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23.真珠の変化
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月神が高校から卒業した春に結婚式を挙げる。
それが月神の長年の夢だった。
相手は真珠以外に考えられなかったが、一時期は自分が成長しないことに気付いて真珠に告白できずにいた。運命のひとだと分かっていたのに、真珠と結ばれることは難しいと一人で考えて、諦めてしまっていた。
それでも思い切って告白すれば、真珠は受け入れてくれて、少々手荒なところはあったが月神を大人にしてくれた。
精通が来ていないことを悩む日々が終わって、真珠とも愛を交わして月神は次のステップに進みたいと思っていたのだ。
そんなときに旭とアウラから相談があった。
旭とアウラも籍を入れたようなのだ。
「僕も舞園になりましたから、僕のことはアウラと呼んでください」
「アウラさん、父のことよろしくお願いします」
「旭さんと幸せになります」
アウラも少女のように可愛らしいが、月神も少女のように可愛らしくて大抵の舞台では少女か女性役が回ってくる。スカートをはくのも慣れてしまったが、結婚式はタキシードがいいと思っていると、旭とアウラが本題を切り出して来た。
「結婚式を合同にしませんか? 月神さんと真珠さんがよろしければ、ですが」
「私もアウラさんと結婚する」
旭もアウラの運命のひとで、旭とアウラも結婚するとなると、結婚式を合同にしてしまうのは悪くないかもしれない。切り出されて月神は真珠を見た。
「僕は大歓迎です。真珠はどうですか?」
「月神さんがそれでいいなら賛成しますよ」
真珠も賛成してくれるようで月神は黒い大きな目を煌めかせる。
舞台の仕事がひと段落して月神は休みに入っていたし、真珠は旭とアウラが来るので休みを取っていた。
折角なのでこのまま式場に行ってみることにする。
真珠が予約を取っていた式場は小ぢんまりとしているが、美しく春薔薇の咲く整えられた庭のあるところだった。
「舞園様、いらっしゃいませ」
「実は義父の結婚式も合同で行いたいのですが」
「ご相談に乗らせていただきます」
担当の女性はにこやかに答えて真珠と月神と旭とアウラをソファに招いた。
「この式場ではガーデンパーティー形式の結婚式がよく行われています」
「庭がとても美しいですよね」
「ありがとうございます。当日のお天気にもよるのですが、できる限り庭で楽しんでいただけるように準備ができます」
担当さんと話して、月神は真珠の方を見た。
「ガーデンパーティー形式でどうでしょう?」
「いいと思いますよ」
「あの庭で結婚式を挙げたいです」
「いいですね」
「いいと思う」
旭もアウラもそれに賛成してくれて、結婚式はガーデンパーティー方式になりそうだった。
「お式は四人だけで挙げて、その後に結婚式場のレストランでみんなで食事をしたいのです」
「ウエディングケーキは手作りしたいです」
「式場のレストランの手配をしておきましょう。ウエディングケーキの持ち込みも伝えておきます」
話はとんとん拍子で決まっていく。
打ち合わせがある程度終わると、結婚式の衣装合わせになった。
真珠が月神の手を取って衣装の大量にかけられた場所に連れて行ってくれる。
女性物のドレスがかかっている中に、Aラインのドレスの前が開いていて、下にショートパンツをはくタイプのものがあって、真珠はそれを月神に差し出して来た。
「きっとお似合いになると思います」
タキシードではないけれど、ただのドレスというわけでもないし、ドレスも舞台では着慣れていたので月神は躊躇することなくそのドレスを着た。白いハイヒールを履いても、真珠より頭半分以上背が低いのだが、それでも履かないよりはつり合いが取れる気がする。
「どうですか?」
試着室から出て見せると、真珠が微笑んでいる。
「とても可愛いです」
「僕のは真珠が選んだんだから、真珠のは僕が選ばせてくださいね」
とりあえず月神の衣装はそれに決めて、真珠の衣装を探す。真珠は背が高いのでサイズがなかなかなくて困ったが、白い光沢のあるタイと真っ白のタキシードを選んで持って行くと、身に着けてくれた。
あまりの格好よさに月神は興奮してしまう。
「真珠、格好いい……抱き締めて欲しい……キスしたい……」
自分の口から欲望が駄々漏れになっていることに月神は気付いていない。
微笑みながら真珠が近付いて月神の頬にキスをしてくれた。キスされた場所を押さえて、月神は頬を熱くさせて真珠に見惚れていた。
月神と真珠が衣装を決めている間に、旭とアウラも衣装を決めたようだった。クラシックな雰囲気のグレーのタキシードが旭で、ワインレッドのタキシードがアウラだった。真珠と月神が白で決めているので、旭とアウラは色付きにしているのが、違いが現れていて二組のカップルを象徴するようだった。
式場で予約をして帰りに真珠は月神を宝飾店に連れて行ってくれた。
「結婚指輪を買いたいのです」
「真珠、仕事中はつけられないんじゃないですか?」
「現場に出ていないときはつけられます。現場に出ているときも、首からチェーンで下げておきます」
真珠とお揃いの指輪を決めるときに月神は思わず呟いてしまう。
「真珠の指輪はないのでしょうか」
「真珠は硬度が高くないので日常使いには向かないようですよ」
「真珠の名前と同じだから、真珠の指輪がよかったです」
「真珠はタイピンと髪飾りを作りましょう。私が黒真珠のタイピンを付けて、月神さんが白い真珠の髪飾りを付けるのです」
「色が逆……黒は僕の髪と目の色ですね。僕の色を付けてくれるんですね」
気落ちしそうだったが、真珠の申し出に月神はすぐに気を取り直した。
幸せになれるという小さなサファイアの粒が裏に埋め込まれた、真珠は平型の指輪を、月神はそれよりもやや細い指輪をお揃いで注文した。
月神と真珠が指輪を決めて満足していると、アウラと旭が話しているのが聞こえる。
「旭さんには、僕が魔法をかけた指輪をプレゼントしますね」
「アウラさんにも」
「僕の分も魔法をかけます」
その話を聞いて反応したのは真珠だった。
「アウラさん、指輪に魔法をかけられますか?」
「できますよ」
アウラは前回会った後に洋館の周りに結界を張ってくれていた。魔法を使えるアウラは指輪にも魔法をかけられるようだ。
「お互いの危機を察知して、相手のところに飛べる魔法をかけてくれませんか?」
「月神さん、それよりも守護の魔法がよくないですか?」
「いいえ、僕は真珠の危機には駆け付けたいのです」
はっきりと告げれば真珠も納得してくれる。アウラは出来上がった指輪に魔法をかけてくれると約束してくれた。
「春休みの間に結婚式を挙げましょうね」
「新婚旅行にも行きたいです」
話しながら洋館に戻って、月神は真珠と旭とアウラとお茶をした。紅茶を入れて、帰りに買ったケーキを出して、準備をしていると、ソファに座った真珠が旭とアウラを前に真剣な表情になっていた。
紅茶とケーキを出すと月神は真珠の隣りに座る。
「この洋館を改装して、二世帯住宅を考えているのです」
「真珠、そんなことを考えていたのですか?」
「最初は月神さんが旭さんの元を離れたら、旭さんが一人になってしまうので心配だったのですが、アウラさんという伴侶が現れたから安心かと思いました。でも、月神さんと旭さんとアウラさんが安全に暮らしていける場所と考えると、二世帯住宅が一番いいのではないかと思ったのです」
真珠の申し出にアウラが頷く。
「僕は吸血鬼で長く生きていますし、魔法も使えますからね。月神さんと旭さんを守ることができます」
「月神さんも旭さんがそばにいてくれる方が安心なのではないかと思ったのですよ」
「しんちゃん……ありがとう」
お礼を言っている旭も真珠の申し出を受ける気でいるようだ。
父親である旭のことはずっと心配だった。アウラと結婚するからと言って、すぐに安心できるものではない。
それを真珠はしっかりと考えていてくれたのだ。
「真珠、ありがとうございます」
「月神さんが私の心を変えてくれました。月神さんを独り占めしたいという幼い子どものような心を、月神さんはそうしなくてもそばにいてくれると示してくれて変えてくれた」
独占されているのも嫌ではないのだが、旭とアウラがそばにいてくれるとなると心強いのは確かだ。
「僕、魔法のかかったアクセサリーを作るのが趣味で、それを売っているのですが……」
「アウラさんのアクセサリーを売る店舗もあるように改装しましょう」
これから洋館に改装の手が入っていく。
幼い頃から暮らし慣れた洋館が変わってしまうのは少し寂しいが、こんな変化ならば月神は大歓迎だった。
それが月神の長年の夢だった。
相手は真珠以外に考えられなかったが、一時期は自分が成長しないことに気付いて真珠に告白できずにいた。運命のひとだと分かっていたのに、真珠と結ばれることは難しいと一人で考えて、諦めてしまっていた。
それでも思い切って告白すれば、真珠は受け入れてくれて、少々手荒なところはあったが月神を大人にしてくれた。
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「旭さんと幸せになります」
アウラも少女のように可愛らしいが、月神も少女のように可愛らしくて大抵の舞台では少女か女性役が回ってくる。スカートをはくのも慣れてしまったが、結婚式はタキシードがいいと思っていると、旭とアウラが本題を切り出して来た。
「結婚式を合同にしませんか? 月神さんと真珠さんがよろしければ、ですが」
「私もアウラさんと結婚する」
旭もアウラの運命のひとで、旭とアウラも結婚するとなると、結婚式を合同にしてしまうのは悪くないかもしれない。切り出されて月神は真珠を見た。
「僕は大歓迎です。真珠はどうですか?」
「月神さんがそれでいいなら賛成しますよ」
真珠も賛成してくれるようで月神は黒い大きな目を煌めかせる。
舞台の仕事がひと段落して月神は休みに入っていたし、真珠は旭とアウラが来るので休みを取っていた。
折角なのでこのまま式場に行ってみることにする。
真珠が予約を取っていた式場は小ぢんまりとしているが、美しく春薔薇の咲く整えられた庭のあるところだった。
「舞園様、いらっしゃいませ」
「実は義父の結婚式も合同で行いたいのですが」
「ご相談に乗らせていただきます」
担当の女性はにこやかに答えて真珠と月神と旭とアウラをソファに招いた。
「この式場ではガーデンパーティー形式の結婚式がよく行われています」
「庭がとても美しいですよね」
「ありがとうございます。当日のお天気にもよるのですが、できる限り庭で楽しんでいただけるように準備ができます」
担当さんと話して、月神は真珠の方を見た。
「ガーデンパーティー形式でどうでしょう?」
「いいと思いますよ」
「あの庭で結婚式を挙げたいです」
「いいですね」
「いいと思う」
旭もアウラもそれに賛成してくれて、結婚式はガーデンパーティー方式になりそうだった。
「お式は四人だけで挙げて、その後に結婚式場のレストランでみんなで食事をしたいのです」
「ウエディングケーキは手作りしたいです」
「式場のレストランの手配をしておきましょう。ウエディングケーキの持ち込みも伝えておきます」
話はとんとん拍子で決まっていく。
打ち合わせがある程度終わると、結婚式の衣装合わせになった。
真珠が月神の手を取って衣装の大量にかけられた場所に連れて行ってくれる。
女性物のドレスがかかっている中に、Aラインのドレスの前が開いていて、下にショートパンツをはくタイプのものがあって、真珠はそれを月神に差し出して来た。
「きっとお似合いになると思います」
タキシードではないけれど、ただのドレスというわけでもないし、ドレスも舞台では着慣れていたので月神は躊躇することなくそのドレスを着た。白いハイヒールを履いても、真珠より頭半分以上背が低いのだが、それでも履かないよりはつり合いが取れる気がする。
「どうですか?」
試着室から出て見せると、真珠が微笑んでいる。
「とても可愛いです」
「僕のは真珠が選んだんだから、真珠のは僕が選ばせてくださいね」
とりあえず月神の衣装はそれに決めて、真珠の衣装を探す。真珠は背が高いのでサイズがなかなかなくて困ったが、白い光沢のあるタイと真っ白のタキシードを選んで持って行くと、身に着けてくれた。
あまりの格好よさに月神は興奮してしまう。
「真珠、格好いい……抱き締めて欲しい……キスしたい……」
自分の口から欲望が駄々漏れになっていることに月神は気付いていない。
微笑みながら真珠が近付いて月神の頬にキスをしてくれた。キスされた場所を押さえて、月神は頬を熱くさせて真珠に見惚れていた。
月神と真珠が衣装を決めている間に、旭とアウラも衣装を決めたようだった。クラシックな雰囲気のグレーのタキシードが旭で、ワインレッドのタキシードがアウラだった。真珠と月神が白で決めているので、旭とアウラは色付きにしているのが、違いが現れていて二組のカップルを象徴するようだった。
式場で予約をして帰りに真珠は月神を宝飾店に連れて行ってくれた。
「結婚指輪を買いたいのです」
「真珠、仕事中はつけられないんじゃないですか?」
「現場に出ていないときはつけられます。現場に出ているときも、首からチェーンで下げておきます」
真珠とお揃いの指輪を決めるときに月神は思わず呟いてしまう。
「真珠の指輪はないのでしょうか」
「真珠は硬度が高くないので日常使いには向かないようですよ」
「真珠の名前と同じだから、真珠の指輪がよかったです」
「真珠はタイピンと髪飾りを作りましょう。私が黒真珠のタイピンを付けて、月神さんが白い真珠の髪飾りを付けるのです」
「色が逆……黒は僕の髪と目の色ですね。僕の色を付けてくれるんですね」
気落ちしそうだったが、真珠の申し出に月神はすぐに気を取り直した。
幸せになれるという小さなサファイアの粒が裏に埋め込まれた、真珠は平型の指輪を、月神はそれよりもやや細い指輪をお揃いで注文した。
月神と真珠が指輪を決めて満足していると、アウラと旭が話しているのが聞こえる。
「旭さんには、僕が魔法をかけた指輪をプレゼントしますね」
「アウラさんにも」
「僕の分も魔法をかけます」
その話を聞いて反応したのは真珠だった。
「アウラさん、指輪に魔法をかけられますか?」
「できますよ」
アウラは前回会った後に洋館の周りに結界を張ってくれていた。魔法を使えるアウラは指輪にも魔法をかけられるようだ。
「お互いの危機を察知して、相手のところに飛べる魔法をかけてくれませんか?」
「月神さん、それよりも守護の魔法がよくないですか?」
「いいえ、僕は真珠の危機には駆け付けたいのです」
はっきりと告げれば真珠も納得してくれる。アウラは出来上がった指輪に魔法をかけてくれると約束してくれた。
「春休みの間に結婚式を挙げましょうね」
「新婚旅行にも行きたいです」
話しながら洋館に戻って、月神は真珠と旭とアウラとお茶をした。紅茶を入れて、帰りに買ったケーキを出して、準備をしていると、ソファに座った真珠が旭とアウラを前に真剣な表情になっていた。
紅茶とケーキを出すと月神は真珠の隣りに座る。
「この洋館を改装して、二世帯住宅を考えているのです」
「真珠、そんなことを考えていたのですか?」
「最初は月神さんが旭さんの元を離れたら、旭さんが一人になってしまうので心配だったのですが、アウラさんという伴侶が現れたから安心かと思いました。でも、月神さんと旭さんとアウラさんが安全に暮らしていける場所と考えると、二世帯住宅が一番いいのではないかと思ったのです」
真珠の申し出にアウラが頷く。
「僕は吸血鬼で長く生きていますし、魔法も使えますからね。月神さんと旭さんを守ることができます」
「月神さんも旭さんがそばにいてくれる方が安心なのではないかと思ったのですよ」
「しんちゃん……ありがとう」
お礼を言っている旭も真珠の申し出を受ける気でいるようだ。
父親である旭のことはずっと心配だった。アウラと結婚するからと言って、すぐに安心できるものではない。
それを真珠はしっかりと考えていてくれたのだ。
「真珠、ありがとうございます」
「月神さんが私の心を変えてくれました。月神さんを独り占めしたいという幼い子どものような心を、月神さんはそうしなくてもそばにいてくれると示してくれて変えてくれた」
独占されているのも嫌ではないのだが、旭とアウラがそばにいてくれるとなると心強いのは確かだ。
「僕、魔法のかかったアクセサリーを作るのが趣味で、それを売っているのですが……」
「アウラさんのアクセサリーを売る店舗もあるように改装しましょう」
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