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10.吸血は性的行動
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安増は役所にもコネで入っていたが、一族は骨の髄まで腐っているようだった。
個人的な恨みとは恐ろしい。
それは真珠にも経験があった。
『遺跡管理課』の前の課長が、仕事ができる真珠のことを妬んで、凶悪な魔法生物の発生する遺跡の封印を解いたことがあった。
そのときには死人を出さないことで精一杯だったが、『遺跡管理課』は処理に追われて、真珠は獣人や妖精種や吸血鬼の部下に生命を維持できるギリギリまで血液を与えて力を高め、その上自分も弓式のレールガンを持って前線に立っていたので、死ななかったのが奇跡だったくらいだ。
責任を追及されて元課長は真珠に向かって言ったのだ。
「俺よりも年下なのに、涼しい顔をして仕事をこなして、課長の座が奪われると思った」
その元課長は責任を取って首になり、元課長が恐れていた通りに真珠は望まずともその功績で『遺跡管理課』の課長になった。
安増も父親との確執があったのだろう。それを月神にぶつけて来ていた。
ショックを受けて泣いている月神を抱き締めて背中を撫でる。
何度も何度も月神の耳に囁きかける。
「月神さんは月神さんです。あの男とは違う」
「真珠さん……」
「月神さんと私との時間は例え本当の父親が誰であろうとも、誰にも変えられないものです。月神さん、愛しています」
「真珠さん、僕も愛しています」
泣きながら眠ってしまった月神を抱き上げてベッドに寝かせて、真珠もその横に寝そべった。涙の痕のある丸さの残るあどけない頬に口付けして、何度も髪を撫でて、月神を胸にかき抱く。
月神への愛しさは更に募っていたが、体の関係を急ごうとは思わなかった。
安増に押し倒されて月神は相当のショックを受けたはずだ。もしかするとトラウマになってしまっているかもしれない。
先にカウンセリングを受けさせた方がいいかもしれないと真珠は思っていた。
「しんじゅさん……」
それなのに、胸に縋ってくる月神の小さな唇を見ると、月神を食べてしまいたいような狂暴な思いが呼び起こされるから恐ろしい。
シャツの前はボタンが飛んでいて、スラックスは破られて下着が露出しているという月神の格好も真珠の欲望を煽ってしまう。
こんなことを考えている場合ではないのに。
分かっているのだが、シャワーでも浴びて欲望を消そうとしても、月神の手がしっかりと真珠のシャツの胸を握り締めているので動くこともできない。
「こんなときなのに反応してる場合じゃないですよ……」
自分の下半身に言い聞かせるが、月神のあられもない姿に欲情してしまうのは、月神を愛しているからどうしようもなかった。
眠れないまま朝を迎えて、目を腫らした月神が起きて来て、シャワーを浴びて、着替えて、朝ご飯を作ってくれた。
ご飯とお味噌汁と卵焼きとほうれん草のお浸しという素朴な朝ご飯だが、お味噌汁は出汁の味がしっかりとして、卵焼きは少し甘くてとても美味しい。
「つぐちゃん、無理しなくていいのよぉ?」
「無理じゃないです。何かしてた方が気は紛れますし」
食べ終わって食器を洗う月神を手伝おうとしたら、怪我をしていることを理由にソファで休まされてしまった。
食器を洗い終えたら、月神は真珠に紅茶を淹れてくれて、二人で紅茶を飲む。
「つぐちゃん、カウンセリングを受けてみない?」
「いえ、必要ないです」
「必要なくないわ。こういうときにはカウンセリングを受けるのが当然なのよ?」
月神は性的暴行を受けた。これまでも何回も性的暴行未遂に遭ったことがあるらしい。小さな頃からそんなことをされていれば、月神の心はさぞかし傷付いていることだろう。
「それより、安増さんの処分はどうなるんですか?」
「そうね……あたしも監督不行き届きで処分を受けるでしょうね」
「真珠さんが!?」
「望むところよ。安増を役所に就職させたコネ……つまりは安増一族という後ろ盾を、責任を取らせて潰してみせるわ。そのためなら、説教くらい聞いてやるわよ」
安増本人だけではまた事件を繰り返す。それに安増一族と関わりがあると分かった月神が巻き込まれるなど冗談ではない。
安増一族と月神を完全に断ち切るためにも、安増一族には潰れてもらわなければいけない。
安増のこれまでしてきたことも責任を取らせて、安増一族を社会的に抹殺することを真珠は決めていた。
「あのひと、コネで就職したんですか……」
「仕事はできる男だから、コネがなくても就職できただろうけど、素行が悪すぎたのよね……。だからこそ、一族はお堅い役所という場所に就職させたんでしょうけどね」
コネで就職させたのならば、安増の起こした事件の責任を安増一族に問えるはずだ。それを元に安増一族を完全に潰してしまう。
「つぐちゃんはあさちゃんの籍に入ってるし、気にすることはないわよ。戸籍上はつぐちゃんはあさちゃんと叶さんの子どもだもの」
遺伝子上の父親は安増の父親かもしれないが、叶はこういうことが起きると予測していたのか、月神を旭の戸籍に入れていた。戸籍上では月神は旭と叶の子どもになっているのだ。
遺伝子検査をすれば分かるかもしれないが、そんなことは真珠が絶対にさせないし、旭も許さないだろう。
それにしても、真珠も旭があんなに怒っているところなど初めて見た。
「あさちゃん、強かったのねぇ」
「お父さん、吸血鬼のあの男をぼこぼこにしてましたよね」
飛び膝蹴りで吹っ飛ばされた挙句、安増は旭に執拗に蹴り回されていた。真珠も月神を助けるために安増と戦うことは覚悟していたが、そうする必要はなかったどころか、旭がやりすぎないように止めることまで考えるくらいだった。
あの後は旭に任せてきたが、旭は真珠の上司を呼んで安増を連れて行ってもらったはずだ。警察沙汰にしたくなかったのは、月神の出生の秘密を安増の口から警察に離されるのが嫌だったのと、性被害者である月神が警察の取り調べで、二次被害を受ける可能性があったからだ。
警察の調書のために詳細に起こったことを聞かれて、月神が傷付かないはずはない。
安増一族とは司法の場で争う覚悟はあったが、真珠は月神を矢面に出すつもりは全くなかった。
「こんな僕のこと……真珠さんは嫌になってませんか?」
「嫌になるはずがないわ。あたしはつぐちゃんと結婚するのよ? つぐちゃんの気持ちが変わってなければ」
「変わるはずがありません。でも、僕はあの男と同じ血を引いていて……」
「それは関係ないって話をしてるでしょ?」
「それじゃ、真珠さんは、僕を抱けますか?」
黒い瞳が潤みながらもこの上なく真剣に真珠を見詰めて来ている。
真珠は同じく真剣に即答した。
「抱けるわ! 抱きたい! 今すぐにでも、つぐちゃんを抱きたいと思ってる!」
「本当に……?」
「本当よ。でも、つぐちゃんを傷付けたいわけでもないし、急がせたいわけでもないの。つぐちゃんの心の傷が癒えてからでいいのよ」
まずはカウンセリングを。
そう言おうとした真珠の腕に月神が飛び込んできて、真珠の唇に唇を重ねた。
白い頬が薔薇色に染まっていて、黒曜石のような目が潤んで真珠を映している。
小さな頃から月神は真珠を真っすぐに見つめて来た。
誰かの特別になどなれるはずがないと拗ねていた真珠に、ずっと特別の座を捧げ続けて来た。
こんなにも愛されているのに、真珠が月神を愛さないはずがない。
「つぐちゃん……離れて。我慢できなくなっちゃう」
「我慢しなくていいです。真珠さんのものにしてください」
抱き付いたまま息が触れる距離で囁く月神に、真珠は唸ってしまう。
好きな相手が、腕の中にいて、自分のものにしてしまってもいいと許可をしてくれている。
月神は性的被害を受けたばかりで、傷付いているのだから、心のケアをするのが先のはずなのに、真珠は月神の口付けだけで下半身に血が集まってきているのを感じていた。
「真珠さん、僕を、愛してくれているなら、あなたのものにしてください」
「落ち着いて、つぐちゃん。つぐちゃんは、あの男のせいで傷付いているのよ。傷を癒してからでも遅くないわ」
「真珠さんのものになりたいんです。真珠さんの手で、忘れさせてほしい」
ふつりと、月神が真珠の首筋に歯を立てた。
吸血鬼の血を吸うという行動は、求愛にも似ていて、性的な意味があるのだと聞いたことがある。
血を吸われていると、真珠の中心がいきり立って来て、頭の奥が痺れるような快感が走る。
「ふっ……んぁっ……」
月神も感じているようで、荒い息を堪えつつ歯を立てて食い破った真珠の首から流れる血を舐めている。
「据え膳食わぬは男の恥……」
「しんじゅさん?」
「もう、知らないんだからね!」
理性が焼き切れた真珠は月神の細い体をソファの上に押し倒していた。
個人的な恨みとは恐ろしい。
それは真珠にも経験があった。
『遺跡管理課』の前の課長が、仕事ができる真珠のことを妬んで、凶悪な魔法生物の発生する遺跡の封印を解いたことがあった。
そのときには死人を出さないことで精一杯だったが、『遺跡管理課』は処理に追われて、真珠は獣人や妖精種や吸血鬼の部下に生命を維持できるギリギリまで血液を与えて力を高め、その上自分も弓式のレールガンを持って前線に立っていたので、死ななかったのが奇跡だったくらいだ。
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「月神さんは月神さんです。あの男とは違う」
「真珠さん……」
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「真珠さん、僕も愛しています」
泣きながら眠ってしまった月神を抱き上げてベッドに寝かせて、真珠もその横に寝そべった。涙の痕のある丸さの残るあどけない頬に口付けして、何度も髪を撫でて、月神を胸にかき抱く。
月神への愛しさは更に募っていたが、体の関係を急ごうとは思わなかった。
安増に押し倒されて月神は相当のショックを受けたはずだ。もしかするとトラウマになってしまっているかもしれない。
先にカウンセリングを受けさせた方がいいかもしれないと真珠は思っていた。
「しんじゅさん……」
それなのに、胸に縋ってくる月神の小さな唇を見ると、月神を食べてしまいたいような狂暴な思いが呼び起こされるから恐ろしい。
シャツの前はボタンが飛んでいて、スラックスは破られて下着が露出しているという月神の格好も真珠の欲望を煽ってしまう。
こんなことを考えている場合ではないのに。
分かっているのだが、シャワーでも浴びて欲望を消そうとしても、月神の手がしっかりと真珠のシャツの胸を握り締めているので動くこともできない。
「こんなときなのに反応してる場合じゃないですよ……」
自分の下半身に言い聞かせるが、月神のあられもない姿に欲情してしまうのは、月神を愛しているからどうしようもなかった。
眠れないまま朝を迎えて、目を腫らした月神が起きて来て、シャワーを浴びて、着替えて、朝ご飯を作ってくれた。
ご飯とお味噌汁と卵焼きとほうれん草のお浸しという素朴な朝ご飯だが、お味噌汁は出汁の味がしっかりとして、卵焼きは少し甘くてとても美味しい。
「つぐちゃん、無理しなくていいのよぉ?」
「無理じゃないです。何かしてた方が気は紛れますし」
食べ終わって食器を洗う月神を手伝おうとしたら、怪我をしていることを理由にソファで休まされてしまった。
食器を洗い終えたら、月神は真珠に紅茶を淹れてくれて、二人で紅茶を飲む。
「つぐちゃん、カウンセリングを受けてみない?」
「いえ、必要ないです」
「必要なくないわ。こういうときにはカウンセリングを受けるのが当然なのよ?」
月神は性的暴行を受けた。これまでも何回も性的暴行未遂に遭ったことがあるらしい。小さな頃からそんなことをされていれば、月神の心はさぞかし傷付いていることだろう。
「それより、安増さんの処分はどうなるんですか?」
「そうね……あたしも監督不行き届きで処分を受けるでしょうね」
「真珠さんが!?」
「望むところよ。安増を役所に就職させたコネ……つまりは安増一族という後ろ盾を、責任を取らせて潰してみせるわ。そのためなら、説教くらい聞いてやるわよ」
安増本人だけではまた事件を繰り返す。それに安増一族と関わりがあると分かった月神が巻き込まれるなど冗談ではない。
安増一族と月神を完全に断ち切るためにも、安増一族には潰れてもらわなければいけない。
安増のこれまでしてきたことも責任を取らせて、安増一族を社会的に抹殺することを真珠は決めていた。
「あのひと、コネで就職したんですか……」
「仕事はできる男だから、コネがなくても就職できただろうけど、素行が悪すぎたのよね……。だからこそ、一族はお堅い役所という場所に就職させたんでしょうけどね」
コネで就職させたのならば、安増の起こした事件の責任を安増一族に問えるはずだ。それを元に安増一族を完全に潰してしまう。
「つぐちゃんはあさちゃんの籍に入ってるし、気にすることはないわよ。戸籍上はつぐちゃんはあさちゃんと叶さんの子どもだもの」
遺伝子上の父親は安増の父親かもしれないが、叶はこういうことが起きると予測していたのか、月神を旭の戸籍に入れていた。戸籍上では月神は旭と叶の子どもになっているのだ。
遺伝子検査をすれば分かるかもしれないが、そんなことは真珠が絶対にさせないし、旭も許さないだろう。
それにしても、真珠も旭があんなに怒っているところなど初めて見た。
「あさちゃん、強かったのねぇ」
「お父さん、吸血鬼のあの男をぼこぼこにしてましたよね」
飛び膝蹴りで吹っ飛ばされた挙句、安増は旭に執拗に蹴り回されていた。真珠も月神を助けるために安増と戦うことは覚悟していたが、そうする必要はなかったどころか、旭がやりすぎないように止めることまで考えるくらいだった。
あの後は旭に任せてきたが、旭は真珠の上司を呼んで安増を連れて行ってもらったはずだ。警察沙汰にしたくなかったのは、月神の出生の秘密を安増の口から警察に離されるのが嫌だったのと、性被害者である月神が警察の取り調べで、二次被害を受ける可能性があったからだ。
警察の調書のために詳細に起こったことを聞かれて、月神が傷付かないはずはない。
安増一族とは司法の場で争う覚悟はあったが、真珠は月神を矢面に出すつもりは全くなかった。
「こんな僕のこと……真珠さんは嫌になってませんか?」
「嫌になるはずがないわ。あたしはつぐちゃんと結婚するのよ? つぐちゃんの気持ちが変わってなければ」
「変わるはずがありません。でも、僕はあの男と同じ血を引いていて……」
「それは関係ないって話をしてるでしょ?」
「それじゃ、真珠さんは、僕を抱けますか?」
黒い瞳が潤みながらもこの上なく真剣に真珠を見詰めて来ている。
真珠は同じく真剣に即答した。
「抱けるわ! 抱きたい! 今すぐにでも、つぐちゃんを抱きたいと思ってる!」
「本当に……?」
「本当よ。でも、つぐちゃんを傷付けたいわけでもないし、急がせたいわけでもないの。つぐちゃんの心の傷が癒えてからでいいのよ」
まずはカウンセリングを。
そう言おうとした真珠の腕に月神が飛び込んできて、真珠の唇に唇を重ねた。
白い頬が薔薇色に染まっていて、黒曜石のような目が潤んで真珠を映している。
小さな頃から月神は真珠を真っすぐに見つめて来た。
誰かの特別になどなれるはずがないと拗ねていた真珠に、ずっと特別の座を捧げ続けて来た。
こんなにも愛されているのに、真珠が月神を愛さないはずがない。
「つぐちゃん……離れて。我慢できなくなっちゃう」
「我慢しなくていいです。真珠さんのものにしてください」
抱き付いたまま息が触れる距離で囁く月神に、真珠は唸ってしまう。
好きな相手が、腕の中にいて、自分のものにしてしまってもいいと許可をしてくれている。
月神は性的被害を受けたばかりで、傷付いているのだから、心のケアをするのが先のはずなのに、真珠は月神の口付けだけで下半身に血が集まってきているのを感じていた。
「真珠さん、僕を、愛してくれているなら、あなたのものにしてください」
「落ち着いて、つぐちゃん。つぐちゃんは、あの男のせいで傷付いているのよ。傷を癒してからでも遅くないわ」
「真珠さんのものになりたいんです。真珠さんの手で、忘れさせてほしい」
ふつりと、月神が真珠の首筋に歯を立てた。
吸血鬼の血を吸うという行動は、求愛にも似ていて、性的な意味があるのだと聞いたことがある。
血を吸われていると、真珠の中心がいきり立って来て、頭の奥が痺れるような快感が走る。
「ふっ……んぁっ……」
月神も感じているようで、荒い息を堪えつつ歯を立てて食い破った真珠の首から流れる血を舐めている。
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