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十三章 わたくしの結婚
27.ウエディングドレスのデザイン
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わたくしのお誕生日のお茶会の日、エクムント様はディッペル家に泊まられた。
夕食のときに両親がエクムント様に話しかけていた。
「エリザベートの結婚式の衣装はエリザベートの意見を聞いて、ディッペル家で用意していいですか?」
「エクムント殿のご要望などはありませんか?」
両親の問いかけにエクムント様が答える。
「できる限り肌を出さないものをとは伝えてあります。辺境伯領の日差しは強いので、エリザベート嬢の肌が火傷のようになってしまったらいけませんからね」
「それ以外ではデザインなどこうしてほしいということはありませんか?」
「今のうちに言っておいてくださったらご要望に応えられます」
わたくしもエクムント様のご要望は聞いておきたかったので、エクムント様の横に座って耳をそばだてる。少し考えてエクムント様は答えた。
「辺境伯領の特産品の紫の布で作ったリボンを飾ってもらえると嬉しいですね。私は辺境伯領の特産品の紫の布で作ったシャツを着るつもりなので」
「お揃いにするのですね」
「それはいい考えだと思います。一番薄い紫ならば、ウエディングドレスの純白にもよく合うと思いますし」
婚約したときは夢のように遠く感じられていた結婚式が現実味を帯びてくる。
もう少しでわたくしは辺境伯領に嫁ぐのだ。結婚できる年齢になったということもじわじわとわたくしの胸に広がってきた。
わたくしが頷いて話を聞いていると、エクムント様がわたくしに向き直る。
「薔薇の花が飾られたウエディングドレス、あれはお似合いになると思いますよ」
「王宮の書庫で見たデザインですね」
肩や腰に薔薇の花が飾られて、ヴェールの裾にも薔薇の花が飾られて、薔薇の花の刺繍の入ったウエディングドレスが王宮の書庫の書物の中にあった。あのデザインをエクムント様は気に入っていらっしゃるようだ。
「どのようなデザインなのか教えてくれますか?」
「左肩、左の腰に薔薇を飾って、短めのヴェールの裾にも薔薇を飾って、ドレスにも薔薇の刺繍を施すデザインです。白黒の印刷だったので、色は分かりませんでしたが、薔薇は赤と紫がいいのではないかとわたくしは思っています」
「あえて白薔薇ではないようにするのですね」
「エリザベートもそれで気に入ったのだったら、その方向で進めよう」
両親も賛成してくれてわたくしのウエディングドレスのデザインは決まりそうだった。
辺境伯夫人となるわたくしのウエディングドレスなのだから、一から縫って、刺繍も全部手で施すことになるだろう。
「胸元にもスカートにも刺繍が施されていました。あれを銀糸で行えばいいのではないかと思います」
「エリザベート嬢には銀が似合いますからね」
「リボンの中央には金糸で刺繍を施してもらいたいのです」
「銀と金を合わせるのですか?」
「エクムント様の目は金色でしょう? わたくし、エクムント様の色を纏って結婚したいのです」
金糸と銀糸が混じるのは珍しいかもしれないが、きっとあうだろうとわたくしは思っていた。何よりもエクムント様の金色の目と同じ色を纏って結婚したかったのだ。
「それではディッペル家で誂えさせますね」
「エクムント殿、楽しみにしていてください」
両親に言われてエクムント様は頷いていた。
夕食の後わたくしとエクムント様は二人きりで食堂のソファに残って話をしていた。お茶会から夕食までの間に楽な格好に着替えていたので、わたくしはワンピース、エクムント様はシャツとスラックス姿だった。
「学園では六年生のときに卒業論文を書くのだと聞いています。もう書き始めているのですか?」
エクムント様に聞かれてわたくしは答える。
「五年生のときにハインリヒ殿下とオリヴァー殿とミリヤム嬢と一緒に合同で辺境伯領の歴史と特産品について発表しました。その延長線上で、わたくしは辺境伯領の歴史とこれからについて卒業論文を書いています」
「辺境伯領のことを勉強してくださっているのですね」
「わたくしも辺境伯夫人になるのです。自分の暮らす場所のことを全く説明できないようだったら恥ずかしいと思いまして」
辺境伯夫人になったときのことを考えて卒業論文のテーマを選んだのだが、意識しすぎているかもしれないとわたくしは恥ずかしくなってくる。わたくしの頭が辺境伯領のことでいっぱいなのをエクムント様に知られてしまった気がする。
「勉強してくださるのは嬉しいです。エリザベート嬢とは共に辺境伯領を治める夫婦になりたいのです。もし私の身に何かあれば、後継が育つまではエリザベート嬢が後ろ盾となって守ってくだされば私も安心です」
「エクムント様の身に何かあるなどと仰らないでください」
そんなことになればわたくしは正気でいられる自信がなかった。けれどエクムント様はわたくしの手を握って真剣に言う。
「今は平和ですが、国が荒れれば海に面した辺境伯領は一番に攻め込まれます。そのときに、オルヒデー帝国を守る辺境伯領の領主として、海軍の総司令官として、私が戦場に出ることもあるでしょう」
「平和を守る努力の方をわたくしはしたいです。この国がどの国からも攻められないようにしていきたいです」
「エリザベート嬢の言うように平和が守られるのが一番です。ただ、万が一のことがないとは言えませんからね」
そのときには、エリザベート嬢が後継を育ててください。
エクムント様の言葉に、わたくしは辺境伯領という厳しい場所に嫁ぐのだという覚悟が決まった。エクムント様のためにもこの国には平和であってもらわねばならない。そのために皇太子妃となるクリスタと連携してこの国を守って行こうとわたくしは心に決めていた。
その日は自分の部屋でゆっくり休んで、翌朝、フランツとマリアに起こされると、二人は意外なことを口にした。
「私たち、ディッペル家に住んでいますが、お屋敷が広くて隅から隅までは見たことがありません」
「エクムント様の泊っている部屋を見せていただきたいのです」
それはエクムント様に聞かなければいけないが、わたくしも実はエクムント様の泊っている部屋をちゃんと見たことがなかったので、エクムント様のことを知れるという意味で心拍数が上がってきた。
エクムント様が泊っている部屋を訪ねると、エクムント様は支度を終えて部屋から出てくるところだった。
エクムント様の姿が見えるとフランツとマリアが廊下を駆けて行って、エクムント様にお願いする。
「エクムント様の泊っているお部屋を見せてもらえませんか?」
「このお部屋は、辺境伯のために用意されているのですよね」
勢いよく突撃していくフランツとマリアに、エクムント様が笑顔で答える。
「私が使っている状態でよければ見て行ってください」
「よろしくお願いします!」
「お邪魔します!」
元気よくエクムント様の部屋に入っていくフランツとマリアに、わたくしとクリスタが戸惑っていると、エクムント様が招いてくださる。
「紅茶を入れさせましょうか。ソファセットもあるので、座って寛げますよ」
独身男性の泊っている部屋に入るだなんて、はしたないような気もするのだが、好奇心に負けてわたくしは部屋の中に入った。クリスタは部屋の外で待っていると決めたようだ。
夫婦用と思われる広いダブルベッドが置いてあって、窓際に小さな机と椅子が置いてあって、カーテンは重厚なワインレッドで、ベッドカバーもワインレッドのエクムント様の泊っている部屋。ソファに座ると、フランツとマリアもソファに座ってきた。
「エリザベートお姉様は結婚したら、ディッペル家に来たときにこのお部屋に泊まるのですか?」
「そうなるでしょうね」
「エリザベートお姉様が結婚したら、このお部屋を訪ねてもいいですか?」
「それは構いませんよ。いいですよね、エクムント様?」
「もちろん構いません」
わたくしが結婚した後にこの部屋に泊まるのを予想してフランツとマリアはこの部屋を見に来たかったようだ。
庭を見下ろせる場所で、日当たりもよくとてもいい部屋だということは分かる。
フランツとマリアが部屋を探検している間、わたくしは紅茶を飲んで気持ちを落ち着けていた。
朝食を食べ終わるとエクムント様は馬車に乗って帰って行った。
帰るエクムント様をわたくしは馬車が見えなくなるまで手を振って見送った。
こうして離れる寂しさを味わうのはあと少しだけ。
結婚すればわたくしもエクムント様と一緒に辺境伯領に帰るのだと思いながら。
夕食のときに両親がエクムント様に話しかけていた。
「エリザベートの結婚式の衣装はエリザベートの意見を聞いて、ディッペル家で用意していいですか?」
「エクムント殿のご要望などはありませんか?」
両親の問いかけにエクムント様が答える。
「できる限り肌を出さないものをとは伝えてあります。辺境伯領の日差しは強いので、エリザベート嬢の肌が火傷のようになってしまったらいけませんからね」
「それ以外ではデザインなどこうしてほしいということはありませんか?」
「今のうちに言っておいてくださったらご要望に応えられます」
わたくしもエクムント様のご要望は聞いておきたかったので、エクムント様の横に座って耳をそばだてる。少し考えてエクムント様は答えた。
「辺境伯領の特産品の紫の布で作ったリボンを飾ってもらえると嬉しいですね。私は辺境伯領の特産品の紫の布で作ったシャツを着るつもりなので」
「お揃いにするのですね」
「それはいい考えだと思います。一番薄い紫ならば、ウエディングドレスの純白にもよく合うと思いますし」
婚約したときは夢のように遠く感じられていた結婚式が現実味を帯びてくる。
もう少しでわたくしは辺境伯領に嫁ぐのだ。結婚できる年齢になったということもじわじわとわたくしの胸に広がってきた。
わたくしが頷いて話を聞いていると、エクムント様がわたくしに向き直る。
「薔薇の花が飾られたウエディングドレス、あれはお似合いになると思いますよ」
「王宮の書庫で見たデザインですね」
肩や腰に薔薇の花が飾られて、ヴェールの裾にも薔薇の花が飾られて、薔薇の花の刺繍の入ったウエディングドレスが王宮の書庫の書物の中にあった。あのデザインをエクムント様は気に入っていらっしゃるようだ。
「どのようなデザインなのか教えてくれますか?」
「左肩、左の腰に薔薇を飾って、短めのヴェールの裾にも薔薇を飾って、ドレスにも薔薇の刺繍を施すデザインです。白黒の印刷だったので、色は分かりませんでしたが、薔薇は赤と紫がいいのではないかとわたくしは思っています」
「あえて白薔薇ではないようにするのですね」
「エリザベートもそれで気に入ったのだったら、その方向で進めよう」
両親も賛成してくれてわたくしのウエディングドレスのデザインは決まりそうだった。
辺境伯夫人となるわたくしのウエディングドレスなのだから、一から縫って、刺繍も全部手で施すことになるだろう。
「胸元にもスカートにも刺繍が施されていました。あれを銀糸で行えばいいのではないかと思います」
「エリザベート嬢には銀が似合いますからね」
「リボンの中央には金糸で刺繍を施してもらいたいのです」
「銀と金を合わせるのですか?」
「エクムント様の目は金色でしょう? わたくし、エクムント様の色を纏って結婚したいのです」
金糸と銀糸が混じるのは珍しいかもしれないが、きっとあうだろうとわたくしは思っていた。何よりもエクムント様の金色の目と同じ色を纏って結婚したかったのだ。
「それではディッペル家で誂えさせますね」
「エクムント殿、楽しみにしていてください」
両親に言われてエクムント様は頷いていた。
夕食の後わたくしとエクムント様は二人きりで食堂のソファに残って話をしていた。お茶会から夕食までの間に楽な格好に着替えていたので、わたくしはワンピース、エクムント様はシャツとスラックス姿だった。
「学園では六年生のときに卒業論文を書くのだと聞いています。もう書き始めているのですか?」
エクムント様に聞かれてわたくしは答える。
「五年生のときにハインリヒ殿下とオリヴァー殿とミリヤム嬢と一緒に合同で辺境伯領の歴史と特産品について発表しました。その延長線上で、わたくしは辺境伯領の歴史とこれからについて卒業論文を書いています」
「辺境伯領のことを勉強してくださっているのですね」
「わたくしも辺境伯夫人になるのです。自分の暮らす場所のことを全く説明できないようだったら恥ずかしいと思いまして」
辺境伯夫人になったときのことを考えて卒業論文のテーマを選んだのだが、意識しすぎているかもしれないとわたくしは恥ずかしくなってくる。わたくしの頭が辺境伯領のことでいっぱいなのをエクムント様に知られてしまった気がする。
「勉強してくださるのは嬉しいです。エリザベート嬢とは共に辺境伯領を治める夫婦になりたいのです。もし私の身に何かあれば、後継が育つまではエリザベート嬢が後ろ盾となって守ってくだされば私も安心です」
「エクムント様の身に何かあるなどと仰らないでください」
そんなことになればわたくしは正気でいられる自信がなかった。けれどエクムント様はわたくしの手を握って真剣に言う。
「今は平和ですが、国が荒れれば海に面した辺境伯領は一番に攻め込まれます。そのときに、オルヒデー帝国を守る辺境伯領の領主として、海軍の総司令官として、私が戦場に出ることもあるでしょう」
「平和を守る努力の方をわたくしはしたいです。この国がどの国からも攻められないようにしていきたいです」
「エリザベート嬢の言うように平和が守られるのが一番です。ただ、万が一のことがないとは言えませんからね」
そのときには、エリザベート嬢が後継を育ててください。
エクムント様の言葉に、わたくしは辺境伯領という厳しい場所に嫁ぐのだという覚悟が決まった。エクムント様のためにもこの国には平和であってもらわねばならない。そのために皇太子妃となるクリスタと連携してこの国を守って行こうとわたくしは心に決めていた。
その日は自分の部屋でゆっくり休んで、翌朝、フランツとマリアに起こされると、二人は意外なことを口にした。
「私たち、ディッペル家に住んでいますが、お屋敷が広くて隅から隅までは見たことがありません」
「エクムント様の泊っている部屋を見せていただきたいのです」
それはエクムント様に聞かなければいけないが、わたくしも実はエクムント様の泊っている部屋をちゃんと見たことがなかったので、エクムント様のことを知れるという意味で心拍数が上がってきた。
エクムント様が泊っている部屋を訪ねると、エクムント様は支度を終えて部屋から出てくるところだった。
エクムント様の姿が見えるとフランツとマリアが廊下を駆けて行って、エクムント様にお願いする。
「エクムント様の泊っているお部屋を見せてもらえませんか?」
「このお部屋は、辺境伯のために用意されているのですよね」
勢いよく突撃していくフランツとマリアに、エクムント様が笑顔で答える。
「私が使っている状態でよければ見て行ってください」
「よろしくお願いします!」
「お邪魔します!」
元気よくエクムント様の部屋に入っていくフランツとマリアに、わたくしとクリスタが戸惑っていると、エクムント様が招いてくださる。
「紅茶を入れさせましょうか。ソファセットもあるので、座って寛げますよ」
独身男性の泊っている部屋に入るだなんて、はしたないような気もするのだが、好奇心に負けてわたくしは部屋の中に入った。クリスタは部屋の外で待っていると決めたようだ。
夫婦用と思われる広いダブルベッドが置いてあって、窓際に小さな机と椅子が置いてあって、カーテンは重厚なワインレッドで、ベッドカバーもワインレッドのエクムント様の泊っている部屋。ソファに座ると、フランツとマリアもソファに座ってきた。
「エリザベートお姉様は結婚したら、ディッペル家に来たときにこのお部屋に泊まるのですか?」
「そうなるでしょうね」
「エリザベートお姉様が結婚したら、このお部屋を訪ねてもいいですか?」
「それは構いませんよ。いいですよね、エクムント様?」
「もちろん構いません」
わたくしが結婚した後にこの部屋に泊まるのを予想してフランツとマリアはこの部屋を見に来たかったようだ。
庭を見下ろせる場所で、日当たりもよくとてもいい部屋だということは分かる。
フランツとマリアが部屋を探検している間、わたくしは紅茶を飲んで気持ちを落ち着けていた。
朝食を食べ終わるとエクムント様は馬車に乗って帰って行った。
帰るエクムント様をわたくしは馬車が見えなくなるまで手を振って見送った。
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