519 / 528
最終章 わたくしの結婚一年目とクリスタの結婚
27.フィンガーブレスレットで変身
しおりを挟む
国王陛下の生誕の式典でも、わたくしとエクムント様は前日から王宮に入っていた。
王宮では辺境伯家用の客室があって、わたくしとエクムント様は二人きりでその部屋を使う。
家族が増えたときでも構わないようにその部屋は広く、ベビーベッドや子ども用のベッドが入れられるようになっている。広い部屋に二人きりというのも寂しくはあるが、そのうちに家族が増えることをわたくしは密やかに願っていた。
エクムント様は今は子どもを望んでいないし、わたくしも自分のことで手一杯で子どもを望める立場ではないのだが、もう少し落ち着いたら産めるのならばエクムント様の子どもを産みたいとわたくしは思っていた。妊娠や出産を軽んじるつもりはないが、わたくしはまだ若いし健康なので、産めるものならば産みたい。
愛するひととの間に子どもを望むことがいけないことだなんて誰も言わない。辺境伯家の後継ぎを願うものが多いくらいなのだ。
エクムント様に相談すると急がなくてもいいと言われそうなので自分の胸の中にだけしまっておく。
翌朝のお散歩ではユリアーナ殿下が新しく仲間に入ったケヴィン殿とフリーダ嬢の実力を試していた。
「あの柱に向かって雪玉を投げてください」
言われた通りにしたケヴィン殿は柱に命中させるし、フリーダ嬢は少しずれてしまったが柱を通り越すほどの実力の持ち主だった。
「すごいですね。本当に雪合戦は初めてですか?」
「雪遊びは姉としていました」
「雪合戦をするのは初めてですが、ボール投げはよくしていました」
ケヴィン殿とフリーダ嬢の答えにユリアーナ殿下も納得したようだった。
チーム分けを考えていく。
「今回、ケヴィン殿という年齢も一番上の男子が参加することになったので、今年も男子チームと女子チームで戦うことにしましょう」
「お仲間には入れて嬉しいです、ケヴィンです。よろしくお願いします」
「フリーダです。兄共々よろしくお願いします」
ケヴィン殿が最年長、フリーダ嬢はその次のフランツと同じ年ということで、男子チームも女子チームも盛り上がっていた。
「フリーダ、妹とはいえ、手加減はしないよ」
「お兄様、それはこっちの台詞です」
火花を散らすケヴィン殿とフリーダ殿が入った雪合戦は白熱した。
女子チームは作戦を立ててナターリエ嬢とマリアが雪玉をひたすら作り、ユリアーナ殿下とフリーダ嬢が投げていたのだが、フリーダ嬢がものすごく強い。次々と当ててフランツもデニス殿もゲオルグ殿も雪の中に沈めていく。対する男子チームはケヴィン殿がナターリエ嬢とマリアの雪玉を作っている場所を狙おうとする。
「お兄様、させません!」
「退け、フリーダ! 雪玉をぶつけられたいのか?」
「お兄様のへろへろの玉などぶつけられても平気ですわ!」
兄弟の戦いが熾烈になる中、ユリアーナ殿下が横からケヴィン殿を狙って、何度もぶつけて、最終的にぶつけられた回数が一番少ないユリアーナ殿下のいる女子チームが勝利した。
「次はもっと策を練りましょう。フランツ殿、デニス殿、ゲオルグ殿」
「はい。悔しいですが、今回は負けということで」
「次は負けません!」
「次こそは勝ちます」
作戦以前に、男子チームはもっとチームワークが必要なのではないかとわたくしは思っていたが、どちらかに肩入れすると問題になりそうだったので特に口には出さなかった。
国王陛下の生誕の式典は昼食会から始まって、わたくしは葡萄酒をグラスに注がれそうになったが、葡萄ジュースに変えてもらった。
「国王陛下の生誕の式典のお祝いの言葉を述べさせていただきます、ユストゥス・ディッペルです。国王陛下は私と同級生で学園を卒業し、私と同じころに国王の座に着きました。学園生活では学友でしたが、卒業してからも私と国王陛下は戦友のようなものでした。これからも国王陛下がこの国の統治という戦場で戦っていけるように、ディッペル家としても支えていきたいと思います。この度は国王陛下、本当におめでとうございます!」
挨拶を頼まれたのはディッペル家の父だった。父がグラスを持ち上げると貴族たちが全員立ち上がって乾杯をする。
「ありがとう、ディッペル公爵」
国王陛下も礼を言いながらグラスを持ち上げていた。
お茶会ではフランツもマリアも、デニス殿もゲオルグ殿も、ガブリエラ嬢もケヴィン殿もフリーダ嬢も、ナターリエ嬢も、ユリアーナ殿下も来られて、会場はとても賑やかになっていた。
「エクムント様、お願いがあります」
「エリザベート夫人にもお願いがあります」
真剣な表情のデニス殿とケヴィン殿にわたくしとエクムント様は耳を傾ける。
「フィンガーブレスレットの男性用のものがあると聞いたのです」
「あれをつけたら、私は変身できるのではないかと思っています!」
「強く見えるし格好いいのではないかと思っています」
「私たちにフィンガーブレスレットを作ってくれませんか?」
そういえばデニス殿とゲオルグ殿は夏休みに来たときにも強いという言葉に並々ならぬ執着を見せていた。
強く見せたいし、強くなりたいお年頃なのだろう。
「私は作れませんが、強そうなフィンガーブレスレットを注文しておきましょう」
「男性の着けるフィンガーブレスレットも素敵なのですよ」
「ありがとうございます、エクムント様、エリザベート夫人!」
「これで変身できます!」
「変身はできないかもしれませんが」
「気持ちの問題です!」
ゲオルグ殿は気持ちの問題で変身できるのだという。フィンガーブレスレットは確かに前世の変身するヒーローのおもちゃに似ているような気がするので、変身ごっこをするときには有効なのかもしれない。
この世界に変身できるヒーローが広まっているのかは分からないが、男子はそういうものに憧れるのだろう。
デニス殿とゲオルグ殿がわたくしたちの返事に満足してそれぞれにお茶をしに行ってしまった後で、ケヴィン殿とフランツがわたくしたちのそばに寄ってきた。
「エクムント叔父上、私もフィンガーブレスレットが欲しいのです」
「エリザベートお姉様、私も……」
ケヴィン殿とフランツもフィンガーブレスレットが欲しかった。
男性用のフィンガーブレスレットはお洒落としても、格好いいものとしても広がっているので、ケヴィン殿とフランツが欲しがっても不思議ではないだろう。
「ケヴィンとフランツ殿の分も注文しましょう」
「フィンガーブレスレットは流行っていますからね」
「手の甲の部分に大きめのガラスビーズを付けてください」
「私もお願いします」
「そのように注文しましょう」
「色は何色がいいですか?」
「紫がいいです!」
「黒がいいです!」
なんだか独特なフィンガーブレスレットができそうな気がしていたが、わたくしはケヴィン殿とフランツの好みには口出ししないことにした。
注文を取っているとオリヴァー殿がエクムント様のそばにやってくる。辺境伯領でフィンガーブレスレットの製造を任されているのはシュタール家だった。
「シュタール侯爵、注文が入っています」
「聞いていました。手の甲の部分に大きめのガラスビーズを付けた、男性用のフィンガーブレスレットですね」
「よろしくお願いします」
「男性用のフィンガーブレスレットも流行っていて、シュタール家は注文をたくさんもらっているのでありがたいことです」
「フィンガーブレスレットで変身できるとゲオルグ殿が言っていましたが、何かあるのですか?」
わたくしの問いかけに、オリヴァー殿が答えてくれる。
「エリザベート夫人の元侍女だったマルレーンという作家が、少年向けに物語を書き始めたようで、その中ではドラゴンの血を引く主人公が、手の甲に刻まれた紋章をかざしてドラゴンの力を解放して変身するのです」
なるほど。
マルレーンはそんなものまで書いていたのか。
そういうものはこれまでこの世界にはなかったようだし、国中の男子がその物語に熱狂しているという。
『公爵令嬢と辺境伯の婚約から始まる恋』や『男装の令嬢は辺境伯に溺愛される』といった恋愛ものだけでなく、マルレーンは変身するアクションものまで書けるのか。多彩なマルレーンの才能にわたくしは驚いていた。
「これからも辺境伯領はますます栄えますよ」
オリヴァー殿の表情に、辺境伯領の未来は明るいのではないかと思っていた。
王宮では辺境伯家用の客室があって、わたくしとエクムント様は二人きりでその部屋を使う。
家族が増えたときでも構わないようにその部屋は広く、ベビーベッドや子ども用のベッドが入れられるようになっている。広い部屋に二人きりというのも寂しくはあるが、そのうちに家族が増えることをわたくしは密やかに願っていた。
エクムント様は今は子どもを望んでいないし、わたくしも自分のことで手一杯で子どもを望める立場ではないのだが、もう少し落ち着いたら産めるのならばエクムント様の子どもを産みたいとわたくしは思っていた。妊娠や出産を軽んじるつもりはないが、わたくしはまだ若いし健康なので、産めるものならば産みたい。
愛するひととの間に子どもを望むことがいけないことだなんて誰も言わない。辺境伯家の後継ぎを願うものが多いくらいなのだ。
エクムント様に相談すると急がなくてもいいと言われそうなので自分の胸の中にだけしまっておく。
翌朝のお散歩ではユリアーナ殿下が新しく仲間に入ったケヴィン殿とフリーダ嬢の実力を試していた。
「あの柱に向かって雪玉を投げてください」
言われた通りにしたケヴィン殿は柱に命中させるし、フリーダ嬢は少しずれてしまったが柱を通り越すほどの実力の持ち主だった。
「すごいですね。本当に雪合戦は初めてですか?」
「雪遊びは姉としていました」
「雪合戦をするのは初めてですが、ボール投げはよくしていました」
ケヴィン殿とフリーダ嬢の答えにユリアーナ殿下も納得したようだった。
チーム分けを考えていく。
「今回、ケヴィン殿という年齢も一番上の男子が参加することになったので、今年も男子チームと女子チームで戦うことにしましょう」
「お仲間には入れて嬉しいです、ケヴィンです。よろしくお願いします」
「フリーダです。兄共々よろしくお願いします」
ケヴィン殿が最年長、フリーダ嬢はその次のフランツと同じ年ということで、男子チームも女子チームも盛り上がっていた。
「フリーダ、妹とはいえ、手加減はしないよ」
「お兄様、それはこっちの台詞です」
火花を散らすケヴィン殿とフリーダ殿が入った雪合戦は白熱した。
女子チームは作戦を立ててナターリエ嬢とマリアが雪玉をひたすら作り、ユリアーナ殿下とフリーダ嬢が投げていたのだが、フリーダ嬢がものすごく強い。次々と当ててフランツもデニス殿もゲオルグ殿も雪の中に沈めていく。対する男子チームはケヴィン殿がナターリエ嬢とマリアの雪玉を作っている場所を狙おうとする。
「お兄様、させません!」
「退け、フリーダ! 雪玉をぶつけられたいのか?」
「お兄様のへろへろの玉などぶつけられても平気ですわ!」
兄弟の戦いが熾烈になる中、ユリアーナ殿下が横からケヴィン殿を狙って、何度もぶつけて、最終的にぶつけられた回数が一番少ないユリアーナ殿下のいる女子チームが勝利した。
「次はもっと策を練りましょう。フランツ殿、デニス殿、ゲオルグ殿」
「はい。悔しいですが、今回は負けということで」
「次は負けません!」
「次こそは勝ちます」
作戦以前に、男子チームはもっとチームワークが必要なのではないかとわたくしは思っていたが、どちらかに肩入れすると問題になりそうだったので特に口には出さなかった。
国王陛下の生誕の式典は昼食会から始まって、わたくしは葡萄酒をグラスに注がれそうになったが、葡萄ジュースに変えてもらった。
「国王陛下の生誕の式典のお祝いの言葉を述べさせていただきます、ユストゥス・ディッペルです。国王陛下は私と同級生で学園を卒業し、私と同じころに国王の座に着きました。学園生活では学友でしたが、卒業してからも私と国王陛下は戦友のようなものでした。これからも国王陛下がこの国の統治という戦場で戦っていけるように、ディッペル家としても支えていきたいと思います。この度は国王陛下、本当におめでとうございます!」
挨拶を頼まれたのはディッペル家の父だった。父がグラスを持ち上げると貴族たちが全員立ち上がって乾杯をする。
「ありがとう、ディッペル公爵」
国王陛下も礼を言いながらグラスを持ち上げていた。
お茶会ではフランツもマリアも、デニス殿もゲオルグ殿も、ガブリエラ嬢もケヴィン殿もフリーダ嬢も、ナターリエ嬢も、ユリアーナ殿下も来られて、会場はとても賑やかになっていた。
「エクムント様、お願いがあります」
「エリザベート夫人にもお願いがあります」
真剣な表情のデニス殿とケヴィン殿にわたくしとエクムント様は耳を傾ける。
「フィンガーブレスレットの男性用のものがあると聞いたのです」
「あれをつけたら、私は変身できるのではないかと思っています!」
「強く見えるし格好いいのではないかと思っています」
「私たちにフィンガーブレスレットを作ってくれませんか?」
そういえばデニス殿とゲオルグ殿は夏休みに来たときにも強いという言葉に並々ならぬ執着を見せていた。
強く見せたいし、強くなりたいお年頃なのだろう。
「私は作れませんが、強そうなフィンガーブレスレットを注文しておきましょう」
「男性の着けるフィンガーブレスレットも素敵なのですよ」
「ありがとうございます、エクムント様、エリザベート夫人!」
「これで変身できます!」
「変身はできないかもしれませんが」
「気持ちの問題です!」
ゲオルグ殿は気持ちの問題で変身できるのだという。フィンガーブレスレットは確かに前世の変身するヒーローのおもちゃに似ているような気がするので、変身ごっこをするときには有効なのかもしれない。
この世界に変身できるヒーローが広まっているのかは分からないが、男子はそういうものに憧れるのだろう。
デニス殿とゲオルグ殿がわたくしたちの返事に満足してそれぞれにお茶をしに行ってしまった後で、ケヴィン殿とフランツがわたくしたちのそばに寄ってきた。
「エクムント叔父上、私もフィンガーブレスレットが欲しいのです」
「エリザベートお姉様、私も……」
ケヴィン殿とフランツもフィンガーブレスレットが欲しかった。
男性用のフィンガーブレスレットはお洒落としても、格好いいものとしても広がっているので、ケヴィン殿とフランツが欲しがっても不思議ではないだろう。
「ケヴィンとフランツ殿の分も注文しましょう」
「フィンガーブレスレットは流行っていますからね」
「手の甲の部分に大きめのガラスビーズを付けてください」
「私もお願いします」
「そのように注文しましょう」
「色は何色がいいですか?」
「紫がいいです!」
「黒がいいです!」
なんだか独特なフィンガーブレスレットができそうな気がしていたが、わたくしはケヴィン殿とフランツの好みには口出ししないことにした。
注文を取っているとオリヴァー殿がエクムント様のそばにやってくる。辺境伯領でフィンガーブレスレットの製造を任されているのはシュタール家だった。
「シュタール侯爵、注文が入っています」
「聞いていました。手の甲の部分に大きめのガラスビーズを付けた、男性用のフィンガーブレスレットですね」
「よろしくお願いします」
「男性用のフィンガーブレスレットも流行っていて、シュタール家は注文をたくさんもらっているのでありがたいことです」
「フィンガーブレスレットで変身できるとゲオルグ殿が言っていましたが、何かあるのですか?」
わたくしの問いかけに、オリヴァー殿が答えてくれる。
「エリザベート夫人の元侍女だったマルレーンという作家が、少年向けに物語を書き始めたようで、その中ではドラゴンの血を引く主人公が、手の甲に刻まれた紋章をかざしてドラゴンの力を解放して変身するのです」
なるほど。
マルレーンはそんなものまで書いていたのか。
そういうものはこれまでこの世界にはなかったようだし、国中の男子がその物語に熱狂しているという。
『公爵令嬢と辺境伯の婚約から始まる恋』や『男装の令嬢は辺境伯に溺愛される』といった恋愛ものだけでなく、マルレーンは変身するアクションものまで書けるのか。多彩なマルレーンの才能にわたくしは驚いていた。
「これからも辺境伯領はますます栄えますよ」
オリヴァー殿の表情に、辺境伯領の未来は明るいのではないかと思っていた。
206
お気に入りに追加
1,691
あなたにおすすめの小説

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた
菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…?
※他サイトでも掲載中しております。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる