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本編
21.二人で選ぶアリスターの指輪
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二人で作った契約書にはサインがしてある。
婚姻届けも役所でもらって記入してサインした。
リシャールはDomで、アリスターはSubなのだから、結婚までするのはおかしいのかもしれないが、リシャールがしたいというのならばアリスターは拒む気持ちはなかった。何よりプロポーズしたのはアリスターの方なのだ。
Subである自分がプロポーズするなど大胆なことをしてしまったが、それでリシャールは喜んでくれたし、二人の関係も進んだのでアリスターはよかったと思う。勇気を出してプロポーズして本当によかった。
翌日はリシャールは仕事はなかったが声明の件に関して事務所に問い合わせが殺到して、近々記者会見を開くと事務所から通達がされていた。
アリスターはそこに同席する必要はないし、マスコミに顔を見せる必要もないと言われているのだが、アリスターとしては少しだけ考えがあった。
スクープ雑誌の記者の記事を握り潰されてストーカーは相当頭に来ているのではないだろうか。それで、アリスターとリシャールを直々に引き離しに来るかもしれない。
そう考えると、アリスターは記者会見でどこかにいた方がいいのではないかと思っているのだ。
リシャールの方が体格もいいし身長も高いが、アリスターも警察官として鍛えた体がある。身を守ることは考えていない見せるための体であるリシャールよりも、アリスターの方がリシャールを守れるのではないだろうか。
「記者会見では警備の中に俺を紛れ込ませてほしいんだ」
「危険じゃない? 僕はアリスターに少しでも危ないことはしてほしくないんだよ」
「俺もラボ職員だけど、警察官の資格は持ってる。研修も受けた。警備員程度には役に立つつもりだ」
心配そうなリシャールの肩を撫でて言えば、男前なのに眉を下げているのがやっと直る。
「指輪を買いに行こう……。次の休みにでも」
「もちろんだよ」
「アリスター、君のことが好きなんだ。君がいないと僕は生きていけない」
抱き締められて役所の窓口だということに気付いてアリスターはリシャールを振りほどこうとしたが、乱暴なことはできなくて結局そのままになっていた。
役所の窓口に契約書を出して、婚姻届けも出すと、受け付けた職員が笑顔で祝福してくれる。
「婚姻とクレイムの成立おめでとうございます。書類は受理されました。お二人は夫夫で、正式なパートナーです」
「ありがとうございます」
「結婚とクレイムを同時にするなんて初めて受理しましたが、それだけ愛し合っているんですね」
「二重の契約で縛りたいくらいに彼に夢中なんです」
柔らかく微笑んでアリスターの肩を抱くリシャールに、アリスターは顔から火が出そうになっている。かっかと熱い頬を押さえて無言で悶えていると役所の職員が「なんて素敵」と言ってくれる。
「役所の隣りが教会になっていて、簡易の結婚式が行えるんですよ」
「それは初めて聞きました。ありがとうございます」
そのまま肩を抱いてアリスターを教会に連れて行ったリシャールは、そこにいた神父に祝福の言葉をもらった。
「お名前をよろしいですか?」
「リシャール・モンタニエとアリスター・ソウルです」
「本日夫夫となったリシャール・モンタニエとアリスター・ソウルに神の祝福のあらんことを」
小さな部屋一つだけの教会だが、本当に結婚したのだと実感してアリスターは瞼の奥が熱くなってくる。リシャールの肩に頭を寄せると引き寄せられて口付けをされた。
誓いのキスだ。
目を閉じてアリスターは誓いのキスを受けた。
その後は夕食をリシャールの部屋で一緒に取って、アリスターは後ろ髪引かれながら自分の部屋に戻った。
早く一緒に住みたい。
その気持ちはあるのだが、一緒に住むとなるとアリスターの持っているリシャールのポスターや雑誌の切り抜きのスクラップブックがリシャールに知られてしまう。
リシャールには素直に自分がリシャール・モンタニエのファンだということは伝えていたが、こんなに熱狂的なファンだと分かるとドン引きされてしまうのではないだろうか。
ファンだからリシャールに近付いたとか、ファンだから最初に会ったときにリシャールの部屋の処理を請け負ったとか思われてしまうのではないか。
もう婚姻届けも出したし、クレイムの契約書も役所で受理されたのでリシャールは間違いなくアリスターの夫なのだが、それでも不安が胸の中に残っていた。
次のアリスターの休みになっても、リシャールは休みをもらっていた。フランスへの一か月の出張がそれだけ過酷だったのだろう。
減量で頬が鋭角的に見えていたのが元に戻りかけている気配がするし、体も肉付きが戻ってきていて、アリスターの好きなリシャールに戻ってきていてアリスターは喜んでいた。
「俺のおっぱいが戻ってきた……」
「おっぱい!? それは女性のを言うセリフじゃない!? これはただの大胸筋!」
「リシャールのおっぱいだ」
「アリスター、もしかして、抱かれるときにもしつこくそこを触ってたけど、僕の胸が好きなの!?」
「リシャールのおっぱいは最高だ。むちむちとして、柔らかくて、もっちりして」
「僕のご飯食べたときより熱心な感想言わないで!?」
アリスターがリシャールの胸がどれだけ好きかについてはこれ以上語ると引かれてしまう気がして、アリスターは黙った。もう十分ドン引きされている気もするのだが。
鍛え上げられてたっぷりとしたリシャールの胸はアリスターの欲を誘ったし、アリスターの理想でもあった。こんな素晴らしい胸に触れることを許されているだなんて、アリスターは本当に幸せ者だ。
休みの前夜にはたっぷりと体を交わし、プレイをして満たされていたが、どれだけ抱いてもリシャールは堪えた様子はなくて、元気に起きて朝食を作ってくれる。アリスターの方が体力が切れて行為の後は倒れるように眠ってしまったり、リシャールに抱き上げられてバスルームでシャワーを浴びさせてもらったりするのだが、リシャールはそのことに疑問も抱いていないようだ。
大抵男性同士の行為となると抱かれる側に負担が大きいと言われているが、リシャールは体力があるのでそんなことは全く気にならないのだろう。
朝食を食べると二人で手を繋いでまずは宝飾店に行った。
宝飾店ではアリスターが指輪と共に入っていたカードを出せば、担当してくれた店員がすぐに出てきてくれてリシャールの指にはまっている指輪を確認してくれた。
「これですと、もうひとサイズ小さいものの方がよさそうですね」
「サイズを直してもらえますか?」
「もちろんです」
アリスターがお願いするとすかさずリシャールが言う。
「これと同じデザインで、彼にも指輪をオーダーしたいのですが」
「喜んでお受けいたします。はめる石は同じものでいいですか?」
「この石はアリスターが選んでくれたんだよね。これは何?」
「ヴァイオレットサファイアだって。興奮したときのリシャールの目の色とそっくりだったから、それにした」
「僕、こんな目の色になっているの!?」
自分の目の色が興奮すると変わることも知らなかったリシャールは、指輪にはめられたヴァイオレットサファイアをじっくりと見ていた。青みがかった紫で、リシャールが興奮するとこの色に目がなることに気付いていたのはアリスターだけかもしれない。
「アリスターには、僕の色を身に着けてほしいんだけど、僕の普段の目の色と同じ色の石はありますか?」
「お客様の目のお色ですと、サファイアがぴったりかと思います」
カタログを広げて色の濃淡の違うサファイアを見せてくる店員にリシャールがアリスターの方を見る。
「自分の目の色ってよく分からない。アリスターの方が詳しいでしょう」
「もちろん。リシャールの目はよく見ているからな」
これまでリシャールの目の色が変わることを誰も気付かなかったのは、それだけリシャールを興奮させることがなかったからかもしれない。性格も温厚で怒ることがないリシャールは、目の色が変わるくらい感情を高ぶらせることがほとんどない。
アリスターとのプレイのときにだけ見せてくれる目の色をアリスターだけが知っているというのはものすごく優越感に浸れる要素だった。
「リシャールの目はこれくらいの色かな」
「じゃあ、これで。お願いします」
鮮やかな青いサファイアを選んだアリスターに、リシャールはその石で指輪を注文していた。
指輪が決まると、声を潜めて店員が聞いてくる。
「もしかして、リシャール・モンタニエ様でしょうか?」
「はい、そうですけど。注文書にサインはするつもりでしたが」
「リシャール・モンタニエ様は、当ブランドのモデルでもありますので、値引きさせていただきます」
「え!? いいんですか!?」
よくよく店員から話を聞いてみれば、リシャールはこの店のブランドが出している宝飾品の誕生石特集とかでアレキサンドライトを身に着けてモデルとして撮影に出たというのだ。その特集はアリスターもよく知っていた。
その特集でアリスターはリシャールの誕生石を知ったのだ。
「ありがとうございます」
「リシャール・モンタニエ様にわたくし共のブランドの品を身に着けていただけるというのは本当に光栄です。サイズ直しも、パートナー様の指輪の制作も心を込めて致しますので、お任せください」
店員に言われて、リシャールは注文書にサインをして、カードで代金を支払っていた。
まさかこの宝飾店のブランドがアリスターのセーフワードを決めたきっかけとなる特集をしていただなんて思わなくてアリスターも驚いてしまう。偶然目についたから入っただけの宝飾店だった。
「セーフワードの『アレクサンドライト』、リシャールの誕生石を口にすれば、リシャールと俺の違いを思い知って冷静になれるかって思ったんだ」
「それじゃ、意味がなくなっちゃったね。別のセーフワードに変える?」
契約書は役所に出してしまったが、セーフワードを変えたいときなどは対応してくれると知っているので促すリシャールに、アリスターは首を振った。
「『アレクサンドライト』のままでいいよ」
リシャールならば、アリスターがセーフワードを言わなくてもいいようなプレイしかしない。アリスターはリシャールを信頼していた。
婚姻届けも役所でもらって記入してサインした。
リシャールはDomで、アリスターはSubなのだから、結婚までするのはおかしいのかもしれないが、リシャールがしたいというのならばアリスターは拒む気持ちはなかった。何よりプロポーズしたのはアリスターの方なのだ。
Subである自分がプロポーズするなど大胆なことをしてしまったが、それでリシャールは喜んでくれたし、二人の関係も進んだのでアリスターはよかったと思う。勇気を出してプロポーズして本当によかった。
翌日はリシャールは仕事はなかったが声明の件に関して事務所に問い合わせが殺到して、近々記者会見を開くと事務所から通達がされていた。
アリスターはそこに同席する必要はないし、マスコミに顔を見せる必要もないと言われているのだが、アリスターとしては少しだけ考えがあった。
スクープ雑誌の記者の記事を握り潰されてストーカーは相当頭に来ているのではないだろうか。それで、アリスターとリシャールを直々に引き離しに来るかもしれない。
そう考えると、アリスターは記者会見でどこかにいた方がいいのではないかと思っているのだ。
リシャールの方が体格もいいし身長も高いが、アリスターも警察官として鍛えた体がある。身を守ることは考えていない見せるための体であるリシャールよりも、アリスターの方がリシャールを守れるのではないだろうか。
「記者会見では警備の中に俺を紛れ込ませてほしいんだ」
「危険じゃない? 僕はアリスターに少しでも危ないことはしてほしくないんだよ」
「俺もラボ職員だけど、警察官の資格は持ってる。研修も受けた。警備員程度には役に立つつもりだ」
心配そうなリシャールの肩を撫でて言えば、男前なのに眉を下げているのがやっと直る。
「指輪を買いに行こう……。次の休みにでも」
「もちろんだよ」
「アリスター、君のことが好きなんだ。君がいないと僕は生きていけない」
抱き締められて役所の窓口だということに気付いてアリスターはリシャールを振りほどこうとしたが、乱暴なことはできなくて結局そのままになっていた。
役所の窓口に契約書を出して、婚姻届けも出すと、受け付けた職員が笑顔で祝福してくれる。
「婚姻とクレイムの成立おめでとうございます。書類は受理されました。お二人は夫夫で、正式なパートナーです」
「ありがとうございます」
「結婚とクレイムを同時にするなんて初めて受理しましたが、それだけ愛し合っているんですね」
「二重の契約で縛りたいくらいに彼に夢中なんです」
柔らかく微笑んでアリスターの肩を抱くリシャールに、アリスターは顔から火が出そうになっている。かっかと熱い頬を押さえて無言で悶えていると役所の職員が「なんて素敵」と言ってくれる。
「役所の隣りが教会になっていて、簡易の結婚式が行えるんですよ」
「それは初めて聞きました。ありがとうございます」
そのまま肩を抱いてアリスターを教会に連れて行ったリシャールは、そこにいた神父に祝福の言葉をもらった。
「お名前をよろしいですか?」
「リシャール・モンタニエとアリスター・ソウルです」
「本日夫夫となったリシャール・モンタニエとアリスター・ソウルに神の祝福のあらんことを」
小さな部屋一つだけの教会だが、本当に結婚したのだと実感してアリスターは瞼の奥が熱くなってくる。リシャールの肩に頭を寄せると引き寄せられて口付けをされた。
誓いのキスだ。
目を閉じてアリスターは誓いのキスを受けた。
その後は夕食をリシャールの部屋で一緒に取って、アリスターは後ろ髪引かれながら自分の部屋に戻った。
早く一緒に住みたい。
その気持ちはあるのだが、一緒に住むとなるとアリスターの持っているリシャールのポスターや雑誌の切り抜きのスクラップブックがリシャールに知られてしまう。
リシャールには素直に自分がリシャール・モンタニエのファンだということは伝えていたが、こんなに熱狂的なファンだと分かるとドン引きされてしまうのではないだろうか。
ファンだからリシャールに近付いたとか、ファンだから最初に会ったときにリシャールの部屋の処理を請け負ったとか思われてしまうのではないか。
もう婚姻届けも出したし、クレイムの契約書も役所で受理されたのでリシャールは間違いなくアリスターの夫なのだが、それでも不安が胸の中に残っていた。
次のアリスターの休みになっても、リシャールは休みをもらっていた。フランスへの一か月の出張がそれだけ過酷だったのだろう。
減量で頬が鋭角的に見えていたのが元に戻りかけている気配がするし、体も肉付きが戻ってきていて、アリスターの好きなリシャールに戻ってきていてアリスターは喜んでいた。
「俺のおっぱいが戻ってきた……」
「おっぱい!? それは女性のを言うセリフじゃない!? これはただの大胸筋!」
「リシャールのおっぱいだ」
「アリスター、もしかして、抱かれるときにもしつこくそこを触ってたけど、僕の胸が好きなの!?」
「リシャールのおっぱいは最高だ。むちむちとして、柔らかくて、もっちりして」
「僕のご飯食べたときより熱心な感想言わないで!?」
アリスターがリシャールの胸がどれだけ好きかについてはこれ以上語ると引かれてしまう気がして、アリスターは黙った。もう十分ドン引きされている気もするのだが。
鍛え上げられてたっぷりとしたリシャールの胸はアリスターの欲を誘ったし、アリスターの理想でもあった。こんな素晴らしい胸に触れることを許されているだなんて、アリスターは本当に幸せ者だ。
休みの前夜にはたっぷりと体を交わし、プレイをして満たされていたが、どれだけ抱いてもリシャールは堪えた様子はなくて、元気に起きて朝食を作ってくれる。アリスターの方が体力が切れて行為の後は倒れるように眠ってしまったり、リシャールに抱き上げられてバスルームでシャワーを浴びさせてもらったりするのだが、リシャールはそのことに疑問も抱いていないようだ。
大抵男性同士の行為となると抱かれる側に負担が大きいと言われているが、リシャールは体力があるのでそんなことは全く気にならないのだろう。
朝食を食べると二人で手を繋いでまずは宝飾店に行った。
宝飾店ではアリスターが指輪と共に入っていたカードを出せば、担当してくれた店員がすぐに出てきてくれてリシャールの指にはまっている指輪を確認してくれた。
「これですと、もうひとサイズ小さいものの方がよさそうですね」
「サイズを直してもらえますか?」
「もちろんです」
アリスターがお願いするとすかさずリシャールが言う。
「これと同じデザインで、彼にも指輪をオーダーしたいのですが」
「喜んでお受けいたします。はめる石は同じものでいいですか?」
「この石はアリスターが選んでくれたんだよね。これは何?」
「ヴァイオレットサファイアだって。興奮したときのリシャールの目の色とそっくりだったから、それにした」
「僕、こんな目の色になっているの!?」
自分の目の色が興奮すると変わることも知らなかったリシャールは、指輪にはめられたヴァイオレットサファイアをじっくりと見ていた。青みがかった紫で、リシャールが興奮するとこの色に目がなることに気付いていたのはアリスターだけかもしれない。
「アリスターには、僕の色を身に着けてほしいんだけど、僕の普段の目の色と同じ色の石はありますか?」
「お客様の目のお色ですと、サファイアがぴったりかと思います」
カタログを広げて色の濃淡の違うサファイアを見せてくる店員にリシャールがアリスターの方を見る。
「自分の目の色ってよく分からない。アリスターの方が詳しいでしょう」
「もちろん。リシャールの目はよく見ているからな」
これまでリシャールの目の色が変わることを誰も気付かなかったのは、それだけリシャールを興奮させることがなかったからかもしれない。性格も温厚で怒ることがないリシャールは、目の色が変わるくらい感情を高ぶらせることがほとんどない。
アリスターとのプレイのときにだけ見せてくれる目の色をアリスターだけが知っているというのはものすごく優越感に浸れる要素だった。
「リシャールの目はこれくらいの色かな」
「じゃあ、これで。お願いします」
鮮やかな青いサファイアを選んだアリスターに、リシャールはその石で指輪を注文していた。
指輪が決まると、声を潜めて店員が聞いてくる。
「もしかして、リシャール・モンタニエ様でしょうか?」
「はい、そうですけど。注文書にサインはするつもりでしたが」
「リシャール・モンタニエ様は、当ブランドのモデルでもありますので、値引きさせていただきます」
「え!? いいんですか!?」
よくよく店員から話を聞いてみれば、リシャールはこの店のブランドが出している宝飾品の誕生石特集とかでアレキサンドライトを身に着けてモデルとして撮影に出たというのだ。その特集はアリスターもよく知っていた。
その特集でアリスターはリシャールの誕生石を知ったのだ。
「ありがとうございます」
「リシャール・モンタニエ様にわたくし共のブランドの品を身に着けていただけるというのは本当に光栄です。サイズ直しも、パートナー様の指輪の制作も心を込めて致しますので、お任せください」
店員に言われて、リシャールは注文書にサインをして、カードで代金を支払っていた。
まさかこの宝飾店のブランドがアリスターのセーフワードを決めたきっかけとなる特集をしていただなんて思わなくてアリスターも驚いてしまう。偶然目についたから入っただけの宝飾店だった。
「セーフワードの『アレクサンドライト』、リシャールの誕生石を口にすれば、リシャールと俺の違いを思い知って冷静になれるかって思ったんだ」
「それじゃ、意味がなくなっちゃったね。別のセーフワードに変える?」
契約書は役所に出してしまったが、セーフワードを変えたいときなどは対応してくれると知っているので促すリシャールに、アリスターは首を振った。
「『アレクサンドライト』のままでいいよ」
リシャールならば、アリスターがセーフワードを言わなくてもいいようなプレイしかしない。アリスターはリシャールを信頼していた。
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