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第三章 結婚に向けて
6.カナエの誕生日
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好き嫌い克服の件以来、カナエはエドヴァルドにすっかりと懐いてしまった。セイリュウ領の次期領主として、サナとレンの娘として、盛大に開かれた4歳の誕生日にも、エドヴァルドとイサギは招かれていた。
「4歳の女の子のお誕生日お祝いやなんて、何がええんやろ」
「アクセサリー類はレンさんが全部作ってそうですからね」
三月は学年末で、魔術学校で進級試験に合格していない生徒はテスト期間、合格している生徒は課題をもらって早めの春休みに入っていた。二月から薬草畑の開墾や植え替えに忙しくなっていたので、早く休みがもらえるのは、イサギにとっては助かることだった。
他にもレンとサナが結婚してから薬草畑が街の外れに作られたので、そちらの手伝いで稼いでいる生徒もいる。農業に携わる領民の子どもは、学業の合間でも手伝いに駆り出されるので、年末と学年末の二回の進級試験は、そういう忙しい時期に働けるようにという配慮でもあるのだろう。
鈴パセリの種は、植えるときから小さくちりちりと音を立てる。大きくなると、風に揺れるたびに音が鳴るので、カナエも喜ぶだろうとイサギとエドヴァルドは今年は薬草畑の一角に鈴パセリも飢えていた。
南瓜頭犬やスイカ猫、各種マンドラゴラの種も、忘れずに植えていく。
「私たちらしいもので、4歳の女の子が喜びそうなこと……」
「エドさん、お料理が上手やないか。なんや、お洒落で可愛いお菓子でも作ったらどないやろ?」
「お洒落で可愛い、ですか?」
「具体的には、何も浮かばんのやけど」
仕事を終えて、晩御飯も食べ終わって、お風呂に入ってから、リビングでイサギとエドヴァルドは二人並んでお菓子のレシピを覗き込んでいた。足元にはスイカ猫のタマと南瓜頭犬のポチが寛ぎ、ススキフウチョウのぴーちゃんは今日も元気に踊りまくっている。
「イサギー! エドさーん! たーだーいーまー!」
「お帰りなさい、ツムギさん、早かったですね」
「ようやく休みになったよー! お家が恋しかったよー!」
年始から女王主催の式典に呼ばれていたツムギの劇団は、それで有名になってしまって、冬場で雪に閉ざされて楽しみのないというテンロウ領で演劇をしてくれるようにと依頼を受けた。一か月の稽古と、二か月の公演の間、ツムギはほとんどセイリュウ領にも帰って来られないような状態だった。
「王都だったら、ダリア様がいらっしゃるんだけどねー」
「ツムギ、お前、ダリア女王はんのこと、名前で呼ぶようになったんやな」
「あ、いけない! 二人きりのときだけだった!」
凛々しい少年のような、イサギよりも男前と言われるツムギの顔がぱっと赤くなって、エドヴァルドとイサギは身を乗り出す。
「もしかして、女王はんと……」
「ま、まだ、そんなんじゃない……ダリア女王様は、偉い方で、身分違いで」
私は女で、ダリア女王様も女性だから。
ぽつりと落とされたツムギの言葉に、イサギは覚えのある感情を抱いた。
自分と妹のツムギを助けてくれたエドヴァルドに惚れて、結婚して欲しいと願ったイサギに、サナは「男同士で結婚なんて不毛や」と切り捨てた。丁寧にエドヴァルドがお断りをしてくれたのは、「男同士だから子どもが望めないことで、イサギが責められへんようにする優しさや」と説明されても、イサギはとても納得できなかった。
「俺とエドさんも身分違いで、男同士や。でも、俺はエドさんが好きやし、エドさんも俺のことが……」
「えぇ、大好きですよ。ダリア女王も、ツムギさんのことをお嫌いだったら秋祭りに来ていませんし、同性での結婚に障害がなくなるようにしようと努力なさっているのも、ご自分がそうなりたいと望んでいるからかもしれません」
「ダリア様は……女王なのよ。エドさんよりも、更に跡継ぎが望まれる方だわ」
子どもが産まれない。
そんなことは異性同士の夫婦でも十分あり得ることなのに、同性になると最初から可能性がないからと結婚を否定される。
リュリュの呪いを解いた褒美としてでも、エドヴァルドとの結婚がローズの後ろ盾を得て許可されたイサギは、本当に幸運だったとしか言いようがない。
「俺は応援するで」
「ありがと、イサギ」
「私も応援します。ツムギさんが、自分の幸せを掴めますように」
「エドさん……」
ところで、と話を変えて、三人はレシピ本を見て、カナエに作る誕生日お祝いのお菓子を考えた。
カナエの誕生日にイサギとエドヴァルドはお揃いのスーツを着て、ツムギはシャツにリボンタイにボレロとスラックスという出で立ちで参加した。お誕生日の当人がまだ4歳なので、ディナーではなく、ランチで行われたお誕生会の食事の席で、レタスがみじん切りにされて、トマトが湯剥きされて、ブロッコリーは小さく裂かれ、アスパラガスは薄切りにされたサラダを前に、カナエはエドヴァルドとイサギに向かって大きく頷いて見せた。
お箸はまだ上手に使えないので、スプーンで掬って口に運んで、もしゅもしゅと咀嚼して飲み込む。
「サラダなんて、てきではないのです!」
「ほんまにカナエちゃん、立派や!」
「スープのパセリなんて、ごっくんなのです!」
「さすが4歳やね。偉すぎる」
サナとレンに絶賛されて食事をするカナエは、とても誇らしげだった。
嫌いなものを食べられないカナエよりも、嫌いなものを食べられるカナエの方がかっこいい。
その宣言通りの行動に、イサギもエドヴァルドもツムギも自然と拍手をしていた。
食事が終わって、ケーキが運ばれて来るのに合わせて、イサギとエドヴァルドとツムギはカナエに誕生日プレゼントを渡しに行った。箱の中に綺麗に並べられた色とりどりの小さな一口マカロンに、カナエが目を輝かせる。
「きれいでかわいいのです。これは、おへやにかざるのですか?」
「お菓子なんやで。甘くてほろっとして、中にジャムやクリームが入ってて、美味しいで」
「イサギさんとツムギさんと作ったんですよ」
「てづくりですか!? うれしいです! だいじにたべます」
「4歳のお誕生日おめでとう」
マカロンが入った箱の蓋を閉めて、しっかりと胸に抱いたカナエ。レンとサナにも別に、少し大きめの数が少ないものを渡す。
「うちにもええの?」
「俺の分もあるとね」
「子どもが成長するっていうのは、親が頑張っとるからやって、エドさんが言うてたんや」
「レンさんもサナさんも素敵なお父さん、お母さんですよね」
「サナちゃんとレンさんにも、おめでとう」
マカロンを受け取った夫婦は嬉しそうで、サナは着物の帯の下でお腹がかなり目立つようになっていた。魔術に関しては『魔王』と呼ばれるほどだが、サナ自身は華奢で小柄な女性だ。赤ん坊が順調に育てば、お腹も張って来る。
「赤さんかぁ……」
「サナさんに似てますかね、レンさんに似てますかね」
エドヴァルドと話していると、厨房の使用人にエドヴァルドが呼ばれて、席を外した。ツムギはサインを求めるファンに囲まれている。
通い慣れたサナの御屋敷で、エドヴァルドもツムギも一緒だったので、イサギは全く警戒などしていなかった。
ぽつりと零れた言葉が、耳に入るまでは。
「男同士で結婚なんて気持ち悪い」
振り返って、その声の主を探すのが、イサギは怖くてできない。立ち尽くしていると、複数の声が混じる。
「子どももできないのに、結婚する意味があるのか」
「テンロウ領の領主様のご長男だろう、有望な方なのに」
「妹も男装して芝居をしているらしい。ダリア女王様と噂が……」
──これだから、あの魔女の子どもは。
使用人だろうか、それとも護衛の魔法騎士だろうか。
出席している貴族の客かもしれない。
混乱しすぎて声の主が男か女かも分からないままで震えていると、戻って来たエドヴァルドに顔を覗き込まれた。
「イサギさん、真っ青ですよ? 気分が悪いんですか?」
「か、かえりたい……」
家に帰りたい。
この場から逃げ出したいと半泣きになったイサギに、エドヴァルドはことを重く見て、サナとレンとカナエに挨拶をして、イサギを連れて帰ってくれた。ツムギは残って、先に帰った二人の代わりに最後までお祝いをしてきてくれる。
家に戻ると、安心して玄関で座り込んでしまったイサギを、エドヴァルドが抱き上げてリビングのソファに連れて行ってくれる。
「どうしたんですか?」
「なんで、知ってたんやろ……」
前国王を誑かして国を荒らした魔女が、イサギとツムギの母親だということを知っているのは、ダリアとローズとリュリュとサナとレンとエドヴァルドとクリスティアンとツムギ程度の一握りの人間で、それより外に漏れないように、ダリアとローズは緘口令をしいていた。
それがどうして発覚してしまったのか。
涙が零れて、イサギは両手で顔を覆った。
「4歳の女の子のお誕生日お祝いやなんて、何がええんやろ」
「アクセサリー類はレンさんが全部作ってそうですからね」
三月は学年末で、魔術学校で進級試験に合格していない生徒はテスト期間、合格している生徒は課題をもらって早めの春休みに入っていた。二月から薬草畑の開墾や植え替えに忙しくなっていたので、早く休みがもらえるのは、イサギにとっては助かることだった。
他にもレンとサナが結婚してから薬草畑が街の外れに作られたので、そちらの手伝いで稼いでいる生徒もいる。農業に携わる領民の子どもは、学業の合間でも手伝いに駆り出されるので、年末と学年末の二回の進級試験は、そういう忙しい時期に働けるようにという配慮でもあるのだろう。
鈴パセリの種は、植えるときから小さくちりちりと音を立てる。大きくなると、風に揺れるたびに音が鳴るので、カナエも喜ぶだろうとイサギとエドヴァルドは今年は薬草畑の一角に鈴パセリも飢えていた。
南瓜頭犬やスイカ猫、各種マンドラゴラの種も、忘れずに植えていく。
「私たちらしいもので、4歳の女の子が喜びそうなこと……」
「エドさん、お料理が上手やないか。なんや、お洒落で可愛いお菓子でも作ったらどないやろ?」
「お洒落で可愛い、ですか?」
「具体的には、何も浮かばんのやけど」
仕事を終えて、晩御飯も食べ終わって、お風呂に入ってから、リビングでイサギとエドヴァルドは二人並んでお菓子のレシピを覗き込んでいた。足元にはスイカ猫のタマと南瓜頭犬のポチが寛ぎ、ススキフウチョウのぴーちゃんは今日も元気に踊りまくっている。
「イサギー! エドさーん! たーだーいーまー!」
「お帰りなさい、ツムギさん、早かったですね」
「ようやく休みになったよー! お家が恋しかったよー!」
年始から女王主催の式典に呼ばれていたツムギの劇団は、それで有名になってしまって、冬場で雪に閉ざされて楽しみのないというテンロウ領で演劇をしてくれるようにと依頼を受けた。一か月の稽古と、二か月の公演の間、ツムギはほとんどセイリュウ領にも帰って来られないような状態だった。
「王都だったら、ダリア様がいらっしゃるんだけどねー」
「ツムギ、お前、ダリア女王はんのこと、名前で呼ぶようになったんやな」
「あ、いけない! 二人きりのときだけだった!」
凛々しい少年のような、イサギよりも男前と言われるツムギの顔がぱっと赤くなって、エドヴァルドとイサギは身を乗り出す。
「もしかして、女王はんと……」
「ま、まだ、そんなんじゃない……ダリア女王様は、偉い方で、身分違いで」
私は女で、ダリア女王様も女性だから。
ぽつりと落とされたツムギの言葉に、イサギは覚えのある感情を抱いた。
自分と妹のツムギを助けてくれたエドヴァルドに惚れて、結婚して欲しいと願ったイサギに、サナは「男同士で結婚なんて不毛や」と切り捨てた。丁寧にエドヴァルドがお断りをしてくれたのは、「男同士だから子どもが望めないことで、イサギが責められへんようにする優しさや」と説明されても、イサギはとても納得できなかった。
「俺とエドさんも身分違いで、男同士や。でも、俺はエドさんが好きやし、エドさんも俺のことが……」
「えぇ、大好きですよ。ダリア女王も、ツムギさんのことをお嫌いだったら秋祭りに来ていませんし、同性での結婚に障害がなくなるようにしようと努力なさっているのも、ご自分がそうなりたいと望んでいるからかもしれません」
「ダリア様は……女王なのよ。エドさんよりも、更に跡継ぎが望まれる方だわ」
子どもが産まれない。
そんなことは異性同士の夫婦でも十分あり得ることなのに、同性になると最初から可能性がないからと結婚を否定される。
リュリュの呪いを解いた褒美としてでも、エドヴァルドとの結婚がローズの後ろ盾を得て許可されたイサギは、本当に幸運だったとしか言いようがない。
「俺は応援するで」
「ありがと、イサギ」
「私も応援します。ツムギさんが、自分の幸せを掴めますように」
「エドさん……」
ところで、と話を変えて、三人はレシピ本を見て、カナエに作る誕生日お祝いのお菓子を考えた。
カナエの誕生日にイサギとエドヴァルドはお揃いのスーツを着て、ツムギはシャツにリボンタイにボレロとスラックスという出で立ちで参加した。お誕生日の当人がまだ4歳なので、ディナーではなく、ランチで行われたお誕生会の食事の席で、レタスがみじん切りにされて、トマトが湯剥きされて、ブロッコリーは小さく裂かれ、アスパラガスは薄切りにされたサラダを前に、カナエはエドヴァルドとイサギに向かって大きく頷いて見せた。
お箸はまだ上手に使えないので、スプーンで掬って口に運んで、もしゅもしゅと咀嚼して飲み込む。
「サラダなんて、てきではないのです!」
「ほんまにカナエちゃん、立派や!」
「スープのパセリなんて、ごっくんなのです!」
「さすが4歳やね。偉すぎる」
サナとレンに絶賛されて食事をするカナエは、とても誇らしげだった。
嫌いなものを食べられないカナエよりも、嫌いなものを食べられるカナエの方がかっこいい。
その宣言通りの行動に、イサギもエドヴァルドもツムギも自然と拍手をしていた。
食事が終わって、ケーキが運ばれて来るのに合わせて、イサギとエドヴァルドとツムギはカナエに誕生日プレゼントを渡しに行った。箱の中に綺麗に並べられた色とりどりの小さな一口マカロンに、カナエが目を輝かせる。
「きれいでかわいいのです。これは、おへやにかざるのですか?」
「お菓子なんやで。甘くてほろっとして、中にジャムやクリームが入ってて、美味しいで」
「イサギさんとツムギさんと作ったんですよ」
「てづくりですか!? うれしいです! だいじにたべます」
「4歳のお誕生日おめでとう」
マカロンが入った箱の蓋を閉めて、しっかりと胸に抱いたカナエ。レンとサナにも別に、少し大きめの数が少ないものを渡す。
「うちにもええの?」
「俺の分もあるとね」
「子どもが成長するっていうのは、親が頑張っとるからやって、エドさんが言うてたんや」
「レンさんもサナさんも素敵なお父さん、お母さんですよね」
「サナちゃんとレンさんにも、おめでとう」
マカロンを受け取った夫婦は嬉しそうで、サナは着物の帯の下でお腹がかなり目立つようになっていた。魔術に関しては『魔王』と呼ばれるほどだが、サナ自身は華奢で小柄な女性だ。赤ん坊が順調に育てば、お腹も張って来る。
「赤さんかぁ……」
「サナさんに似てますかね、レンさんに似てますかね」
エドヴァルドと話していると、厨房の使用人にエドヴァルドが呼ばれて、席を外した。ツムギはサインを求めるファンに囲まれている。
通い慣れたサナの御屋敷で、エドヴァルドもツムギも一緒だったので、イサギは全く警戒などしていなかった。
ぽつりと零れた言葉が、耳に入るまでは。
「男同士で結婚なんて気持ち悪い」
振り返って、その声の主を探すのが、イサギは怖くてできない。立ち尽くしていると、複数の声が混じる。
「子どももできないのに、結婚する意味があるのか」
「テンロウ領の領主様のご長男だろう、有望な方なのに」
「妹も男装して芝居をしているらしい。ダリア女王様と噂が……」
──これだから、あの魔女の子どもは。
使用人だろうか、それとも護衛の魔法騎士だろうか。
出席している貴族の客かもしれない。
混乱しすぎて声の主が男か女かも分からないままで震えていると、戻って来たエドヴァルドに顔を覗き込まれた。
「イサギさん、真っ青ですよ? 気分が悪いんですか?」
「か、かえりたい……」
家に帰りたい。
この場から逃げ出したいと半泣きになったイサギに、エドヴァルドはことを重く見て、サナとレンとカナエに挨拶をして、イサギを連れて帰ってくれた。ツムギは残って、先に帰った二人の代わりに最後までお祝いをしてきてくれる。
家に戻ると、安心して玄関で座り込んでしまったイサギを、エドヴァルドが抱き上げてリビングのソファに連れて行ってくれる。
「どうしたんですか?」
「なんで、知ってたんやろ……」
前国王を誑かして国を荒らした魔女が、イサギとツムギの母親だということを知っているのは、ダリアとローズとリュリュとサナとレンとエドヴァルドとクリスティアンとツムギ程度の一握りの人間で、それより外に漏れないように、ダリアとローズは緘口令をしいていた。
それがどうして発覚してしまったのか。
涙が零れて、イサギは両手で顔を覆った。
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