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29.攫われた月神
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部屋で真珠を待っていると、部屋のドアがノックされた。
真珠が帰って来られたのかとドアを開けると、全く知らない男性が廊下に立っていた。急いでドアを締めようとしたが、足を挟んで示させてくれない。
「舞園月神さんですね?」
「近寄らないでください!」
「あなたを求めているひとがいるんですよ」
その人物は手に丸い透明なガラス玉のようなものを持っていた。手の平に乗るサイズのそれが光ったかと思うと、月神はその中に閉じ込められていた。
魔法のかかった道具に違いない。
中から出ようとしても、ガラスのような透明な障壁に阻まれて出ることができない。
「何をするんですか! 今すぐ僕をここから出しなさい!」
「私を追いやって『遺跡管理課』の課長になっただけでなく、自分の半分の年の歌手と結ばれたなんて許さない。あいつは苦しんで不幸にならなければいけない」
そのためにも、月神を奪ってしまう。
その人物が真珠に恨みがあることが分かって月神は丸い透明なガラス玉のようなものの中で震えていた。
鞄の中に入れられて、どこをどう移動したか分からない。
月神は丸い透明なガラス玉のようなものに入れられたままで、豪華な屋敷の中に連れ込まれていた。月神を閉じ込めた人物は、月神を屋敷の主人に売るつもりのようだ。
「癒しの歌を直に聞けばどんな病気もよくなりますよ」
「これは、癒しの天使ではないか。買い取らせてもらおう」
商談が成立して、月神を閉じ込めた人物の手から、屋敷の主人の手に月神の入った透明なガラス玉のようなものが受け渡される。
「真珠……助けてください……」
祈る月神だが、真珠にこの場所を知らせる方法がない。スマートフォンは温泉宿の部屋に置いて来てしまったし、月神には思念で真珠に話しかける能力もない。
アタッシュケースにいっぱいの金を受け取った月神を閉じ込めた人物が帰ろうとしたときに、月神の左手の薬指にはまった結婚指輪が光を放った。
まばゆい光に月神が目を開けられずにいると、光が消えたときには部屋の中に真珠が弓式のレールガンを構えた状態で出現していた。
真珠と月神が付けている結婚指輪は、お互いが危機に陥ったときには呼び合うという魔法をかけてもらっていたのだった。その魔法が発動したようだ。
「真珠!」
「月神さん!」
奪い取るようにして月神の入った透明なガラス玉のようなものを掴んだ真珠が、月神を保護したままで弓式のレールガンの矢を月神を閉じ込めた人物に向けた。
「遺跡の中の魔法生物を大量発生させて役所を辞めさせられただけでは飽き足らず、遺跡の封印を解いて、遺跡の中の魔法兵器を盗んで、私の夫を誘拐するなど、どれだけ罪を重ねるつもりですか?」
「お前が市役所の課長になっているなんて、許しがたい! あの地位は私のものだった!」
「あの魔法生物の大量発生で、町が襲われていれば、死者が出ていたかもしれないのですよ? 市役所からの殉職者も出ていたかもしれない。あなたは、全く反省していないようですね」
「反省? 私は何も悪くない! 全てお前が生意気で、私の課長の座を脅かしたからいけないんだ!」
言い返す月神を閉じ込めた人物は、真珠の前の『遺跡管理課』の課長のようだった。
今はどんな暮らしをしているのか分からないが、無精髭が生えて、着ているものも清潔感がない。収入の少ないものほど、安価なジャンクフードを食べるので不健康に太っていくというのを絵に描いたような体型をしている。
「市役所の『遺跡管理課』の課長が、一般人を魔法具で狙っていいのか?」
「あなたは一般人ではない。犯罪者です。犯罪者は現行犯逮捕できるのですよ」
ひゅんっと真珠の放った矢が、『遺跡管理課』の前課長の頭上を掠めた。掠めた場所の髪が焼け焦げて禿げているのを見ながら、真珠は弓式のレールガンをキューブに戻して三つ揃いのスーツのジャケットのポケットに入れて、『遺跡管理課』の前課長と屋敷の主人を縛り上げて警察に突き出した。
「遺跡荒らしと、人身売買未遂の容疑者です」
格好よく月神を助けてくれた真珠の胸に飛び込みたかったが、ガラス玉のようなものに閉じ込められていて月神は出ることができない。
「真珠……これ、どうすれば……」
「すぐにアウラさんに連絡しましょう。アウラさんなら、魔法研究所の力を借りて月神さんを出すことができるでしょう」
「真珠、助けに来てくれてありがとうございます」
「私が恨みを買ったせいで月神さんにまで被害が及んでしまうとは」
苦し気な表情の真珠を月神は抱き締めたいのに閉じ込められているのがもどかしくてならない。
「真珠のせいではありません。あのひとの心根が歪んでいただけです。真珠も被害者です」
「私が課長になる前に、あの男は私が課長の座を奪うと思い込んで、遺跡の魔法生物を大量発生させたのです。『遺跡管理課』の職員に血を分けて、何とか魔法生物が町に到達する前に騒ぎをおさめたのですが、血を分けすぎたせいで私も入院するし、大変でした……」
「真珠……。真珠をそんなに苦しめるなんて、あの男、絶対に許せない」
「今回は人身売買未遂の罪もあるので、服役は免れないでしょうね」
できれば一生刑務所から出てこないで欲しい。
本音を吐く真珠に月神も同感だった。
アウラに連絡をして、魔法研究所に連れて行ってもらって、月神はガラス玉のようなものから出してもらった。
「魔法水晶ですね。生きたまま人間をコレクションする悪趣味な魔法兵器ですよ」
「僕をコレクションしてどうしたかったんですか!?」
「あの屋敷の主人は、病気で余命宣告をされていたようです。そこにつけ込んで、天使の歌声を聞けば病気が治ると売り込んだみたいですね」
アウラに説明されて月神は背筋を悪寒が走るのが分かった。
月神の歌に延命の力があれば、叶は死んでいない。そんな力はないのに、閉じ込められて歌を歌わされ続けていたかもしれないと思うとぞっとしてしまう。
「真珠、指輪に魔法をかけてもらっていてよかったです」
「そうでした。アウラさん、指輪にかけていただいた魔法が早速役に立ちました。本当にありがとうございます」
「そんな魔法、役に立たない方がよかったんですけどね。でも、真珠さんがご無事でよかったです」
アウラに指輪に魔法をかけてもらっていなければ、月神の居場所は誰にも分からないままだっただろう。真珠も月神もアウラに深く感謝していた。
思わぬ事件のせいで中断された新婚旅行だったが、残りのことは真珠の有給後に回すことにして、温泉宿の部屋に戻って、真珠と月神は新婚旅行を再開した。
少し遅くなったが、温泉宿は夕食を出してくれた。
鶏の水炊きで、野菜と鶏肉をたっぷりと食べた後に、美味しいお出汁で雑炊を作って締める。雑炊に卵を割り入れた真珠が、月神の分をお椀に注いでくれて、月神ははふはふと吹き冷ましながらお腹いっぱい雑炊を食べた。
食べ終わると少しの間食休みをして、部屋についている温泉に入る。
露天風呂に浸かる前に、真珠が月神の体と髪を洗ってくれて、月神は真珠の髪を洗った。
温泉は少し熱かったが、全身の疲れが取れるようで心地よい。
「真珠、今日は格好よかったです」
「月神さんを安全な場所に避難させたと思っていたのに、月神さんを狙って来ていただなんて……」
「誰も予測できませんでしたよ。真珠は悪くないです」
まだ気にしている真珠に月神が言えば、真珠は月神の細い体をお湯の中で抱き締める。
「月神さんと一緒にいるときに何かあれば、私は月神さんに一番に血を分けて、逃げてもらいます」
「はい」
「月神さんが安全な場所にいないと、私は安心して戦えません」
「真珠が戻って来たときに、僕は歌で癒します。他の職員の方も、歌で癒します。僕のところに帰って来てくださいね、真珠」
「必ず帰ります」
何度繰り返しても足りないくらい、月神は真珠と固く約束を結んでおきたかった。
抱き締められた真珠の胸に顔を埋めて、月神が夜の予感に胸をときめかせていたのは、きっと真珠にも伝わっているだろう。
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「近寄らないでください!」
「あなたを求めているひとがいるんですよ」
その人物は手に丸い透明なガラス玉のようなものを持っていた。手の平に乗るサイズのそれが光ったかと思うと、月神はその中に閉じ込められていた。
魔法のかかった道具に違いない。
中から出ようとしても、ガラスのような透明な障壁に阻まれて出ることができない。
「何をするんですか! 今すぐ僕をここから出しなさい!」
「私を追いやって『遺跡管理課』の課長になっただけでなく、自分の半分の年の歌手と結ばれたなんて許さない。あいつは苦しんで不幸にならなければいけない」
そのためにも、月神を奪ってしまう。
その人物が真珠に恨みがあることが分かって月神は丸い透明なガラス玉のようなものの中で震えていた。
鞄の中に入れられて、どこをどう移動したか分からない。
月神は丸い透明なガラス玉のようなものに入れられたままで、豪華な屋敷の中に連れ込まれていた。月神を閉じ込めた人物は、月神を屋敷の主人に売るつもりのようだ。
「癒しの歌を直に聞けばどんな病気もよくなりますよ」
「これは、癒しの天使ではないか。買い取らせてもらおう」
商談が成立して、月神を閉じ込めた人物の手から、屋敷の主人の手に月神の入った透明なガラス玉のようなものが受け渡される。
「真珠……助けてください……」
祈る月神だが、真珠にこの場所を知らせる方法がない。スマートフォンは温泉宿の部屋に置いて来てしまったし、月神には思念で真珠に話しかける能力もない。
アタッシュケースにいっぱいの金を受け取った月神を閉じ込めた人物が帰ろうとしたときに、月神の左手の薬指にはまった結婚指輪が光を放った。
まばゆい光に月神が目を開けられずにいると、光が消えたときには部屋の中に真珠が弓式のレールガンを構えた状態で出現していた。
真珠と月神が付けている結婚指輪は、お互いが危機に陥ったときには呼び合うという魔法をかけてもらっていたのだった。その魔法が発動したようだ。
「真珠!」
「月神さん!」
奪い取るようにして月神の入った透明なガラス玉のようなものを掴んだ真珠が、月神を保護したままで弓式のレールガンの矢を月神を閉じ込めた人物に向けた。
「遺跡の中の魔法生物を大量発生させて役所を辞めさせられただけでは飽き足らず、遺跡の封印を解いて、遺跡の中の魔法兵器を盗んで、私の夫を誘拐するなど、どれだけ罪を重ねるつもりですか?」
「お前が市役所の課長になっているなんて、許しがたい! あの地位は私のものだった!」
「あの魔法生物の大量発生で、町が襲われていれば、死者が出ていたかもしれないのですよ? 市役所からの殉職者も出ていたかもしれない。あなたは、全く反省していないようですね」
「反省? 私は何も悪くない! 全てお前が生意気で、私の課長の座を脅かしたからいけないんだ!」
言い返す月神を閉じ込めた人物は、真珠の前の『遺跡管理課』の課長のようだった。
今はどんな暮らしをしているのか分からないが、無精髭が生えて、着ているものも清潔感がない。収入の少ないものほど、安価なジャンクフードを食べるので不健康に太っていくというのを絵に描いたような体型をしている。
「市役所の『遺跡管理課』の課長が、一般人を魔法具で狙っていいのか?」
「あなたは一般人ではない。犯罪者です。犯罪者は現行犯逮捕できるのですよ」
ひゅんっと真珠の放った矢が、『遺跡管理課』の前課長の頭上を掠めた。掠めた場所の髪が焼け焦げて禿げているのを見ながら、真珠は弓式のレールガンをキューブに戻して三つ揃いのスーツのジャケットのポケットに入れて、『遺跡管理課』の前課長と屋敷の主人を縛り上げて警察に突き出した。
「遺跡荒らしと、人身売買未遂の容疑者です」
格好よく月神を助けてくれた真珠の胸に飛び込みたかったが、ガラス玉のようなものに閉じ込められていて月神は出ることができない。
「真珠……これ、どうすれば……」
「すぐにアウラさんに連絡しましょう。アウラさんなら、魔法研究所の力を借りて月神さんを出すことができるでしょう」
「真珠、助けに来てくれてありがとうございます」
「私が恨みを買ったせいで月神さんにまで被害が及んでしまうとは」
苦し気な表情の真珠を月神は抱き締めたいのに閉じ込められているのがもどかしくてならない。
「真珠のせいではありません。あのひとの心根が歪んでいただけです。真珠も被害者です」
「私が課長になる前に、あの男は私が課長の座を奪うと思い込んで、遺跡の魔法生物を大量発生させたのです。『遺跡管理課』の職員に血を分けて、何とか魔法生物が町に到達する前に騒ぎをおさめたのですが、血を分けすぎたせいで私も入院するし、大変でした……」
「真珠……。真珠をそんなに苦しめるなんて、あの男、絶対に許せない」
「今回は人身売買未遂の罪もあるので、服役は免れないでしょうね」
できれば一生刑務所から出てこないで欲しい。
本音を吐く真珠に月神も同感だった。
アウラに連絡をして、魔法研究所に連れて行ってもらって、月神はガラス玉のようなものから出してもらった。
「魔法水晶ですね。生きたまま人間をコレクションする悪趣味な魔法兵器ですよ」
「僕をコレクションしてどうしたかったんですか!?」
「あの屋敷の主人は、病気で余命宣告をされていたようです。そこにつけ込んで、天使の歌声を聞けば病気が治ると売り込んだみたいですね」
アウラに説明されて月神は背筋を悪寒が走るのが分かった。
月神の歌に延命の力があれば、叶は死んでいない。そんな力はないのに、閉じ込められて歌を歌わされ続けていたかもしれないと思うとぞっとしてしまう。
「真珠、指輪に魔法をかけてもらっていてよかったです」
「そうでした。アウラさん、指輪にかけていただいた魔法が早速役に立ちました。本当にありがとうございます」
「そんな魔法、役に立たない方がよかったんですけどね。でも、真珠さんがご無事でよかったです」
アウラに指輪に魔法をかけてもらっていなければ、月神の居場所は誰にも分からないままだっただろう。真珠も月神もアウラに深く感謝していた。
思わぬ事件のせいで中断された新婚旅行だったが、残りのことは真珠の有給後に回すことにして、温泉宿の部屋に戻って、真珠と月神は新婚旅行を再開した。
少し遅くなったが、温泉宿は夕食を出してくれた。
鶏の水炊きで、野菜と鶏肉をたっぷりと食べた後に、美味しいお出汁で雑炊を作って締める。雑炊に卵を割り入れた真珠が、月神の分をお椀に注いでくれて、月神ははふはふと吹き冷ましながらお腹いっぱい雑炊を食べた。
食べ終わると少しの間食休みをして、部屋についている温泉に入る。
露天風呂に浸かる前に、真珠が月神の体と髪を洗ってくれて、月神は真珠の髪を洗った。
温泉は少し熱かったが、全身の疲れが取れるようで心地よい。
「真珠、今日は格好よかったです」
「月神さんを安全な場所に避難させたと思っていたのに、月神さんを狙って来ていただなんて……」
「誰も予測できませんでしたよ。真珠は悪くないです」
まだ気にしている真珠に月神が言えば、真珠は月神の細い体をお湯の中で抱き締める。
「月神さんと一緒にいるときに何かあれば、私は月神さんに一番に血を分けて、逃げてもらいます」
「はい」
「月神さんが安全な場所にいないと、私は安心して戦えません」
「真珠が戻って来たときに、僕は歌で癒します。他の職員の方も、歌で癒します。僕のところに帰って来てくださいね、真珠」
「必ず帰ります」
何度繰り返しても足りないくらい、月神は真珠と固く約束を結んでおきたかった。
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