと唇を噛み締めて涙を堪えている。
「ぼくは、おうじとしてのせきにんが、あるから!」
震えながら叫ぶルカーシュにダーシャがその髪を優しく撫でた。
「そんなもの、なくていいわ。ルカーシュ、本当にしたいことを選んでいいのよ。あなたの7歳のお誕生日は一生に一度だけの大事な日だわ。あなたが決めていいの」
「ぼ、ぼく……」
「いいのよ、言ってごらんなさい」
「ブランカおばあさまのケーキ、たべたい……。くにのさいてんにもでるよ。でも、ブランカおばあさまとエリシュカおばあさまにも、いわわれたい」
皇子の責任感と子どもとしての思いが混じるルカーシュに、アデーラが微笑む。
「ルカーシュ、お家でのお誕生日と、国でのお誕生日、二回しようか?」
「い、いいの?」
「ルカーシュはそうしたいんでしょう? いいよ」
アデーラに言われた瞬間ルカーシュの水色の目から涙が零れた。国王陛下に向き直り、アデーラは厳しく告げる。
「この涙を覚えておいてください。国の皇子としての責任を感じて、自分の気持ちを殺そうとルカーシュが努力した涙です。ルカーシュを一瞬でも蔑ろにするようなことがあれば、魔女の森に連れて帰ります」
国の祭典のお誕生日にも出るけれどルカーシュは魔女の森でも祝ってもらう。
「ありがとうございます、アデーラ殿、ダーシャ殿」
「お礼は私たちじゃなくてルカーシュに言ってください。レオシュはまだ小さいし嫌がっているので、国でのお誕生日には参加しません」
冷たく告げるアデーラにもう一度頭を下げて、国王陛下はルカーシュを抱き締めて、「ありがとう」と伝えていた。
お手洗いに行くときでも、国王陛下が手助けしようとすると、自分で踏み台を引きずって持ってきて、便座に座ってしまう。国王陛下に抱っこされて便座に座らされたくないがために、レオシュは踏み台を使うことを覚えてしまった。
用を足すとアデーラを大きな声で呼んで、国王陛下が近寄ろうとすると牙を剥き出しにして威嚇する。
「私が着替えさせてあげよう」
「ふしゃああああ! きらい! さわるなー! まっまー!」
アデーラも助けを求められて助けないわけにはいかないので、お尻を拭いてあげたり、おちんちんの先の雫を拭いてあげたりして、オムツをはかせてズボンもはかせていた。
着替えが終わるとレオシュは手を洗って遊びに戻っていく。
「おじさん、ふーもおてあらい」
「フベルトくんか……」
「ちちうえ、フベルトくんにれんしゅうさせてもらったらいいよ」
国王陛下だということがよく分かっていないフベルトに助けを求められて、国王陛下が困惑しながらフベルトの脇の下に手を入れて便座に座らせてやる。座ったフベルトは用を足してまた手を広げて抱っこで下ろしてもらう。オムツも国王陛下に替えてもらうフベルトは大人しかった。
「自分の子ではないのに……いや、フベルトくんは大人しくていい子だな」
「ふー、いいこにできるよ」
「そうか、偉いな」
褒め方も練習と国王陛下は頑張っていた。
レオシュには触ることはできないが、レオシュの親友のフベルトのお手洗いを手伝って、着替えをさせる国王陛下は、着実に子育てスキルが伸びているのは間違いなかった。
「フベルトくん、このかたは、ぼくとレオシュのちちうえなんだ」
「ちちうえなんだー! ちちうえって、なぁに?」
「おとうさんのことだよ」
「ぱっぱ! るーくんとれーくんには、ぱっぱがいるんだ。いいなぁ」
フベルトの父親はフベルトが生まれてすぐに建築現場の事故で亡くなっている。フベルトにとっては父親は知らないものなのだろう。国王陛下を見上げて憧れの瞳を向けていた。
「れー、ちちーえ、きらい」
「そうなのか。ふー、ぱっぱいて、うらやましい」
「ふーくん、うらやまちい?」
「ふーのぱっぱ、しんじゃった。れーくんには、ぱっぱいていいな」
フベルトの言葉にレオシュの眉が下がる。父親が死んでしまったことを語るフベルトが悲しげだったからだろう。フベルトの様子にレオシュは同情しているようだった。
「ふーくんに、あげるよ」
「へ?」
「れー、ちちーえ、いらない。ふーくんにあげる」
「いや、そういうことできないんだよ」
「そうなの?」
いらないからあげるという安直な考えが出て来るのも3歳児ならではなのだろう。あっさりとフベルトに譲渡を申し出られた国王陛下が微妙な顔をしているのをアデーラは見ていた。
「れーくんのぱっぱは、まっまとけっこんしてるんだろ?」
「ちがーう! まっま、ちちーえとけこんしない! まっま、れーのまっま!」
激しく反論するレオシュにフベルトがよく分からない顔になっている。フベルトの中の常識では父親と母親は結婚しているものなのだろう。
「私とダーシャは魔女だから結婚しないんだ。レオシュとルカーシュも本当の子どもじゃないんだけど、私たちが引き取って本当の子どものように育てているんだ」
「れーくんのまっまは、ちがうひと?」
「産んだのは別のひとだね。もう亡くなっているけれど」
「そうだったんだ……。ごめんな、れーくん、ふー、うらやましいなんていって。れーくんはまっまがしんでたんだな」
しょんぼりとして謝るフベルトに、レオシュがショックを受けてアデーラのところに走って来る。アデーラの足にしがみ付いて、レオシュが必死に訴える。
「まっま、しぬの!? しんじゃやー!」
「死なないよ。亡くなったのは、レオシュの父上のお妃様だよ」
「おきたきたま……ちちーえのなぁに?」
「奥さんだったひとかな。そのひとがレオシュとルカーシュを産んだんだよ」
何度説明してももう亡くなった存在であるお妃様はレオシュの記憶の中に残らない。ルカーシュにしてみればお妃様に愛された記憶があるので複雑な気持ちだろう。
「レオシュ、ははうえは、やさしいかただったよ」
「ははーえ、ちちーえのおくさん?」
「そう。ぼくとレオシュをうんでくださったかただよ」
「ははーえ、しんだの?」
「レオシュをうんだあとに、なくなったよ」
ルカーシュから説明を受けてレオシュが神妙な顔になっている。
フベルトの父親が亡くなったことも、レオシュの母親が亡くなったことも、同じ時期のことだし、レオシュもフベルトも片方の親を亡くしているという点では同じだった。
「アデーラ殿、ダーシャ殿、お願いがあります」
休憩のために店舗からダーシャとヘドヴィカが離れの棟に戻って来たときに、国王陛下から申し出があった。アデーラはおやつのフルーツサンドを作りながら話を聞く。
柔らかな食パンの耳を切り落として、切ったフルーツとクリームチーズを挟むだけの簡単なおやつだが、これは子どもたちにかなりの人気だった。バナナ、蜜柑、苺、キウイと挟んでいって、お皿の上に並べる。
その作業を横目で見ながら国王陛下が頭を下げる。
「ルカーシュとレオシュのお誕生日には、国を挙げての祭典を催したい」
お妃様が亡くなって、国王陛下が再婚をしないと決めた以上、養子をもらわない限りはルカーシュとレオシュだけが後継者だ。この二人のお誕生日を国を挙げて祭典をしたいという気持ちは分からなくないが、レオシュはまだ3歳だった。
「レオシュとルカーシュに聞いてみます」
「それに、ルカーシュは春から学校に行く年齢になっています。家庭教師を雇わせてはもらえませんか?」
家庭教師という単語に、聞いていたルカーシュがびくりと肩を震えさせたのが分かった。ルカーシュにとって家庭教師というのが恐ろしい存在だと刻み込まれているのだろう。
母親のことを忘れろと言ったり、母親との思い出のある玩具を捨ててしまったり、ルカーシュは家庭教師と乳母に酷い扱いをされていた。そのことを国王陛下が知らないわけではない。
「家庭教師の話は、ルカーシュとよく話し合って決めます」
フルーツサンドの乗ったお皿をテーブルに置きながらアデーラが答えると、国王陛下は拝むようにしてアデーラにお願いする。
「人選はきっちりと行います。ですから、ルカーシュに勉強をさせてやってください」
「あなたはご存じないかもしれませんが、ルカーシュは天才ですよ。ルカーシュの才能を伸ばしたいとは私たちも思っている。ルカーシュが納得のいく家庭教師であることが第一の条件ですがね」
素っ気なく答えたアデーラに、国王陛下は下げた頭を上げない。
アデーラは仕方なくルカーシュとレオシュに聞いてみた。
「ルカーシュ、レオシュ、お誕生日を国王陛下が王宮で祝いたいって言っているけれど、どうかな?」
「ぼくはかまいません。ぼくはしょうらい、おうか、そのほさになるから。ちちうえが、ぼくをくにをあげていわってくれるならば、そのいこうがしめせます」
立派なことを言うルカーシュにアデーラは感心してしまうが、レオシュの反応は全くの反対だった。
「いやー! れー、まっまとおいわいするー!」
「レオシュは、おおきくなったら、おうさまになるかもしれないんだよ」
「れー、おうさま、やだー! れー、おおきくなったら、まっまとけこんして、まっまとくらすの」
「レオシュ!」
「にぃには、ぶーばぁばのケーキをたべて、えーばぁばと、えーちゃんと、ぶーちゃんとおいわいしてもらいたくないの?」
レオシュの素朴な疑問にルカーシュの瞳が揺らいだのがアデーラには分かった。ルカーシュがきゅっと唇を噛み締めて涙を堪えている。
「ぼくは、おうじとしてのせきにんが、あるから!」
震えながら叫ぶルカーシュにダーシャがその髪を優しく撫でた。
「そんなもの、なくていいわ。ルカーシュ、本当にしたいことを選んでいいのよ。あなたの7歳のお誕生日は一生に一度だけの大事な日だわ。あなたが決めていいの」
「ぼ、ぼく……」
「いいのよ、言ってごらんなさい」
「ブランカおばあさまのケーキ、たべたい……。くにのさいてんにもでるよ。でも、ブランカおばあさまとエリシュカおばあさまにも、いわわれたい」
皇子の責任感と子どもとしての思いが混じるルカーシュに、アデーラが微笑む。
「ルカーシュ、お家でのお誕生日と、国でのお誕生日、二回しようか?」
「い、いいの?」
「ルカーシュはそうしたいんでしょう? いいよ」
アデーラに言われた瞬間ルカーシュの水色の目から涙が零れた。国王陛下に向き直り、アデーラは厳しく告げる。
「この涙を覚えておいてください。国の皇子としての責任を感じて、自分の気持ちを殺そうとルカーシュが努力した涙です。ルカーシュを一瞬でも蔑ろにするようなことがあれば、魔女の森に連れて帰ります」
国の祭典のお誕生日にも出るけれどルカーシュは魔女の森でも祝ってもらう。
「ありがとうございます、アデーラ殿、ダーシャ殿」
「お礼は私たちじゃなくてルカーシュに言ってください。レオシュはまだ小さいし嫌がっているので、国でのお誕生日には参加しません」
冷たく告げるアデーラにもう一度頭を下げて、国王陛下はルカーシュを抱き締めて、「ありがとう」と伝えていた。
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