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26.結婚式はティラミスの味
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部屋に露天風呂が付いている温泉宿のことを話すと月神はとても喜んで新婚旅行にも乗り気になってくれた。
調べてみて真珠は月神に提案したことをよかったと思っていた。
有給は忙しい時期でなければ自由に取れる職場であるし、そうであるように真珠自身が前の課長で腐り切っていた『遺跡管理課』を変えて来た。その恩恵を自分が受けるときが来るなど考えてもみなかったが、使えるものは使っておこう。
結婚式は休日にして、その後三日間真珠は有給を申請した。有給は無事に取れて、部屋に露天風呂のついたお宿も予約ができた。
後は結婚式を待つのみだった。
改修工事を入れていたサンルームも綺麗になっている。
寝室からサンルームに直接行ける通路を作ってもらって、サンルームの鍵は月神と真珠、二人だけのものにした。
「二人だけの秘密の場所ですよ」
「真珠と二人だけで過ごせる場所ですね」
二世帯住宅であることには文句はなかったが、たまには二人きりにもなりたい。二人きりになって月神に自分だけに歌いかけて欲しい。
サンルームは鳥かごのようで、月神が入るにふさわしい場所に思えていた。
サンルームには吊るした籠の椅子を置いたり、二人でイチャイチャできるように天蓋付きのベッドを置いたり、お茶くらいは入れられる簡易キッチンを設置したり、座り心地のいいソファを置いたり、観葉植物を大量においたりして、真珠好みの空間を作っていた。
月神との初夜はここで迎えたい。
できればその日は天気がよくて、満天の星空の下で天蓋付きのベッドで月神と結ばれたい。
そんなことを考えると心の中では鼻の下が伸びているのだが、真珠は顔面の筋肉も鍛え上げている。一分の隙もない冷静沈着な顔をしているはずだ。
合同結婚式の日、早朝から式場に入った月神の表情が優れない。それもそのはず、昨夜から小雨が降り続いていたのだ。
これではガーデンパーティー形式の結婚式は無理かもしれない。
衣装に着替えて結婚式が始まる時刻を待っていると、空が明るくなってきた。
「月神さん、雨、上がりそうですよ」
「本当ですね」
式場のスタッフも慣れているのか、雨が上がった瞬間に、大急ぎで式の準備をしてくれて、雨粒に濡れた薔薇に囲まれて、月神と真珠、旭とアウラは結婚式を挙げることになった。
「月神さんの伴侶として、生涯月神さんを愛し続けることを誓います。月神さんがつらいときにも、嬉しいときにも、すぐそばにいて、喜びも悲しみも分かち合います。月神さんに毎日美味しいものを食べさせて、幸せな気持ちにさせます」
「真珠は時に過酷な戦場に出ることも理解しています。真珠に何が起きようとも、生涯愛し続け、真珠を支えることを誓います。どんな姿になっても、僕の元に帰って来てください」
「はい、必ず」
腕の一本や脚の一本なくなったとしても、真珠は必ず月神の元に帰ることを誓っていた。どんな過酷な状況に陥ろうとも、生きて帰ってくる。
生きていても死んでいても変わりのないような生活を送っていた真珠にとっては、月神の存在が自分を変えたことを強く感じていた。
「旭さんを生涯愛し、旭さんが健康でいられるように心を配り、旭さんと幸せになることを誓います」
「アウラさんと生涯共に生きていくことを誓う」
アウラと旭も誓いの言葉を述べていた。
誓いの口付けを交わして、場所を庭から式場のレストランに移す。
持ち込んだウエディングケーキは、ティラミスだった。
「おかあさんに、ティラミスをたべさせたいんです」
月神が半泣きの顔でそう言ってきたのは何年前のことだろう。
まだ小学校低学年だった月神は、叶の容態が悪くなったということで、真珠の家に預けられていた。涙を必死に堪えて、叶の好きなティラミスを作ってお見舞いに届けたいという月神は、叶が死にそうになっている現実を受け入れられなかったのだろう。
「いいわよぉ。作りましょう」
ボウルに卵白を入れて砂糖を入れて角が立つまでしっかりと泡立てて、別のボウルに砂糖と卵黄を泡立てて、その二つを合わせたものに振るった薄力粉を入れて切り混ぜる。
温めた牛乳を作った生地に加えて混ぜ合わせて、天板に広げてオーブンで焼く。焼いた生地を冷まして、切り分ける。
切り分けた生地に濃い目のコーヒー液を塗って、ボウルにマスカルポーネと砂糖を入れてよく擦り混ぜ、生クリームを加えて七分立てにする。
コーヒー液を塗り込んだ生地の上にマスカルポーネと砂糖と生クリームを混ぜたものをたっぷりと乗せて、更に生地を乗せて、コーヒー液をたっぷりと塗る。さらにクリームを絞り出し、冷蔵庫でしばらく冷やしておく。
冷えたところで表面にココアを振れば出来上がり。
難しい工程ではないので小学校低学年の月神と一緒にでも十分に作れた。
ティラミスを作っている間に叶の容態は安定して、月神がティラミスを持って行ったら喜んで食べてくれた。
思い出のティラミスを、月神と一緒に作ってウエディングケーキにした。
レストランでコースを食べた後に、ウエディングケーキを切り分けて月神と真珠とアウラと旭のお皿に乗せる。
「これ、叶さんが好きだった……」
「そうなんですね」
「お母さんのことも忘れたくなくて。いいですよね、アウラさん?」
「もちろんですよ。叶さんを好きだったことも含めて、僕は旭さんを愛しているんです」
アウラの包容力を感じて、ティラミスを食べながら真珠は幼馴染の旭が今度こそ幸せになれるのではないかと感じていた。
結婚式が終わると、アウラと旭は式場についているホテルに泊まるという。
「お互いに新婚初夜を邪魔したくないでしょう?」
「つぐちゃんを、大事にして」
「旭さんは僕に集中してくださいね」
「アウラさん……」
結婚しても月神のことを心配している旭は、アウラに手を引かれてホテルの部屋に連れて行かれた。
真珠も月神を連れて洋館に帰る。
駐車場からバスルームまで月神をお姫様抱っこで連れて行くと、月神がうっとりと真珠を見上げていた。
「僕の夢だったんです」
「結婚式がですか?」
「はい。高校を卒業したら、真珠と結婚式を挙げたい。僕、吸血鬼として覚醒してから成長が止まってしまって、精通も来なくて、真珠に告白することを諦めていたのに、真珠は僕を受け入れてくれた……」
「月神さんが私を受け入れてくれたんですよ」
親子ほど年の違う真珠が月神の恋愛対象になるとは思っていなかった。いつか誰かに攫われて行ってしまうのだと思っていたのに、月神は真珠を選んでくれた。何より、真珠は月神の運命の相手だった。
「真珠、愛してます」
「月神さん、私も愛しています」
何度言っても足りないくらい月神のことを思っている。
バスルームで月神の体を手で洗って、髪も洗って、月神に髪を洗ってもらって、体を洗って、お互いに髪を乾かす。
今日のために用意したシルクのシャンパンゴールドのパジャマは、手触りがよく、お互いに脱がせるために着ているということに、真珠は下半身に高ぶりを覚えていた。
月神の華奢な顎を指で掬うと、月神が目を閉じる。
口付けを交わすと、月神を食らい尽くしたいような欲望が生まれて来る。
「真珠、血をください」
「月神さん、ベッドに行ってから」
首筋に噛み付こうとする月神の唇に指を当てて止めて、真珠は月神を抱き上げてサンルームに連れて行った。
外は雨が降っていて、満天の星空の下でとはいかなかったが、照明を落としたサンルームの中は甘い雰囲気が漂っている。
天蓋付きのベッドの上に月神を降ろすと、月神が真珠の首筋に顔を埋める。
皮膚を食い破られるのも、血を吸われるのも気持ちよくて堪らない。
吸血鬼にとって吸血行動が求愛であるというのは間違いないようだ。
「んっ……ふっ、おいしい……」
血で濡れた唇を舐めている月神も快感を覚えているようだ。
口付けて舌を絡めると、月神の舌から血の味がする。本来ならば血液は嘔吐反応を起こすのだが、月神の唾液と混ざっていると、甘く感じられるから不思議だ。
「月神さんは私のものです」
「僕は真珠のもの」
「私は月神さんのものです」
「真珠は僕のもの」
誓いを交わすようにして何度も口付けて、真珠は月神の体をベッドの上に横たえた。
調べてみて真珠は月神に提案したことをよかったと思っていた。
有給は忙しい時期でなければ自由に取れる職場であるし、そうであるように真珠自身が前の課長で腐り切っていた『遺跡管理課』を変えて来た。その恩恵を自分が受けるときが来るなど考えてもみなかったが、使えるものは使っておこう。
結婚式は休日にして、その後三日間真珠は有給を申請した。有給は無事に取れて、部屋に露天風呂のついたお宿も予約ができた。
後は結婚式を待つのみだった。
改修工事を入れていたサンルームも綺麗になっている。
寝室からサンルームに直接行ける通路を作ってもらって、サンルームの鍵は月神と真珠、二人だけのものにした。
「二人だけの秘密の場所ですよ」
「真珠と二人だけで過ごせる場所ですね」
二世帯住宅であることには文句はなかったが、たまには二人きりにもなりたい。二人きりになって月神に自分だけに歌いかけて欲しい。
サンルームは鳥かごのようで、月神が入るにふさわしい場所に思えていた。
サンルームには吊るした籠の椅子を置いたり、二人でイチャイチャできるように天蓋付きのベッドを置いたり、お茶くらいは入れられる簡易キッチンを設置したり、座り心地のいいソファを置いたり、観葉植物を大量においたりして、真珠好みの空間を作っていた。
月神との初夜はここで迎えたい。
できればその日は天気がよくて、満天の星空の下で天蓋付きのベッドで月神と結ばれたい。
そんなことを考えると心の中では鼻の下が伸びているのだが、真珠は顔面の筋肉も鍛え上げている。一分の隙もない冷静沈着な顔をしているはずだ。
合同結婚式の日、早朝から式場に入った月神の表情が優れない。それもそのはず、昨夜から小雨が降り続いていたのだ。
これではガーデンパーティー形式の結婚式は無理かもしれない。
衣装に着替えて結婚式が始まる時刻を待っていると、空が明るくなってきた。
「月神さん、雨、上がりそうですよ」
「本当ですね」
式場のスタッフも慣れているのか、雨が上がった瞬間に、大急ぎで式の準備をしてくれて、雨粒に濡れた薔薇に囲まれて、月神と真珠、旭とアウラは結婚式を挙げることになった。
「月神さんの伴侶として、生涯月神さんを愛し続けることを誓います。月神さんがつらいときにも、嬉しいときにも、すぐそばにいて、喜びも悲しみも分かち合います。月神さんに毎日美味しいものを食べさせて、幸せな気持ちにさせます」
「真珠は時に過酷な戦場に出ることも理解しています。真珠に何が起きようとも、生涯愛し続け、真珠を支えることを誓います。どんな姿になっても、僕の元に帰って来てください」
「はい、必ず」
腕の一本や脚の一本なくなったとしても、真珠は必ず月神の元に帰ることを誓っていた。どんな過酷な状況に陥ろうとも、生きて帰ってくる。
生きていても死んでいても変わりのないような生活を送っていた真珠にとっては、月神の存在が自分を変えたことを強く感じていた。
「旭さんを生涯愛し、旭さんが健康でいられるように心を配り、旭さんと幸せになることを誓います」
「アウラさんと生涯共に生きていくことを誓う」
アウラと旭も誓いの言葉を述べていた。
誓いの口付けを交わして、場所を庭から式場のレストランに移す。
持ち込んだウエディングケーキは、ティラミスだった。
「おかあさんに、ティラミスをたべさせたいんです」
月神が半泣きの顔でそう言ってきたのは何年前のことだろう。
まだ小学校低学年だった月神は、叶の容態が悪くなったということで、真珠の家に預けられていた。涙を必死に堪えて、叶の好きなティラミスを作ってお見舞いに届けたいという月神は、叶が死にそうになっている現実を受け入れられなかったのだろう。
「いいわよぉ。作りましょう」
ボウルに卵白を入れて砂糖を入れて角が立つまでしっかりと泡立てて、別のボウルに砂糖と卵黄を泡立てて、その二つを合わせたものに振るった薄力粉を入れて切り混ぜる。
温めた牛乳を作った生地に加えて混ぜ合わせて、天板に広げてオーブンで焼く。焼いた生地を冷まして、切り分ける。
切り分けた生地に濃い目のコーヒー液を塗って、ボウルにマスカルポーネと砂糖を入れてよく擦り混ぜ、生クリームを加えて七分立てにする。
コーヒー液を塗り込んだ生地の上にマスカルポーネと砂糖と生クリームを混ぜたものをたっぷりと乗せて、更に生地を乗せて、コーヒー液をたっぷりと塗る。さらにクリームを絞り出し、冷蔵庫でしばらく冷やしておく。
冷えたところで表面にココアを振れば出来上がり。
難しい工程ではないので小学校低学年の月神と一緒にでも十分に作れた。
ティラミスを作っている間に叶の容態は安定して、月神がティラミスを持って行ったら喜んで食べてくれた。
思い出のティラミスを、月神と一緒に作ってウエディングケーキにした。
レストランでコースを食べた後に、ウエディングケーキを切り分けて月神と真珠とアウラと旭のお皿に乗せる。
「これ、叶さんが好きだった……」
「そうなんですね」
「お母さんのことも忘れたくなくて。いいですよね、アウラさん?」
「もちろんですよ。叶さんを好きだったことも含めて、僕は旭さんを愛しているんです」
アウラの包容力を感じて、ティラミスを食べながら真珠は幼馴染の旭が今度こそ幸せになれるのではないかと感じていた。
結婚式が終わると、アウラと旭は式場についているホテルに泊まるという。
「お互いに新婚初夜を邪魔したくないでしょう?」
「つぐちゃんを、大事にして」
「旭さんは僕に集中してくださいね」
「アウラさん……」
結婚しても月神のことを心配している旭は、アウラに手を引かれてホテルの部屋に連れて行かれた。
真珠も月神を連れて洋館に帰る。
駐車場からバスルームまで月神をお姫様抱っこで連れて行くと、月神がうっとりと真珠を見上げていた。
「僕の夢だったんです」
「結婚式がですか?」
「はい。高校を卒業したら、真珠と結婚式を挙げたい。僕、吸血鬼として覚醒してから成長が止まってしまって、精通も来なくて、真珠に告白することを諦めていたのに、真珠は僕を受け入れてくれた……」
「月神さんが私を受け入れてくれたんですよ」
親子ほど年の違う真珠が月神の恋愛対象になるとは思っていなかった。いつか誰かに攫われて行ってしまうのだと思っていたのに、月神は真珠を選んでくれた。何より、真珠は月神の運命の相手だった。
「真珠、愛してます」
「月神さん、私も愛しています」
何度言っても足りないくらい月神のことを思っている。
バスルームで月神の体を手で洗って、髪も洗って、月神に髪を洗ってもらって、体を洗って、お互いに髪を乾かす。
今日のために用意したシルクのシャンパンゴールドのパジャマは、手触りがよく、お互いに脱がせるために着ているということに、真珠は下半身に高ぶりを覚えていた。
月神の華奢な顎を指で掬うと、月神が目を閉じる。
口付けを交わすと、月神を食らい尽くしたいような欲望が生まれて来る。
「真珠、血をください」
「月神さん、ベッドに行ってから」
首筋に噛み付こうとする月神の唇に指を当てて止めて、真珠は月神を抱き上げてサンルームに連れて行った。
外は雨が降っていて、満天の星空の下でとはいかなかったが、照明を落としたサンルームの中は甘い雰囲気が漂っている。
天蓋付きのベッドの上に月神を降ろすと、月神が真珠の首筋に顔を埋める。
皮膚を食い破られるのも、血を吸われるのも気持ちよくて堪らない。
吸血鬼にとって吸血行動が求愛であるというのは間違いないようだ。
「んっ……ふっ、おいしい……」
血で濡れた唇を舐めている月神も快感を覚えているようだ。
口付けて舌を絡めると、月神の舌から血の味がする。本来ならば血液は嘔吐反応を起こすのだが、月神の唾液と混ざっていると、甘く感じられるから不思議だ。
「月神さんは私のものです」
「僕は真珠のもの」
「私は月神さんのものです」
「真珠は僕のもの」
誓いを交わすようにして何度も口付けて、真珠は月神の体をベッドの上に横たえた。
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