つぐちゃんと真珠さん

秋月真鳥

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12.月神の初めて

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 月神の体に触れて、可愛らしい色の薄い中心を舐めて、マシュマロのような双珠を口に含んでも、月神が達する気配はなかった。
 何かがおかしい。
 真珠も気付き始めていた。
 月神が告白したときに、言っていた気がする。

――大人になったら告白しようと思っていました。でも、僕、大きくならなくて……。
――つぐちゃんは、そのままで完璧に可愛いわ!
――大人になりたかったのに。
――つぐちゃんは大人でしょう? 十八歳で成人してるはずだわ。

 あのときは月神のことは外見は愛らしくあどけなく幼く見えるが、大人だと思っていた。
 まさか性の目覚めがまだだったとは思わなかった。
 気付いたときには、真珠の中に暗い欲望が芽生えていた。

 性の目覚めすらまだの月神の体は性的なことを全く知らない。
 この体に真珠を刻み込んで行けば、性の目覚めから全て真珠のものになるのではないだろうか。
 月神の初めてを全て真珠がもらえるのではないだろうか。

 泣いて解放できない苦しみを訴えて来る月神に、愛しさしかわいてこない自分は歪んでいるのかもしれない。月神が可愛くて可愛くて仕方がなかった。
 月神の全てが欲しくて、月神の中の弱みを責めて、月神を何度も中でイかせるのも、真珠には悦びしかなかった。
 過ぎた快感に月神が意識を飛ばしてしまってから、一人でシャワーを浴びて体の熱を鎮めるのは虚しかったけれど、月神が性的に目覚めたときにこそ、その全てをもらいたい。そのためには真珠はどれだけでも我慢ができた。

 ベッドに戻ってぐったりとしている月神の体を温かいタオルで拭いて、華奢な体を抱き締める。首筋に顔を埋めると、どうしても我慢できなくて真珠は月神の首筋をきつく吸い上げた。

 白い月神の肌は痕が残りやすい。
 きつく吸い上げた腰骨にも真珠の印が付いているし、今吸い上げた首筋にも真珠の印が付いている。

「マーキングは大事よね。あたしもされてるし」

 吸血鬼の伴侶となったせいなのか分からないが、噛み付かれて破れた皮膚はもう塞がっていたが、真珠の首筋にも赤い噛み痕が残っていた。左腕の傷がもう痛まないのも、月神の伴侶になった印なのだろう。

 月神の首筋に目立つ赤い印に満足して、真珠は裸の月神を抱き締めて眠った。

 興奮した熱が冷めなくてなかなか寝付けなかったが、夜明けにうとうとしていると、月神が跳ね起きたのが分かった。何事かと思って真珠も起きると、月神が両脚の膝を擦り合わせてもじもじとしている。

「つぐちゃん、もしかして!」
「うわぁ!? 真珠さん!?」

 膝に手をかけて脚を開かせて、月神の中心を見れば、そこが濡れているのが分かる。
 指を這わせると、ぬるりと白濁の感触がした。

「あたしに抱いて欲しくて、急いで大人になったの?」
「そ、そうかもしれない、ですけど……」

 顔を真っ赤にして恥ずかしがっている月神に、真珠は肉食獣のような笑みを浮かべて舌なめずりする。

「いけない子ね、つぐちゃんったら」
「し、真珠さんが、最後までシてくれないから……」

 涙目になる月神の唇に指を当てて、真珠は満面の笑みを浮かべた。

「『真珠』よ?」
「真珠……?」
「つぐちゃんは、あたしの夫になるんだから、あたしのことは『真珠』って呼んで」
「は、はい、真珠」

 呼び捨てにするように促すと、目元を朱鷺色に染めて月神が嬉しそうに微笑む。可愛らしい笑みを見て、真珠は月神の体をベッドの上に押し倒した。

「大人になったのなら、遠慮することはないわよね?」
「真珠……?」
「つぐちゃん、覚悟してね?」

 昨晩は月神の体にだけ触れて、自分はシャワーで興奮を鎮めた。その虚しさを真珠は取り返したかった。
 何より、大人になったばかりの月神の体に真珠の形を覚え込ませたかった。

 後孔に触れると、昨晩散々触れていたのでそこは柔らかく真珠の指を受け入れる。指一本ならば入るのだが、真珠の中心は指一本で収まるほど小さくはない。
 今回は急だったので何も用意していないが、次回からはローションか何か用意した方がいいだろう。
 考えながら、舌で唾液を伝わせて月神の中を拓いていくと、月神が息も絶え絶えに身をよじる。

「もうっ、だめぇ!」
「つぐちゃん、もう少し待ってね。このままじゃ入らないから」
「しんじゅ、キてぇ!」
「そんなに煽らないで! あたしだってギリギリなんだから!」
「だってぇ!」
「そんな可愛い顔して、つぐちゃん、恐ろしい子!」

 可愛すぎて暴走してしまわないようにするのが精一杯の真珠は、月神の中をゆっくりと丁寧に解していく。

「ひぁっ! あぁんっ!」

 真珠の指が三本入るようになって、ようやく真珠は月神の中から指を引き抜いて、後孔に中心を押し当てた。

「苦しかったり、痛かったりしたら言ってね?」
「んっ!」

 声を出せないのか、必死に頷く月神が健気で可愛くて、そのまま一気に貪りたい欲望と戦うのが大変だった。
 ゆっくりと月神の中に腰を進めていくと、きつい締め付けと中の熱さに暴走しそうになる。耐えながら真珠はゆっくりとゆっくりと腰を進める。
 全部納まったときには、真珠の額から伝った汗が、月神の白い胸で砕けて散った。

「つ、ぐちゃん、うごいて、いい?」
「んんっ!」

 ぼろぼろと涙を零しながらも健気に頷く月神に、真珠は腰を引く。血管の浮いたグロテスクな真珠の中心が、月神の小さな尻に入っているというだけで視覚的に興奮してしまって暴走しそうになっている自分を止められない。
 ギリギリまで引いて一気に押し込むと、月神が悲鳴を上げる。

「あぁぁぁっ!?」
「つぐちゃん、ごめん。むり……がまんできない」
「ひぁぁぁぁっ! しんじゅ! しんじゅっ!」

 ガツガツと月神の細い腰を掴んで責め立てると、月神が泣きながら真珠に縋り付いてくる。背中に腕を回されて、細い脚も腰に絡められて、しがみ付かれているのすら心地いい。
 内壁を擦り上げて、熱い中に締め付けられて、真珠は月神の最奥で達していた。
 白濁を吐き出すと、月神が声を上げる。

「しんじゅの、あついのが、なかで……」
「そんなこと言うと、止まらなくなるじゃない」
「もっと……しんじゅ、もっとぼくのからだでかんじて?」

 煽るようなことを言って来る月神に、真珠の中心は中に入ったままでまた芯を取り戻し、月神を責め立てる。
 白濁が泡立って月神の中から逆流してくるくらいまで、真珠は月神の中で達していた。

 中心を引き抜くと月神の後孔からとろりと真珠の白濁が流れ出す。月神の腹も何度も達していたのか、月神の白濁で濡れていた。
 ほとんど意識のない月神を真珠は抱え上げてバスルームに連れて行く。

 バスルームのタイルの壁に手を突かせて、真珠は月神の双丘を割って、後孔にシャワーのノズルを当てた。熱いシャワーを後孔にかけると、真珠が中に放った白濁が洗い流される。

「やっ! いやぁ!? しんじゅ!? それ、いやぁ!」
「我慢して、つぐちゃん。出したままだと、つぐちゃんがお腹下しちゃうから」
「中で出されてるみたいで、ひぁっ! あぁぁ!」

 たっぷりと抱かれて感じやすくなっている身体はシャワーの飛沫でも感じてしまうようだ。
 自分の白濁を洗い流すのも、シャワーで感じられるのも、あまり面白くはなかったが、月神のためだと思って真珠は我慢する。
 バスルームから出ると月神は意識を失っていた。

「つぐちゃんの伴侶に、なったのよね」

 魔法人形に撃ち抜かれた左肩の痛みもなくなっているし、首筋の噛み痕も傷は治っていて、赤い痕だけが残っている。
 清潔なシーツに取り換えて、月神をベッドに寝かせて、真珠も月神を抱き締めて目を閉じた。

 もう夜は明けていたが、意識のない月神を抱き締めて真珠はぐっすりと眠りに落ちて行った。
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