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僕が抱かれるはずがない! ~運命に裏切られるなんて冗談じゃない~
運命に裏切られるなんて冗談じゃない 3
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教会で愛を誓い合った後に、ハワード家の広い庭で身内だけのガーデンパーティ形式で披露宴をする。ラクランは26歳で理人は16歳。理人の誕生日に結婚式を挙げるくらい、二人はこの日を待ち遠しく思っていた。
去年16歳になったエルドレッドは、理人の一つ上でもう17歳になっているはずだ。性に対する不一致さえなければ、15歳のあの日に婚約して、今頃はラクランと理人と合同結婚式をしていたかもしれない。
そんなことが頭をよぎるくらいには、まだジェイムズはエルドレッドに未練があった。ガーデンパーティーの端の方で、軽食を摘んでいるエルドレッドに近付くと、青い目が真っ直ぐにジェイムズを見つめる。もう会わないほうがいいと言って別れたのはジェイムズの方で、酷いことを言ったと自覚があるのに、エルドレッドはそれでも熱のこもった目をジェイムズに向けてくれていた。
「本当は来るつもりじゃなかったんだ。会わせる顔もないし」
「僕は会いたかったよ、ジェイムズ」
会わない間にすらりと伸びた背丈は180センチに届くくらいだろうか。顔立ちも大人びて、美しいと噂になるヘイミッシュよりも、うちから輝くような若い愛らしさと美が彼にはあった。他の相手を探せば、すぐにでも見つかるだろうに、ジェイムズに会いたかったと言ってくれるエルドレッド。
甘い雰囲気に流されないように理性が歯止めをかけるが、ほの赤い僅かに開いた唇が誘っているようで目眩がする。
「あなたはもう僕には会いたくなかった?」
もう愛していないの?
残酷にも聞こえる言葉に、ジェイムズは緩々と首を左右に振った。
「会いたかった。愛してるよ……」
愛しているから会えなかった。
暴走してしまうかもしれない自分が怖いと呟けば、植木の陰にジェイムズを導いて、エルドレッドが間近で焦げ茶色の目を見上げながら、囁く。
「性行為なんて、結婚生活の一部でしかないし、それが全てじゃないでしょう。僕はそういうのがなくても平気。ジェイムズと離れる方がつらいよ」
抱く、抱かれるの問題で揉めているのだから、いっそ行為をしないことを前提に共にいようとまで言ってくれるエルドレッド。その手が頬に触れるだけで、ジェイムズは体が火照って、逞しい自らの腕で細身の体を無理やり抱き締めてしまいそうになる。
「そんなのは現実的じゃない。僕は今も君をどうにかしたくて、それを必死で理性で抑えているのに」
「どうにかしたいくらい愛してるんでしょう」
「君を傷付けたくないんだ」
ごめんと謝れば、エルドレッドは柳眉を顰め、「臆病者」と小さく呟いた。
「研究のために本拠地をアメリカに移すつもりだよ。君はラクランの大学に行って、学びたいことを学んで、君の未来を切り拓けばいい」
「ジェイムズ、僕を見て」
「君が幸せになれることを願ってる」
「ジェイムズ、僕の名前を呼んで」
「ごめん、本当に、ごめん。僕は君の言う通り臆病者だ」
名前を呼ぶことすら躊躇うくらいに、ジェイムズはエルドレッドを思っていた。直視するのがつらいくらいに、ジェイムズはエルドレッドを愛していた。
それら全てを過去形にして、ジェイムズはエルドレッドのそばを離れた。
「僕から逃げないで、ジェイムズ」
諭すような、意外にも穏やかな声は聞こえていたが、振り返ることができない。
その場にいるのも苦しくなって、ジェイムズは主賓のラクランと理人に辞することを告げに行った。パーティーの真ん中で、二人でタキシードを纏って寄り添っているラクランと理人は、幸せそうでラクランの友人として祝いたい気持ちはあったけれど、エルドレッドの元恋人としては会わせる顔がない気もしていた。
「理人くんもラクランも本当におめでとう。ラクラン、ありがとう。諦めはつかないけど、心の整理はできそうだ」
「そう、良かったわ」
挨拶だけして立ち去ろうとすると、理人がジェイムズを引き留める。
「運命やったら、きっとどうにかなる。ジェイムズさんは、もっと自分を信じてええと思います」
幸福な運命に出会って、結婚できたからこそ、そう思えるのかもしれない。今のジェイムズには、自分どころか運命すらも信じられなかった。
ただ手を振っただけで振り返らずに車に乗って家まで戻って、ジェイムズは渡米のための準備を始めた。研究のために本拠地をアメリカに移すことはかなり前から打診されていたし、ジェイムズも乗り気だった。ラクランと出会い、エルドレッドと出会うことがなければ、もっと早くにアメリカに行っていただろう。
里子のジェイムズには16歳で家を離れてから家族はいないも同然で、アメリカ行きの飛行機に乗る搭乗口に見送りに来る相手もいなかった。
呼ばれていた大学の待遇は、かなり良い方だった。住む場所も紹介してくれて、大学近くのアパートで暮らしながら、図書館に通い、研究者たちと議論を交わして、時に飲みに行って、26歳成人男性らしい暮らしをしていた。
「ジェイムズは、イギリスに大事な相手でも残してきているの?」
何度か飲みに誘われていたが、二人きりのときは断って、他にメンバーがいるときだけ一緒に行く、研究者でいずれ警察の科学捜査を勉強したいと言っているハリエット・グレグソンに廊下を塞ぐように立たれて、ジェイムズは内心げっそりとする。
「別にそんな相手はいないよ」
エルドレッドとの思い出は何も持ってきていない。写真も消去してしまったし、お互いに物には興味はなかったから、物質的なプレゼントはしなかった。共に過ごす時間、一緒に行ったコンサート、弾いてくれたピアノ、交わした論議、それらは消そうとしても鮮やかにジェイムズの胸に残っている。
「それなら、私と付き合ってもいいんじゃない?」
「それなら、で話の前後が繋がる意味が分からないな。僕にも好みというものがあってね」
「あら、失礼ね。どんな相手が好きなの?」
並んで歩き出したハリエットは、長身でハイヒールを履いていて、エルドレッドと同じくらいの頭の高さだった。見下ろすつむじは黒髪ではなく、金髪なのが明らかに違うが。
「背が高くて、瞳が澄んでいて、細身で、普段は無邪気な表情をしているのに、ふとした瞬間、すごく色気があるような……」
「私のことじゃない!」
「全く違うよ」
バッサリと切り捨てれば、ハリエットは不満そうに顔を歪めていた。
確かに彼女も美しいが、ジェイムズの知っている相手はもっと美しく、自信満々で、聡く、青い瞳が魅力的で、ほの赤い唇が艶っぽい。
イギリスを離れて一年近く、ジェイムズは27歳になっていて、エルドレッドは18歳になっているはずだった。アメリカに行って距離を置いても、一瞬たりともジェイムズはエルドレッドを忘れられない。
性的な問題など些細なことだとエルドレッドは言った。それよりも離れてしまうことの方がつらいと。その言葉の意味を、今更ながらジェイムズは噛み締めていた。
研究論文も途中で、エルドレッドも諦めきれない。
中途半端なままで、研究を続けるジェイムズにラクランから連絡が入った。
エルドレッドは無事にラクランが研究を続けている大学に入れたようで、理人もラクランのところに毎週末通ってきているという。
メールの中に見たエルドレッドの名前に、動揺しなかったわけではない。
共同研究者だったジェイムズがイギリスから離れて、メールでだけ論文のやり取りをしていたが、ラクランは今度はエルドレッドと一緒に研究をすると書いてあった。実務で現場に出る心理分析官になるエルドレッドだが、大学にいる間はラクランの研究の手助けをするのだろう。
イギリスで共同で書いた研究結果の本も、アメリカと同時出版されて、売れ行きも良かった。
一度イギリスに戻ろうか。
一目エルドレッドに会いたい。
郷愁にかられる気持ちに、ジェイムズは蓋をした。
今会ってしまえば、もう止まれないかもしれない。あの細身の体を抱き締めて、自分の思うようにしてしまうかもしれない。会わない時間だけ、思いは強くなっただけで、忘れることなど決してできなかった。
最後の口付けが頭をよぎる。
あの痺れるような甘美な口付けに、もう一度だけ、酔いたい。
その欲望を、ジェイムズは必死で閉じ込めていた。
去年16歳になったエルドレッドは、理人の一つ上でもう17歳になっているはずだ。性に対する不一致さえなければ、15歳のあの日に婚約して、今頃はラクランと理人と合同結婚式をしていたかもしれない。
そんなことが頭をよぎるくらいには、まだジェイムズはエルドレッドに未練があった。ガーデンパーティーの端の方で、軽食を摘んでいるエルドレッドに近付くと、青い目が真っ直ぐにジェイムズを見つめる。もう会わないほうがいいと言って別れたのはジェイムズの方で、酷いことを言ったと自覚があるのに、エルドレッドはそれでも熱のこもった目をジェイムズに向けてくれていた。
「本当は来るつもりじゃなかったんだ。会わせる顔もないし」
「僕は会いたかったよ、ジェイムズ」
会わない間にすらりと伸びた背丈は180センチに届くくらいだろうか。顔立ちも大人びて、美しいと噂になるヘイミッシュよりも、うちから輝くような若い愛らしさと美が彼にはあった。他の相手を探せば、すぐにでも見つかるだろうに、ジェイムズに会いたかったと言ってくれるエルドレッド。
甘い雰囲気に流されないように理性が歯止めをかけるが、ほの赤い僅かに開いた唇が誘っているようで目眩がする。
「あなたはもう僕には会いたくなかった?」
もう愛していないの?
残酷にも聞こえる言葉に、ジェイムズは緩々と首を左右に振った。
「会いたかった。愛してるよ……」
愛しているから会えなかった。
暴走してしまうかもしれない自分が怖いと呟けば、植木の陰にジェイムズを導いて、エルドレッドが間近で焦げ茶色の目を見上げながら、囁く。
「性行為なんて、結婚生活の一部でしかないし、それが全てじゃないでしょう。僕はそういうのがなくても平気。ジェイムズと離れる方がつらいよ」
抱く、抱かれるの問題で揉めているのだから、いっそ行為をしないことを前提に共にいようとまで言ってくれるエルドレッド。その手が頬に触れるだけで、ジェイムズは体が火照って、逞しい自らの腕で細身の体を無理やり抱き締めてしまいそうになる。
「そんなのは現実的じゃない。僕は今も君をどうにかしたくて、それを必死で理性で抑えているのに」
「どうにかしたいくらい愛してるんでしょう」
「君を傷付けたくないんだ」
ごめんと謝れば、エルドレッドは柳眉を顰め、「臆病者」と小さく呟いた。
「研究のために本拠地をアメリカに移すつもりだよ。君はラクランの大学に行って、学びたいことを学んで、君の未来を切り拓けばいい」
「ジェイムズ、僕を見て」
「君が幸せになれることを願ってる」
「ジェイムズ、僕の名前を呼んで」
「ごめん、本当に、ごめん。僕は君の言う通り臆病者だ」
名前を呼ぶことすら躊躇うくらいに、ジェイムズはエルドレッドを思っていた。直視するのがつらいくらいに、ジェイムズはエルドレッドを愛していた。
それら全てを過去形にして、ジェイムズはエルドレッドのそばを離れた。
「僕から逃げないで、ジェイムズ」
諭すような、意外にも穏やかな声は聞こえていたが、振り返ることができない。
その場にいるのも苦しくなって、ジェイムズは主賓のラクランと理人に辞することを告げに行った。パーティーの真ん中で、二人でタキシードを纏って寄り添っているラクランと理人は、幸せそうでラクランの友人として祝いたい気持ちはあったけれど、エルドレッドの元恋人としては会わせる顔がない気もしていた。
「理人くんもラクランも本当におめでとう。ラクラン、ありがとう。諦めはつかないけど、心の整理はできそうだ」
「そう、良かったわ」
挨拶だけして立ち去ろうとすると、理人がジェイムズを引き留める。
「運命やったら、きっとどうにかなる。ジェイムズさんは、もっと自分を信じてええと思います」
幸福な運命に出会って、結婚できたからこそ、そう思えるのかもしれない。今のジェイムズには、自分どころか運命すらも信じられなかった。
ただ手を振っただけで振り返らずに車に乗って家まで戻って、ジェイムズは渡米のための準備を始めた。研究のために本拠地をアメリカに移すことはかなり前から打診されていたし、ジェイムズも乗り気だった。ラクランと出会い、エルドレッドと出会うことがなければ、もっと早くにアメリカに行っていただろう。
里子のジェイムズには16歳で家を離れてから家族はいないも同然で、アメリカ行きの飛行機に乗る搭乗口に見送りに来る相手もいなかった。
呼ばれていた大学の待遇は、かなり良い方だった。住む場所も紹介してくれて、大学近くのアパートで暮らしながら、図書館に通い、研究者たちと議論を交わして、時に飲みに行って、26歳成人男性らしい暮らしをしていた。
「ジェイムズは、イギリスに大事な相手でも残してきているの?」
何度か飲みに誘われていたが、二人きりのときは断って、他にメンバーがいるときだけ一緒に行く、研究者でいずれ警察の科学捜査を勉強したいと言っているハリエット・グレグソンに廊下を塞ぐように立たれて、ジェイムズは内心げっそりとする。
「別にそんな相手はいないよ」
エルドレッドとの思い出は何も持ってきていない。写真も消去してしまったし、お互いに物には興味はなかったから、物質的なプレゼントはしなかった。共に過ごす時間、一緒に行ったコンサート、弾いてくれたピアノ、交わした論議、それらは消そうとしても鮮やかにジェイムズの胸に残っている。
「それなら、私と付き合ってもいいんじゃない?」
「それなら、で話の前後が繋がる意味が分からないな。僕にも好みというものがあってね」
「あら、失礼ね。どんな相手が好きなの?」
並んで歩き出したハリエットは、長身でハイヒールを履いていて、エルドレッドと同じくらいの頭の高さだった。見下ろすつむじは黒髪ではなく、金髪なのが明らかに違うが。
「背が高くて、瞳が澄んでいて、細身で、普段は無邪気な表情をしているのに、ふとした瞬間、すごく色気があるような……」
「私のことじゃない!」
「全く違うよ」
バッサリと切り捨てれば、ハリエットは不満そうに顔を歪めていた。
確かに彼女も美しいが、ジェイムズの知っている相手はもっと美しく、自信満々で、聡く、青い瞳が魅力的で、ほの赤い唇が艶っぽい。
イギリスを離れて一年近く、ジェイムズは27歳になっていて、エルドレッドは18歳になっているはずだった。アメリカに行って距離を置いても、一瞬たりともジェイムズはエルドレッドを忘れられない。
性的な問題など些細なことだとエルドレッドは言った。それよりも離れてしまうことの方がつらいと。その言葉の意味を、今更ながらジェイムズは噛み締めていた。
研究論文も途中で、エルドレッドも諦めきれない。
中途半端なままで、研究を続けるジェイムズにラクランから連絡が入った。
エルドレッドは無事にラクランが研究を続けている大学に入れたようで、理人もラクランのところに毎週末通ってきているという。
メールの中に見たエルドレッドの名前に、動揺しなかったわけではない。
共同研究者だったジェイムズがイギリスから離れて、メールでだけ論文のやり取りをしていたが、ラクランは今度はエルドレッドと一緒に研究をすると書いてあった。実務で現場に出る心理分析官になるエルドレッドだが、大学にいる間はラクランの研究の手助けをするのだろう。
イギリスで共同で書いた研究結果の本も、アメリカと同時出版されて、売れ行きも良かった。
一度イギリスに戻ろうか。
一目エルドレッドに会いたい。
郷愁にかられる気持ちに、ジェイムズは蓋をした。
今会ってしまえば、もう止まれないかもしれない。あの細身の体を抱き締めて、自分の思うようにしてしまうかもしれない。会わない時間だけ、思いは強くなっただけで、忘れることなど決してできなかった。
最後の口付けが頭をよぎる。
あの痺れるような甘美な口付けに、もう一度だけ、酔いたい。
その欲望を、ジェイムズは必死で閉じ込めていた。
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