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本編
25.オーギュストに下された沙汰
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裁判官たちが話し合っているのはオーギュスト様に下される判決だろう。
クラリス嬢の婚約の件は国王陛下が沙汰を下すはずだ。
結論が出るまでの間わたくしたちは待っていた。
静かに待っているバルテルミー家と対称的にアルシェ家は動揺に包まれていた。
「どうしてわたくしの手紙をジャン様はヴィルヘルム殿下やマクシミリアン様に渡したのかしら。二人だけの秘密だと言っていたのに」
「クラリス、お前は本当に平民の特待生にそんなことをしたのか?」
「お父様には分からないわ。あの方はわたくしをこの窮屈な貴族社会から自由にしてくれる運命の相手だったのよ!」
「運命の相手などと勝手なことを言って。そのせいでアルシェ家はバルテルミー家から見限られているのだぞ!」
クラリス嬢とアルシェ公爵が言い争う中、アルシェ公爵夫人はクラリス嬢に猫なで声で話しかける。
「全部平民の仕掛けたことなのでしょう? クラリスがそのような下賤な相手に懸想するはずがありません。クラリスははめられたのです」
「わたくしはジャン様に騙されていたの!?」
「そうですよ、クラリス。今ここで目を覚まして、マクシミリアン殿に婚約の白紙などなくしてくれるように言うのです」
勝手なことを言っているが、お義兄様はクラリス嬢がお茶会で他の令嬢に無礼なことをした時点から……いや、もっと前からクラリス嬢を婚約者とは認めていなかった。家同士の約束があり、国王陛下が結んだ縁であるから我慢していただけなのだ。
「オーギュストの件に関しては、お前は解決したと言ったじゃないか」
「口止め料をもらっておきながら被害届を出した恥知らずがいたのでしょう」
「オーギュストの教育も、クラリスの教育も、お前は何をしていたんだ!」
「わたくしのせいになさいますが、あなたこそ、統治も疎かにして何をやっていたのですの?」
「わたしが統治を疎かにしたことはない!」
アルシェ公爵夫妻の間にも溝ができつつある。
醜い言い争いを聞きながらわたくしはお義兄様の顔を見た。お義兄様はわたくしと目が合うと、翡翠色の目を細めてにっこりと微笑んでくれる。
「大丈夫だよ、アデリー」
小さく囁いてくれるお義兄様に安堵していると、オーギュスト様が国王陛下に手を上げて述べる。
「アデライド嬢の証言に納得がいっていません。もう一度、わたしの目の前でアデライド嬢に証言をさせてください」
オーギュスト様の目の前に出る。
それを考えると背筋が寒くなる気がする。
オーギュスト様が五歳のわたくしの足に触れてきて、こんな小さな体で成人した男性に乱暴をされたらわたくしは死んでしまうのではないかと恐怖を抱いたのが思い出されて、喉の奥がひゅっと鳴る。
「アデライド嬢の口からもう一度真実を語ってほしいのです」
しつこく言い募るオーギュスト様に、お義兄様がオーギュスト様を睨み付ける。
「そうやって、これまでの令嬢も脅して証言ができないようにしてきたのですか? この小さな体であなたの前に立って証言することがどれほど恐ろしいか、想像力もないのですね」
「わたしは何もしていません。廊下で迷子になっている令嬢を助けたことはあったかもしれませんが、それ以上のことはするわけがない。アデライド嬢も何か勘違いをしているのではないですか。五歳だったアデライド嬢に、わたしが何かするわけがないではないですか」
「通常の思考では五歳の子どもに何かしようという考えは浮かばないでしょう。ですが、あなたは別のようですね。随分と小さな子がお好きなようで」
「親切にするのは大人として当然のことでしょう?」
「親切以上のことをしたから問題になっているのではないですか」
どこまでもわたくしを庇ってくださるお義兄様の握る手に力がこもって、わたくしは落ち着いてくる。お義兄様がいればわたくしは大丈夫だ。
「オーギュスト、静粛にせよ」
「オーギュスト殿、あなたがしたことは何件もの被害届が出ているし、アデライド嬢の証言もある。それに平民の年端も行かない少女を金で買うようにして乱暴を働いていたという証言も出てきているのですよ」
「平民の証言など意味がありますか? どうせ金が欲しくて脅してきているだけでしょう」
自分の罪は棚上げにして、平民が金欲しさに証言しているというオーギュスト様に吐き気がしてくる。いや、もう「様」など付けていられない。オーギュストで十分だ。
国王陛下に続いて発言したヴィルヘルム殿下は眉間にしわを寄せて嫌悪感を露わにしている。
それに対して口を開いたのはクラリス嬢だった。
「お兄様、真実の愛は金銭で売り買いをするものではありません。ましてや相手を脅して良いようにするだなんて!」
「何を言う、クラリス!」
「お兄様は間違っています!」
凛と響いた声にオーギュストが愕然としているのが分かる。
味方だと思っていた妹に断罪されるなど思わなかったのだろう。
「わたしを裏切るのか、クラリス!」
「わたくしはお兄様に真実の愛に誠実になって欲しいだけなのです!」
言い争う兄妹に、ヴィルヘルム殿下が冷ややかに言う。
「クラリス嬢、先ほど相手を脅すのは真実の愛とは違うと言ったでしょう? あなたにその気はなくとも、権力をもつということは、持たざる人を脅かすことになるのです」
ヴィルヘルム殿下の言葉にクラリス嬢は青ざめて口を閉じ、オーギュストも黙った。
裁判官の話し合いが終わったようだった。
裁判官の一人が国王陛下に結果を書いた書類を手渡す。それを見て国王陛下は重々しく頷いた。
「オーギュスト・アルシェ、お前はアルシェ家の後継者の座を降ろし、断種の上、生涯修道院で過ごすように」
「なんてことを!? アルシェ家の後継者がいなくなってしまうではないですか!」
「アルシェ公爵夫人、さっきから聞いていると、お前はいらぬ口を利きすぎるようだな。アルシェ公爵は何をしておるのだ」
「こ、国王陛下、お許しください」
「オーギュストをこのようにしたのはお前たちの責任でもある。アルシェ公爵と公爵夫人は公爵位を退き、公爵家から出て行くように。二度とアルシェ公爵の名を名乗り、社交の場に出てはならぬ」
「そ、そんな……」
「なぜわたくしたちまで!?」
椅子から立ち上がって国王陛下の元へ行こうとするアルシェ公爵夫人を警備兵が押さえ付けて床に伏せさせる。
その状態でアルシェ公爵夫人は国王陛下に必死に取り縋ろうともがいている。
「わたくしたちは何も悪くないのです。全てはあのバルテルミー家の養子が悪いのです。養子のくせに身の程を弁えず、オーギュストを誘惑して!」
「五歳の子どもが二十歳の大人を誘惑するはずがないだろう。そんなことも分からぬのか! 不愉快だ。アルシェ公爵夫人、いや、もう公爵夫人ではないな、そこのご婦人は発言を禁じる!」
国王陛下の言葉に、アルシェ公爵夫人が警備兵に押さえ付けられる。喚いてもどうしようもないと理解したのか、アルシェ公爵夫人はがくりと肩を落とし脱力していた。
「アルシェ公爵令嬢、クラリス・アルシェ」
「は、はい」
「お前はバルテルミー公爵家のマクシミリアンという婚約者がいながら平民の特待生に懸想して迫った。それ以前にも王宮のお茶会で貴族の令嬢に失礼な振る舞いをした。その件に関してどう思っているのだ?」
「わ、わたくしは……わたくしは、運命に出会ったと思ったのです。わたくしは恋をしたのです。マクシミリアン様は尊敬はできる方でしたが、わたくしは真実の愛がほしかったのです」
震えながら答えるクラリス嬢にわたくしは呆れてしまう。
この期に及んで運命だとか、真実の愛だとか、まだ甘いことを口にしている。
「アルシェ公爵夫人が生まれたばかりのクラリスとマクシミリアンの婚約の話を持ってきたとき、バルテルミー家とアルシェ家の繋がりができるのならば悪くはないと思ってしまったわたしがいけなかった。アルシェ公爵夫人は二十一歳のときにまだ十二歳だったテオドールに懸想するような女性だった。結婚して奇行も落ち着いたかと思ったが、全くそんなことはなかったようだ」
「お母様がバルテルミー公爵に懸想……!?」
「お前と同じことを言っていた。『運命の相手に出会ったのだ』と」
そうだったのか。
クラリス嬢の考えは完全にアルシェ公爵夫人から引き継がれたものだったのか。
それはつまり、アルシェ公爵夫人と離れればどうにかなるのではないか。
「わたしが間違っていた。マクシミリアン・バルテルミーとクラリス・アルシェの婚約は白紙に戻そう」
国王陛下がそう告げた瞬間、わたくしは心の中でガッツポーズをしていた。
クラリス嬢の婚約の件は国王陛下が沙汰を下すはずだ。
結論が出るまでの間わたくしたちは待っていた。
静かに待っているバルテルミー家と対称的にアルシェ家は動揺に包まれていた。
「どうしてわたくしの手紙をジャン様はヴィルヘルム殿下やマクシミリアン様に渡したのかしら。二人だけの秘密だと言っていたのに」
「クラリス、お前は本当に平民の特待生にそんなことをしたのか?」
「お父様には分からないわ。あの方はわたくしをこの窮屈な貴族社会から自由にしてくれる運命の相手だったのよ!」
「運命の相手などと勝手なことを言って。そのせいでアルシェ家はバルテルミー家から見限られているのだぞ!」
クラリス嬢とアルシェ公爵が言い争う中、アルシェ公爵夫人はクラリス嬢に猫なで声で話しかける。
「全部平民の仕掛けたことなのでしょう? クラリスがそのような下賤な相手に懸想するはずがありません。クラリスははめられたのです」
「わたくしはジャン様に騙されていたの!?」
「そうですよ、クラリス。今ここで目を覚まして、マクシミリアン殿に婚約の白紙などなくしてくれるように言うのです」
勝手なことを言っているが、お義兄様はクラリス嬢がお茶会で他の令嬢に無礼なことをした時点から……いや、もっと前からクラリス嬢を婚約者とは認めていなかった。家同士の約束があり、国王陛下が結んだ縁であるから我慢していただけなのだ。
「オーギュストの件に関しては、お前は解決したと言ったじゃないか」
「口止め料をもらっておきながら被害届を出した恥知らずがいたのでしょう」
「オーギュストの教育も、クラリスの教育も、お前は何をしていたんだ!」
「わたくしのせいになさいますが、あなたこそ、統治も疎かにして何をやっていたのですの?」
「わたしが統治を疎かにしたことはない!」
アルシェ公爵夫妻の間にも溝ができつつある。
醜い言い争いを聞きながらわたくしはお義兄様の顔を見た。お義兄様はわたくしと目が合うと、翡翠色の目を細めてにっこりと微笑んでくれる。
「大丈夫だよ、アデリー」
小さく囁いてくれるお義兄様に安堵していると、オーギュスト様が国王陛下に手を上げて述べる。
「アデライド嬢の証言に納得がいっていません。もう一度、わたしの目の前でアデライド嬢に証言をさせてください」
オーギュスト様の目の前に出る。
それを考えると背筋が寒くなる気がする。
オーギュスト様が五歳のわたくしの足に触れてきて、こんな小さな体で成人した男性に乱暴をされたらわたくしは死んでしまうのではないかと恐怖を抱いたのが思い出されて、喉の奥がひゅっと鳴る。
「アデライド嬢の口からもう一度真実を語ってほしいのです」
しつこく言い募るオーギュスト様に、お義兄様がオーギュスト様を睨み付ける。
「そうやって、これまでの令嬢も脅して証言ができないようにしてきたのですか? この小さな体であなたの前に立って証言することがどれほど恐ろしいか、想像力もないのですね」
「わたしは何もしていません。廊下で迷子になっている令嬢を助けたことはあったかもしれませんが、それ以上のことはするわけがない。アデライド嬢も何か勘違いをしているのではないですか。五歳だったアデライド嬢に、わたしが何かするわけがないではないですか」
「通常の思考では五歳の子どもに何かしようという考えは浮かばないでしょう。ですが、あなたは別のようですね。随分と小さな子がお好きなようで」
「親切にするのは大人として当然のことでしょう?」
「親切以上のことをしたから問題になっているのではないですか」
どこまでもわたくしを庇ってくださるお義兄様の握る手に力がこもって、わたくしは落ち着いてくる。お義兄様がいればわたくしは大丈夫だ。
「オーギュスト、静粛にせよ」
「オーギュスト殿、あなたがしたことは何件もの被害届が出ているし、アデライド嬢の証言もある。それに平民の年端も行かない少女を金で買うようにして乱暴を働いていたという証言も出てきているのですよ」
「平民の証言など意味がありますか? どうせ金が欲しくて脅してきているだけでしょう」
自分の罪は棚上げにして、平民が金欲しさに証言しているというオーギュスト様に吐き気がしてくる。いや、もう「様」など付けていられない。オーギュストで十分だ。
国王陛下に続いて発言したヴィルヘルム殿下は眉間にしわを寄せて嫌悪感を露わにしている。
それに対して口を開いたのはクラリス嬢だった。
「お兄様、真実の愛は金銭で売り買いをするものではありません。ましてや相手を脅して良いようにするだなんて!」
「何を言う、クラリス!」
「お兄様は間違っています!」
凛と響いた声にオーギュストが愕然としているのが分かる。
味方だと思っていた妹に断罪されるなど思わなかったのだろう。
「わたしを裏切るのか、クラリス!」
「わたくしはお兄様に真実の愛に誠実になって欲しいだけなのです!」
言い争う兄妹に、ヴィルヘルム殿下が冷ややかに言う。
「クラリス嬢、先ほど相手を脅すのは真実の愛とは違うと言ったでしょう? あなたにその気はなくとも、権力をもつということは、持たざる人を脅かすことになるのです」
ヴィルヘルム殿下の言葉にクラリス嬢は青ざめて口を閉じ、オーギュストも黙った。
裁判官の話し合いが終わったようだった。
裁判官の一人が国王陛下に結果を書いた書類を手渡す。それを見て国王陛下は重々しく頷いた。
「オーギュスト・アルシェ、お前はアルシェ家の後継者の座を降ろし、断種の上、生涯修道院で過ごすように」
「なんてことを!? アルシェ家の後継者がいなくなってしまうではないですか!」
「アルシェ公爵夫人、さっきから聞いていると、お前はいらぬ口を利きすぎるようだな。アルシェ公爵は何をしておるのだ」
「こ、国王陛下、お許しください」
「オーギュストをこのようにしたのはお前たちの責任でもある。アルシェ公爵と公爵夫人は公爵位を退き、公爵家から出て行くように。二度とアルシェ公爵の名を名乗り、社交の場に出てはならぬ」
「そ、そんな……」
「なぜわたくしたちまで!?」
椅子から立ち上がって国王陛下の元へ行こうとするアルシェ公爵夫人を警備兵が押さえ付けて床に伏せさせる。
その状態でアルシェ公爵夫人は国王陛下に必死に取り縋ろうともがいている。
「わたくしたちは何も悪くないのです。全てはあのバルテルミー家の養子が悪いのです。養子のくせに身の程を弁えず、オーギュストを誘惑して!」
「五歳の子どもが二十歳の大人を誘惑するはずがないだろう。そんなことも分からぬのか! 不愉快だ。アルシェ公爵夫人、いや、もう公爵夫人ではないな、そこのご婦人は発言を禁じる!」
国王陛下の言葉に、アルシェ公爵夫人が警備兵に押さえ付けられる。喚いてもどうしようもないと理解したのか、アルシェ公爵夫人はがくりと肩を落とし脱力していた。
「アルシェ公爵令嬢、クラリス・アルシェ」
「は、はい」
「お前はバルテルミー公爵家のマクシミリアンという婚約者がいながら平民の特待生に懸想して迫った。それ以前にも王宮のお茶会で貴族の令嬢に失礼な振る舞いをした。その件に関してどう思っているのだ?」
「わ、わたくしは……わたくしは、運命に出会ったと思ったのです。わたくしは恋をしたのです。マクシミリアン様は尊敬はできる方でしたが、わたくしは真実の愛がほしかったのです」
震えながら答えるクラリス嬢にわたくしは呆れてしまう。
この期に及んで運命だとか、真実の愛だとか、まだ甘いことを口にしている。
「アルシェ公爵夫人が生まれたばかりのクラリスとマクシミリアンの婚約の話を持ってきたとき、バルテルミー家とアルシェ家の繋がりができるのならば悪くはないと思ってしまったわたしがいけなかった。アルシェ公爵夫人は二十一歳のときにまだ十二歳だったテオドールに懸想するような女性だった。結婚して奇行も落ち着いたかと思ったが、全くそんなことはなかったようだ」
「お母様がバルテルミー公爵に懸想……!?」
「お前と同じことを言っていた。『運命の相手に出会ったのだ』と」
そうだったのか。
クラリス嬢の考えは完全にアルシェ公爵夫人から引き継がれたものだったのか。
それはつまり、アルシェ公爵夫人と離れればどうにかなるのではないか。
「わたしが間違っていた。マクシミリアン・バルテルミーとクラリス・アルシェの婚約は白紙に戻そう」
国王陛下がそう告げた瞬間、わたくしは心の中でガッツポーズをしていた。
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