101 / 150
四章 結婚十年目
11.罠にかけられた呪術師
しおりを挟む
グドリャナ王国とジルキン王国の間で泥沼の戦争が起きている。
グドリャナ王国はジルキン王国が、ジルキン王国はグドリャナ王国が志龍王国の王配を害したのだと主張し、そのせいで自国への食糧支援が途絶えたのだと宣戦布告した。二国では内乱も起きていて、戦争を起こした王朝に対する批判も高まっている。
どちらの国が勝っても負けても、龍王は手を出さないことを決めていた。志龍王国はグドリャナ王国とジルキン王国に一切関りを持たない。周辺のラバン王国もハタッカ王国もバリエンダール共和国も同じ姿勢を貫いていた。
ラバン王国とハタッカ王国とバリエンダール共和国は二国に早く呪術師を差し出し、志龍王国の王配の体調不良が治るようにと圧力をかけていることは間違いなかった。
龍王とヨシュアは青陵殿で変わらず暮らしていた。
記憶のないヨシュアを見ると龍王は胸の苦しさを覚えずにはいられないのだが、記憶があろうとなかろうとヨシュアはヨシュアで変わりなく龍王を思ってくれていることだけが救いだった。
椅子に座っているヨシュアの足の間に座ると、背中からすっぽりと包み込むように抱き締められる。優しくていい匂いがしてヨシュアの体温が伝わってきて、龍王は安堵する。
魂で結ばれていてヨシュアの命が龍王の命なのだから、ヨシュアに万が一のことがあれば龍王も生きていないのだが、背中から感じるヨシュアの温度に生きているのだと実感させられる。
玉を捧げた日に共に生き、共に死ぬと決めた。
ヨシュアの記憶がなくなっても龍王の気持ちは何も変わっていない。
「グドリャナ王国とジルキン王国がそろそろ音を上げるころではないですか」
食糧支援はない。国に蓄えもそれほどあるとは思えない。そんな状態で戦争に入って、国民は飢えて内乱がいくつも勃発しているという。そろそろグドリャナ王国もジルキン王国も限界だろう。
ヨシュアの言葉に龍王が頷く。
「そろそろ事態が動くかもしれませんね」
冬前には全てが終わってほしいという考えが龍王にはあった。
グドリャナ王国とジルキン王国、どちらがヨシュアの記憶を奪ったか分からないけれど、したことは許されない。それと同時にそれを行ったのは政略としてグドリャナ王国とジルキン王国の身分の高いものだけで、国民には何の関係もないのだということも龍王には分かっていた。王朝はすげ変わるとしても、国民が飢えて冬を越せないようなことがないようにはしたい。
正直な感情としては、二国とも飢えて国が滅亡すればいいのにと思わなくもないのだが、善政を敷いている龍王としては二国の国民を飢えさせることはないようにしなければいけないと理性が言って来る。国ごと消え失せればいいと怒りのままに行動したら、記憶が戻ったヨシュアはきっとそれを悲しがるだろうし、龍王として理性ある裁きを行うべきだと言うだろう。
最終的には龍王は二国を滅ぼすようなことはできないのだ。
志龍王国の王配が害されたのだから、志龍王国と二国との戦争になっていてもおかしくはないのだが、それも必死に我慢している。
二国が潰し合った結果としてヨシュアの記憶が戻る方法が手に入ればいいと思っている。
秋は深まって、ヨシュアが記憶を失ってからひと月が経とうとしている。
グドリャナ王国から使者が来たのはそのころだった。
「ジルキン王国が王配陛下を害した呪術師を隠しておりました。この者こそが王配陛下を害した犯人です」
それに対してジルキン王国の使者が必死に弁解する。
「わたくしたちはそのものを隠してなどおりませんでした。グドリャナ王国が自分が隠していた呪術師を我が国が隠していたと言って差し出してきたのです」
「言い逃れをするな! ジルキン王国が尊き身の王配陛下を害したのは分かっているのだぞ」
「王配陛下を害したのはグドリャナ王国ではないか!」
醜く言い争う二国の使者を無視して、龍王は連れて来られた呪術師の取り調べに立ち会うことになった。
呪術師は来た時点で拷問されているかのように傷だらけで、暗い目で龍王を見上げていた。
「王配陛下に呪術をかけたのはお前か?」
縄をかけられて床に転がされている呪術師に魔術騎士が問いかける。
「だったらどうした? 本当ならば死ぬ呪術をかけてもよかったのだ。それをあの程度で抑えてやったのだから感謝してほしいくらいだ」
「今すぐ呪術を解け」
「そう言われて、はい喜んでと解くと思ったか? わたしはどうせ死罪だろう。早く首を切り落とせ! 志龍王国のものに情けなどかけられたくない!」
死を覚悟したものの説得がどれだけ難しいか龍王も理解している。命がいらないくらいにこの呪術師は覚悟が決まっている。
「なぜ志龍王国をそんなに憎む?」
龍王の問いかけに呪術師は唾を吐いた。距離があったので龍王にその唾はかからなかったけれど、魔術騎士が剣を抜いて呪術師の首筋に押し当てる。
「龍王陛下になんということを!」
「志龍王国の貴族は獣だ! それを支配する王も獣に違いない!」
「二度とその口がきけないようにしてやってもいいのだぞ?」
「やってみるがいい。王の愛する王配は一生呪術が解けないのだろうな」
愉快とばかりに大声で笑う呪術師が狂っているのははた目から見てもはっきりと分かっていた。
龍王がどうするべきか悩んでいると、青陵殿から牢にまでやってきたヨシュアが呪術師に歩み寄っていた。
「お前は志龍王国を恨んでいるようだが、グドリャナ王国とジルキン王国、どちらに雇われたのだ?」
「どちらでも構わないだろう。わたしは志龍王国に復讐を誓った」
「志龍王国がお前に何をしたのだ?」
芋虫のように縄でぐるぐる巻きにされて転がされている呪術師の上半身を起こさせるヨシュアに、呪術師が燃えるような憎しみを込めた目でヨシュアを睨み付ける。
「わたしの娘は志龍王国の貴族に犯され妊娠した。結婚も間近だったのに、それもなくなり、絶望した娘は自ら命を絶った」
「それは本当に志龍王国の貴族なのか? 誰がそう言った?」
「娘は志龍王国の小刀を渡されていた。犯されて呆然とした状態でその小刀を手に、わたしの元に戻ってきたのだ」
呪術師の話を聞いてヨシュアは呪術師が持っていたものを魔術騎士に確認させた。確かに志龍王国で作られたと思しき小刀があった。
「これは志龍王国で買えば誰でも手に入るものだな。特に珍しいものでもない」
「そう言って言い逃れするつもりだな?」
「よく見ていろ」
ヨシュアが小刀に手を翳すと、志龍王国ではありえないくらい髪色と目の色の薄い男性が映し出された。志龍王国の国民の九割は黒髪に黒い目で、残りの一割も髪色と目の色は濃いものが多い。
明らかに志龍王国の色彩ではない人物の姿に呪術師は動揺していた。
「それが小刀の持ち主……」
「龍王陛下、この顔を見たことはありませんか?」
問いかけられて龍王はじっくりとヨシュアの魔術によって映し出された顔を見詰める。
「これは、グドリャナ王国の宰相の息子ではなかったでしょうか」
「宰相の息子を使って志龍王国を憎む呪術師を作りだす。呪術師を送り込んだのはグドリャナ王国で間違いないようですね」
「そんなの嘘だ……。宰相閣下はわたしに同情してくれて、志龍王国に復讐することを計画してくださった」
「騙されていたのだよ。グドリャナ王国にこの罪を贖わせる。この様子だとジルキン王国も関わっていた可能性がある。調べを進めよ!」
龍王の命令に魔術騎士や警備兵が動き出す。
床に倒れたままの体勢で、「嘘だ」と繰り返す呪術師はもう抵抗する気配は見せなかった。
グドリャナ王国はジルキン王国が、ジルキン王国はグドリャナ王国が志龍王国の王配を害したのだと主張し、そのせいで自国への食糧支援が途絶えたのだと宣戦布告した。二国では内乱も起きていて、戦争を起こした王朝に対する批判も高まっている。
どちらの国が勝っても負けても、龍王は手を出さないことを決めていた。志龍王国はグドリャナ王国とジルキン王国に一切関りを持たない。周辺のラバン王国もハタッカ王国もバリエンダール共和国も同じ姿勢を貫いていた。
ラバン王国とハタッカ王国とバリエンダール共和国は二国に早く呪術師を差し出し、志龍王国の王配の体調不良が治るようにと圧力をかけていることは間違いなかった。
龍王とヨシュアは青陵殿で変わらず暮らしていた。
記憶のないヨシュアを見ると龍王は胸の苦しさを覚えずにはいられないのだが、記憶があろうとなかろうとヨシュアはヨシュアで変わりなく龍王を思ってくれていることだけが救いだった。
椅子に座っているヨシュアの足の間に座ると、背中からすっぽりと包み込むように抱き締められる。優しくていい匂いがしてヨシュアの体温が伝わってきて、龍王は安堵する。
魂で結ばれていてヨシュアの命が龍王の命なのだから、ヨシュアに万が一のことがあれば龍王も生きていないのだが、背中から感じるヨシュアの温度に生きているのだと実感させられる。
玉を捧げた日に共に生き、共に死ぬと決めた。
ヨシュアの記憶がなくなっても龍王の気持ちは何も変わっていない。
「グドリャナ王国とジルキン王国がそろそろ音を上げるころではないですか」
食糧支援はない。国に蓄えもそれほどあるとは思えない。そんな状態で戦争に入って、国民は飢えて内乱がいくつも勃発しているという。そろそろグドリャナ王国もジルキン王国も限界だろう。
ヨシュアの言葉に龍王が頷く。
「そろそろ事態が動くかもしれませんね」
冬前には全てが終わってほしいという考えが龍王にはあった。
グドリャナ王国とジルキン王国、どちらがヨシュアの記憶を奪ったか分からないけれど、したことは許されない。それと同時にそれを行ったのは政略としてグドリャナ王国とジルキン王国の身分の高いものだけで、国民には何の関係もないのだということも龍王には分かっていた。王朝はすげ変わるとしても、国民が飢えて冬を越せないようなことがないようにはしたい。
正直な感情としては、二国とも飢えて国が滅亡すればいいのにと思わなくもないのだが、善政を敷いている龍王としては二国の国民を飢えさせることはないようにしなければいけないと理性が言って来る。国ごと消え失せればいいと怒りのままに行動したら、記憶が戻ったヨシュアはきっとそれを悲しがるだろうし、龍王として理性ある裁きを行うべきだと言うだろう。
最終的には龍王は二国を滅ぼすようなことはできないのだ。
志龍王国の王配が害されたのだから、志龍王国と二国との戦争になっていてもおかしくはないのだが、それも必死に我慢している。
二国が潰し合った結果としてヨシュアの記憶が戻る方法が手に入ればいいと思っている。
秋は深まって、ヨシュアが記憶を失ってからひと月が経とうとしている。
グドリャナ王国から使者が来たのはそのころだった。
「ジルキン王国が王配陛下を害した呪術師を隠しておりました。この者こそが王配陛下を害した犯人です」
それに対してジルキン王国の使者が必死に弁解する。
「わたくしたちはそのものを隠してなどおりませんでした。グドリャナ王国が自分が隠していた呪術師を我が国が隠していたと言って差し出してきたのです」
「言い逃れをするな! ジルキン王国が尊き身の王配陛下を害したのは分かっているのだぞ」
「王配陛下を害したのはグドリャナ王国ではないか!」
醜く言い争う二国の使者を無視して、龍王は連れて来られた呪術師の取り調べに立ち会うことになった。
呪術師は来た時点で拷問されているかのように傷だらけで、暗い目で龍王を見上げていた。
「王配陛下に呪術をかけたのはお前か?」
縄をかけられて床に転がされている呪術師に魔術騎士が問いかける。
「だったらどうした? 本当ならば死ぬ呪術をかけてもよかったのだ。それをあの程度で抑えてやったのだから感謝してほしいくらいだ」
「今すぐ呪術を解け」
「そう言われて、はい喜んでと解くと思ったか? わたしはどうせ死罪だろう。早く首を切り落とせ! 志龍王国のものに情けなどかけられたくない!」
死を覚悟したものの説得がどれだけ難しいか龍王も理解している。命がいらないくらいにこの呪術師は覚悟が決まっている。
「なぜ志龍王国をそんなに憎む?」
龍王の問いかけに呪術師は唾を吐いた。距離があったので龍王にその唾はかからなかったけれど、魔術騎士が剣を抜いて呪術師の首筋に押し当てる。
「龍王陛下になんということを!」
「志龍王国の貴族は獣だ! それを支配する王も獣に違いない!」
「二度とその口がきけないようにしてやってもいいのだぞ?」
「やってみるがいい。王の愛する王配は一生呪術が解けないのだろうな」
愉快とばかりに大声で笑う呪術師が狂っているのははた目から見てもはっきりと分かっていた。
龍王がどうするべきか悩んでいると、青陵殿から牢にまでやってきたヨシュアが呪術師に歩み寄っていた。
「お前は志龍王国を恨んでいるようだが、グドリャナ王国とジルキン王国、どちらに雇われたのだ?」
「どちらでも構わないだろう。わたしは志龍王国に復讐を誓った」
「志龍王国がお前に何をしたのだ?」
芋虫のように縄でぐるぐる巻きにされて転がされている呪術師の上半身を起こさせるヨシュアに、呪術師が燃えるような憎しみを込めた目でヨシュアを睨み付ける。
「わたしの娘は志龍王国の貴族に犯され妊娠した。結婚も間近だったのに、それもなくなり、絶望した娘は自ら命を絶った」
「それは本当に志龍王国の貴族なのか? 誰がそう言った?」
「娘は志龍王国の小刀を渡されていた。犯されて呆然とした状態でその小刀を手に、わたしの元に戻ってきたのだ」
呪術師の話を聞いてヨシュアは呪術師が持っていたものを魔術騎士に確認させた。確かに志龍王国で作られたと思しき小刀があった。
「これは志龍王国で買えば誰でも手に入るものだな。特に珍しいものでもない」
「そう言って言い逃れするつもりだな?」
「よく見ていろ」
ヨシュアが小刀に手を翳すと、志龍王国ではありえないくらい髪色と目の色の薄い男性が映し出された。志龍王国の国民の九割は黒髪に黒い目で、残りの一割も髪色と目の色は濃いものが多い。
明らかに志龍王国の色彩ではない人物の姿に呪術師は動揺していた。
「それが小刀の持ち主……」
「龍王陛下、この顔を見たことはありませんか?」
問いかけられて龍王はじっくりとヨシュアの魔術によって映し出された顔を見詰める。
「これは、グドリャナ王国の宰相の息子ではなかったでしょうか」
「宰相の息子を使って志龍王国を憎む呪術師を作りだす。呪術師を送り込んだのはグドリャナ王国で間違いないようですね」
「そんなの嘘だ……。宰相閣下はわたしに同情してくれて、志龍王国に復讐することを計画してくださった」
「騙されていたのだよ。グドリャナ王国にこの罪を贖わせる。この様子だとジルキン王国も関わっていた可能性がある。調べを進めよ!」
龍王の命令に魔術騎士や警備兵が動き出す。
床に倒れたままの体勢で、「嘘だ」と繰り返す呪術師はもう抵抗する気配は見せなかった。
43
お気に入りに追加
259
あなたにおすすめの小説
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

ANGRAECUM-Genuine
清杉悠樹
恋愛
エマ・マクリーンは城で開催される新年の祝賀行事に参加することになった。
同時に舞踏会も開催されるその行事に、若い娘なら誰もが成人となって初めて参加するなら期待でわくわくするはずが、エマは失望と絶望しか感じていなかった。
何故なら父からは今日会わせる相手と結婚するように言われたからだ。
昔から父から愛情も受けた記憶が無ければ、母が亡くなり、継母が出来たが醜い子と言われ続け、本邸の離れに年老いた侍女と2人暮らしている。
そんな父からの突然の命令だったが背けるわけがなく、どんな相手だろうが受け入れてただ大人しくすることしか出来ない。
そんな祝賀行事で、運命を変える出会いが待っていた。魔法を扱う部署のマギ課室長レナート・シルヴィオと、その義妹、ホノカ・シルヴィオと出会って。
私、こんな幸せになってもいいんですか?
聖獣というもふもふが沢山出て来て、魔法もある世界です。最初は暗いですが、途中からはほのぼのとする予定です。最後はハッピーエンドです。
関連作品として、CLOVER-Genuine(注:R18指定)があります。
ANGRAECUM-Genuineは、CLOVER-Genuineのその後という感じの流れになっています。
出来ればCLOVER-Genuineを読んだ後にこちらを読んで頂いた方が分かり易いかと思います。
アルファポリス、小説家になろう、pixivに同時公開しています。
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる