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五章 在位百周年
16.ヨシュアの百四十六回目の誕生日
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ヨシュアの誕生日は年が明けて三日後にある。
新年の祝賀の行事を終えて、一息ついたころに来るヨシュアの誕生日を、龍王は新年よりももっと大事に毎年祝ってくれていた。
気が遠くなるような時間を生きるのだから、誕生日も毎年祝わなくていいのにと思うが、ヨシュアも龍王の誕生日は祝ってしまうし、龍王も同じような気持ちなのだろう。
気が付けば龍王の即位百周年から五年が経っていた。
今年は龍王とヨシュアの結婚百周年である。
ヨシュアは百四十六歳になって、龍王は今年の誕生日で百二十五歳になる。
ここまでくると二十歳を超える年の差も気にならなくなってきていた。
「ヨシュア、お誕生日おめでとうございます」
早朝に水の加護の祈りを終えると、龍王がヨシュアに早速祝いの言葉を伝えて来る。
「ありがとう、星宇」
お礼を言えば龍王は嬉しそうにヨシュアの胴に腕を回してくる。
しっかりと抱き着いて龍王がヨシュアの胸に顔をこすり付ける。
「今日は政務は休みです。わたしにとっては何より大事な一日ですからね」
「これから何百回と来るんだぞ?」
「それでも、その一回一回がわたしには大切なのです」
これだけは絶対に譲らないとでもいうように述べる龍王にヨシュアは苦笑する。
「おれも星宇の誕生日は大事だから同じか」
「諦めてください」
今年はラバン王国式に祝うつもりなのか、ラバン王国の衣装が用意されていた。ヨシュアの好んで身に着ける色である鮮やかな青のスーツを着ると、ヨシュアは龍王の着替えを手伝う。龍王のスーツは黒だった。龍王もある程度は自分でできるのだが異国の服となると難しいようだ。
クラヴァットを結んであげると、龍王がヨシュアのクラヴァットによく磨かれた黒曜石の飾りを付けてくれた。ヨシュアのクラヴァットに飾りを付けると、龍王がヨシュアの手に鮮やかな蒼玉の飾りを握らせる。
「わたしに付けてもらえますか?」
「これは、おれの目の色? おれのは星宇の目の色?」
「はい、そのつもりで選びました。台座の金は、ヨシュアの髪の色です」
金の台座に蒼玉がはまった飾りをクラヴァットにつけると、龍王は満足したようにそれを見下ろしていた。
「今年の誕生日お祝いのつもりで作らせたのです。黒はあまり華がないかとも思ったのですが、ヨシュアにわたしの色を身に着けてほしかったのです」
「ありがとう、嬉しいよ」
クラヴァットの上で光る黒曜石は濡れた龍王の瞳のようでとても美しかった。
金髪で青い目のヨシュアにとっては、黒は目立たない色ではない。肌も白いので、黒は身に着けるとよく映えるのだ。
同じように髪も目も黒い龍王には、ヨシュアの目の色の青がよく似合う。
ラバン王国式のスーツを身に着けて赤栄殿に行くと、梓晴の子どもと孫たちが迎えてくれた。
この五年間で楽新も成人しており、秀英も成人に近い年齢になっていた。
「ヨシュア義叔父上、お誕生日おめでとうございます」
「今日はラバン王国の装いなのですね。とてもよくお似合いです」
楽新と秀英に声を掛けられてヨシュアは二人を撫でたいような衝動に駆られる。生まれたときから知っている二人は成人しても、成人に近い年齢になっても、いつまでもヨシュアにとっては可愛い相手だった。
「俊宇! ヨシュア叔父上! おめでとうございます!」
元気な声がかかったのでそちらに目をやると、ヨシュアとよく似た姿に育っているジェレミーがお祝いに駆け付けてくれたようだった。
ラバン王国の王太子であるジェレミーは、父親であるマシューよりもヨシュアによく似ていた。
小さなころから俊宇と仲がよく、友情は変わりなく続いているようだ。
「ヨシュア叔父上をお祝いに行くというと、姉上たちと甥と姪からたくさんお祝いを持たされてきました」
「それはありがたいな。お礼をしないと」
「お礼などいいのですよ。みんなヨシュア叔父上が大好きなのですから」
笑顔で告げるジェレミーは新鮮な果物や、高価な紙、万年筆やインク、様々な装飾品など、大量に魔術のかかった袋から取り出す。魔術のかかった袋は、空間を捻じ曲げて中では時が止まるようになっており、納屋一個分くらいは入るように拡張されている。
受け取った品物が山積みになっていくのをヨシュアが苦笑して見ていると、龍王がジェレミーを止める。
「こんなに贈り物があったら、来年からわたしがヨシュアに何を贈ればいいのか分からなくなる。ただでさえ毎年迷っているのに」
「星宇からの贈り物は何でも嬉しいよ。何もなくても抱き締めてくれるだけで嬉しい」
ヨシュアが言えば龍王はそれに納得していない様子だった。
大量の贈り物を受け取ると、ジェレミーは俊宇の隣りに座る。俊宇は久しぶりにジェレミーに会えて嬉しそうである。
「久しぶりに俊宇と飲み交わしたいな。今夜はどうかな?」
「喜んで。ジェレミーと飲めるのは嬉しいよ」
仲良くしている二人に、「おれは会おうための口実か?」と茶化すと、ジェレミーが真面目な顔で「そうかもしれません」などと言って来るのでヨシュアは笑ってしまった。
本格的に笑ってしまって笑いが止まらないヨシュアを龍王が肩を抱いて宥める。
お祝いの昼餉は豪華で、ラバン王国の料理が出てきて、慣れないフォークとナイフの使い方に楽新と秀英は困っていたようだった。
柔らかく焼き上げた肉を切り分けてフォークで口に運ぶヨシュアに、龍王も優雅な動作で食事をしている。
龍王もヨシュアと暮らしているうちにラバン王国式の食事にも慣れたようだった。
食事の最後には大きなケーキが運ばれてくる。
ろうそくが灯されたケーキはヨシュアの前に置かれて、ヨシュアがろうそくを吹き消した。
「来年も、再来年も、百年後も、二百年後も星宇と仲睦まじく共にいられますように」
祈りを込めたヨシュアに龍王がヨシュアの腰を抱いた。
ギデオンとゴライアスにお茶を入れてもらって、大きなケーキを切り分けてみんなで食べる。かなりの人数がいるので大きなケーキでも一口ずつになってしまったが、それでもお祝いのケーキが嬉しいことに変わりはない。
お茶を飲みながらケーキを食べると、龍王とヨシュアは青陵殿に戻った。
青陵殿の外は雪が降り積もり、部屋の中もしんと冷えている。
楽な格好に着替えたヨシュアは龍王に寝台に誘われた。
体を交わすのならば湯あみをしなければいけないが、龍王はそういうつもりで寝台の誘ったのではなさそうだった。
身を寄せ合っていると、龍王がヨシュアの胸に頭を乗せる。
ヨシュアの鼓動は龍王と玉で魂を繋いでいるので龍王のものと重なっているはずだ。
「ヨシュア、もらった贈り物は全部捨ててください」
「いいけど」
「嘘です。でも、ちょっとだけわたしが全部あげたかったと思いました」
「果物はもったいないから侍従たちに下賜するし、他にもらったものも使わなくても構わないよ」
「ヨシュアの身に着けるもの、使うものは全部わたしが用意したいと思ってしまったのです。ただの醜い嫉妬です。大事な家族からの贈り物でしょう? 使ってください」
そうは言われても、ジェレミーの甥や姪となるとそれほど親しくないし、会ったのも数度しかない。贈り物は嬉しかったが、全部を使おうとは最初から思っていなかった。
「それなら、星宇のいないときに使うよ。星宇の前では使わない」
「嫉妬深い夫ですみません」
「そういうところも可愛い」
龍王の頬に口付けると、龍王は目を閉じてまどろんでいる。
布団の中で龍王の体を引き寄せてしっかりと抱き締め、ヨシュアも目を閉じた。
昼餉の後で満腹だし、心地よい気だるさと眠気が襲ってくる。
抵抗せずにヨシュアは眠気に身を任せた。
新年の祝賀の行事を終えて、一息ついたころに来るヨシュアの誕生日を、龍王は新年よりももっと大事に毎年祝ってくれていた。
気が遠くなるような時間を生きるのだから、誕生日も毎年祝わなくていいのにと思うが、ヨシュアも龍王の誕生日は祝ってしまうし、龍王も同じような気持ちなのだろう。
気が付けば龍王の即位百周年から五年が経っていた。
今年は龍王とヨシュアの結婚百周年である。
ヨシュアは百四十六歳になって、龍王は今年の誕生日で百二十五歳になる。
ここまでくると二十歳を超える年の差も気にならなくなってきていた。
「ヨシュア、お誕生日おめでとうございます」
早朝に水の加護の祈りを終えると、龍王がヨシュアに早速祝いの言葉を伝えて来る。
「ありがとう、星宇」
お礼を言えば龍王は嬉しそうにヨシュアの胴に腕を回してくる。
しっかりと抱き着いて龍王がヨシュアの胸に顔をこすり付ける。
「今日は政務は休みです。わたしにとっては何より大事な一日ですからね」
「これから何百回と来るんだぞ?」
「それでも、その一回一回がわたしには大切なのです」
これだけは絶対に譲らないとでもいうように述べる龍王にヨシュアは苦笑する。
「おれも星宇の誕生日は大事だから同じか」
「諦めてください」
今年はラバン王国式に祝うつもりなのか、ラバン王国の衣装が用意されていた。ヨシュアの好んで身に着ける色である鮮やかな青のスーツを着ると、ヨシュアは龍王の着替えを手伝う。龍王のスーツは黒だった。龍王もある程度は自分でできるのだが異国の服となると難しいようだ。
クラヴァットを結んであげると、龍王がヨシュアのクラヴァットによく磨かれた黒曜石の飾りを付けてくれた。ヨシュアのクラヴァットに飾りを付けると、龍王がヨシュアの手に鮮やかな蒼玉の飾りを握らせる。
「わたしに付けてもらえますか?」
「これは、おれの目の色? おれのは星宇の目の色?」
「はい、そのつもりで選びました。台座の金は、ヨシュアの髪の色です」
金の台座に蒼玉がはまった飾りをクラヴァットにつけると、龍王は満足したようにそれを見下ろしていた。
「今年の誕生日お祝いのつもりで作らせたのです。黒はあまり華がないかとも思ったのですが、ヨシュアにわたしの色を身に着けてほしかったのです」
「ありがとう、嬉しいよ」
クラヴァットの上で光る黒曜石は濡れた龍王の瞳のようでとても美しかった。
金髪で青い目のヨシュアにとっては、黒は目立たない色ではない。肌も白いので、黒は身に着けるとよく映えるのだ。
同じように髪も目も黒い龍王には、ヨシュアの目の色の青がよく似合う。
ラバン王国式のスーツを身に着けて赤栄殿に行くと、梓晴の子どもと孫たちが迎えてくれた。
この五年間で楽新も成人しており、秀英も成人に近い年齢になっていた。
「ヨシュア義叔父上、お誕生日おめでとうございます」
「今日はラバン王国の装いなのですね。とてもよくお似合いです」
楽新と秀英に声を掛けられてヨシュアは二人を撫でたいような衝動に駆られる。生まれたときから知っている二人は成人しても、成人に近い年齢になっても、いつまでもヨシュアにとっては可愛い相手だった。
「俊宇! ヨシュア叔父上! おめでとうございます!」
元気な声がかかったのでそちらに目をやると、ヨシュアとよく似た姿に育っているジェレミーがお祝いに駆け付けてくれたようだった。
ラバン王国の王太子であるジェレミーは、父親であるマシューよりもヨシュアによく似ていた。
小さなころから俊宇と仲がよく、友情は変わりなく続いているようだ。
「ヨシュア叔父上をお祝いに行くというと、姉上たちと甥と姪からたくさんお祝いを持たされてきました」
「それはありがたいな。お礼をしないと」
「お礼などいいのですよ。みんなヨシュア叔父上が大好きなのですから」
笑顔で告げるジェレミーは新鮮な果物や、高価な紙、万年筆やインク、様々な装飾品など、大量に魔術のかかった袋から取り出す。魔術のかかった袋は、空間を捻じ曲げて中では時が止まるようになっており、納屋一個分くらいは入るように拡張されている。
受け取った品物が山積みになっていくのをヨシュアが苦笑して見ていると、龍王がジェレミーを止める。
「こんなに贈り物があったら、来年からわたしがヨシュアに何を贈ればいいのか分からなくなる。ただでさえ毎年迷っているのに」
「星宇からの贈り物は何でも嬉しいよ。何もなくても抱き締めてくれるだけで嬉しい」
ヨシュアが言えば龍王はそれに納得していない様子だった。
大量の贈り物を受け取ると、ジェレミーは俊宇の隣りに座る。俊宇は久しぶりにジェレミーに会えて嬉しそうである。
「久しぶりに俊宇と飲み交わしたいな。今夜はどうかな?」
「喜んで。ジェレミーと飲めるのは嬉しいよ」
仲良くしている二人に、「おれは会おうための口実か?」と茶化すと、ジェレミーが真面目な顔で「そうかもしれません」などと言って来るのでヨシュアは笑ってしまった。
本格的に笑ってしまって笑いが止まらないヨシュアを龍王が肩を抱いて宥める。
お祝いの昼餉は豪華で、ラバン王国の料理が出てきて、慣れないフォークとナイフの使い方に楽新と秀英は困っていたようだった。
柔らかく焼き上げた肉を切り分けてフォークで口に運ぶヨシュアに、龍王も優雅な動作で食事をしている。
龍王もヨシュアと暮らしているうちにラバン王国式の食事にも慣れたようだった。
食事の最後には大きなケーキが運ばれてくる。
ろうそくが灯されたケーキはヨシュアの前に置かれて、ヨシュアがろうそくを吹き消した。
「来年も、再来年も、百年後も、二百年後も星宇と仲睦まじく共にいられますように」
祈りを込めたヨシュアに龍王がヨシュアの腰を抱いた。
ギデオンとゴライアスにお茶を入れてもらって、大きなケーキを切り分けてみんなで食べる。かなりの人数がいるので大きなケーキでも一口ずつになってしまったが、それでもお祝いのケーキが嬉しいことに変わりはない。
お茶を飲みながらケーキを食べると、龍王とヨシュアは青陵殿に戻った。
青陵殿の外は雪が降り積もり、部屋の中もしんと冷えている。
楽な格好に着替えたヨシュアは龍王に寝台に誘われた。
体を交わすのならば湯あみをしなければいけないが、龍王はそういうつもりで寝台の誘ったのではなさそうだった。
身を寄せ合っていると、龍王がヨシュアの胸に頭を乗せる。
ヨシュアの鼓動は龍王と玉で魂を繋いでいるので龍王のものと重なっているはずだ。
「ヨシュア、もらった贈り物は全部捨ててください」
「いいけど」
「嘘です。でも、ちょっとだけわたしが全部あげたかったと思いました」
「果物はもったいないから侍従たちに下賜するし、他にもらったものも使わなくても構わないよ」
「ヨシュアの身に着けるもの、使うものは全部わたしが用意したいと思ってしまったのです。ただの醜い嫉妬です。大事な家族からの贈り物でしょう? 使ってください」
そうは言われても、ジェレミーの甥や姪となるとそれほど親しくないし、会ったのも数度しかない。贈り物は嬉しかったが、全部を使おうとは最初から思っていなかった。
「それなら、星宇のいないときに使うよ。星宇の前では使わない」
「嫉妬深い夫ですみません」
「そういうところも可愛い」
龍王の頬に口付けると、龍王は目を閉じてまどろんでいる。
布団の中で龍王の体を引き寄せてしっかりと抱き締め、ヨシュアも目を閉じた。
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