125 / 150
五章 在位百周年
5.五歳の龍王
しおりを挟む
龍王が縮んでしまった。
五歳くらいの姿になった龍王は、不本意ながら子ども用の椅子を持って来てもらって、ヨシュアの手を借りて座って、料理も全部取り分けてもらって食べる。五歳児でも食べやすいものを用意してもらっていたが、小さな手に箸が馴染まず、なかなか上手に食べられない。焦れているとヨシュアが「あーん」と食べさせてくれる。
ヨシュアに食べさせてもらって満腹になると少し休んで湯あみに行く。
湯殿が遠くて、そこまで歩いて行くのだけでも疲れてしまう。
湯殿に行くと服を脱ぐのだが組み紐がうまく解けない。ヨシュアにしてもらって、ヨシュアに抱っこしてもらって湯殿に入ると、ヨシュアが丁寧に龍王の体を洗う。髪も洗ってもらって、湯船に浸かろうとすると深くて溺れそうになる。
「ヨシュア、たすけてください」
結局、全部ヨシュアの助けを借りなければ日常生活が送れないような状態になって龍王は困っていた。
ヨシュアの膝の上に抱かれて湯船に浸かっても、熱くてすぐに出たくなってしまう。
「もうあついです」
「無理することはない。冷たい飲み物でも飲んで休もう」
歯磨きもヨシュアに仕上げ磨きをしてもらわなければ、五歳児の手首ではしっかりと磨けない。
歯も磨き終えて疲れ切ってヨシュアに抱っこされて部屋に戻ると、ギデオンとゴライアスがお茶を用意してくれていた。
龍王が着ていた服も、今着ている寝間着も、全て龍王が小さなころに着ていたものだった。派手すぎないがそこそこに刺繍もされていて豪華である。
ヨシュアの手によって新しい宰相と四大臣家には龍王が病で倒れてしばらく政務に出て来られないことは伝えてあった。
「ヨシュア、このままもどらなかったらどうしましょう」
「おれは星宇が育つまで二十年くらいは待てるつもりだが」
「わたしがいやです。このからだではヨシュアのことをだくこともできないし、しゃべるのもしたったらずになっているきがします」
肩を落とす龍王を抱き締めてヨシュアは寝台に寝転んだ。ヨシュアの胸を枕にするようにして、龍王が小さな体でヨシュアにへばりつく。
玉を捧げたときから龍王の老化は止まっているので、そのままでも二十歳前後の若い姿だったが、それがさらに幼くなるとなると不安が募る。ヨシュアは気にしていないようだが、この格好ではヨシュアと体を繋げることもできないし、何をするにもヨシュアの手を借りなければならないのは不本意だった。
「ラバンおうこくにはつたえたのですか?」
「伝えたが、すぐに対処できるわけではなさそうだ。おれも星宇に早く戻ってほしいけれど、おれが記憶を失ったときに星宇は一か月近く耐えてくれた。おれも星宇を見習って……」
「わたしがたえられないのです!」
力を抜いた筋肉は柔らかい。ふにふにと小さな手でヨシュアの胸を揉みながら真剣に言う龍王にヨシュアが苦笑する。
「頼むから、その格好で抱きたいとか言うなよ。おれは犯罪者になりたくない」
「だこうとおもってもむりですよ。こんな……ちいさなからだで」
湯あみしたときにヨシュアも見ただろうが、龍王の中心は年相応になっている。もちろん勃起することもないし、達することもないだろう。
涙目になった龍王の目元にヨシュアが唇を寄せて涙を吸い取ってくれる。
「できるだけ早く戻る方法を考えよう。そういえば水の加護の力はどうなっているんだ? 変わりなく使えるか?」
「みずのかごのちからはつかえるとおもいます。ヨシュアにてつだってもらわなければいけないかもしれませんが」
「おれでできることなら何でもするよ」
龍王の一番大事な仕事は水の加護を司ることである。それができなければ志龍王国は豊かな実りを失う。
ヨシュアも龍王と一緒ならば水の加護の力が使えるようにはなっていたが、当の龍王が小さくなってしまったので能力がどうなっているかは心配なのだろう。水の加護の力は小さなころから訓練してきたので問題なく使えそうだが、それ以外の生活がままならない。
何より、政務に出ることもできない。
困りきっている龍王の髪をヨシュアが何度も撫でて、つむじに口付けを落とす。撫でられていると小さな体は疲れ切っていたので眠ってしまった。
目が覚めると夜明け前で、龍王はヨシュアと共に椅子に移動して水の加護の祈りを捧げる。
一晩寝たら戻っているかと思ったが、そんな簡単にはいかないようだ。
小さな体で椅子によじ登ろうとすると、ヨシュアが両脇に腕を差し込んで抱き上げてくれる。ヨシュアに世話を焼かれるのは嬉しいのだが、何でもしてもらうというのには慣れない。
龍王の後継者として小さなころから侍従に何でもしてきてもらっていたはずだが、龍王はずっとその状況に慣れないでいた。誰かが側にいることも、誰かに触れられることも龍王は好きではなかったのだ。
ヨシュアの膝の上に抱き上げられると、少し安心する。
目を閉じて水の加護の祈りを捧げると、ヨシュアも同じく水の加護の祈りを捧げている。
国土の全土に水の加護の祈りが行き届いたのを確認して、ヨシュアと朝食を食べて、龍王はその日は外出もできずにヨシュアと部屋の中にいた。
部屋の中で待っていると、ヨシュアの部屋に置いてある移転の箱に何かが届いたのが分かる。
移転の箱からヨシュアが取り出してきたのはラバン王国から届けられた古い文献だった。
「永遠の命を望んだ魔術師がいたらしい。魔術で若返りの秘薬を作って、それを売り歩いていたと。その若返りの秘薬を使うと、年齢が百年ほど若返ると書かれている」
「わたしのひゃくねん、かえしてください……」
正確には龍王は百二十歳なのだが、多少は誤差があるようで、百十五年ほど若返ってしまったようだ。
「かいじゅのほうほうはないのですか?」
「解呪の方法は……書かれてないな。百年若返ったものは喜んで、解呪など考えなかったんじゃないかな」
「わたしはこまります! ヨシュアとやっとどうとうにならべるようになったとおもったのに、こんなにちいさくなってしまうなんて」
百年を若返らせたものは、老いて死にかけているものばかりだったのではないだろうか。それで解呪など考えずに百年寿命が延びたと純粋に喜んだ。
それを考えると龍王は憂鬱になってくる。
戻る方法が本当にないのであれば、龍王はヨシュアとまた触れ合えるようになるまで後十三年はかかるということではないか。
「わたしがちいさいあいだに、ヨシュアがほかのあいてにこころをうばわれたらどうすればいいのでしょう」
「奪われることはないから安心してくれ」
「せいむはどうすればいいのでしょう。このからだでできるとはおもいません」
「それは困るよな。ある程度はおれが肩代わりしてもいいんだけど」
ヨシュアもラバン王国の王弟であるので国王の仕事がなんたるかを知っている。龍王の補佐として働いてくれるならば心強いが、後十三年ヨシュアを待たせてしまうのも心苦しいし、龍王自身が我慢できない。
苦悩する龍王に、ヨシュアが五歳児の丸いお腹を撫でる。
「眠くなったんじゃないか?」
「ヨシュア、わたしをこどもあつかいしてますね!?」
「子ども扱いっていうか、本当に子どもだからね」
朝起きて朝食を食べたばかりだというのに眠いはずはない。
そう思っていても、欠伸が出て龍王の体は五歳児の体力しかない。夜明け前に起きてきたので、少し眠りたかった。
「ヨシュア……そばにいてください」
「ここにいるよ」
「そいねしてください」
ヨシュアに甘える龍王に、ヨシュアは快く添い寝してくれた。
これからどうなるのか不安な気持ちも、ヨシュアが側にいれば落ち着いてくる。
何とかこの魔術を解かなければいけないが、手掛かりはほとんどない。
長い人生からしてみれば十三年は一瞬ですぎるのかもしれないが、それでも龍王は早く元に戻りたくて仕方がなかった。
五歳くらいの姿になった龍王は、不本意ながら子ども用の椅子を持って来てもらって、ヨシュアの手を借りて座って、料理も全部取り分けてもらって食べる。五歳児でも食べやすいものを用意してもらっていたが、小さな手に箸が馴染まず、なかなか上手に食べられない。焦れているとヨシュアが「あーん」と食べさせてくれる。
ヨシュアに食べさせてもらって満腹になると少し休んで湯あみに行く。
湯殿が遠くて、そこまで歩いて行くのだけでも疲れてしまう。
湯殿に行くと服を脱ぐのだが組み紐がうまく解けない。ヨシュアにしてもらって、ヨシュアに抱っこしてもらって湯殿に入ると、ヨシュアが丁寧に龍王の体を洗う。髪も洗ってもらって、湯船に浸かろうとすると深くて溺れそうになる。
「ヨシュア、たすけてください」
結局、全部ヨシュアの助けを借りなければ日常生活が送れないような状態になって龍王は困っていた。
ヨシュアの膝の上に抱かれて湯船に浸かっても、熱くてすぐに出たくなってしまう。
「もうあついです」
「無理することはない。冷たい飲み物でも飲んで休もう」
歯磨きもヨシュアに仕上げ磨きをしてもらわなければ、五歳児の手首ではしっかりと磨けない。
歯も磨き終えて疲れ切ってヨシュアに抱っこされて部屋に戻ると、ギデオンとゴライアスがお茶を用意してくれていた。
龍王が着ていた服も、今着ている寝間着も、全て龍王が小さなころに着ていたものだった。派手すぎないがそこそこに刺繍もされていて豪華である。
ヨシュアの手によって新しい宰相と四大臣家には龍王が病で倒れてしばらく政務に出て来られないことは伝えてあった。
「ヨシュア、このままもどらなかったらどうしましょう」
「おれは星宇が育つまで二十年くらいは待てるつもりだが」
「わたしがいやです。このからだではヨシュアのことをだくこともできないし、しゃべるのもしたったらずになっているきがします」
肩を落とす龍王を抱き締めてヨシュアは寝台に寝転んだ。ヨシュアの胸を枕にするようにして、龍王が小さな体でヨシュアにへばりつく。
玉を捧げたときから龍王の老化は止まっているので、そのままでも二十歳前後の若い姿だったが、それがさらに幼くなるとなると不安が募る。ヨシュアは気にしていないようだが、この格好ではヨシュアと体を繋げることもできないし、何をするにもヨシュアの手を借りなければならないのは不本意だった。
「ラバンおうこくにはつたえたのですか?」
「伝えたが、すぐに対処できるわけではなさそうだ。おれも星宇に早く戻ってほしいけれど、おれが記憶を失ったときに星宇は一か月近く耐えてくれた。おれも星宇を見習って……」
「わたしがたえられないのです!」
力を抜いた筋肉は柔らかい。ふにふにと小さな手でヨシュアの胸を揉みながら真剣に言う龍王にヨシュアが苦笑する。
「頼むから、その格好で抱きたいとか言うなよ。おれは犯罪者になりたくない」
「だこうとおもってもむりですよ。こんな……ちいさなからだで」
湯あみしたときにヨシュアも見ただろうが、龍王の中心は年相応になっている。もちろん勃起することもないし、達することもないだろう。
涙目になった龍王の目元にヨシュアが唇を寄せて涙を吸い取ってくれる。
「できるだけ早く戻る方法を考えよう。そういえば水の加護の力はどうなっているんだ? 変わりなく使えるか?」
「みずのかごのちからはつかえるとおもいます。ヨシュアにてつだってもらわなければいけないかもしれませんが」
「おれでできることなら何でもするよ」
龍王の一番大事な仕事は水の加護を司ることである。それができなければ志龍王国は豊かな実りを失う。
ヨシュアも龍王と一緒ならば水の加護の力が使えるようにはなっていたが、当の龍王が小さくなってしまったので能力がどうなっているかは心配なのだろう。水の加護の力は小さなころから訓練してきたので問題なく使えそうだが、それ以外の生活がままならない。
何より、政務に出ることもできない。
困りきっている龍王の髪をヨシュアが何度も撫でて、つむじに口付けを落とす。撫でられていると小さな体は疲れ切っていたので眠ってしまった。
目が覚めると夜明け前で、龍王はヨシュアと共に椅子に移動して水の加護の祈りを捧げる。
一晩寝たら戻っているかと思ったが、そんな簡単にはいかないようだ。
小さな体で椅子によじ登ろうとすると、ヨシュアが両脇に腕を差し込んで抱き上げてくれる。ヨシュアに世話を焼かれるのは嬉しいのだが、何でもしてもらうというのには慣れない。
龍王の後継者として小さなころから侍従に何でもしてきてもらっていたはずだが、龍王はずっとその状況に慣れないでいた。誰かが側にいることも、誰かに触れられることも龍王は好きではなかったのだ。
ヨシュアの膝の上に抱き上げられると、少し安心する。
目を閉じて水の加護の祈りを捧げると、ヨシュアも同じく水の加護の祈りを捧げている。
国土の全土に水の加護の祈りが行き届いたのを確認して、ヨシュアと朝食を食べて、龍王はその日は外出もできずにヨシュアと部屋の中にいた。
部屋の中で待っていると、ヨシュアの部屋に置いてある移転の箱に何かが届いたのが分かる。
移転の箱からヨシュアが取り出してきたのはラバン王国から届けられた古い文献だった。
「永遠の命を望んだ魔術師がいたらしい。魔術で若返りの秘薬を作って、それを売り歩いていたと。その若返りの秘薬を使うと、年齢が百年ほど若返ると書かれている」
「わたしのひゃくねん、かえしてください……」
正確には龍王は百二十歳なのだが、多少は誤差があるようで、百十五年ほど若返ってしまったようだ。
「かいじゅのほうほうはないのですか?」
「解呪の方法は……書かれてないな。百年若返ったものは喜んで、解呪など考えなかったんじゃないかな」
「わたしはこまります! ヨシュアとやっとどうとうにならべるようになったとおもったのに、こんなにちいさくなってしまうなんて」
百年を若返らせたものは、老いて死にかけているものばかりだったのではないだろうか。それで解呪など考えずに百年寿命が延びたと純粋に喜んだ。
それを考えると龍王は憂鬱になってくる。
戻る方法が本当にないのであれば、龍王はヨシュアとまた触れ合えるようになるまで後十三年はかかるということではないか。
「わたしがちいさいあいだに、ヨシュアがほかのあいてにこころをうばわれたらどうすればいいのでしょう」
「奪われることはないから安心してくれ」
「せいむはどうすればいいのでしょう。このからだでできるとはおもいません」
「それは困るよな。ある程度はおれが肩代わりしてもいいんだけど」
ヨシュアもラバン王国の王弟であるので国王の仕事がなんたるかを知っている。龍王の補佐として働いてくれるならば心強いが、後十三年ヨシュアを待たせてしまうのも心苦しいし、龍王自身が我慢できない。
苦悩する龍王に、ヨシュアが五歳児の丸いお腹を撫でる。
「眠くなったんじゃないか?」
「ヨシュア、わたしをこどもあつかいしてますね!?」
「子ども扱いっていうか、本当に子どもだからね」
朝起きて朝食を食べたばかりだというのに眠いはずはない。
そう思っていても、欠伸が出て龍王の体は五歳児の体力しかない。夜明け前に起きてきたので、少し眠りたかった。
「ヨシュア……そばにいてください」
「ここにいるよ」
「そいねしてください」
ヨシュアに甘える龍王に、ヨシュアは快く添い寝してくれた。
これからどうなるのか不安な気持ちも、ヨシュアが側にいれば落ち着いてくる。
何とかこの魔術を解かなければいけないが、手掛かりはほとんどない。
長い人生からしてみれば十三年は一瞬ですぎるのかもしれないが、それでも龍王は早く元に戻りたくて仕方がなかった。
24
お気に入りに追加
259
あなたにおすすめの小説
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

ANGRAECUM-Genuine
清杉悠樹
恋愛
エマ・マクリーンは城で開催される新年の祝賀行事に参加することになった。
同時に舞踏会も開催されるその行事に、若い娘なら誰もが成人となって初めて参加するなら期待でわくわくするはずが、エマは失望と絶望しか感じていなかった。
何故なら父からは今日会わせる相手と結婚するように言われたからだ。
昔から父から愛情も受けた記憶が無ければ、母が亡くなり、継母が出来たが醜い子と言われ続け、本邸の離れに年老いた侍女と2人暮らしている。
そんな父からの突然の命令だったが背けるわけがなく、どんな相手だろうが受け入れてただ大人しくすることしか出来ない。
そんな祝賀行事で、運命を変える出会いが待っていた。魔法を扱う部署のマギ課室長レナート・シルヴィオと、その義妹、ホノカ・シルヴィオと出会って。
私、こんな幸せになってもいいんですか?
聖獣というもふもふが沢山出て来て、魔法もある世界です。最初は暗いですが、途中からはほのぼのとする予定です。最後はハッピーエンドです。
関連作品として、CLOVER-Genuine(注:R18指定)があります。
ANGRAECUM-Genuineは、CLOVER-Genuineのその後という感じの流れになっています。
出来ればCLOVER-Genuineを読んだ後にこちらを読んで頂いた方が分かり易いかと思います。
アルファポリス、小説家になろう、pixivに同時公開しています。
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる