470 / 528
十三章 わたくしの結婚
28.クリスタとハインリヒ殿下の運動会はダンスで参加
しおりを挟む
長い夏休みが終わって、学園に戻ると学園は運動会の雰囲気に染まっていた。その中でわたくしは卒業論文も仕上げなければいけない。
ノルベルト殿下はどのような卒業論文を書いていたのか。ノエル殿下はどのような卒業論文を書いていたのか。わたくしとは分野が違うだろうから参考にはならないかもしれないが、わたくしは気にしていた。
ハインリヒ殿下もオリヴァー殿もミリヤム嬢もそれぞれのテーマで卒業論文の準備をしている様子だった。
その合間に運動会の練習もする。
運動会は今年はハインリヒ殿下とクリスタは出る競技を変えるようだった。
「ノエル殿下とノルベルト殿下がダンスで毎年圧倒的な一位を取っていたのを尊敬していたのです」
「私とクリスタ嬢は一緒に運動会に出られるのが今年で最後になるので、ダンスで出ようかと思っています」
ノエル殿下とノルベルト殿下のダンスは本当に素晴らしかった。
お二人のダンスを尊敬してクリスタとハインリヒ殿下がダンスの競技に出るというのはいいことなのではないだろうか。
レーニ嬢とミリヤム嬢は例年通りに大縄跳び、オリヴァー殿はリレー、わたくしは乗馬、リーゼロッテ嬢は走り幅跳びで参加することになった。
ずっとクリスタと一緒だったのに、今年はペオーニエ寮でクリスタと別々になってしまったレーニ嬢は、寂しさなど全く見せずに元気に練習に向かっていた。ミリヤム嬢もローゼン寮の同級生と一緒に練習に励んでいる。
リーゼロッテ嬢とオリヴァー殿は自主練習に励んでいるようだ。
クリスタとハインリヒ殿下はダンスの音楽を口ずさみながら時間があれば体育館を借りて練習していた。他のペアも体育館で練習している。
わたくしは乗馬の練習もしつつ、卒業論文の資料集めもしていた。
卒業論文を書くために一度、辺境伯家の書庫に資料を借りに行かせてもらった方がいいのかもしれない。
冬休みには資料を辺境伯家に借りに行っていいか、まず両親に手紙を書いて、了承してもらってから、辺境伯家のエクムント様宛てに手紙を書いて、わたくしは約束を取り付けていた。
運動会の結果は、練習した甲斐があって、ハインリヒ殿下とクリスタがダンスで一位を取り、大縄跳びではレーニ嬢率いるペオーニエ寮が一位を取り、リレーではオリヴァー殿の活躍があってリーリエ寮が一位を取って、走り幅跳びはリーゼロッテ嬢の努力が報われてリーリエ寮が一位だった。残念ながらミリヤム嬢のローゼン寮は負けてしまったけれど、ペオーニエ寮との差は二回だけだったので、二位にはなれた。
それでも、結果としてペオーニエ寮が優勝、リーリエ寮が二位、ローゼン寮が三位だった。
学力ではペオーニエ寮が圧倒的なのだが、運動会でもこんなにも差が出るとは思っていなかった。
それも地道な努力の結果であることはわたくしも知っていた。
学年末の試験では、わたくしとハインリヒ殿下が六年生の首席、オリヴァー殿とミリヤム嬢は五位以内だった。クリスタは五年生の首席でレーニ嬢が二位、リーゼロッテ嬢は堂々の四年生の首席だった。
「来年度にはガブリエラ嬢が学園に入学します。ノエル殿下は六年生までお茶会の主催を務めました。お姉様は五年生で譲られたけれど、わたくしは六年生までお茶会の主催を務めて、リーゼロッテ嬢に譲って卒業しようと思います」
「そのときにはご指導ください、クリスタ様」
「リーゼロッテ嬢はガブリエラ嬢に教えてあげてくださいね。ガブリエラ嬢の後はフランツが入学してきて、マリアにユリアーナ殿下にデニス殿にナターリエ嬢に、学園もこのお茶会も賑やかになります」
フランツも来年の春には十歳になる。学園に入学するまで残り二年になるのだ。マリアとユリアーナ殿下とデニス殿とナターリエ嬢はフランツの二学年下だから、そのまた二年後に入学してくる。
フランツの話になるとレーニ嬢が嬉しそうな顔をしているのが分かった。
「フランツ殿が入学してくるときには、わたくしは卒業しているのが残念ですわ」
「フランツもレーニ嬢と一緒に学園で勉強したかったでしょうね」
「年齢差があるのは最初から分かって婚約したのですもの。仕方がないとは理解しています」
物わかりのいいレーニ嬢にわたくしはフランツの婚約者がレーニ嬢でよかったと心から思ってしまう。レーニ嬢はクリスタがわたくしとエクムント様が羨ましくて暴走しかけていたときにも、フランツとのエピソードを語って、エクムント様はエクムント様の、ハインリヒ殿下はハインリヒ殿下の、フランツにはフランツの愛し方があるのだとクリスタを諭した。
あのときのレーニ嬢の姿は忘れられない。
あれ以降クリスタも暴走しなくなったし、今は皇太子妃になるに向けて立派な淑女であろうと努力している。その姿を見てわたくしもますます努力しなければいけないと思わされた。
年下だがレーニ嬢もクリスタも本当にわたくしが見違えるほどに成長したものだと感心してしまう。
「ガブリエラ嬢には弟と妹がいましたね。ケヴィン殿とフリーダ嬢でしたでしょうか」
「ケヴィン殿がフランツの一つ上で、フリーダ嬢が同じ年だったと思います」
「キルヒマン家の方々がいるので、フランツ殿も安心ですね」
ディッペル家とキルヒマン家は昔から仲が良かった。
シュレーゼマン子爵家の娘だった母は、ディッペル公爵家とつり合いが取れないので、キルヒマン家に一度養子に行ってからディッペル公爵家に嫁いできたのだ。
わたくしもクリスタも小さいころには前のキルヒマン侯爵夫妻にとても可愛がっていただいた。
今のキルヒマン侯爵はエクムント様のお兄様だし、わたくしとガブリエラ嬢は義理の叔母と姪になるのだから繋がりは深い。
わたくしとエクムント様の結婚式にガブリエラ嬢をお招きするという約束をわたくしはしていたのを思い出す。
エクムント様にとってもガブリエラ嬢とケヴィン殿とフリーダ嬢は可愛い姪と甥のようなので、辺境伯領にも招かれることだろう。
学園に入学するようになったら、ガブリエラ嬢とケヴィン殿とフリーダ嬢もわたくしたちディッペル家の家族のように毎年辺境伯家に来るかもしれない。そうなったらわたくしは迎える方として辺境伯家でガブリエラ嬢とケヴィン殿とフリーダ嬢を歓迎しなければいけない。
「前のキルヒマン侯爵夫妻はわたくしとエクムント様の結婚式に来てくださるでしょうか」
ぽつりと呟くとクリスタの耳にはそれが聞こえていたようだ。
「前のキルヒマン侯爵夫妻は、エクムント様の実のご両親ではないですか。来てくださると思いますよ」
「そうですよね。わたくし、前のキルヒマン侯爵夫妻のお茶会に招かれて、ピアノを弾いたのを覚えています」
あのとき、前のキルヒマン侯爵夫妻はわたくしとクリスタをとても上手だと褒めてくださった。あの日褒められたことがわたくしの自信に繋がっている。今でもわたくしは音楽の中ではピアノが一番得意だった。
「わたくし、お茶会で歌を披露しました。わたくしがなかなか歌いだせなくても、お姉様は何度も前奏を弾いて、わたくしが歌いだせるように待ってくださいました」
「そんなこともありましたね」
「懐かしい思い出です。お姉様のピアノでまた歌いたいですわ」
「クリスタのお誕生日に歌いますか?」
「お姉様がピアノを弾いてくださったら喜んで歌いますわ」
前のキルヒマン侯爵夫妻のお茶会で歌ったことが自信になっているのか、クリスタは音楽では声楽が一番得意だった。クリスタの歌声は澄んで高く、よく響く。美しい歌声を持つクリスタがその特技を今後活かせるのかどうかは分からないが、皇太子妃として歌声を披露する場面があったらいいのにとわたくしは思わずにいられない。
わたくしとクリスタは約束をして、冬休み前の最後のお茶会を終えた。
ノルベルト殿下はどのような卒業論文を書いていたのか。ノエル殿下はどのような卒業論文を書いていたのか。わたくしとは分野が違うだろうから参考にはならないかもしれないが、わたくしは気にしていた。
ハインリヒ殿下もオリヴァー殿もミリヤム嬢もそれぞれのテーマで卒業論文の準備をしている様子だった。
その合間に運動会の練習もする。
運動会は今年はハインリヒ殿下とクリスタは出る競技を変えるようだった。
「ノエル殿下とノルベルト殿下がダンスで毎年圧倒的な一位を取っていたのを尊敬していたのです」
「私とクリスタ嬢は一緒に運動会に出られるのが今年で最後になるので、ダンスで出ようかと思っています」
ノエル殿下とノルベルト殿下のダンスは本当に素晴らしかった。
お二人のダンスを尊敬してクリスタとハインリヒ殿下がダンスの競技に出るというのはいいことなのではないだろうか。
レーニ嬢とミリヤム嬢は例年通りに大縄跳び、オリヴァー殿はリレー、わたくしは乗馬、リーゼロッテ嬢は走り幅跳びで参加することになった。
ずっとクリスタと一緒だったのに、今年はペオーニエ寮でクリスタと別々になってしまったレーニ嬢は、寂しさなど全く見せずに元気に練習に向かっていた。ミリヤム嬢もローゼン寮の同級生と一緒に練習に励んでいる。
リーゼロッテ嬢とオリヴァー殿は自主練習に励んでいるようだ。
クリスタとハインリヒ殿下はダンスの音楽を口ずさみながら時間があれば体育館を借りて練習していた。他のペアも体育館で練習している。
わたくしは乗馬の練習もしつつ、卒業論文の資料集めもしていた。
卒業論文を書くために一度、辺境伯家の書庫に資料を借りに行かせてもらった方がいいのかもしれない。
冬休みには資料を辺境伯家に借りに行っていいか、まず両親に手紙を書いて、了承してもらってから、辺境伯家のエクムント様宛てに手紙を書いて、わたくしは約束を取り付けていた。
運動会の結果は、練習した甲斐があって、ハインリヒ殿下とクリスタがダンスで一位を取り、大縄跳びではレーニ嬢率いるペオーニエ寮が一位を取り、リレーではオリヴァー殿の活躍があってリーリエ寮が一位を取って、走り幅跳びはリーゼロッテ嬢の努力が報われてリーリエ寮が一位だった。残念ながらミリヤム嬢のローゼン寮は負けてしまったけれど、ペオーニエ寮との差は二回だけだったので、二位にはなれた。
それでも、結果としてペオーニエ寮が優勝、リーリエ寮が二位、ローゼン寮が三位だった。
学力ではペオーニエ寮が圧倒的なのだが、運動会でもこんなにも差が出るとは思っていなかった。
それも地道な努力の結果であることはわたくしも知っていた。
学年末の試験では、わたくしとハインリヒ殿下が六年生の首席、オリヴァー殿とミリヤム嬢は五位以内だった。クリスタは五年生の首席でレーニ嬢が二位、リーゼロッテ嬢は堂々の四年生の首席だった。
「来年度にはガブリエラ嬢が学園に入学します。ノエル殿下は六年生までお茶会の主催を務めました。お姉様は五年生で譲られたけれど、わたくしは六年生までお茶会の主催を務めて、リーゼロッテ嬢に譲って卒業しようと思います」
「そのときにはご指導ください、クリスタ様」
「リーゼロッテ嬢はガブリエラ嬢に教えてあげてくださいね。ガブリエラ嬢の後はフランツが入学してきて、マリアにユリアーナ殿下にデニス殿にナターリエ嬢に、学園もこのお茶会も賑やかになります」
フランツも来年の春には十歳になる。学園に入学するまで残り二年になるのだ。マリアとユリアーナ殿下とデニス殿とナターリエ嬢はフランツの二学年下だから、そのまた二年後に入学してくる。
フランツの話になるとレーニ嬢が嬉しそうな顔をしているのが分かった。
「フランツ殿が入学してくるときには、わたくしは卒業しているのが残念ですわ」
「フランツもレーニ嬢と一緒に学園で勉強したかったでしょうね」
「年齢差があるのは最初から分かって婚約したのですもの。仕方がないとは理解しています」
物わかりのいいレーニ嬢にわたくしはフランツの婚約者がレーニ嬢でよかったと心から思ってしまう。レーニ嬢はクリスタがわたくしとエクムント様が羨ましくて暴走しかけていたときにも、フランツとのエピソードを語って、エクムント様はエクムント様の、ハインリヒ殿下はハインリヒ殿下の、フランツにはフランツの愛し方があるのだとクリスタを諭した。
あのときのレーニ嬢の姿は忘れられない。
あれ以降クリスタも暴走しなくなったし、今は皇太子妃になるに向けて立派な淑女であろうと努力している。その姿を見てわたくしもますます努力しなければいけないと思わされた。
年下だがレーニ嬢もクリスタも本当にわたくしが見違えるほどに成長したものだと感心してしまう。
「ガブリエラ嬢には弟と妹がいましたね。ケヴィン殿とフリーダ嬢でしたでしょうか」
「ケヴィン殿がフランツの一つ上で、フリーダ嬢が同じ年だったと思います」
「キルヒマン家の方々がいるので、フランツ殿も安心ですね」
ディッペル家とキルヒマン家は昔から仲が良かった。
シュレーゼマン子爵家の娘だった母は、ディッペル公爵家とつり合いが取れないので、キルヒマン家に一度養子に行ってからディッペル公爵家に嫁いできたのだ。
わたくしもクリスタも小さいころには前のキルヒマン侯爵夫妻にとても可愛がっていただいた。
今のキルヒマン侯爵はエクムント様のお兄様だし、わたくしとガブリエラ嬢は義理の叔母と姪になるのだから繋がりは深い。
わたくしとエクムント様の結婚式にガブリエラ嬢をお招きするという約束をわたくしはしていたのを思い出す。
エクムント様にとってもガブリエラ嬢とケヴィン殿とフリーダ嬢は可愛い姪と甥のようなので、辺境伯領にも招かれることだろう。
学園に入学するようになったら、ガブリエラ嬢とケヴィン殿とフリーダ嬢もわたくしたちディッペル家の家族のように毎年辺境伯家に来るかもしれない。そうなったらわたくしは迎える方として辺境伯家でガブリエラ嬢とケヴィン殿とフリーダ嬢を歓迎しなければいけない。
「前のキルヒマン侯爵夫妻はわたくしとエクムント様の結婚式に来てくださるでしょうか」
ぽつりと呟くとクリスタの耳にはそれが聞こえていたようだ。
「前のキルヒマン侯爵夫妻は、エクムント様の実のご両親ではないですか。来てくださると思いますよ」
「そうですよね。わたくし、前のキルヒマン侯爵夫妻のお茶会に招かれて、ピアノを弾いたのを覚えています」
あのとき、前のキルヒマン侯爵夫妻はわたくしとクリスタをとても上手だと褒めてくださった。あの日褒められたことがわたくしの自信に繋がっている。今でもわたくしは音楽の中ではピアノが一番得意だった。
「わたくし、お茶会で歌を披露しました。わたくしがなかなか歌いだせなくても、お姉様は何度も前奏を弾いて、わたくしが歌いだせるように待ってくださいました」
「そんなこともありましたね」
「懐かしい思い出です。お姉様のピアノでまた歌いたいですわ」
「クリスタのお誕生日に歌いますか?」
「お姉様がピアノを弾いてくださったら喜んで歌いますわ」
前のキルヒマン侯爵夫妻のお茶会で歌ったことが自信になっているのか、クリスタは音楽では声楽が一番得意だった。クリスタの歌声は澄んで高く、よく響く。美しい歌声を持つクリスタがその特技を今後活かせるのかどうかは分からないが、皇太子妃として歌声を披露する場面があったらいいのにとわたくしは思わずにいられない。
わたくしとクリスタは約束をして、冬休み前の最後のお茶会を終えた。
267
お気に入りに追加
1,684
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる