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14.安増の処分
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月神をこの腕の中に閉じ込めたい。
抱いてしまうとその欲望は強くなる一方だった。
月神のために昼食を作って膝の上に乗せて、全部「あーん」して食べさせていると、月神は恥ずかしがっているが受け入れてくれている。
このまま月神を一人では生きていけないようにしたい。
吸血鬼と伴侶は人生を完全に共にする。
伴侶は吸血鬼と同じだけの回復力と体力を持ち、吸血鬼と同じだけの寿命を持つ。月神が死ぬときには真珠も死ぬ。それが分かっているだけで、真珠は心に底知れない暗い悦びがわいてくる。
共に生き共に死ねることほど嬉しいことはない。
月神は真珠を置いて行くことがないのだ。
アウラ・レガリアは役所とも繋がりのある魔法解析研究所の職員だった。常勤だったか、非常勤だったかまで覚えていないが、吸血鬼で魔法を使えるというのだけは覚えていた。
旭がアウラの運命の相手だったというのは意外だったが、月神を安心して真珠の元に来させるためには余りにも都合のいい相手だった。このままでは生活力のない旭を心配して月神は真珠に集中できなかったかもしれない。
幼馴染の旭にすら邪魔して欲しくないくらい真珠は月神を独占したかった。
真珠が考えたのは、月神をあの洋館に閉じ込めてしまうことだった。
真珠と月神が許可したもの以外はあの洋館の敷地内に入れないように結界を張ってもらったらどうだろう。月神のファンの中には過激なものもいて、月神を自分のものにしようと考えているストーカーまがいの連中も存在する。
月神の身辺の安全を守ることが真珠には先決だった。
結婚のお祝いに予約したレストランの個室席で、月神に最高級ランクの牛肉を切って食べさせながら、真珠はアウラに相談した。
「あの洋館に招かれざる客が入れないようにしたいのです」
「何か防犯で心配なことがあるのですか?」
「月神さんは有名な歌手です。月神さんの癒しの力を天使などと言って崇め奉り、ストーカーまがいのことをするファンもいると聞いています。月神さんを守るために、招かれていない客が入れないように結界を張りたいのです」
「具体的にはどれくらいの範囲で?」
「洋館と庭に、私と月神さんと旭さんとレガリアさん以外が入れないようにして欲しい」
旭とアウラはこれから愛を育んで結婚するのだろうから、家族として洋館に招いても構わない。それ以外は徹底的に排除しようとする月神に、アウラが答えてくれる。
「できるだけ早い日程で結界を張りに行きます。旭さんの息子なのだから、僕にとっても息子のようなものです。息子の安全を守るのは当然です」
これで準備は整った。
庭にあるサンルームは祖父が亡くなってから全く使われていなかったが、洋館に月神を閉じ込めてしまうのだから、少しでも月神の過ごしやすいようにしたいと改装を頼むことにした。
結婚は合法的な監禁だ。
相手を自分のものにして閉じ込めてしまって構わない。
もちろん、月神は大学に行くのだし、月神が出かけたいときには自由に出かけられるようにはしておく。
最終的には月神が外に出なくても済むような環境にしてしまうことが真珠の願いではあったのだが。
新婚生活に心躍らせて洋館に帰ると、月神が真珠の膝の上に抱き上げられながらうっとりと呟いた。
「結婚式を挙げたいんです。僕が高校を卒業したら」
「どんな結婚式がいいのぉ?」
「真珠と二人でタキシードを着て、お父さんとレガリアさんをお招きして、家族だけの結婚式をするんです。ウエディングケーキも真珠と作りたいです!」
黒い目をキラキラさせて真珠を見上げる月神に、愛おしさが募って真珠は月神を後ろから抱き締めた。肩口に顔を埋めると、白いうなじが無防備に見えている。
悪戯にうなじに歯を立てると、月神が甘い声を上げる。
「あぁんっ! 真珠ぅ」
吸血鬼にとって吸血行動は伴侶への求愛行動でもあるから、逆に首筋に噛み付かれるのは快感であるはずなのだ。分かっていて噛み付いた真珠にとろりと蕩けた目で月神が首に腕を回してくる。
「キスしたい……でも、そんなこと言ったら、強請ってるみたいで恥ずかしい」
ものすごく口に出ているし、聞こえているのだが、月神は気付いていないようだ。細い顎に手をかけて口付けると、唇が離れると月神が驚いている。
「き、キス!? 真珠、僕の心が読めるんですか!?」
「読めるかもしれないわぁ」
自分の欲望が口から駄々漏れになる体質だということを月神は気付いていない。可愛いのでそのままにしておくことにする。
幸せな新婚生活は始まっていたが、問題は安増のことだった。
翌日から職場復帰した真珠の首筋にはくっきりと赤い痕が付いているが、これは月神との愛の証なので隠す必要もない。
上司に呼び出される前に安増と話をしておきたかったが、そのときに真珠は部下で銀色の狼の獣人の筋骨隆々とした月見山に同席してもらった。
「か、課長、どうして月見山が……」
「私は他夫です。夫以外の相手と二人きりになるような、夫に顔向けができないようなことはしません」
冷たく言うと、ぎりっと安増が奥歯を噛み締めたのが分かる。月神のことをそれだけ憎んでいるのだろう。
睨み付けると、三人だけの室内の温度が下がった気がする。
「あなたが私の夫にしたことは決して許されません。反省などしても無駄です。あなたは一生涯をかけてこのことを償わなければいけません」
「ただの兄弟喧嘩でしょう。課長が口を出すことじゃないです」
「兄弟? 月神さんは舞園旭さんの息子であってあなたとは全く関係がありません。それに、あれは純然たる暴力でした。喧嘩などという言葉で誤魔化すのは止めていただきたいものです」
だんだんと真珠の声が低くなっているのを安増も気付いているはずだ。怯えたように震えだしているのに、真珠は構わず続ける。
「安増、あなた、これまでにも何件もの性的暴行を行ってきているようですね」
「そ、それは、全部話し合いでカタがついています」
「今回もそうやって金とコネに物を言わせて片付けようと考えているのならば、大きな間違いです。あなたがしたことは、しっかりと償わせて差し上げます」
「な、なにを……」
「覚悟なさい」
睨み付けたところで真珠は安増と共に役所の上司に呼ばれた。
上司は真珠よりも年上の女性で、安増と真珠が来ると頭が痛そうに額に手をやっている。
「五百蔵さん……いいえ、舞園さんになったのでしたね。舞園さんには旦那さんがこのような目に遭って、お気の毒だとは思いますが、部下のやったこと。その責任の一部は舞園さんにもかかってきます」
「それは承知しています」
「話し合えば分かってくれると思います。これは何かの間違いだったんです!」
「話し合いなどさせません! 私の夫は二度とあなたの前に姿を現すことはないでしょう。交渉は全て弁護士を通してもらいます」
睨み合う安増と真珠に、上司がため息を吐く。
「安増深雪さん、あなたは、責任を取ってクビということで……」
「いいえ、それでは生温いです」
「舞園さん!?」
「クビになっても安増はまた同じことを繰り返すだけです。それならば、この役所で永久に減給して、素行を監視しつつ、飼い殺しにすべきです」
「か、飼い殺し!?」
「私が責任を持って安増の素行を見張ります」
これはまだ安増の後ろ盾となる安増一族を引きずり出すための手段でしかない。ここで安増を開放してしまったら、安増は反省することもなく、次の事件を起こすだろうし、月神にもまた手を出しかねない。
安増一族は根絶しなければいけない。社会的に抹殺しなければいけない。
真珠は心に決めていた。
「舞園さんがそこまで言うのならば、安増さんの処分はそうしましょう。次があったら、責任を問われるのは舞園さんですからね?」
「分かっています」
望むところだ。
本当ならばタマを引き抜いて去勢してやりたいくらいだが、我慢してやっているのは後ろにいる安増一族をおびき寄せるためなのだ。
上司の説教を聞いて戻ると、月見山が安増に駆け寄ってきている。
「舞園課長、こいつは俺が責任もって教育しますから」
「月見山さん……安増さんと?」
「ちょっと……」
「それならば、月見山さん、しっかりとその男を調教してくださいね?」
言い放つと、月見山の逞しい胸に抱かれた安増が白目を剥いていたような気がした。
抱いてしまうとその欲望は強くなる一方だった。
月神のために昼食を作って膝の上に乗せて、全部「あーん」して食べさせていると、月神は恥ずかしがっているが受け入れてくれている。
このまま月神を一人では生きていけないようにしたい。
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伴侶は吸血鬼と同じだけの回復力と体力を持ち、吸血鬼と同じだけの寿命を持つ。月神が死ぬときには真珠も死ぬ。それが分かっているだけで、真珠は心に底知れない暗い悦びがわいてくる。
共に生き共に死ねることほど嬉しいことはない。
月神は真珠を置いて行くことがないのだ。
アウラ・レガリアは役所とも繋がりのある魔法解析研究所の職員だった。常勤だったか、非常勤だったかまで覚えていないが、吸血鬼で魔法を使えるというのだけは覚えていた。
旭がアウラの運命の相手だったというのは意外だったが、月神を安心して真珠の元に来させるためには余りにも都合のいい相手だった。このままでは生活力のない旭を心配して月神は真珠に集中できなかったかもしれない。
幼馴染の旭にすら邪魔して欲しくないくらい真珠は月神を独占したかった。
真珠が考えたのは、月神をあの洋館に閉じ込めてしまうことだった。
真珠と月神が許可したもの以外はあの洋館の敷地内に入れないように結界を張ってもらったらどうだろう。月神のファンの中には過激なものもいて、月神を自分のものにしようと考えているストーカーまがいの連中も存在する。
月神の身辺の安全を守ることが真珠には先決だった。
結婚のお祝いに予約したレストランの個室席で、月神に最高級ランクの牛肉を切って食べさせながら、真珠はアウラに相談した。
「あの洋館に招かれざる客が入れないようにしたいのです」
「何か防犯で心配なことがあるのですか?」
「月神さんは有名な歌手です。月神さんの癒しの力を天使などと言って崇め奉り、ストーカーまがいのことをするファンもいると聞いています。月神さんを守るために、招かれていない客が入れないように結界を張りたいのです」
「具体的にはどれくらいの範囲で?」
「洋館と庭に、私と月神さんと旭さんとレガリアさん以外が入れないようにして欲しい」
旭とアウラはこれから愛を育んで結婚するのだろうから、家族として洋館に招いても構わない。それ以外は徹底的に排除しようとする月神に、アウラが答えてくれる。
「できるだけ早い日程で結界を張りに行きます。旭さんの息子なのだから、僕にとっても息子のようなものです。息子の安全を守るのは当然です」
これで準備は整った。
庭にあるサンルームは祖父が亡くなってから全く使われていなかったが、洋館に月神を閉じ込めてしまうのだから、少しでも月神の過ごしやすいようにしたいと改装を頼むことにした。
結婚は合法的な監禁だ。
相手を自分のものにして閉じ込めてしまって構わない。
もちろん、月神は大学に行くのだし、月神が出かけたいときには自由に出かけられるようにはしておく。
最終的には月神が外に出なくても済むような環境にしてしまうことが真珠の願いではあったのだが。
新婚生活に心躍らせて洋館に帰ると、月神が真珠の膝の上に抱き上げられながらうっとりと呟いた。
「結婚式を挙げたいんです。僕が高校を卒業したら」
「どんな結婚式がいいのぉ?」
「真珠と二人でタキシードを着て、お父さんとレガリアさんをお招きして、家族だけの結婚式をするんです。ウエディングケーキも真珠と作りたいです!」
黒い目をキラキラさせて真珠を見上げる月神に、愛おしさが募って真珠は月神を後ろから抱き締めた。肩口に顔を埋めると、白いうなじが無防備に見えている。
悪戯にうなじに歯を立てると、月神が甘い声を上げる。
「あぁんっ! 真珠ぅ」
吸血鬼にとって吸血行動は伴侶への求愛行動でもあるから、逆に首筋に噛み付かれるのは快感であるはずなのだ。分かっていて噛み付いた真珠にとろりと蕩けた目で月神が首に腕を回してくる。
「キスしたい……でも、そんなこと言ったら、強請ってるみたいで恥ずかしい」
ものすごく口に出ているし、聞こえているのだが、月神は気付いていないようだ。細い顎に手をかけて口付けると、唇が離れると月神が驚いている。
「き、キス!? 真珠、僕の心が読めるんですか!?」
「読めるかもしれないわぁ」
自分の欲望が口から駄々漏れになる体質だということを月神は気付いていない。可愛いのでそのままにしておくことにする。
幸せな新婚生活は始まっていたが、問題は安増のことだった。
翌日から職場復帰した真珠の首筋にはくっきりと赤い痕が付いているが、これは月神との愛の証なので隠す必要もない。
上司に呼び出される前に安増と話をしておきたかったが、そのときに真珠は部下で銀色の狼の獣人の筋骨隆々とした月見山に同席してもらった。
「か、課長、どうして月見山が……」
「私は他夫です。夫以外の相手と二人きりになるような、夫に顔向けができないようなことはしません」
冷たく言うと、ぎりっと安増が奥歯を噛み締めたのが分かる。月神のことをそれだけ憎んでいるのだろう。
睨み付けると、三人だけの室内の温度が下がった気がする。
「あなたが私の夫にしたことは決して許されません。反省などしても無駄です。あなたは一生涯をかけてこのことを償わなければいけません」
「ただの兄弟喧嘩でしょう。課長が口を出すことじゃないです」
「兄弟? 月神さんは舞園旭さんの息子であってあなたとは全く関係がありません。それに、あれは純然たる暴力でした。喧嘩などという言葉で誤魔化すのは止めていただきたいものです」
だんだんと真珠の声が低くなっているのを安増も気付いているはずだ。怯えたように震えだしているのに、真珠は構わず続ける。
「安増、あなた、これまでにも何件もの性的暴行を行ってきているようですね」
「そ、それは、全部話し合いでカタがついています」
「今回もそうやって金とコネに物を言わせて片付けようと考えているのならば、大きな間違いです。あなたがしたことは、しっかりと償わせて差し上げます」
「な、なにを……」
「覚悟なさい」
睨み付けたところで真珠は安増と共に役所の上司に呼ばれた。
上司は真珠よりも年上の女性で、安増と真珠が来ると頭が痛そうに額に手をやっている。
「五百蔵さん……いいえ、舞園さんになったのでしたね。舞園さんには旦那さんがこのような目に遭って、お気の毒だとは思いますが、部下のやったこと。その責任の一部は舞園さんにもかかってきます」
「それは承知しています」
「話し合えば分かってくれると思います。これは何かの間違いだったんです!」
「話し合いなどさせません! 私の夫は二度とあなたの前に姿を現すことはないでしょう。交渉は全て弁護士を通してもらいます」
睨み合う安増と真珠に、上司がため息を吐く。
「安増深雪さん、あなたは、責任を取ってクビということで……」
「いいえ、それでは生温いです」
「舞園さん!?」
「クビになっても安増はまた同じことを繰り返すだけです。それならば、この役所で永久に減給して、素行を監視しつつ、飼い殺しにすべきです」
「か、飼い殺し!?」
「私が責任を持って安増の素行を見張ります」
これはまだ安増の後ろ盾となる安増一族を引きずり出すための手段でしかない。ここで安増を開放してしまったら、安増は反省することもなく、次の事件を起こすだろうし、月神にもまた手を出しかねない。
安増一族は根絶しなければいけない。社会的に抹殺しなければいけない。
真珠は心に決めていた。
「舞園さんがそこまで言うのならば、安増さんの処分はそうしましょう。次があったら、責任を問われるのは舞園さんですからね?」
「分かっています」
望むところだ。
本当ならばタマを引き抜いて去勢してやりたいくらいだが、我慢してやっているのは後ろにいる安増一族をおびき寄せるためなのだ。
上司の説教を聞いて戻ると、月見山が安増に駆け寄ってきている。
「舞園課長、こいつは俺が責任もって教育しますから」
「月見山さん……安増さんと?」
「ちょっと……」
「それならば、月見山さん、しっかりとその男を調教してくださいね?」
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