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三章 甥の誕生と六年目まで
6.レイチェルの結婚
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結婚式会場をジェレミーがやんちゃに駆け回っている。
小さな靴を履いて元気よく駆け回るジェレミーを乳母が追い掛け、レベッカが追い掛け、結婚式会場が荒らされないように一生懸命だった。
二歳後半になっているジェレミーはよく走り、よく喋る。
ヨシュアの元に駆けてくると、抱っこを強請って、抱き上げるとヨシュアの長い髪を引っ張ってきた。
「いっと、いっと」
「そうだな。ジェレミーの髪と同じ色だな」
幼児特有のふわふわとした髪の毛のジェレミーは、ヨシュアと同じ金髪だった。目も青くてヨシュアの小さなころを思い出させる。
じっと見つめていると、ジェレミーがにぱっと笑う。ヨシュアの胸に顔をこすりつけて楽しそうにしているのを、龍王が見つめていた。
「星宇も抱っこするか?」
「わたしはいいです。小さい子は力加減が分からないので怖いです」
俊宇という甥も生まれているが、龍王が抱っこするのをほとんど見たことがない。龍王は子どもが苦手なのかとも思うが、俊宇が話しに来たときには普通に対応していたし、苦手ではないのかもしれない。
ただ、慣れていないだけなのだろう。
「怖がらなくても壊れないよ」
「あっ、あっ、あぁ! 無理です、ヨシュア」
好奇心旺盛に龍王を見ているジェレミーを押し付けてみると、落とさないように受け取ったはいいが、きゃらきゃらと笑うジェレミーが海老ぞりになってしまって、龍王は非常に慌ててヨシュアに助けを求めてきた。
ヨシュアが抱き取ると、心底安心した顔をしている。
「おれが男でよかったな。何をしようと子どもが生まれることはないからな」
「そもそも、わたしは子種がないのです。子どもは生まれません」
生まれてから五年程度のときにかかった病で子種を失ったことに関しては、龍王はそれほど悔やんではいないように見える。前王妃は非常に悲しんでいたようだが、龍王はそれがあったからこそヨシュアと結婚できたと結論付けて、その件に関しては気にしていない態度を取っている。
二人だけにしか聞こえないとはいえ、公の場でそれを口にするのだからそれだけ龍王にとっては取るに足らない出来事なのだろう。
ジェレミーを下に降ろして、手を繋いでマシューとハンナの元に連れて行くと、二人はレイチェルの花嫁姿に目を潤ませていた。
真っ白なドレスを着てヴェールを被っているレイチェルはとても美しい。
指を舐めていたジェレミーがレイチェルに突進しようとするのをヨシュアは止めた。
美しいドレスによだれが付くのはあまりよろしくないだろう。
「兄上、義姉上、ジェレミーが会場を荒らさないうちになんとかしてくれ」
「すまない、ヨシュア。手間をかけさせたな」
「すぐに乳母を呼びます」
乳母が呼ばれてジェレミーは連れて行かれたが、すぐにでも逃げ出そうと暴れていたので時間の問題かもしれない。
マシューがレイチェルをデーヴィッドの元まで送り届けて、結婚式が始まる。
王城の大広間で行われる結婚式には、参列者が多く集まっている。
「レイチェル、そなたはデーヴィッドを夫とし、生涯愛し、共に生きることを誓うか?」
「誓います」
「デーヴィッド、そなたはレイチェルを妻とし、生涯愛し、共に生きることを誓うか?」
「誓います」
この国の王であり、レイチェルの父親であるマシューの前でレイチェルもデーヴィッドも誓いの言葉を述べた。
レイチェルは公爵の地位を得ているデーヴィッドの元に降嫁することになっており、今後は公爵夫人として扱われることになっていた。
魔力を見た限り、姉弟の中で一番強いのはジェレミーのようなので、ジェレミーをマシューは後継者に選んでいた。ジェレミーが成人して結婚した暁には、国王の座を譲られるだろう。
結婚式が始まるころには、ジェレミーは走り回っていたので疲れて眠ってしまって、大広間に設置されたベビーベッドで眠ったまま参加となった。
年の離れた姉が結婚するのを見られなかったのは残念だが、二歳なのでまだ意味も分からず、仕方がなかっただろう。
龍王とヨシュアが参列していると、ひそひそと話す声が聞こえる。
「あれが志龍王国の龍王陛下と王配陛下」
「ラバン王国も王配陛下が寵愛を受けているおかげで豊かになっていると聞く」
「寵愛を受けているのは龍王陛下の方というお噂だがな」
「あの細い体で王配陛下の愛を受け止められているのだろうか」
貴族たちは噂好きというが、龍王がヨシュアに抱かれていると思っているものがいるようだ。下卑た視線が龍王の尻や体に向けられているのにヨシュアは怒りを感じる。龍王自体も閨のことを話すときには「ヨシュアがよくしてくれている」と口にすることがあるし、誤解を招いてしまっているのだが、ここまで露骨に噂されると気分がいいものではない。
そちらの方に視線を向けると、ぴたりと噂話が止まる。
龍王にも聞こえていただろうが、龍王はあまり気にしていない様子である。
「龍王陛下とわたしの仲に対して、何か聞きたいことがあるなら、わたしが答えよう」
「な、なんでもありません」
「お二人が仲睦まじいことを言っていただけです」
「龍王陛下を貶めるような発言があれば、即刻この会場から追い出してくれる」
「まさか、そんなことは申しません」
「お許しください」
鋭い目つきで貴族たちを見渡したヨシュアに、龍王は黒い目を瞬かせていた。
「そのものたちが何かしたのですか?」
「龍王陛下とわたしの閨事情を浅ましくも噂していたのです」
「我が王配を性的な目で見るなど許さぬぞ!」
どちらかといえば龍王の方が下卑た視線を向けられていたのだが、気付いていない様子なのでヨシュアは指摘しなかった。
大陸で一番豊かで水の加護を得ている志龍王国の龍王に一喝されて、貴族たちはそそくさとその場を離れて行った。
「ヨシュアは耳がいいのですね。わたしにはほとんど聞こえていませんでした」
そういえばヨシュアの尖った耳は音を多く拾う。ヨシュアにだけ貴族の声が聞こえていて、龍王には聞こえていなかったとしても不思議はなかった。
「ヨシュアをいやらしい目で見たというなら、領地を探り当てて、その土地が乾くようにしてやりたいくらいです」
「わたしではなく……まぁいいでしょう。もう二度と龍王陛下に下卑た目を向けてくることはないでしょう」
ヨシュアが龍王の腰を抱き寄せると、龍王はヨシュアの肩に凭れかかってくる。二人きりならこのまま膝の上に抱き上げたいところだったが、ぐっと我慢してヨシュアと龍王は仲睦まじく寄り添っていた。
誓いの口付けが交わされて、指輪が交換される。
幸せいっぱいのレイチェルの顔を見てヨシュアも自然と微笑んでいた。
大勢を集めての結婚式の後は、家族だけでの食事会があった。
元気に起きてきたジェレミーは子ども用の椅子に座らされて乳母がそばについている。
デーヴィッドとレイチェルを端にして、長いテーブルにマシュー、ハンナ、レベッカが席について、デーヴィッドの両親と弟妹も席について、ヨシュアと龍王は端の方になってしまったが、十分にレイチェルとデーヴィッドの姿は見られたので満足して席についた。
「この度はわたしの娘のためにお越しくださいまして誠にありがとうございます、龍王陛下」
「ヨシュアの姪ならば、わたしの姪も同然です。レイチェル殿下が幸せになることを願っております」
「ありがとうございます、龍王陛下。わたくし、夫のデーヴィッドと共にラバン王国を支えていきたいと思っております」
志龍王国から龍王が来ているというのはやはり政治的にも大きな出来事だった。志龍王国はヨシュアが龍王に秘密を打ち明けてから、ラバン王国のことを非常に大事にしてくれている。ラバン王国の王弟であるヨシュアにとっては、そのことが何よりもありがたく嬉しい。
ラバン王国も志龍王国の龍王を敬い、何よりも丁重に扱っている。
「叔父上もわたくしの結婚式に来てくださって嬉しいです。叔父上が来てくださるかもしれないと思って、わたくし、お二人の喪が明けるまで待っていたのです」
結婚式が遅いとは思っていたが、レイチェルはヨシュアと龍王が前王妃の喪に服しているのを知って、それが明けるまで結婚式をしないと決めていたようだった。
おかげでヨシュアも結婚式に参加できたので、レイチェルの決断をありがたく思う。
「レイチェル、どこに行ってもお前はおれの大事な姪だよ。なんでもおれに相談してくれていい。デーヴィッド、レイチェルのことを頼む」
「わたしの命を懸けて守り抜きます」
「命はかけないでください、デーヴィッド。共に生きていくと決めたのですから」
命を懸けてレイチェルを守るというデーヴィッドにレイチェルがそれを止めている。
幸福な光景にヨシュアは微笑んで新郎新婦を見詰めていた。
小さな靴を履いて元気よく駆け回るジェレミーを乳母が追い掛け、レベッカが追い掛け、結婚式会場が荒らされないように一生懸命だった。
二歳後半になっているジェレミーはよく走り、よく喋る。
ヨシュアの元に駆けてくると、抱っこを強請って、抱き上げるとヨシュアの長い髪を引っ張ってきた。
「いっと、いっと」
「そうだな。ジェレミーの髪と同じ色だな」
幼児特有のふわふわとした髪の毛のジェレミーは、ヨシュアと同じ金髪だった。目も青くてヨシュアの小さなころを思い出させる。
じっと見つめていると、ジェレミーがにぱっと笑う。ヨシュアの胸に顔をこすりつけて楽しそうにしているのを、龍王が見つめていた。
「星宇も抱っこするか?」
「わたしはいいです。小さい子は力加減が分からないので怖いです」
俊宇という甥も生まれているが、龍王が抱っこするのをほとんど見たことがない。龍王は子どもが苦手なのかとも思うが、俊宇が話しに来たときには普通に対応していたし、苦手ではないのかもしれない。
ただ、慣れていないだけなのだろう。
「怖がらなくても壊れないよ」
「あっ、あっ、あぁ! 無理です、ヨシュア」
好奇心旺盛に龍王を見ているジェレミーを押し付けてみると、落とさないように受け取ったはいいが、きゃらきゃらと笑うジェレミーが海老ぞりになってしまって、龍王は非常に慌ててヨシュアに助けを求めてきた。
ヨシュアが抱き取ると、心底安心した顔をしている。
「おれが男でよかったな。何をしようと子どもが生まれることはないからな」
「そもそも、わたしは子種がないのです。子どもは生まれません」
生まれてから五年程度のときにかかった病で子種を失ったことに関しては、龍王はそれほど悔やんではいないように見える。前王妃は非常に悲しんでいたようだが、龍王はそれがあったからこそヨシュアと結婚できたと結論付けて、その件に関しては気にしていない態度を取っている。
二人だけにしか聞こえないとはいえ、公の場でそれを口にするのだからそれだけ龍王にとっては取るに足らない出来事なのだろう。
ジェレミーを下に降ろして、手を繋いでマシューとハンナの元に連れて行くと、二人はレイチェルの花嫁姿に目を潤ませていた。
真っ白なドレスを着てヴェールを被っているレイチェルはとても美しい。
指を舐めていたジェレミーがレイチェルに突進しようとするのをヨシュアは止めた。
美しいドレスによだれが付くのはあまりよろしくないだろう。
「兄上、義姉上、ジェレミーが会場を荒らさないうちになんとかしてくれ」
「すまない、ヨシュア。手間をかけさせたな」
「すぐに乳母を呼びます」
乳母が呼ばれてジェレミーは連れて行かれたが、すぐにでも逃げ出そうと暴れていたので時間の問題かもしれない。
マシューがレイチェルをデーヴィッドの元まで送り届けて、結婚式が始まる。
王城の大広間で行われる結婚式には、参列者が多く集まっている。
「レイチェル、そなたはデーヴィッドを夫とし、生涯愛し、共に生きることを誓うか?」
「誓います」
「デーヴィッド、そなたはレイチェルを妻とし、生涯愛し、共に生きることを誓うか?」
「誓います」
この国の王であり、レイチェルの父親であるマシューの前でレイチェルもデーヴィッドも誓いの言葉を述べた。
レイチェルは公爵の地位を得ているデーヴィッドの元に降嫁することになっており、今後は公爵夫人として扱われることになっていた。
魔力を見た限り、姉弟の中で一番強いのはジェレミーのようなので、ジェレミーをマシューは後継者に選んでいた。ジェレミーが成人して結婚した暁には、国王の座を譲られるだろう。
結婚式が始まるころには、ジェレミーは走り回っていたので疲れて眠ってしまって、大広間に設置されたベビーベッドで眠ったまま参加となった。
年の離れた姉が結婚するのを見られなかったのは残念だが、二歳なのでまだ意味も分からず、仕方がなかっただろう。
龍王とヨシュアが参列していると、ひそひそと話す声が聞こえる。
「あれが志龍王国の龍王陛下と王配陛下」
「ラバン王国も王配陛下が寵愛を受けているおかげで豊かになっていると聞く」
「寵愛を受けているのは龍王陛下の方というお噂だがな」
「あの細い体で王配陛下の愛を受け止められているのだろうか」
貴族たちは噂好きというが、龍王がヨシュアに抱かれていると思っているものがいるようだ。下卑た視線が龍王の尻や体に向けられているのにヨシュアは怒りを感じる。龍王自体も閨のことを話すときには「ヨシュアがよくしてくれている」と口にすることがあるし、誤解を招いてしまっているのだが、ここまで露骨に噂されると気分がいいものではない。
そちらの方に視線を向けると、ぴたりと噂話が止まる。
龍王にも聞こえていただろうが、龍王はあまり気にしていない様子である。
「龍王陛下とわたしの仲に対して、何か聞きたいことがあるなら、わたしが答えよう」
「な、なんでもありません」
「お二人が仲睦まじいことを言っていただけです」
「龍王陛下を貶めるような発言があれば、即刻この会場から追い出してくれる」
「まさか、そんなことは申しません」
「お許しください」
鋭い目つきで貴族たちを見渡したヨシュアに、龍王は黒い目を瞬かせていた。
「そのものたちが何かしたのですか?」
「龍王陛下とわたしの閨事情を浅ましくも噂していたのです」
「我が王配を性的な目で見るなど許さぬぞ!」
どちらかといえば龍王の方が下卑た視線を向けられていたのだが、気付いていない様子なのでヨシュアは指摘しなかった。
大陸で一番豊かで水の加護を得ている志龍王国の龍王に一喝されて、貴族たちはそそくさとその場を離れて行った。
「ヨシュアは耳がいいのですね。わたしにはほとんど聞こえていませんでした」
そういえばヨシュアの尖った耳は音を多く拾う。ヨシュアにだけ貴族の声が聞こえていて、龍王には聞こえていなかったとしても不思議はなかった。
「ヨシュアをいやらしい目で見たというなら、領地を探り当てて、その土地が乾くようにしてやりたいくらいです」
「わたしではなく……まぁいいでしょう。もう二度と龍王陛下に下卑た目を向けてくることはないでしょう」
ヨシュアが龍王の腰を抱き寄せると、龍王はヨシュアの肩に凭れかかってくる。二人きりならこのまま膝の上に抱き上げたいところだったが、ぐっと我慢してヨシュアと龍王は仲睦まじく寄り添っていた。
誓いの口付けが交わされて、指輪が交換される。
幸せいっぱいのレイチェルの顔を見てヨシュアも自然と微笑んでいた。
大勢を集めての結婚式の後は、家族だけでの食事会があった。
元気に起きてきたジェレミーは子ども用の椅子に座らされて乳母がそばについている。
デーヴィッドとレイチェルを端にして、長いテーブルにマシュー、ハンナ、レベッカが席について、デーヴィッドの両親と弟妹も席について、ヨシュアと龍王は端の方になってしまったが、十分にレイチェルとデーヴィッドの姿は見られたので満足して席についた。
「この度はわたしの娘のためにお越しくださいまして誠にありがとうございます、龍王陛下」
「ヨシュアの姪ならば、わたしの姪も同然です。レイチェル殿下が幸せになることを願っております」
「ありがとうございます、龍王陛下。わたくし、夫のデーヴィッドと共にラバン王国を支えていきたいと思っております」
志龍王国から龍王が来ているというのはやはり政治的にも大きな出来事だった。志龍王国はヨシュアが龍王に秘密を打ち明けてから、ラバン王国のことを非常に大事にしてくれている。ラバン王国の王弟であるヨシュアにとっては、そのことが何よりもありがたく嬉しい。
ラバン王国も志龍王国の龍王を敬い、何よりも丁重に扱っている。
「叔父上もわたくしの結婚式に来てくださって嬉しいです。叔父上が来てくださるかもしれないと思って、わたくし、お二人の喪が明けるまで待っていたのです」
結婚式が遅いとは思っていたが、レイチェルはヨシュアと龍王が前王妃の喪に服しているのを知って、それが明けるまで結婚式をしないと決めていたようだった。
おかげでヨシュアも結婚式に参加できたので、レイチェルの決断をありがたく思う。
「レイチェル、どこに行ってもお前はおれの大事な姪だよ。なんでもおれに相談してくれていい。デーヴィッド、レイチェルのことを頼む」
「わたしの命を懸けて守り抜きます」
「命はかけないでください、デーヴィッド。共に生きていくと決めたのですから」
命を懸けてレイチェルを守るというデーヴィッドにレイチェルがそれを止めている。
幸福な光景にヨシュアは微笑んで新郎新婦を見詰めていた。
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