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6.告白をされて
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戦いには自信があった。
真珠は大学時代もアーチェリーや弓道で賞を取っていたし、『遺跡管理課』に入ってからは雷を放つ雷上動と名付けられた弓式のレールガンを使っている。
『遺跡管理課』に入るときには、半年の研修期間があって、その間に遺跡の中でも戦える武器の習得も行われるのだ。
雷上動を構えて放つと、雷の矢が魔法人形の頭部を打ち抜く。
核がどこにあるのか分からないが、レーザーを放つ可能性のある頭部は一番に壊しておくのがマニュアルに沿った魔法人形の対処法だった。
「五百蔵課長! こっちを狙って来てます!」
「守り通しなさい!」
「そんなぁ!」
泣き言をいう安増に内心苛立ちながらも、旭と月神を守るために安増が守る二人を襲おうとしている魔法人形に矢を放つと、頭部を壊したはずの魔法人形が腕からブレイドを出して、襲い掛かって来ていた。
弓式のレールガンは長距離の攻撃には強いのだが、接近戦には向いていない。矢をつがえながらレールガンの端でブレイドを弾いたが、魔法人形はもう片方の腕のブレイドを発射してきた。
とっさのことで対処ができなかった。
焼けるような痛みが肩に走ったが、真珠は怯まなかった。
ここで怯んでいては『遺跡管理課』の課長などできない。
レールガンで放った雷の矢が魔法人形を貫く。胸部の輝く核を壊された魔法人形は動かなくなった。
安増もレイピアで魔法人形を撃破している。
全ての魔法人形が破壊されてホールが安全になったと思った瞬間、気が抜けたのか真珠は床に膝をついていた。
肩に突き刺さったブレイドは深くまで刺さり、骨を砕いている気配がする。
そんな状態で弓を引いたので、傷口は更に広がっている。
「真珠さん、怪我が!」
「つ、ぐみさん……無事ですか?」
「真珠さんのおかげで無事です。真珠さん、肩に……」
「これ、は、抜かない方が、いいでしょうね」
出血が酷くなる。
そこまで言えたかどうか分からない。
真珠はそのまま意識を失った。
目を覚ましたら病院だった。
病院で怪我の処置をされて、ベッドに寝かされている。出血が酷かったので気を失ってしまったようだ。
枕元に座っている月神が歌っているのが聞こえる。
「つぐちゃん……歌っていてくれたの?」
「目を覚ましましたか? 少しでも痛みが和らげばと思って」
ずっと泣いていたのだろう、目を真っ赤にした月神に、真珠は胸が熱くなる。月神は真珠が目覚めるまでずっとそばにいてくれたのだ。それだけではなくて、癒しの歌で真珠の傷を癒してくれていた。
「つぐちゃんの生歌だなんて贅沢だわぁ」
「そんなこと言ってる場合ですか! 真珠さんは僕たちを守るために死にかけたんですよ」
「これくらいじゃ死なないわよ。つぐちゃん、大丈夫。あたしは簡単には死なないわ」
微笑んで告げると、月神がくしゃくしゃの顔になって泣き出す。
ぼろぼろと零れる涙が美しくて、真珠は月神に手を伸ばそうとしたが、あまりにも神聖で自分が触れていいものかどうか迷ってしまった。
「もっと、自分を大事にしてください」
「大事にしてるわよ。あたしが死んだら、あたしが絶滅しちゃうでしょ?」
「それはそうですけど……」
ずずっと洟を啜って、月神が真珠の怪我をしていない方の手を取った。
「好きなんです」
「好き……? あたしも、つぐちゃんのことが大好きよ」
「それは家族みたいな意味でしょう? 僕はそういうのじゃなくて、真珠さんが恋愛対象として好きなんです」
「れ、恋愛対象!? つぐちゃん、正気!? あたし、つぐちゃんの倍の年齢よ!?」
「年齢とか関係ないでしょう? ずっと小さな頃から僕を大事にしてくれて、真珠さん以外考えられないんです」
それに、と月神が続けた。
「真珠さんは僕の運命のひとなんです」
「はぁ!?」
あまりのことに真珠は大声をあげていた。
月神にはいつか運命の相手が現れて、その相手と幸せになるのだと勝手に思っていた。それが自分だなんてことは、一度も考えたことがない。
「あ、あたしが、つぐちゃんの、運命の相手!?」
「そうです。十五歳のときに真珠さんの血を飲んで確信しました。真珠さんの血だけが僕にとって甘く美味しいんです」
いつか来るのを恐れていた月神の運命の相手は、真珠だった。
そんなことをいきなり言われても、俄かには信じがたい。
「嘘でしょ? 初めて血を飲んだから、勘違いしたんじゃない?」
「試しに父に血を飲ませてもらったけれど、飲まない方がマシだった」
「つぐちゃんの、運命の相手が、あたし!?」
吸血鬼にとって運命の相手がどれだけ重要かは真珠にも分かっている。だからこそ月神の運命の相手が現れるのを恐れていたのだが、それが自分だったなんて。
「大人になったら告白しようと思っていました。でも、僕、大きくならなくて……」
「つぐちゃんは、そのままで完璧に可愛いわ!」
「大人になりたかったのに」
「つぐちゃんは大人でしょう? 十八歳で成人してるはずだわ」
後は高校を卒業するだけ、とかおめでたい考えが浮かんできて真珠は焦ってしまう。
ずっと手に入れたかった月神が、自分の方から両手を広げて真珠の腕に飛び込んで来ようとしている。
こんなうまい話があっていいものなのだろうか。
「ちょっと、考えさせて……」
「やっぱり、迷惑でしたよね。僕みたいな子どもに言われても」
「迷惑とか、そんなこと絶対にないわ。つぐちゃんは立派な大人よ」
外見こそ美少女のように幼く可愛いが、月神は昔から大人だった。
叶の葬式で何も言えなくなった旭の代わりに挨拶をした日も、入院している叶をお見舞いに行っていたころも、それ以前も、ずっと年よりも大人になって、自分の仕事をして、旭に迷惑をかけないように、真珠に迷惑をかけないようにと月神はずっと大人だった。
そんなに急いで大人にならなくていいのにと思っていたのに、真珠は月神の子ども時代を守ってやれなかった。
「あたしで、いいの?」
「真珠さんが、いいんです」
「ごめんなさい、急すぎて……。少し考えさせてくれない?」
考えるも何も、月神が真珠を運命の相手といっているのならばそれは覆られないのだが、それにしても真珠には少し時間が欲しかった。
月神のことは大好きだが、それが恋愛なのかどうかを確かめない限りは、月神に失礼になってしまう。
「分かりました」
静かに答えた月神はもう泣いていなかった。
黒い瞳に少し癖のある黒い髪。少女のように可愛い容姿でありながらも、月神はどこまでも性格的に大人で男らしい。
「真珠さんの家に泊まり込んでお手伝いをします」
「いやいやいや、そこまでしなくていいのよ?」
「真珠さんが怪我をしたのは僕のせいでもありますし、片腕が使えないと不便でしょう? 歌で癒すこともできますし」
月神の歌をずっと聞いていたせいか、肩の痛みは治まっていたが、歌が途切れて話し出すと痛んでくる。癒しの歌に効果があるのは間違いなかった。
「ひとつ屋根の下で、何か間違いがあったらいけないわぁ」
「これまでも何度も泊ってるじゃないですか。大丈夫です、怪我をしているひとを襲ったりしませんから」
「襲ったり!? えぇ!? 男前!?」
凛として告げる月神に真珠は思わず仰け反ってしまう。
どちらかといえば真珠の方が月神を襲わないか心配して欲しいのだが、月神はそんなことは全く考えていないようだ。
「父にも了承は取ってあります」
「それでいいの!? あさちゃん!?」
天使だと言って可愛がっている愛息子を真珠に預けることに旭は抵抗がなかったのだろうか。小さい頃から預かっているが、月神ももう十八歳になって、外見はともかく子どもとは言えない年齢になっている。
「車の運転はできないので、タクシーですけど、帰りましょう、真珠さん。車の免許も高校を卒業したら取るつもりです」
「そうよ! つぐちゃん、受験生じゃない!?」
「大学は音楽大学に推薦が決まってます」
「そ、そう。さすがね」
断る理由がなくなってしまって戸惑う真珠を他所に、月神はさっさと帰る準備を始めていた。
真珠は大学時代もアーチェリーや弓道で賞を取っていたし、『遺跡管理課』に入ってからは雷を放つ雷上動と名付けられた弓式のレールガンを使っている。
『遺跡管理課』に入るときには、半年の研修期間があって、その間に遺跡の中でも戦える武器の習得も行われるのだ。
雷上動を構えて放つと、雷の矢が魔法人形の頭部を打ち抜く。
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「守り通しなさい!」
「そんなぁ!」
泣き言をいう安増に内心苛立ちながらも、旭と月神を守るために安増が守る二人を襲おうとしている魔法人形に矢を放つと、頭部を壊したはずの魔法人形が腕からブレイドを出して、襲い掛かって来ていた。
弓式のレールガンは長距離の攻撃には強いのだが、接近戦には向いていない。矢をつがえながらレールガンの端でブレイドを弾いたが、魔法人形はもう片方の腕のブレイドを発射してきた。
とっさのことで対処ができなかった。
焼けるような痛みが肩に走ったが、真珠は怯まなかった。
ここで怯んでいては『遺跡管理課』の課長などできない。
レールガンで放った雷の矢が魔法人形を貫く。胸部の輝く核を壊された魔法人形は動かなくなった。
安増もレイピアで魔法人形を撃破している。
全ての魔法人形が破壊されてホールが安全になったと思った瞬間、気が抜けたのか真珠は床に膝をついていた。
肩に突き刺さったブレイドは深くまで刺さり、骨を砕いている気配がする。
そんな状態で弓を引いたので、傷口は更に広がっている。
「真珠さん、怪我が!」
「つ、ぐみさん……無事ですか?」
「真珠さんのおかげで無事です。真珠さん、肩に……」
「これ、は、抜かない方が、いいでしょうね」
出血が酷くなる。
そこまで言えたかどうか分からない。
真珠はそのまま意識を失った。
目を覚ましたら病院だった。
病院で怪我の処置をされて、ベッドに寝かされている。出血が酷かったので気を失ってしまったようだ。
枕元に座っている月神が歌っているのが聞こえる。
「つぐちゃん……歌っていてくれたの?」
「目を覚ましましたか? 少しでも痛みが和らげばと思って」
ずっと泣いていたのだろう、目を真っ赤にした月神に、真珠は胸が熱くなる。月神は真珠が目覚めるまでずっとそばにいてくれたのだ。それだけではなくて、癒しの歌で真珠の傷を癒してくれていた。
「つぐちゃんの生歌だなんて贅沢だわぁ」
「そんなこと言ってる場合ですか! 真珠さんは僕たちを守るために死にかけたんですよ」
「これくらいじゃ死なないわよ。つぐちゃん、大丈夫。あたしは簡単には死なないわ」
微笑んで告げると、月神がくしゃくしゃの顔になって泣き出す。
ぼろぼろと零れる涙が美しくて、真珠は月神に手を伸ばそうとしたが、あまりにも神聖で自分が触れていいものかどうか迷ってしまった。
「もっと、自分を大事にしてください」
「大事にしてるわよ。あたしが死んだら、あたしが絶滅しちゃうでしょ?」
「それはそうですけど……」
ずずっと洟を啜って、月神が真珠の怪我をしていない方の手を取った。
「好きなんです」
「好き……? あたしも、つぐちゃんのことが大好きよ」
「それは家族みたいな意味でしょう? 僕はそういうのじゃなくて、真珠さんが恋愛対象として好きなんです」
「れ、恋愛対象!? つぐちゃん、正気!? あたし、つぐちゃんの倍の年齢よ!?」
「年齢とか関係ないでしょう? ずっと小さな頃から僕を大事にしてくれて、真珠さん以外考えられないんです」
それに、と月神が続けた。
「真珠さんは僕の運命のひとなんです」
「はぁ!?」
あまりのことに真珠は大声をあげていた。
月神にはいつか運命の相手が現れて、その相手と幸せになるのだと勝手に思っていた。それが自分だなんてことは、一度も考えたことがない。
「あ、あたしが、つぐちゃんの、運命の相手!?」
「そうです。十五歳のときに真珠さんの血を飲んで確信しました。真珠さんの血だけが僕にとって甘く美味しいんです」
いつか来るのを恐れていた月神の運命の相手は、真珠だった。
そんなことをいきなり言われても、俄かには信じがたい。
「嘘でしょ? 初めて血を飲んだから、勘違いしたんじゃない?」
「試しに父に血を飲ませてもらったけれど、飲まない方がマシだった」
「つぐちゃんの、運命の相手が、あたし!?」
吸血鬼にとって運命の相手がどれだけ重要かは真珠にも分かっている。だからこそ月神の運命の相手が現れるのを恐れていたのだが、それが自分だったなんて。
「大人になったら告白しようと思っていました。でも、僕、大きくならなくて……」
「つぐちゃんは、そのままで完璧に可愛いわ!」
「大人になりたかったのに」
「つぐちゃんは大人でしょう? 十八歳で成人してるはずだわ」
後は高校を卒業するだけ、とかおめでたい考えが浮かんできて真珠は焦ってしまう。
ずっと手に入れたかった月神が、自分の方から両手を広げて真珠の腕に飛び込んで来ようとしている。
こんなうまい話があっていいものなのだろうか。
「ちょっと、考えさせて……」
「やっぱり、迷惑でしたよね。僕みたいな子どもに言われても」
「迷惑とか、そんなこと絶対にないわ。つぐちゃんは立派な大人よ」
外見こそ美少女のように幼く可愛いが、月神は昔から大人だった。
叶の葬式で何も言えなくなった旭の代わりに挨拶をした日も、入院している叶をお見舞いに行っていたころも、それ以前も、ずっと年よりも大人になって、自分の仕事をして、旭に迷惑をかけないように、真珠に迷惑をかけないようにと月神はずっと大人だった。
そんなに急いで大人にならなくていいのにと思っていたのに、真珠は月神の子ども時代を守ってやれなかった。
「あたしで、いいの?」
「真珠さんが、いいんです」
「ごめんなさい、急すぎて……。少し考えさせてくれない?」
考えるも何も、月神が真珠を運命の相手といっているのならばそれは覆られないのだが、それにしても真珠には少し時間が欲しかった。
月神のことは大好きだが、それが恋愛なのかどうかを確かめない限りは、月神に失礼になってしまう。
「分かりました」
静かに答えた月神はもう泣いていなかった。
黒い瞳に少し癖のある黒い髪。少女のように可愛い容姿でありながらも、月神はどこまでも性格的に大人で男らしい。
「真珠さんの家に泊まり込んでお手伝いをします」
「いやいやいや、そこまでしなくていいのよ?」
「真珠さんが怪我をしたのは僕のせいでもありますし、片腕が使えないと不便でしょう? 歌で癒すこともできますし」
月神の歌をずっと聞いていたせいか、肩の痛みは治まっていたが、歌が途切れて話し出すと痛んでくる。癒しの歌に効果があるのは間違いなかった。
「ひとつ屋根の下で、何か間違いがあったらいけないわぁ」
「これまでも何度も泊ってるじゃないですか。大丈夫です、怪我をしているひとを襲ったりしませんから」
「襲ったり!? えぇ!? 男前!?」
凛として告げる月神に真珠は思わず仰け反ってしまう。
どちらかといえば真珠の方が月神を襲わないか心配して欲しいのだが、月神はそんなことは全く考えていないようだ。
「父にも了承は取ってあります」
「それでいいの!? あさちゃん!?」
天使だと言って可愛がっている愛息子を真珠に預けることに旭は抵抗がなかったのだろうか。小さい頃から預かっているが、月神ももう十八歳になって、外見はともかく子どもとは言えない年齢になっている。
「車の運転はできないので、タクシーですけど、帰りましょう、真珠さん。車の免許も高校を卒業したら取るつもりです」
「そうよ! つぐちゃん、受験生じゃない!?」
「大学は音楽大学に推薦が決まってます」
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