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偽りの運命 ~運命だと嘘をついた~
運命だと嘘をついた 6
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寒さの続く一月の終わりに、ラクランは生まれた。冬期休暇は終わっていたが、誕生日には、両親は仕事を早く終わらせて、ラクランとエルドレッドと理人とケーキを買いに車を出してくれた。ショーケースの中の色とりどりのケーキに、理人は赤茶色のお目目を丸くしていた。
「きえー……こえ、たべられるんか?」
「たべられるよ。でも、ごはんのりょうを、セーブしないといけない。おなかがいっぱいになったら、せっかくのケーキもたべられない」
「こえ、どんなあじがすゆんやろ」
初めてケーキを見たであろう理人は興味津々でショーケースに張り付いている。よほど「理人さんが選んで良いわよ」と言いたかったが、それでは毎年兄として頑張っているラクランにこの日だけは好きなものを選ばせようとしてくれるヘイミッシュとスコットの気持ちを無駄にしてしまう。
ふわふわの赤茶色の髪の毛を撫でていると、赤いケーキが食べたくなって宝石のように美しいベリーのミラーマーブルケーキを選んだ。ゼラチンとブドウ糖に練乳を入れて大理石のように、顔が映るくらいまでツルツルに仕上げたケーキだ。
「ほうしぇきみたいや……らんしゃんのやな」
「みんなで食べるのよ」
「りーのも、あるん?」
きょとんと驚いた顔になった理人を、ラクランが抱き締め、ヘイミッシュが「もう一個買いましょうか?」と暴走しそうになるのを、スコットが「一個をみんなで食べようね」と止める。
楽しい誕生日パーティーで、初めてケーキを食べた理人は、驚きの連続だった。口に入れればその甘さに目を丸くし、飲み込んではその柔らかさに驚き、あっという間に切り分けられた分を食べてしまう。食の細い理人にしては勢い良く食べたのを、ラクランも微笑ましく見守っていた。
「なくなってもた……」
最後の一口を飲み込んだ理人が、空っぽのお皿を見つめる。隣には座っていたエルドレッドが、年上らしく教えてやる。
「リヒトのおたんじょうびには、すきなケーキをえらんでいいんだよ」
「おたんじょうび……らんしゃん、りーのおたんじょうび、いちゅ?」
聞かれてヘイミッシュの方を見れば、すぐに五月だと教えてくれる。
「ごがちゅ……りー、けーち、えらぶ!」
誕生日を楽しみにする理人の姿も可愛くて、ラクランは抱き締めてくしゃくしゃと癖っ毛を掻き混ぜていた。
夜、お風呂にも入って、理人はオムツを履いてパジャマを着て、ベッドに入る前に、もじもじとラクランの前で小さなお手手を広げて見せた。その手には、青みがかったつるりとした卵型の石が乗っている。
「らんしゃんのおめめと、にとるから、りーのたからものやねん。おたんじょうび、ぷれじぇんと、もらってや?」
庭か保育園で拾ったのを大事に取っていたのだろう、その石を受け取って、ラクランは部屋の灯りにかざした。拾った石なので少し歪な卵型だが、つるりとして僅かに青みを帯びた不透明な表面が輝くそれはラクランの目にも美しく、理人にとって自分があげられるものの中で一番価値あるものだったのだろう。
「とても嬉しいわ。ありがとう、理人さん」
「どういたちまちて」
嬉しそうに染まった理人の頬にキスをして、ラクランはその夜も理人を抱き締めて寝た。
もらった石はそのままの形で、嵌め込む台座を作ってもらって、ペンダントトップにして首からかける。しゃらしゃらとラクランの胸でその石が揺れているのを、理人は誇らしげに見ていた。
季節は穏やかに過ぎて、冬から春になる。
理人の親戚と連絡が取れたとラクランが聞かされたのは、理人が4歳になる前だった。どうやら日本に理人は5歳年上の異母兄がいて、祖父母も健在らしい。異母兄は祖父母の元で育てられていて、必要ならば理人のことを引き取っても構わないと言っている。
「なんで、今更」
既に理人がイギリスでハワード家に引き取られてから、半年は経っている。今更引き取りたいというのならば、なぜ理人が日本とイギリスの間を連れ回されて、どこかに捨てられていたときに手を差し伸べなかったのか。
納得できないラクランに、スコットが説明してくれる。
「異母兄のご両親が別れるときに彼を祖父母の家に捨てて、今度は再婚した相手との間にできた理人を連れ回していたから、理人の祖父母は彼が生まれていることすらも知らなかったんだよ」
「理人さんには、帰る場所があるのね……」
5歳年上の異母兄がいるのならば、祖父母の家で育てられるのも良いのかもしれない。イギリスでラクランの婚約者と偽って、それを信じ込まされて育つよりも、日本で肉親と暮らす方が理人にとっては幸せなのかもしれない。
「理人さんのお祖父様とお祖母様はどんな方なの?」
「能という日本文化の伝承者みたいだね。異母兄は大事に育てられているみたいだし、理人の情報を聞いて連絡をくれるのだから、孫に全く無関心ではないと思うよ」
早い段階で理人がラクラン以外の相手を好きになれば、婚約は解消される。そのときに、今までは選択肢がなかったから、ハワード家で成人までは育てられる予定だったが、肉親が日本にいるとなると話は別だ。
母国語が決まるのはおよそ9歳のときだと言われている。日本で生きなくてはいけなくなるのだったら、早いうちに理人は日本に戻った方がいい。
「理人さんに話をしないと……」
付き添ってくれるスコットとヘイミッシュと一緒に、ラクランはリビングでソファに座って理人に「大事なお話があるの」と告げた。ふわふわの赤茶色の髪を揺らして首を傾げ、理人が赤茶色の目を見開いて真剣に話を聞く。
「理人さんには、日本にお祖父様とお祖母様がいて、お兄さんもいるみたいなの」
「りー、おじいちゃんとおばあちゃん、おるで。おやしゅみに、らんしゃんとおとまりしたもん」
「アタシのお祖父様とお祖母様じゃなくて、理人さんのお祖父様とお祖母様なの」
「りーの?」
説明しても実感がわかない様子の理人に、スコットとヘイミッシュが写真を持ってきてくれた。
「こちらの方が理人のお祖父さん、こちらの方がお祖母さん、こちらがお兄さん。日本で暮らしているんだよ」
「理人が望むなら、引き取りたいって仰ってるの」
3歳の幼児に望むならもなにもないのだが、理人はようやく理解し始めたのか、大きな目に涙を浮かべて、ひしっとラクランの胸にしがみ付いた。
「やぁや! らんしゃんといっちょにおる! りーをどこにも、やらんでぇ!」
「理人さんの本当のお祖父様とお祖母様なのよ?」
「ほ、ほんまの、とか、こあいー!」
血の繋がった本当の両親に理人は虐待されていた。それを考えてみれば、血の繋がっていないラクランたち、全く関係ないのに優しくしてくれるハワード家の人間の方が信頼できるのは仕方のないことなのかもしれない。むしろ、血の繋がりは理人にとっては恐怖でしかない可能性がある。
「にいさん、スコット、ヘイミッシュ、リヒトはぼくのおとうとだし、にいさんのこんやくしゃだよ。どこにもいかせなくていいでしょう?」
問いかけてきたのはエルドレッドで、その言葉に涙ながらに理人もこくこくと頷いている。
「そうよねぇ。ラクランの運命の相手なのだし」
将来理人が日本で暮らしていくとすれば、ラクランのついた嘘は、許されるものではない。心理分析官のヘイミッシュはラクランの嘘に気付いているはずなのに、口に出されてラクランは言葉を失った。
本当のことを言えば、可愛い理人は日本に連れて行かれて、もう二度と会えないかもしれない。嘘をつき続ければ、いずれその歪みが表層化して、理人のことを傷付ける。
14歳のラクランには、どちらも選ぶことができなかった。
「りー、らんしゃんとけっこんすゆ。らんしゃんと、ずっといっちょにおる」
浅はかな13歳だった少年の嘘が、こんなに大きくなるとは予測してもいなかった。
「きえー……こえ、たべられるんか?」
「たべられるよ。でも、ごはんのりょうを、セーブしないといけない。おなかがいっぱいになったら、せっかくのケーキもたべられない」
「こえ、どんなあじがすゆんやろ」
初めてケーキを見たであろう理人は興味津々でショーケースに張り付いている。よほど「理人さんが選んで良いわよ」と言いたかったが、それでは毎年兄として頑張っているラクランにこの日だけは好きなものを選ばせようとしてくれるヘイミッシュとスコットの気持ちを無駄にしてしまう。
ふわふわの赤茶色の髪の毛を撫でていると、赤いケーキが食べたくなって宝石のように美しいベリーのミラーマーブルケーキを選んだ。ゼラチンとブドウ糖に練乳を入れて大理石のように、顔が映るくらいまでツルツルに仕上げたケーキだ。
「ほうしぇきみたいや……らんしゃんのやな」
「みんなで食べるのよ」
「りーのも、あるん?」
きょとんと驚いた顔になった理人を、ラクランが抱き締め、ヘイミッシュが「もう一個買いましょうか?」と暴走しそうになるのを、スコットが「一個をみんなで食べようね」と止める。
楽しい誕生日パーティーで、初めてケーキを食べた理人は、驚きの連続だった。口に入れればその甘さに目を丸くし、飲み込んではその柔らかさに驚き、あっという間に切り分けられた分を食べてしまう。食の細い理人にしては勢い良く食べたのを、ラクランも微笑ましく見守っていた。
「なくなってもた……」
最後の一口を飲み込んだ理人が、空っぽのお皿を見つめる。隣には座っていたエルドレッドが、年上らしく教えてやる。
「リヒトのおたんじょうびには、すきなケーキをえらんでいいんだよ」
「おたんじょうび……らんしゃん、りーのおたんじょうび、いちゅ?」
聞かれてヘイミッシュの方を見れば、すぐに五月だと教えてくれる。
「ごがちゅ……りー、けーち、えらぶ!」
誕生日を楽しみにする理人の姿も可愛くて、ラクランは抱き締めてくしゃくしゃと癖っ毛を掻き混ぜていた。
夜、お風呂にも入って、理人はオムツを履いてパジャマを着て、ベッドに入る前に、もじもじとラクランの前で小さなお手手を広げて見せた。その手には、青みがかったつるりとした卵型の石が乗っている。
「らんしゃんのおめめと、にとるから、りーのたからものやねん。おたんじょうび、ぷれじぇんと、もらってや?」
庭か保育園で拾ったのを大事に取っていたのだろう、その石を受け取って、ラクランは部屋の灯りにかざした。拾った石なので少し歪な卵型だが、つるりとして僅かに青みを帯びた不透明な表面が輝くそれはラクランの目にも美しく、理人にとって自分があげられるものの中で一番価値あるものだったのだろう。
「とても嬉しいわ。ありがとう、理人さん」
「どういたちまちて」
嬉しそうに染まった理人の頬にキスをして、ラクランはその夜も理人を抱き締めて寝た。
もらった石はそのままの形で、嵌め込む台座を作ってもらって、ペンダントトップにして首からかける。しゃらしゃらとラクランの胸でその石が揺れているのを、理人は誇らしげに見ていた。
季節は穏やかに過ぎて、冬から春になる。
理人の親戚と連絡が取れたとラクランが聞かされたのは、理人が4歳になる前だった。どうやら日本に理人は5歳年上の異母兄がいて、祖父母も健在らしい。異母兄は祖父母の元で育てられていて、必要ならば理人のことを引き取っても構わないと言っている。
「なんで、今更」
既に理人がイギリスでハワード家に引き取られてから、半年は経っている。今更引き取りたいというのならば、なぜ理人が日本とイギリスの間を連れ回されて、どこかに捨てられていたときに手を差し伸べなかったのか。
納得できないラクランに、スコットが説明してくれる。
「異母兄のご両親が別れるときに彼を祖父母の家に捨てて、今度は再婚した相手との間にできた理人を連れ回していたから、理人の祖父母は彼が生まれていることすらも知らなかったんだよ」
「理人さんには、帰る場所があるのね……」
5歳年上の異母兄がいるのならば、祖父母の家で育てられるのも良いのかもしれない。イギリスでラクランの婚約者と偽って、それを信じ込まされて育つよりも、日本で肉親と暮らす方が理人にとっては幸せなのかもしれない。
「理人さんのお祖父様とお祖母様はどんな方なの?」
「能という日本文化の伝承者みたいだね。異母兄は大事に育てられているみたいだし、理人の情報を聞いて連絡をくれるのだから、孫に全く無関心ではないと思うよ」
早い段階で理人がラクラン以外の相手を好きになれば、婚約は解消される。そのときに、今までは選択肢がなかったから、ハワード家で成人までは育てられる予定だったが、肉親が日本にいるとなると話は別だ。
母国語が決まるのはおよそ9歳のときだと言われている。日本で生きなくてはいけなくなるのだったら、早いうちに理人は日本に戻った方がいい。
「理人さんに話をしないと……」
付き添ってくれるスコットとヘイミッシュと一緒に、ラクランはリビングでソファに座って理人に「大事なお話があるの」と告げた。ふわふわの赤茶色の髪を揺らして首を傾げ、理人が赤茶色の目を見開いて真剣に話を聞く。
「理人さんには、日本にお祖父様とお祖母様がいて、お兄さんもいるみたいなの」
「りー、おじいちゃんとおばあちゃん、おるで。おやしゅみに、らんしゃんとおとまりしたもん」
「アタシのお祖父様とお祖母様じゃなくて、理人さんのお祖父様とお祖母様なの」
「りーの?」
説明しても実感がわかない様子の理人に、スコットとヘイミッシュが写真を持ってきてくれた。
「こちらの方が理人のお祖父さん、こちらの方がお祖母さん、こちらがお兄さん。日本で暮らしているんだよ」
「理人が望むなら、引き取りたいって仰ってるの」
3歳の幼児に望むならもなにもないのだが、理人はようやく理解し始めたのか、大きな目に涙を浮かべて、ひしっとラクランの胸にしがみ付いた。
「やぁや! らんしゃんといっちょにおる! りーをどこにも、やらんでぇ!」
「理人さんの本当のお祖父様とお祖母様なのよ?」
「ほ、ほんまの、とか、こあいー!」
血の繋がった本当の両親に理人は虐待されていた。それを考えてみれば、血の繋がっていないラクランたち、全く関係ないのに優しくしてくれるハワード家の人間の方が信頼できるのは仕方のないことなのかもしれない。むしろ、血の繋がりは理人にとっては恐怖でしかない可能性がある。
「にいさん、スコット、ヘイミッシュ、リヒトはぼくのおとうとだし、にいさんのこんやくしゃだよ。どこにもいかせなくていいでしょう?」
問いかけてきたのはエルドレッドで、その言葉に涙ながらに理人もこくこくと頷いている。
「そうよねぇ。ラクランの運命の相手なのだし」
将来理人が日本で暮らしていくとすれば、ラクランのついた嘘は、許されるものではない。心理分析官のヘイミッシュはラクランの嘘に気付いているはずなのに、口に出されてラクランは言葉を失った。
本当のことを言えば、可愛い理人は日本に連れて行かれて、もう二度と会えないかもしれない。嘘をつき続ければ、いずれその歪みが表層化して、理人のことを傷付ける。
14歳のラクランには、どちらも選ぶことができなかった。
「りー、らんしゃんとけっこんすゆ。らんしゃんと、ずっといっちょにおる」
浅はかな13歳だった少年の嘘が、こんなに大きくなるとは予測してもいなかった。
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