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本編
30.お義兄様はわたくしが幸せにします!
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季節は巡って、春になるとお義兄様は学園を卒業した。
学園の卒業式パーティーでお義兄様はクラリス嬢をダンスに誘うのではなく、わたくしをダンスに誘った。身長差があるのでぎこちなくなってしまいそうだったが、お義兄様のリードはとても上手でわたくしは楽しく踊れてしまう。
「アデライド、今日でわたしは学園を卒業するけれども、アデライドは残りの五年間、しっかりと学ぶのだよ」
「はい、お義兄様」
学んで卒業した暁にはわたくしはお義兄様の花嫁となる。
卒業式のパーティーで不穏なことは何も起こらなかった。
「アデライド嬢と一回くらいぼくも踊らせてほしいな」
「ヴィルヘルム殿下は王女殿下がおられるでしょう」
「王女殿下のことは愛しているけれど、アデライド嬢のことは妹のように可愛いんだ。マックス、独り占めしないで」
ヴィルヘルム殿下にお願いされてお義兄様はわたくしをヴィルヘルム殿下に預ける。
「その間、マクシミリアン殿はわたくしと踊ってください」
隣国の王女殿下はお義兄様に手を差し伸べている。
ヴィルヘルム殿下にリードされながら踊ると、ヴィルヘルム殿下もとてもお上手でわたくしは楽に踊ることができた。
「在学中はずっとマックスが首席で負けていたから、一回くらい勝ちたかったな」
「ヴィルヘルム殿下はずっと二位だったのでしょう? お義兄様が抜かされないように頑張っていましたよ」
「そういう努力も見せないで軽く首席を取っているように見えるから、マックスはずるい」
踊っている間、ヴィルヘルム殿下と話をしていると、踊り終わるとダヴィド殿下がわたくしを待っていた。
「次はわたしの番ですね」
「いつになったらアデライドはわたしの元に戻ってくるのですか」
「嫉妬深い婚約者は嫌われますよ」
続いてダヴィド殿下とも踊る。ダヴィド殿下は今婚約者を選定しているところだというが、まだまだ婚約をしなくてもいいと思っていそうなところがあった。
卒業式のパーティーは何事もなく終わった。
お義兄様が学園を卒業して、わたくしは学園の二年生になった。
わたくしの前回の人生では、お義兄様とわたくしのお誕生日のお茶会前に、お義兄様は暗殺されてしまっていた。
元アルシェ公爵夫人はもういないのだが、まだ安心はできない。他の方面からお義兄様を狙って来るものがいないとは限らない。
警戒はしていたが、何の問題もなくわたくしとお義兄様の誕生日のお茶会まで生き延びることができた。
お義兄様は十九歳、わたくしは十四歳になる。
これでわたくしは前の人生よりも長く生きたことになるし、お義兄様は生き延びられたことになる。
お義兄様が緑色のスーツで、わたくしが緑色のドレスで合わせてお誕生日のお茶会の席に出ると、ヴィルヘルム殿下が王女殿下を連れてやってきていた。ダヴィド殿下もいらっしゃっている。
「マックス、お誕生日おめでとう。秋のぼくの誕生日には王女殿下と結婚式があるから、出席してくれるよね」
「喜んで出席させていただきます。今日はありがとうございます」
「アデライド嬢もおめでとう」
「ありがとうございます」
お義兄様はもう暗殺されることはない。
安堵感にわたくしは前回の人生を思い出す。
パーティーに出席して帰ってきたら酷い吐血と下血をして、その後に死んでしまったお義兄様。
あれは元アルシェ公爵夫人に雇われたものが毒を飲ませたに違いなかった。
わたくしも前回の人生のことがなくて、警戒していなかったらクラリス嬢とセドリック殿の結婚式で出された葡萄ジュースを飲んでしまって、お義兄様と同じように死んでいたのではないだろうか。
今回の人生でわたくしが狙われたのは、前回の人生ではお義兄様がクラリス嬢を社交界から追放したのだが、今回の人生ではそれがなく、わたくしがオーギュストを断罪するきっかけとなる証言をしたからに違いなかった。
真実をもう元アルシェ公爵夫人に聞くことはできないが、元アルシェ公爵夫人もいなくなり、わたくしたちはこうして平和に誕生日を迎えることができた。
お義兄様はもう暗殺されることはないだろう。
「お義兄様、お茶をしませんか?」
「一緒にケーキや軽食を取りに行こうか、アデライド」
お義兄様を誘うとお義兄様は笑顔で応じてくれる。
前回の人生ではお義兄様はわたくしや家族にしか分からないような顔面がちょっと怖くて、表情筋が不自由だったのだが、今回の人生ではわたくしに向けては優しく微笑むようになっているような気がする。
「マックス、アデライド嬢、ぼくも一緒にお茶をしていいかな?」
「わたくしもよろしいですか?」
「わたしも!」
ヴィルヘルム殿下と王女殿下とダヴィド殿下が声を掛けてきてくださって、わたくしもお義兄様もそのお誘いに喜んで応じる。
「ぜひご一緒しましょう」
「ヴィルヘルム殿下がお気に入りだった桃のタルト、今年も用意しているのですよ」
「それは楽しみだな」
ヴィルヘルム殿下と王女殿下とダヴィド殿下と一緒に楽しむお茶。
わたくしは幸せに満ちていた。
もう前回の人生のことを思い出すこともないだろう。
お義兄様が暗殺されて怒りの中で、アルシェ公爵家を滅ぼすのだと誓っていたときに階段から転げ落ちて、五歳に戻っていた今回の人生。
どんな不思議な力が働いたのか分からないが、わたくしはもう一度人生をやり直すことができて、お義兄様を暗殺の魔の手から救い出すことができた。
お義兄様は無事にクラリス嬢との婚約を白紙に戻し、わたくしと婚約をした。
それだけではなく、元アルシェ公爵夫人の教育が失敗していてオーギュストも変態の幼女趣味に育っていることが発覚して、貴族の令嬢や平民の幼女に手を出して金で口止めをしていることが分かって、それも断罪してオーギュストを退かせた。
元アルシェ公爵夫人には暗殺されるくらい恨まれないように、クラリス嬢に温情をかけてもらえるようにお願いして、婚約が白紙に戻ったクラリス嬢は二十歳年上の優秀な文官、セドリック殿を婿に向かえてアルシェ公爵家を二人で継いでいくことが決まった。
元アルシェ公爵夫人には恨まれないように気を付けていたつもりだったが、オーギュストのことで恨まれていたようで、わたくしは毒入りの葡萄ジュースを飲まされそうになった。それも警戒していたので回避することができて、元アルシェ公爵夫人は毒を飲まされたのか、自分で飲んだのか分からないが、とにかく、自害をして果てたという報告も聞いた。
今回の人生のわたくしは相当頑張ったのではないだろうか。
五歳で始まってしまったのでなかなかできることが少なくて大変だったが、無事にやり遂げた思いでわたくしは胸がいっぱいだった。
「アデライド、この桃のタルトはアデライドも好きだったよね」
「ありがとうございます、お義兄様」
桃のタルトを取り分けてくれるお義兄様にお礼を言ってわたくしはテーブル席につく。お義兄様とヴィルヘルム殿下と王女殿下とダヴィド殿下もご一緒だ。
「あの小さかったアデライド嬢が来年には社交界デビューだなんて信じられないな」
「わたくし、立派に国王陛下にご挨拶をしてみせます」
社交界デビューは王宮に呼ばれて、国王陛下と王妃殿下の前で男性は膝を突いて挨拶をし、女性はカーテシーで挨拶をする。それが貴族のデビュタントになる。
そこまでの一年もわたくしは楽しみしかなかった。
「お義兄様、幸せですか?」
隣りに座るお義兄様を見上げてわたくしが問いかけると、お義兄様はにっこりと微笑んで答えてくれる。
「とても幸せだよ。親友で従兄弟のヴィルヘルム殿下に祝ってもらえて、ダヴィド殿下も王女殿下も祝ってくださって、隣りには可愛いアデライドがいる」
お義兄様は順調に幸せになっているようだ。
お義兄様はわたくしが幸せにします!
そう決意したことが実行に移されている。
「もっともっと幸せになりましょうね」
「アデライドが幸せにしてくれるの?」
「もちろんです! わたくしがお義兄様を幸せにします!」
これからの人生は何が起きるか全く予想が付かない。
けれどお義兄様と一緒に過ごして、お義兄様と一緒に乗り越えていけばきっと幸せになれる。
「それなら、アデライドのことはわたしが幸せにしないと」
微笑んで呟いてくれたお義兄様の手を、わたくしはテーブルの下でぎゅっと握った。
学園の卒業式パーティーでお義兄様はクラリス嬢をダンスに誘うのではなく、わたくしをダンスに誘った。身長差があるのでぎこちなくなってしまいそうだったが、お義兄様のリードはとても上手でわたくしは楽しく踊れてしまう。
「アデライド、今日でわたしは学園を卒業するけれども、アデライドは残りの五年間、しっかりと学ぶのだよ」
「はい、お義兄様」
学んで卒業した暁にはわたくしはお義兄様の花嫁となる。
卒業式のパーティーで不穏なことは何も起こらなかった。
「アデライド嬢と一回くらいぼくも踊らせてほしいな」
「ヴィルヘルム殿下は王女殿下がおられるでしょう」
「王女殿下のことは愛しているけれど、アデライド嬢のことは妹のように可愛いんだ。マックス、独り占めしないで」
ヴィルヘルム殿下にお願いされてお義兄様はわたくしをヴィルヘルム殿下に預ける。
「その間、マクシミリアン殿はわたくしと踊ってください」
隣国の王女殿下はお義兄様に手を差し伸べている。
ヴィルヘルム殿下にリードされながら踊ると、ヴィルヘルム殿下もとてもお上手でわたくしは楽に踊ることができた。
「在学中はずっとマックスが首席で負けていたから、一回くらい勝ちたかったな」
「ヴィルヘルム殿下はずっと二位だったのでしょう? お義兄様が抜かされないように頑張っていましたよ」
「そういう努力も見せないで軽く首席を取っているように見えるから、マックスはずるい」
踊っている間、ヴィルヘルム殿下と話をしていると、踊り終わるとダヴィド殿下がわたくしを待っていた。
「次はわたしの番ですね」
「いつになったらアデライドはわたしの元に戻ってくるのですか」
「嫉妬深い婚約者は嫌われますよ」
続いてダヴィド殿下とも踊る。ダヴィド殿下は今婚約者を選定しているところだというが、まだまだ婚約をしなくてもいいと思っていそうなところがあった。
卒業式のパーティーは何事もなく終わった。
お義兄様が学園を卒業して、わたくしは学園の二年生になった。
わたくしの前回の人生では、お義兄様とわたくしのお誕生日のお茶会前に、お義兄様は暗殺されてしまっていた。
元アルシェ公爵夫人はもういないのだが、まだ安心はできない。他の方面からお義兄様を狙って来るものがいないとは限らない。
警戒はしていたが、何の問題もなくわたくしとお義兄様の誕生日のお茶会まで生き延びることができた。
お義兄様は十九歳、わたくしは十四歳になる。
これでわたくしは前の人生よりも長く生きたことになるし、お義兄様は生き延びられたことになる。
お義兄様が緑色のスーツで、わたくしが緑色のドレスで合わせてお誕生日のお茶会の席に出ると、ヴィルヘルム殿下が王女殿下を連れてやってきていた。ダヴィド殿下もいらっしゃっている。
「マックス、お誕生日おめでとう。秋のぼくの誕生日には王女殿下と結婚式があるから、出席してくれるよね」
「喜んで出席させていただきます。今日はありがとうございます」
「アデライド嬢もおめでとう」
「ありがとうございます」
お義兄様はもう暗殺されることはない。
安堵感にわたくしは前回の人生を思い出す。
パーティーに出席して帰ってきたら酷い吐血と下血をして、その後に死んでしまったお義兄様。
あれは元アルシェ公爵夫人に雇われたものが毒を飲ませたに違いなかった。
わたくしも前回の人生のことがなくて、警戒していなかったらクラリス嬢とセドリック殿の結婚式で出された葡萄ジュースを飲んでしまって、お義兄様と同じように死んでいたのではないだろうか。
今回の人生でわたくしが狙われたのは、前回の人生ではお義兄様がクラリス嬢を社交界から追放したのだが、今回の人生ではそれがなく、わたくしがオーギュストを断罪するきっかけとなる証言をしたからに違いなかった。
真実をもう元アルシェ公爵夫人に聞くことはできないが、元アルシェ公爵夫人もいなくなり、わたくしたちはこうして平和に誕生日を迎えることができた。
お義兄様はもう暗殺されることはないだろう。
「お義兄様、お茶をしませんか?」
「一緒にケーキや軽食を取りに行こうか、アデライド」
お義兄様を誘うとお義兄様は笑顔で応じてくれる。
前回の人生ではお義兄様はわたくしや家族にしか分からないような顔面がちょっと怖くて、表情筋が不自由だったのだが、今回の人生ではわたくしに向けては優しく微笑むようになっているような気がする。
「マックス、アデライド嬢、ぼくも一緒にお茶をしていいかな?」
「わたくしもよろしいですか?」
「わたしも!」
ヴィルヘルム殿下と王女殿下とダヴィド殿下が声を掛けてきてくださって、わたくしもお義兄様もそのお誘いに喜んで応じる。
「ぜひご一緒しましょう」
「ヴィルヘルム殿下がお気に入りだった桃のタルト、今年も用意しているのですよ」
「それは楽しみだな」
ヴィルヘルム殿下と王女殿下とダヴィド殿下と一緒に楽しむお茶。
わたくしは幸せに満ちていた。
もう前回の人生のことを思い出すこともないだろう。
お義兄様が暗殺されて怒りの中で、アルシェ公爵家を滅ぼすのだと誓っていたときに階段から転げ落ちて、五歳に戻っていた今回の人生。
どんな不思議な力が働いたのか分からないが、わたくしはもう一度人生をやり直すことができて、お義兄様を暗殺の魔の手から救い出すことができた。
お義兄様は無事にクラリス嬢との婚約を白紙に戻し、わたくしと婚約をした。
それだけではなく、元アルシェ公爵夫人の教育が失敗していてオーギュストも変態の幼女趣味に育っていることが発覚して、貴族の令嬢や平民の幼女に手を出して金で口止めをしていることが分かって、それも断罪してオーギュストを退かせた。
元アルシェ公爵夫人には暗殺されるくらい恨まれないように、クラリス嬢に温情をかけてもらえるようにお願いして、婚約が白紙に戻ったクラリス嬢は二十歳年上の優秀な文官、セドリック殿を婿に向かえてアルシェ公爵家を二人で継いでいくことが決まった。
元アルシェ公爵夫人には恨まれないように気を付けていたつもりだったが、オーギュストのことで恨まれていたようで、わたくしは毒入りの葡萄ジュースを飲まされそうになった。それも警戒していたので回避することができて、元アルシェ公爵夫人は毒を飲まされたのか、自分で飲んだのか分からないが、とにかく、自害をして果てたという報告も聞いた。
今回の人生のわたくしは相当頑張ったのではないだろうか。
五歳で始まってしまったのでなかなかできることが少なくて大変だったが、無事にやり遂げた思いでわたくしは胸がいっぱいだった。
「アデライド、この桃のタルトはアデライドも好きだったよね」
「ありがとうございます、お義兄様」
桃のタルトを取り分けてくれるお義兄様にお礼を言ってわたくしはテーブル席につく。お義兄様とヴィルヘルム殿下と王女殿下とダヴィド殿下もご一緒だ。
「あの小さかったアデライド嬢が来年には社交界デビューだなんて信じられないな」
「わたくし、立派に国王陛下にご挨拶をしてみせます」
社交界デビューは王宮に呼ばれて、国王陛下と王妃殿下の前で男性は膝を突いて挨拶をし、女性はカーテシーで挨拶をする。それが貴族のデビュタントになる。
そこまでの一年もわたくしは楽しみしかなかった。
「お義兄様、幸せですか?」
隣りに座るお義兄様を見上げてわたくしが問いかけると、お義兄様はにっこりと微笑んで答えてくれる。
「とても幸せだよ。親友で従兄弟のヴィルヘルム殿下に祝ってもらえて、ダヴィド殿下も王女殿下も祝ってくださって、隣りには可愛いアデライドがいる」
お義兄様は順調に幸せになっているようだ。
お義兄様はわたくしが幸せにします!
そう決意したことが実行に移されている。
「もっともっと幸せになりましょうね」
「アデライドが幸せにしてくれるの?」
「もちろんです! わたくしがお義兄様を幸せにします!」
これからの人生は何が起きるか全く予想が付かない。
けれどお義兄様と一緒に過ごして、お義兄様と一緒に乗り越えていけばきっと幸せになれる。
「それなら、アデライドのことはわたしが幸せにしないと」
微笑んで呟いてくれたお義兄様の手を、わたくしはテーブルの下でぎゅっと握った。
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