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偽りの運命 ~運命ならばと願わずにいられない~
運命ならばと願わずにいられない 7
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病院で治療を受けて、その日はハワード家の屋敷に帰った。急なことで共同研究者のジェイムズにも連絡ができていなくて、家に戻ってからようやく話をして二、三日実家にいることを伝えた。エルドレッドがラクランと理人の部屋に飛び込んできて、「ジェイムズとはもう会わない」と告げた日から、ジェイムズはハワード家には来ていない。
二人のことも気になっていたが、今は頬を浅く切ってメガネも壊れている理人の方が心配だった。
両親から振るわれた暴力で、フラッシュバックを起こさないとも限らない。幼い頃はラクランの胸に抱かれて、理人はよく悪夢に魘されて泣いていた。
「怖かったでしょう。理人さんの可愛い顔が、傷付いてしまって」
ベッドに腰掛けて、膝の上に抱き上げて理人をしっかり抱き締めて、痣になりそうな色をしている痛々しい頬を撫でると、目を閉じた理人がラクランの胸に顔を埋める。柔く胸を揉んで、匂いを嗅いで、心臓の音を聞くのが、幼い頃からの理人の落ち着くための儀式のようなものだった。
「ランさんの匂い……ランさんの心臓の音……安心するわ」
「アタシに迷惑がかかるって……アタシを守ってくれようとしたのね」
体はラクランの方がずっと大きくて、警察署のテーブルを壊してしまうくらい腕力があっても、そういうものではない勇気と深い愛情が理人にはある。そんな男らしい理人がラクランの前では甘えるのもまた、愛しくて可愛くてたまらなかった。
「俺の大事なランさんやもん。お手手、怪我してしもうて、痛かったやろ?」
包帯の巻かれたラクランの手に、理人が頬を摺り寄せる。骨には異常はなかったが、テーブルの表面にヒビを入れるほど叩いた手は無事ではなく、破片が刺さって血が出ていたし、腫れてもいた。
穏やかで臆病なところがあるラクランは、他人と喧嘩らしい喧嘩もしたことがなく、暴力を振るった記憶もない。自分の腕力が物凄いものだと実感すると同時に、なにかを殴れば自分の手も無事ではないことを、身を以て知った。
「暴力なんて振るうものじゃないわね」
「そういう穏やかで安定したランさんやから、俺は安心して側におられたんやと思う。自分が危ない時以外は、二度とこんなことせんでええ。ランさんにはずっと穏やかでおってほしい」
「その分理人さんが傷付くのは、嫌よ?」
「俺も怪我せんように気を付ける。ランさんを悲しませたくないからな」
抱き合っているとお互いの体温で気持ちが落ち着いてくる。ときめきとは違う、信頼が二人の間にはあった。
「好きやで、ランさん。もう、ええやろ?」
「良いって、な、なにが?」
澄んだ赤茶色の瞳で見上げられて、ラクランはどきりと心臓が跳ね上がる。この状況で性的なことを求められれば、年上の分別ある大人としてはまだいけないと拒否しなければいけないのに、抗える気がしなかった。
「ランさんを恋人って思ってええやろ? もう、俺ら、両想いで恋人同士やろ?」
いけないことを考えてしまった自分の大人の汚さを反省しつつ、理人が澄んだ瞳で問いかける真摯な言葉に、ラクランも真剣に答える。
「えぇ、アタシたちは恋人で婚約者よ」
微笑むと、目を閉じた理人が触れるだけの口付けをした。これくらいは良いだろうとラクランも口付けを返す。
頬を林檎のように赤く染めて、理人は嬉しそうにもじもじとしていた。
「俺はランさんの恋人で婚約者や。あと一年したら、結婚できるし」
結婚を急ぐ必要はないのだが、理人が心待ちにしているのと同じくらいラクランも密かにその日を楽しみにしていることに、気付いてしまった。結婚しても理人が大学に来るまでは別々に暮さねばいけないし、しばらくは遠距離での付き合いが続く。それを鑑みても、「結婚」の二文字は二人にとって大きな意味を持っていた。
その晩は理人はラクランから離れられず、ラクランも理人が帰ってきた実感に浸りたくて、何もしなかったが抱き締めあって眠った。理人の熱い息が胸を擽るたびに、胎がきゅんと疼くような気がして、眠りは浅かったが、二人とも離れる気にはならなかった。
翌日はヘイミッシュとスコットは仕事で、理人は事件の事後処理のために家に来た警察官と話をして、学校は休んでいた。一人でいさせるわけにはいかないのでラクランも大学に戻るのは明日にして、その日一日は実家で過ごす。警察官との話が終わると、エルドレッドを早めに迎えに行って、三人で昼食を食べることになった。
「リヒトは僕の弟なのに、産みの親とはいえ許せない」
頬の傷と殴られた痕について、エルドレッドなりに怒りは持っていてくれたようだ。家で三人で簡単にパスタを茹でてソースをかけてサラダと食べながら、エルドレッドには理人の事件を全て話す。
「誘拐犯に従ったふりで油断させたのは流石だね。リヒトがそれ以上怪我をしなくて良かった」
「スコットさんやヘイミッシュさん、それにランさんの専門分野やから、俺も多少は知ってるねんで」
専門分野という響きに、エルドレッドは一瞬だけ動きを止める。両親と兄だけでなく、ラクランの共同研究者であるジェイムズも専門家だった。
「気になってるんじゃないの、僕とジェイムズのこと」
切り出したのはエルドレッドの方で、心配しているのは確かなのでラクランも正直に答える。
「二人の問題だとは思っているけれど、エルドレッドが初めて好きになったひとだから、心配はしているわ」
「一目で惹かれたし、運命だと思った。でも、ダメだったんだ」
ヘイミッシュから受け継いだラクランと同じ青い目に、薄っすらと涙の幕が張る。賢く大人っぽいとはいえ、エルドレッドはまだ繊細な16歳の少年だった。結婚できる年になっているからこそ、その恋が破れたのがつらいのだろう。
「そういう嗜好については、どうしようもないことで、ある意味同性愛者とか、異性愛者のように、生まれながらに決まってる面があるから、どちらかがそれを曲げて無理をしても幸せにはなれないって言われたよ」
どちらも相手を「抱きたい」という欲望を持った、エルドレッドとジェイムズ。運命を感じていたのに、それが噛み合うことはなかった。
「アナタはまだ若いのだもの」
「僕はもう恋はしないと思うよ」
静かにそれを受け入れてしまったエルドレッドの苦しみは、ラクランにはどうにもできない類のもので、その悲しみにかける言葉もない。
「だからって、僕に遠慮して二人の結婚を伸ばすとか、馬鹿なことはしないでね。僕はリヒトが本当に弟になる日を楽しみにしてるんだからね」
ぱっと明るい表情になったエルドレッドの強さに、ラクランと理人は感謝した。誰よりも二人を応援して、祝福してくれているのは、幼い頃から理人の兄のような存在で、ラクランにとっては可愛いたった一人の弟のエルドレッドに他ならない。
強く優しいエルドレッドだからこそ、他に恋に出会えるのならば恋をして欲しいし、ジェイムズとの仲がどうにかできるものなら結ばれて欲しい。
大学に戻ってからジェイムズに話を切り出そうとして、どういう話口でいけば良いのか分からず、ラクランは迷った末に、結婚の件を口にした。
「アタシと理人さんの結婚式、多分来年の五月の理人さんの誕生日にすると思うわ。来てくれるかしら?」
「それは、申し訳ないけど無理かな。エルドレッドともう二度と会わない約束をしている」
「会いたくはないの?」
平気そうに振舞っていたが、あの気の強いエルドレッドが青い瞳に涙を浮かべていた。泣いたところなどほとんど見たことがないのに、あんな胸を締め付けられるような表情をラクランは忘れられない。
「会いたいけど、会ったら間違ってしまうかもしれない」
身長はラクランよりもやや低いが、ジェイムズも体付きは筋骨隆々としていた。ひょろりと細身のエルドレッドを、力付くで押さえ込んでしまうことが、不可能ではない。
「エルドレッドを愛しているのね」
だからこそ、傷付けたくない。傷付ける可能性を生まないように、会わない。それは合理的にも思えた。
「愛してたよ」
過去形にしたジェイムズに、ラクランはそれ以上言えることもなく引き下がる。
二人の関係がどこまで進んでいたのかは分からないが、もう全ては終わったことのようだった。
「結婚したら、理人さんと二人で挨拶に行くわ」
「ありがとう、待ってるよ」
親愛なる友に、最大の祝福を。
微笑んだジェイムズの顔も、切なく痛々しかった。
次の年の五月に向かって、結婚の準備が始まった。
二人のことも気になっていたが、今は頬を浅く切ってメガネも壊れている理人の方が心配だった。
両親から振るわれた暴力で、フラッシュバックを起こさないとも限らない。幼い頃はラクランの胸に抱かれて、理人はよく悪夢に魘されて泣いていた。
「怖かったでしょう。理人さんの可愛い顔が、傷付いてしまって」
ベッドに腰掛けて、膝の上に抱き上げて理人をしっかり抱き締めて、痣になりそうな色をしている痛々しい頬を撫でると、目を閉じた理人がラクランの胸に顔を埋める。柔く胸を揉んで、匂いを嗅いで、心臓の音を聞くのが、幼い頃からの理人の落ち着くための儀式のようなものだった。
「ランさんの匂い……ランさんの心臓の音……安心するわ」
「アタシに迷惑がかかるって……アタシを守ってくれようとしたのね」
体はラクランの方がずっと大きくて、警察署のテーブルを壊してしまうくらい腕力があっても、そういうものではない勇気と深い愛情が理人にはある。そんな男らしい理人がラクランの前では甘えるのもまた、愛しくて可愛くてたまらなかった。
「俺の大事なランさんやもん。お手手、怪我してしもうて、痛かったやろ?」
包帯の巻かれたラクランの手に、理人が頬を摺り寄せる。骨には異常はなかったが、テーブルの表面にヒビを入れるほど叩いた手は無事ではなく、破片が刺さって血が出ていたし、腫れてもいた。
穏やかで臆病なところがあるラクランは、他人と喧嘩らしい喧嘩もしたことがなく、暴力を振るった記憶もない。自分の腕力が物凄いものだと実感すると同時に、なにかを殴れば自分の手も無事ではないことを、身を以て知った。
「暴力なんて振るうものじゃないわね」
「そういう穏やかで安定したランさんやから、俺は安心して側におられたんやと思う。自分が危ない時以外は、二度とこんなことせんでええ。ランさんにはずっと穏やかでおってほしい」
「その分理人さんが傷付くのは、嫌よ?」
「俺も怪我せんように気を付ける。ランさんを悲しませたくないからな」
抱き合っているとお互いの体温で気持ちが落ち着いてくる。ときめきとは違う、信頼が二人の間にはあった。
「好きやで、ランさん。もう、ええやろ?」
「良いって、な、なにが?」
澄んだ赤茶色の瞳で見上げられて、ラクランはどきりと心臓が跳ね上がる。この状況で性的なことを求められれば、年上の分別ある大人としてはまだいけないと拒否しなければいけないのに、抗える気がしなかった。
「ランさんを恋人って思ってええやろ? もう、俺ら、両想いで恋人同士やろ?」
いけないことを考えてしまった自分の大人の汚さを反省しつつ、理人が澄んだ瞳で問いかける真摯な言葉に、ラクランも真剣に答える。
「えぇ、アタシたちは恋人で婚約者よ」
微笑むと、目を閉じた理人が触れるだけの口付けをした。これくらいは良いだろうとラクランも口付けを返す。
頬を林檎のように赤く染めて、理人は嬉しそうにもじもじとしていた。
「俺はランさんの恋人で婚約者や。あと一年したら、結婚できるし」
結婚を急ぐ必要はないのだが、理人が心待ちにしているのと同じくらいラクランも密かにその日を楽しみにしていることに、気付いてしまった。結婚しても理人が大学に来るまでは別々に暮さねばいけないし、しばらくは遠距離での付き合いが続く。それを鑑みても、「結婚」の二文字は二人にとって大きな意味を持っていた。
その晩は理人はラクランから離れられず、ラクランも理人が帰ってきた実感に浸りたくて、何もしなかったが抱き締めあって眠った。理人の熱い息が胸を擽るたびに、胎がきゅんと疼くような気がして、眠りは浅かったが、二人とも離れる気にはならなかった。
翌日はヘイミッシュとスコットは仕事で、理人は事件の事後処理のために家に来た警察官と話をして、学校は休んでいた。一人でいさせるわけにはいかないのでラクランも大学に戻るのは明日にして、その日一日は実家で過ごす。警察官との話が終わると、エルドレッドを早めに迎えに行って、三人で昼食を食べることになった。
「リヒトは僕の弟なのに、産みの親とはいえ許せない」
頬の傷と殴られた痕について、エルドレッドなりに怒りは持っていてくれたようだ。家で三人で簡単にパスタを茹でてソースをかけてサラダと食べながら、エルドレッドには理人の事件を全て話す。
「誘拐犯に従ったふりで油断させたのは流石だね。リヒトがそれ以上怪我をしなくて良かった」
「スコットさんやヘイミッシュさん、それにランさんの専門分野やから、俺も多少は知ってるねんで」
専門分野という響きに、エルドレッドは一瞬だけ動きを止める。両親と兄だけでなく、ラクランの共同研究者であるジェイムズも専門家だった。
「気になってるんじゃないの、僕とジェイムズのこと」
切り出したのはエルドレッドの方で、心配しているのは確かなのでラクランも正直に答える。
「二人の問題だとは思っているけれど、エルドレッドが初めて好きになったひとだから、心配はしているわ」
「一目で惹かれたし、運命だと思った。でも、ダメだったんだ」
ヘイミッシュから受け継いだラクランと同じ青い目に、薄っすらと涙の幕が張る。賢く大人っぽいとはいえ、エルドレッドはまだ繊細な16歳の少年だった。結婚できる年になっているからこそ、その恋が破れたのがつらいのだろう。
「そういう嗜好については、どうしようもないことで、ある意味同性愛者とか、異性愛者のように、生まれながらに決まってる面があるから、どちらかがそれを曲げて無理をしても幸せにはなれないって言われたよ」
どちらも相手を「抱きたい」という欲望を持った、エルドレッドとジェイムズ。運命を感じていたのに、それが噛み合うことはなかった。
「アナタはまだ若いのだもの」
「僕はもう恋はしないと思うよ」
静かにそれを受け入れてしまったエルドレッドの苦しみは、ラクランにはどうにもできない類のもので、その悲しみにかける言葉もない。
「だからって、僕に遠慮して二人の結婚を伸ばすとか、馬鹿なことはしないでね。僕はリヒトが本当に弟になる日を楽しみにしてるんだからね」
ぱっと明るい表情になったエルドレッドの強さに、ラクランと理人は感謝した。誰よりも二人を応援して、祝福してくれているのは、幼い頃から理人の兄のような存在で、ラクランにとっては可愛いたった一人の弟のエルドレッドに他ならない。
強く優しいエルドレッドだからこそ、他に恋に出会えるのならば恋をして欲しいし、ジェイムズとの仲がどうにかできるものなら結ばれて欲しい。
大学に戻ってからジェイムズに話を切り出そうとして、どういう話口でいけば良いのか分からず、ラクランは迷った末に、結婚の件を口にした。
「アタシと理人さんの結婚式、多分来年の五月の理人さんの誕生日にすると思うわ。来てくれるかしら?」
「それは、申し訳ないけど無理かな。エルドレッドともう二度と会わない約束をしている」
「会いたくはないの?」
平気そうに振舞っていたが、あの気の強いエルドレッドが青い瞳に涙を浮かべていた。泣いたところなどほとんど見たことがないのに、あんな胸を締め付けられるような表情をラクランは忘れられない。
「会いたいけど、会ったら間違ってしまうかもしれない」
身長はラクランよりもやや低いが、ジェイムズも体付きは筋骨隆々としていた。ひょろりと細身のエルドレッドを、力付くで押さえ込んでしまうことが、不可能ではない。
「エルドレッドを愛しているのね」
だからこそ、傷付けたくない。傷付ける可能性を生まないように、会わない。それは合理的にも思えた。
「愛してたよ」
過去形にしたジェイムズに、ラクランはそれ以上言えることもなく引き下がる。
二人の関係がどこまで進んでいたのかは分からないが、もう全ては終わったことのようだった。
「結婚したら、理人さんと二人で挨拶に行くわ」
「ありがとう、待ってるよ」
親愛なる友に、最大の祝福を。
微笑んだジェイムズの顔も、切なく痛々しかった。
次の年の五月に向かって、結婚の準備が始まった。
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